アンケートの自由記述やお客様の声は、AIに貼って「どの声を根拠にしてよいか」を分けてもらうと、次に直すことが1つに絞れます。2件以上の声が同じことを言っているまとまりを優先し、声同士が食い違うときは、AIはどちらが正しいかを決めず、両方の声を並べて残します。返ってくるのは、次に直すこと、根拠にした声、直したあとの確かめ方を書いた1枚のメモですよ。
「ありがとう」の多いアンケートほど、次の一手が見えにくい
アンケートの「ありがとう」は嬉しいんですが、そこだけ読んで終わると、次に直すことが見えないんですよね。読み終えて「よかった」と思うのに、結局なにも変えないまま次の回が来る。教室や店を一人で回していると、そういう束がたまっていきます。
かと思えば、語気の強い一言が頭に残って、それを直すと決めてしまうこともあります。たとえば「時間が短すぎる。倍にするべきです」と書かれた日は、そればかり考えてしまうものです。
同じ束の中に、もし「90分だと集中が切れる前に終わるので、ちょうどいいです」という声が混ざっていたら、話は変わります。声の大きさと、根拠にしてよいかどうかは別の話なんです。
だから先に、声を全部並べて、どれが本当に困っているのかを分けてみましょう。自分の頭の中でやると強い一言に引っ張られるので、その仕分けをAIに任せるのが、下の依頼文です。
アンケートの自由記述をAIに渡す依頼文
貼るときに差し替えるのは、【入力】の2か所だけです。「教室または店の名前と、やっていること」の欄に自分の教室や店の説明を1行で書き、「アンケートの声」の欄に声を貼ります。
声を書き写すとき、つい読みやすく整えたくなりますが、声は1件1行で、原文のまま貼ってください。言い回しを直すと、メモに引用される声まで変わってしまいます。お客様の名前や連絡先が書かれていたら、その部分は伏せてから貼ってくださいね。
もう1つ大事なのが末尾です。「【題材の見本】」と書かれた行から最後までを消してください。自分の声は、上の【入力】にある「アンケートの声」の欄に貼ります。見本を残したまま貼ると、見本の声と自分の声が混ざってしまいます。
逆に言えば、手元に声を用意する前でも、動きは見られます。【入力】の2か所に見本の1行目と12件を写し、見本は残したまま貼る形です。僕が試したのも、この形でした。
あなたは、小さな教室や個人の店の運営者を手伝う整理役です。下に貼るアンケートの自由記述(お客様の声)だけを材料にして、「次に直すこと」を1つに絞り、1枚のメモにしてください。
【前提】
- 材料は、私が貼った声だけです。Web検索やファイルの読み取りは使わないでください。
- 声は数十件以下で、日付や回答者の属性が分からないものがほとんどです。統計的な分析ではなく、「どの声を根拠にしてよいか」を分ける作業として進めてください。
【入力】
■ 教室または店の名前と、やっていること(1行):
(ここに書く)
■ アンケートの声(1件1行。原文のまま。順番はばらばらで構いません):
(ここに貼る)
【手順】
1. 声に番号を振ります。貼られた順に1, 2, 3...とし、本文は一字も直さず、そのまま使います。件数を数えて、冒頭に「全〇件」と書いてください。
2. 声を1件ずつ、次のどれか1つに分けます。
A. 困りごと(実際に困った、やりにくかった、という報告)
B. 要望(こうしてほしい、という希望)
C. 感謝・ほめ言葉
D. 運営側の見方が混ざった声(理由や事情を決めつけている、運営の都合が書かれている、など)
迷ったら、無理に決めずに「迷い」と書いて理由を一言添えてください。
3. AとBの声について、同じ場面・同じ事柄を言っているものをまとめます。まとまりごとに、仮の名前と、含まれる声の番号を書いてください。
4. まとまりごとに、根拠の強さを次の基準で判定します。
- 2件以上の声が同じ事柄を言っている: 「根拠あり」
- 1件だけだが、具体的な場面が書かれている: 「候補」。直す前に確かめることを1つ添える
- 1件だけで、語気は強いが場面が書かれていない: 「保留」。強い言い方であることは根拠にしない
- 声同士が食い違っている(一方は広げてほしい、他方は減らしてほしい、など): 「割れている」。どちらが正しいかは決めず、両方の声の番号を並べる
- Dの声: 根拠にしない。ただし、確かめる問いのヒントとして別にまとめる
Cの声は直す対象にはしませんが、「今のまま残すべきこと」として別に1〜3行でまとめてください。
5. 次に直すことを1つ選びます。選び方は次の順です。
a. 「根拠あり」のまとまりを優先する。複数あるときは、声の件数が多いもの、次に、直す手間が小さいものを選ぶ
b. 「根拠あり」がなければ、「候補」から、確かめるのが簡単なものを選ぶ
c. 「割れている」ものしかなければ、どちらかに決めず、「両方を小さく試す案」を1つ出す
d. どれも弱いときは、無理に選ばず、「いまは直さず、次回のアンケートで確かめる質問」を1つ出す
選んだ理由を2〜3文で書き、選ばなかったまとまりがあれば、なぜ後回しにしたかを1行ずつ書いてください。
6. 直したあとに何を見て確かめるかを決めます。「満足度」のような広い言葉ではなく、運営者が次の1〜2か月で自分の目で見られること(例: 次回のアンケートに同じ質問を1つ入れる、直接聞く人を3人決める、など)を2つまで挙げてください。
【出力の形】
次の見出し順で、全体で800〜1,200字にしてください。表は手順3と4のまとめだけに使い、それ以外は箇条書きと短い文にします。
1. 全〇件の内訳(A・B・C・Dの件数)
2. まとまりと根拠の強さ(表: まとまりの名前 / 声の番号 / 判定)
3. 次に直すこと(1つ)と、その理由
4. 使った声(番号と原文をそのまま引用。理由に使ったものだけ)
5. 直したあとに確かめること(2つまで)
6. 今のまま残すこと(Cの声から)
7. 注意(このメモが「声の整理」であり、全お客様の意見ではないことを1〜2文で)
【やらないこと】
- 声にない数字を作らない。割合や平均、「多くの人が」といった言い方もしない。件数は、貼られた声の番号を数えた数だけを書く
- 引用は、貼られた声の原文のとおりに書く。要約を引用符で囲まない
- 日付、回答者の属性、お客様の事情を推測で補わない。分からないことは「分からない」と書く
- 声の強さや語気だけで、重要度を決めない
- 直すことを2つ以上にしない
- 声にない原因を決めつけない(「きっとこれが原因」とは書かず、「この声からは〇〇と読める」と書く)
【題材の見本】
以下は貼り方の見本です。架空の教室「ひだまり絵画教室」(大人向け、月3回、定員8名)の、架空の声12件です。実在の教室や人物とは関係ありません。
1. 先生の説明が丁寧で、毎回楽しみに通っています。ありがとうございます。
2. 前の席の人の頭で、先生のお手本が見えないことがありました。
3. 月曜の夜だと仕事で間に合わないので、土曜にも開いてほしいです。
4. お手本が見えにくくて、描きながら何度も立ち上がっています。
5. 画材の持ち込みがもっと自由なら通いやすいのに。
6. 時間が短すぎる。倍にするべきです。
7. 90分だと集中が切れる前に終わるので、ちょうどいいです。
8. 初めての人には、もう少し丁寧に教えてあげた方がいいと思います。(運営側の話ですが、新人さんは放っておかれていると感じているはずです)
9. 月謝は今のままで助かります。
10. 片付けの時間が足りず、帰りがあわただしいです。
11. 教室の雰囲気が好きです。
12. 机が低くて腰が痛くなります。
(貼り方の見本はここまで。実際に使うときは、上の12件を消して、自分の声を貼ってください。)この依頼文の芯は、声を分けたあとの「根拠の強さ」です。2件以上の声が同じ事柄を言っていれば「根拠あり」、1件だけでも具体的な場面が書かれていれば「候補」、1件だけで語気は強いのに場面が書かれていなければ「保留」、声同士が食い違っていれば「割れている」。運営側の見方が混ざった声は根拠にせず、確かめる問いのヒントとして別にまとめます。
選び方の順も決めてあります。「根拠あり」を優先し、なければ「候補」から確かめるのが簡単なものを選びます。「割れている」ものしかなければ、両方を小さく試す案を出します。どれも弱いときは無理に選ばず、次回のアンケートで確かめる質問を1つ出す作りです。この分岐は試した範囲では出ていないので、ここは依頼文の作りの説明です。
架空の教室のアンケート自由記述12件で出てきた1枚のメモ
試したときは、【入力】の2か所に見本の1行目と12件を写し、見本は残したまま貼って実行しました。架空の「ひだまり絵画教室」(大人向け、月3回、定員8名)の声12件です。Claudeで動かして、約17秒で返ってきました。貼ってから待つのは、お茶を一口飲むくらいの時間です。
内訳は、困りごと4件、要望3件、感謝・ほめ言葉3件、運営側の見方が混ざった声1件、迷い1件です。迷いに入ったのは「ちょうどいいです」の声7で、感謝に近いけれど、時間の長さで声6と食い違う、という理由が添えてありました。まとまりは7つで、判定はこう分かれています。
「根拠あり」になったのは、お手本の見えにくさだけです。12件を読み比べて「どれから手を付けよう」と迷う状態から、ひとつに決まったわけですね。次に直すことも、そのまま「お手本が見えにくい問題を直す」になりました。理由はこう書かれています。
2件の声が同じ事柄を言っているのは、このまとまりだけです。ほかは1件か、食い違いです。
2と4の声からは、席の位置によってお手本が見えない場面があると読めます。原因が席の並びなのか、お手本の置き方なのかは、声からは分かりません。
ここ、ちょっと注目してください。原因を決めつけていないんです。いきなり「席替えをしましょう」と書かれていたら、お手本の置き方が原因だったときに外れます。分からないことを分からないと書いてあるので、直し方を自分で選ぶ余地が残ります。
お客様の声のうち、AIが根拠にしなかった声にも使い道がある
声8は「初めての人には、もう少し丁寧に教えてあげた方がいいと思います」のあとに、「新人さんは放っておかれていると感じているはずです」という推測が付いた声です。読むと気になります。ただ、ほかの人の気持ちを決めつけた部分が混ざっています。メモではこれを根拠にせず、「初めての方に、説明が足りているか」を直接聞く問いのヒントにとどめていました。
時間の長さも、「倍にするべき」と「ちょうどいい」のどちらが正しいかは決めていません。「割れている」として、6と7の番号を並べただけです。語気の強い声6に引っ張られて時間を延ばしていたら、声7の人にとっては困る変更になったかもしれません。
「1件しかない声は、放っておいていいの?」と思うでしょう。机の高さ、片付け、開講曜日は1件ずつなので「候補」で、まず直接聞いて確かめる側に回っていました。画材の持ち込みは場面が書かれていないので「保留」です。後回しにしたものの理由が1行にまとめて付いているので、今回は直さないと決めた声にも説明がつきます。
感謝の3件は「今のまま残すこと」として、先生の説明の丁寧さ(1)、今の月謝(9)、教室の雰囲気(11)にまとめられていました。何かを直すときに、うっかり手放さないための控えです。
直したあと、次のアンケートで何を見るか?
確かめることは2つまでと依頼文で決めてあり、メモにはこう出ました。
次回のアンケートに「お手本は見えましたか」を1問入れる。
見え方を、通っている人3人に直接聞く。
どちらも、次の1〜2か月のうちに自分の目で見られることです。「良くなりましたか」とぼんやり聞くより、「見えましたか」と聞いたほうが、答える側も迷わないと思います。
原因が席の並びなのか、お手本の置き方なのかは分かっていません。なので、お手本を置く高さを変えてみる、といった小さな手直しから始めて、この2つで確かめてみてください。見えにくさが残っていたら、そのとき席の並びを考えれば間に合います。大きな模様替えを先に決めなくていいのは、気が楽です。
お客様の声で試す前の注意
今回試したのは、架空の12件で1回だけです。見本は、根拠あり・候補・保留・割れている・根拠にしない、の判定が全部出るように作った例なので、実際のアンケートで同じように分かれるとは限りません。
メモの最後にも書かれていたとおり、これは貼った声の整理で、全お客様の意見ではありません。
手元に、読んだだけで止まっているアンケートはありますか? あれば、名前を伏せて貼り、出てきた1つを小さく直して、次のアンケートで確かめる。その1周を回してみてください。お客様の声の改善は、大きく変えるより、1つずつ確かめるほうが続きます。


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