売上と経費の前月比の理由は、今月と先月の表に項目ごとの一言メモを添えてAIに渡すと、言葉にできます。返ってくるのは、大きく動いた項目だけに理由か「分からない」が付き、項目ごとに次に見るものが書かれた月次のメモです。
売上が先月より減った。それは見れば分かるんです。知りたいのは、なぜ減ったかなんですよね。
この手順では、理由が分からない項目は「分からない」のまま残して構いません。無理にひねり出さなくていいと分かるだけで、表を開く気持ちが少し軽くなります。
一言メモは、項目ごとに分かっている事情を一言だけ書いたものです。たとえば「整備売上: 雨が続いた」。
前月比の理由をAIに頼むと、作り話になりやすいのはなぜ?
表だけ貼って「理由を書いて」と頼んだこと、ありませんか? 返ってくる説明は、2つになりがちです。
1つは表の読み上げです。「先月より少なくなっています」と返ってきても、表を見れば分かることで、理由にはなっていません。
もう1つは推測の穴埋めです。表には天気も取引先の事情も書いていない。材料がないまま理由を求められれば、季節や景気の一般論で埋めるしかありません。「季節要因と考えられます」と書かれても、こっちには確かめようがありません。
だから、AIに渡す材料と、理由を付けてよい条件を先に決めておくと楽です。
理由を付けるのは、大きく動いてメモがある項目だけ
使った依頼文では、材料を「貼られた表の数字と、一言メモの言葉だけ」に絞っています。Web検索も、一般的な経営の知識からの推測も使わせません。計算するのは「今月 − 先月」の引き算だけでした。
「大きく動いた」の基準は、自分で決めます(例: 差額が1万円以上)。基準を超えた項目は、一言メモを見て次の3つに分けます。
- A 理由あり: メモがあり、その動きの向き(増えた・減った)と話が合っている
- B つながり未確認: メモはあるが、動きの向きや大きさと結びつくか、メモだけでは言い切れない
- C 分からない: その項目にメモがない
つまり、メモに書いた事情が動きをそのまま説明しているときだけ、理由として扱うわけです。芯になるのは、迷ったら分かりにくい側に倒すという決まりです。Aにするのは、メモの言葉が動きの向きをそのまま説明しているときだけ。別の項目のメモを、この項目の理由に流用することもしません。
そのうえで、項目ごとに「次に見るもの」を1つ書かせます。見るのは読者自身で、請求書や販売記録のように、自分の手元で開ける書類や記録の名前です。良し悪しの評価や改善の提案はさせません。俺が欲しいのは助言より、理由の言葉と、次に何を見ればいいかです。
前月比の理由を頼む、月次の表と一言メモを貼る依頼文
やることは、【入力】の4か所を自分のものに差し替えて貼るだけです。差し替えるのは、事業の一行説明、今月と先月の表、一言メモ、大きく動いたの基準です。
事情が分からない項目は、一言メモを書かなくて構いません。基準を空欄にすると、差額の絶対値が大きい上位3項目が対象になります。
末尾には、架空の事業の題材の例が付いています。自分の数字で使うときは、「## 題材の例」の行から最後までを消して、自分の情報を【入力】の欄に書いてください。このとき、【入力】の「ここに書く(例: …)」という括弧書きも消して、自分の内容に置き換えます。自分の数字を用意する前なら、依頼文に「末尾の題材の例を入力として使ってください」と添えて貼れば、返ってくる形を先に見られます。
試したときは、依頼文をチャットに貼り、「末尾の題材の例を入力として使ってください」と添えました。Claudeで動かして、返ってくるまで約12秒でした。
あなたは、個人事業の月次の数字を見る手伝い役です。下の「入力」にある今月と先月の表から、大きく動いた項目だけを選び、「なぜ動いたか」の言葉を付けてください。理由が書かれていない項目は、理由を作らず「分からない」と書き、その代わりに次に見る書類や記録を1つ書いてください。
## 入力
【事業の一行説明】ここに書く(例: 自転車の整備と中古販売を一人で営む)
【今月と先月の表】ここに貼る(項目名、先月の金額、今月の金額。売上と経費が分かれていると助かります)
【一言メモ】ここに貼る(項目ごとに、分かっている事情を一言。例: 「整備売上: 雨が続いた」。メモがない項目は書かなくて構いません)
【大きく動いた、の基準】ここに書く(例: 差額が1万円以上。空欄なら、差額の絶対値が大きい上位3項目)
## 使ってよい材料
使ってよいのは、貼られた表の数字と、一言メモの言葉だけです。Web検索、ファイルの読み取り、一般的な経営の知識からの推測は使いません。季節、天気、景気、業界の傾向など、貼られていない事情は持ち込まないでください。
## 手順
1. 表を読み、項目ごとに「今月 − 先月」の差額を出します。計算するのはこの引き算だけです。合計の再計算、割合の算出、来月の予想はしません。表に差額の列があればそれを使います。表の中で数字が読み取れない項目や、合計が合わない箇所があれば、直さずにそのまま指摘します。
2. 「大きく動いた、の基準」で、対象の項目を選びます。基準が空欄なら、差額の絶対値が大きい順に上位3項目です。同額で並んだ場合はまとめて対象にします。対象外の項目には理由を付けません。
3. 対象の項目ごとに、一言メモを見て、次の3つのどれかに分けます。
- A 理由あり: メモがあり、その動きの向き(増えた・減った)と話が合っている。
- B つながり未確認: メモはあるが、その動きの向きや大きさと結びつくか、メモだけでは言い切れない。
- C 分からない: その項目にメモがない。
4. 分かれ道の決め方です。迷ったときは、分かりにくい側に倒します。AならA、BかCか迷うならB、BかAか迷うならBです。Aにするのは、メモの言葉が動きの向きをそのまま説明しているときだけです。メモに金額が書かれていない限り、「その理由で何円動いた」とは書きません。別の項目のメモを、この項目の理由として流用することもしません。
5. 項目ごとに「次に見るもの」を1つ書きます。BとCには毎回書きます。Aは、メモの内容をさらに裏付ける書類や記録があれば書き、なければ「不要」とします。次に見るものは、読者が自分の手元で開ける書類や記録の名前にします(例: 仕入れ先の請求書の日付、販売記録の日別の件数、取引先とのやり取りの履歴)。それを見た結果の予想は書きません。
6. 最後に、読者に聞きたいことを最大3つ書きます。BとCの項目の事情を、読者が一言で答えられる形にします。
## 出力の形
次の順番で、見出しを付けて出してください。全体で800字以内です。
見出し1「大きく動いた項目」: 表で出します。列は 項目 / 先月 / 今月 / 差額 / 区分(A・B・C)です。
見出し2「今月のメモ」: 対象の項目ごとに、次の3行を書きます。
- 動き: 先月から今月へ、何円増えた(減った)か。
- 理由: Aは、一言メモの言葉をそのまま引用します。BとCは「分からない」と書き、Bならメモの言葉を添えて「つながりは未確認」と付けます。
- 次に見るもの: 手順5の内容。
見出し3「動きが小さかった項目」: 項目名を1行で並べるだけにします。理由は付けません。
見出し4「読者に聞きたいこと」: 手順6の質問を番号付きで。
## やらないこと
- 数字を作らない、直さない。差額の引き算以外の計算をしない。
- 理由を推測で作らない。「おそらく」「〜と思われます」で埋めない。
- 表に書いてあることを繰り返しただけの文(「数字が増えました」「減りました」など)を、理由として書かない。
- 一言メモのない項目に、他の項目の動きから理由を引っ張ってこない。
- 「分からない」を、言い回しを変えてぼかさない。分からない項目は、分からないと書く。
- 良し悪しの評価や、改善の提案をしない。
## 題材の例(架空の事業です。実在の店や数字ではありません)
事業: 自転車の整備と中古販売を一人で営む、架空の個人事業
大きく動いた、の基準: 差額が1万円以上
| 項目 | 先月 | 今月 |
|---|---|---|
| 整備売上 | 142,000 | 118,000 |
| 中古販売売上 | 96,000 | 134,000 |
| 部品販売売上 | 18,000 | 17,000 |
| 中古車仕入 | 60,000 | 52,000 |
| 部品仕入 | 31,000 | 45,000 |
| 家賃 | 40,000 | 40,000 |
| 水道光熱費 | 9,800 | 8,900 |
| 広告費 | 5,000 | 12,000 |
| 送料・梱包 | 6,200 | 17,500 |
| 消耗品費 | 4,300 | 4,100 |
一言メモ:
- 整備売上: 雨が続いた
- 中古販売売上: 新しい仕入れ先を試した
- 広告費: チラシを新しくした
- 送料・梱包: 通販の発送が増えた前月比で、理由が付いた項目と残った項目
題材は、架空の自転車の整備と中古販売の事業です。10項目の表に一言メモを4つ付け、基準は差額1万円以上にしました。出来上がりの表はこうです。
差額は4項目とも引き算どおりでした。割合や来月の予想は出ていません。項目ごとのメモは、動き・理由・次に見るものの3行を、項目名つきで1行につなげて載せています。
整備売上。動き: 24,000円減った。理由: 分からない。メモは「雨が続いた」。つながりは未確認。次に見るもの: 整備の受付記録の日別の件数
中古販売売上。動き: 38,000円増えた。理由: 分からない。メモは「新しい仕入れ先を試した」。つながりは未確認。次に見るもの: 中古販売の販売記録(売れた車の仕入れ先が分かるもの)
部品仕入。動き: 14,000円増えた。理由: 分からない。次に見るもの: 部品の仕入れ先の請求書
送料・梱包。動き: 11,300円増えた。理由: 「通販の発送が増えた」。次に見るもの: 発送の控えの日別の件数
4項目のうち、理由として言い切れたのは1つだけです。残る3つは「分からない」のまま、次に見る場所が付いて返ってきました。作り話で埋めるより、こちらのほうが次の一手を決めやすいと思います。
「雨が続いた」は、整備売上が減った理由になるでしょうか? 向きは合っていそうに見えます。それでもBでした。雨で来店が減ったのかどうか、メモだけでは言い切れないからです。代わりに、整備の受付記録の日別の件数を見る、という次に見るものが付いてきました。
メモのない部品仕入は、ほかの項目のメモから理由を持ってきていません。「分からない」とだけ書いて、部品の仕入れ先の請求書を見る、という次の一歩が残りました。
では、送料・梱包だけがAになったのはなぜか? 「通販の発送が増えた」は、送料が増えた向きをそのまま説明している言葉だからです。
動きが小さかった項目は6つで、部品販売売上、中古車仕入、家賃、水道光熱費、広告費、消耗品費が名前だけ並びました。広告費には「チラシを新しくした」というメモがありますが、差額は+7,000円で基準に届かず、理由は付いていません。
最後に、こちらへの質問が3つ来ました。
1. 整備の依頼は、今月、件数が減りましたか。それとも1件あたりの金額が減りましたか。 2. 今月売れた中古車は、新しい仕入れ先の車ですか。 3. 部品仕入が増えた分は、何のための仕入れでしたか。
どれも一言で答えられる形です。答えが一言で書ければ、それが次に貼るときの一言メモになります。
メモだけだと前月比の理由が「つながり未確認」に寄ります
試したのは、架空の事業の10項目の表だけです。見本を直し、依頼文の言い回しも直して、全部で3回通しました。
1回目は、見本のメモがどれも動きの向きを説明していなかったので、区分Aが出ませんでした。そこで見本を直しています。送料・梱包の今月を17,500円にして差額を+11,300円とし、「送料・梱包: 通販の発送が増えた」という、向きを説明するメモを足して通し直しました(2回目)。さらに、依頼文の2か所の言い回しを組み立て直し(「確かめること」は「次に見るもの」に変わりました)、3回目を通しました。上の結果は、その3回目のものです。
依頼文は迷ったら分かりにくい側に倒すので、実際の入力では「つながり未確認」になる項目が多くなりやすいです。実際の事情としては理由のはずでも、メモだけでは言い切れないとして扱われます。「雨が続いた」がまさにそうでした。
項目が10より多い表や、基準を空欄にした入力は試していません。
今月の表で、一言もメモを書けない項目はいくつありますか? そこはCになり、次に見るものが1つ付きます。「分からない」が残った項目こそ、来月の自分が確かめに行く場所です。


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