入金が遅れている請求書は、催促メールを書く前に、請求書の一覧と通帳の入金記録をAIに貼って入金状況を確かめると早いです。330円だけ足りない入金や半分だけの入金を見分けて、入金済みの相手と先に確認したい相手に分けてくれます。そのまま貼れる依頼文を全文載せました。
その未入金、本当に催促していいですか?
期限を過ぎた請求書の入金が通帳に見当たらないと、すぐ催促のメールを書きたくなりますよね。でも、催促の文面より前に、入金されていないのか、手数料が引かれて金額が合わないだけなのかを分けたいんですよ。ここを飛ばすと、払ってくれた相手に「まだでしょうか」と送ることになりかねません。
通帳を見ていて手が止まるのは、だいたい次のような入金です。
- 請求額より330円少ない入金。振込手数料を差し引く取り決めのある取引先なら、ほぼ入金済みです
- 132,000円の請求に対して、70,000円だけの入金。分割なのか別件なのか、通帳だけでは決められません
- 個人名の名義で、どの取引先からか分からない入金
- そもそも、まだ期限前の請求書
どれも「未入金」と一括りにすると、送ってはいけない催促を送ってしまう入金です。
請求が2〜3件なら目で突き合わせられます。けれど請求書6件に入金5件となると、どの入金がどの請求書の分か、すぐに言えますか? この突き合わせをAIに任せて、人は出てきた判定を確かめる。この記事では、そのやり方を試します。
請求書の入金確認をAIに頼む依頼文
下の依頼文をAIのチャット欄に貼り、自分の資料を足して送ります。いちばん効いているのは「迷ったら『催促してよい』ではなく『確認が先』を選ぶ」の一行かもしれません。
請求書の入金状況を取引先ごとに見分けて、催促してよい相手にだけ、遅れ具合に合った催促メールの下書きを作ってください。催促の文面より先に、「本当に未入金なのか」「手数料が引かれて金額が合わないだけなのか」を分けたいです。
今日は【今日の日付を書く】です。
【入力】
1. 請求書の一覧(ここに貼る):取引先名、請求日、請求金額、支払期限、請求書番号
2. 通帳の入金記録(ここに貼る):入金日、入金額、振込名義
3. 支払い条件のメモ(ここに貼る):例「月末締め翌月末払い。振込手数料は取引先が差し引く。差し引かれるのは1回あたり330円ほど」
4. 取引先についての印象があれば(ここに貼る):例「いつも早い」「新しい取引先」。参考にするだけで、判定には使わないでください。
【手順】
1. 請求書ごとに、支払期限と今日の日付から「期限まであと何日」「期限を何日過ぎているか」を出す。日付が読み取れないものは推測せず「日付要確認」とする。
2. 通帳の入金を請求書に1件ずつ当てはめる。請求金額と同額なら「入金済み」。
3. 請求金額より少ない入金は、差額(請求金額 − 入金額)を計算式つきで出し、次のどれかに分ける。
・支払い条件に「手数料は取引先が差し引く」とあり、差額が私の書いた手数料の額とほぼ同じ(または条件の範囲内)なら、「入金済み(手数料差引の見込み)」とする。催促の対象にしない。
・手数料の額が条件に書かれていないときは、金額を勝手に決めない。差額が請求金額に比べてごく小さい(数百円程度)場合に限り「入金済み(手数料差引の見込み・額は要確認)」とし、備考に「手数料の額を確かめる」と書く。
・差額がそれより大きければ「一部入金」とし、残額(請求金額 − 入金額)を計算式つきで出す。
4. 1回の入金が複数の請求書の合計に近い場合は、「まとめ入金の可能性」として、どの請求書の組み合わせかを候補で示す。確定はしない。
5. 取引先ごとに、次の4つのどれかに分ける。
6. 「催促してよい」の相手には催促メール、「確認が先」の相手には確認の問い合わせ文を、下書きとして作る。
【判断基準】
- 催促してよい:期限を過ぎていて、該当しそうな入金が通帳に一つも見当たらない。または一部入金で、残額が計算できる(催促するのは残額だけ)。
- 手数料差引の見込み:手順3の最初の2つに当てはまる。入金済みとして扱う。
- 確認が先:期限を過ぎているが、まとめ入金かもしれない入金、名義が分からない入金、差額の理由が読み取れない入金がある。
- まだ早い:期限前、または期限当日。
- 迷ったら「催促してよい」ではなく「確認が先」を選ぶ。私が「いつも早い」と書いた相手でも、入金がなければ判定は変えず、備考に「印象と違う」と添える。
【メールの下書き】
- 取引先ごとに1通。同じ相手に請求書が複数あるときは、1通にまとめる。
- 催促メールは、期限を過ぎた日数で温度を変える。数日なら、行き違いかもしれない前提で、確認のお願いにとどめる。1週間以上なら、請求書番号と金額を明記して、入金予定日を教えてもらう。1か月以上なら、期限を過ぎていることを事実として書き、いつまでに対応してもらえるかを尋ねる。
- 一部入金の催促は、請求金額、入金確認済みの金額、残額を本文に両方書き、残額だけをお願いする。
- 確認の問い合わせ文は、催促ではなく質問にする。例:名義不明の入金について「〇月〇日に〇〇円の入金がありました。貴社のお振込でしょうか」と聞く。2〜3文でよい。催促メールが1通もない場合も、確認の問い合わせ文は出す。
- 件名、宛名(「〇〇様」の形)、本文、署名(私の名前は【自分の名前を書く】)の順。催促メールの本文は200字前後。
- 責める言い方、「至急」「必ず」「絶対」などの強い言葉は使わない。行き違いで入金済みの場合の一文も入れる。
【出力の形】
最初に一覧表(列:取引先、請求書番号、請求金額、入金額、差額または残額(計算式つき)、期限、期限からの日数、判定、備考)。次に「催促してよい」の相手ごとの催促メール下書き。最後に「確認が先」の相手ごとの確認ポイント(箇条書き)と、問い合わせ文の下書き。
【やらないこと】
- 私が貼っていない金額、日付、手数料の額を作らない。
- 通帳に載っていない入金を、あったことにしない。
- 判定に自信がないとき、「催促してよい」にしない。
- 1通に別々の取引先の話を混ぜない。
【題材の例(すべて架空)】
フリーランス翻訳者の請求書6件。月末締め翌月末払い、振込手数料は取引先が差し引く(1回330円ほど)。A社は請求額どおりの入金あり。B社は請求額より330円少ない入金あり。C社は請求額132,000円に対して70,000円の入金あり。D社とE社の請求書2件に対して、合計に近い1回の入金あり。F社は期限前。貼る前に書き換えるところ
書き換えるのは4か所だけです。コピペしたら、ここを直して送ります。
- 「今日は【今日の日付を書く】です。」を、今日の日付にします。期限から何日過ぎたかはこの日付から数えるので、古いままだと判定がずれます。
- 【入力】の「(ここに貼る)」のあとに、請求書の一覧、通帳の入金記録、支払い条件のメモ、取引先の印象をそれぞれ貼ります。手数料を差し引く取引先がいるなら、支払い条件に「1回あたり330円ほど」のように額まで書いておくと、少ない入金を入金済みとして扱いやすくなります。
- 署名の【自分の名前を書く】を、自分の名前にします。
- 末尾の【題材の例(すべて架空)】は、自分の資料を貼るときは段落ごと消します。残したままだと、例の社名と自分の資料が混ざるおそれがあります。
手数料は、特に決めていなければ支払う側の負担が原則です(民法485条)。差し引かれる相手かどうかは、請求書や契約の書き方で確かめてください。
取引先の印象は「参考にするだけ」と依頼文に書いてあります。「いつも早い相手だから大丈夫」という思い込みで、判定が甘くならないようにするためですね。
この依頼文を実際に流してみた結果を載せます。
架空の請求書6件で試した、入金状況の仕分け結果
この依頼文はClaudeで試しました。使ったのは、架空のフリーランスの請求書6件と通帳の入金5件です。依頼文の末尾にある題材の例とは別に、試走用につくった資料なので、社名の割り当ても違います。試走用の資料には、手数料を差し引く取引先がいることは書きましたが、手数料の額は書いていません。それでもAIは330円の差を手数料と見ました。理由として挙げていたのは「1回あたり330円ほど」との一致で、この数字は依頼文の例に書いたものです。額のない資料でも、依頼文の例の数字を手がかりにした可能性があります。自分の資料では、額を自分で書いておくのが確実です。一部を抜き出すと、こんな資料でした。
INV-0801 A社 発行2026-07-31 期日2026-08-31 220,000円(常連。毎回期日ごろに入る)
INV-0804 B社 発行2026-09-30 期日2026-10-31 55,000円
INV-0805 D社 発行2026-06-30 期日2026-07-31 132,000円(担当者が替わった。こちらから催促したことはない)
2026-08-31 カ)エーシャ 219,670円
2026-10-10 カ)ディーシャ 70,000円(D社の名前。請求書の数字とは合わない)
2026-10-15 振込人名義「ヤマダタロウ」 55,000円(誰の入金か不明)今日の日付は2026年10月19日としました。返ってきた一覧表から、列と行を絞って載せます。
A社の「49日」は、期限から今日までの日数です。入金そのものは期限当日にあり、330円の差は手数料だけと見なされて、催促の対象から外れました。D社の「80日」には、期限の翌日を1日目とする数え方が添えてあり、日数を自分で数え直さずに済みます。
D社の備考には「印象(担当者交代・催促歴なし)は判定に使っていない」とありました。印象を判定に混ぜない、という依頼文の決まりが、出来上がりの中でも守られていました。
最初の依頼文では、催促も問い合わせも下書きが出なかった
実は、上の表は依頼文を直したあとの2回目です。1回目は、A社とC社の330円差を「手数料かもしれないが、額が決められない」として確認が先にし、D社の70,000円も確認が先でした。催促メールも問い合わせ文の下書きも出ませんでした。確認ポイントの箇条書きは出たものの、送れる文面が手元に残らなかったんですよ。
この記事の依頼文は、1回目の結果を受けて次の3点を入れた版です。
- 支払い条件に手数料の差し引きがあり、差額が手数料程度なら「入金済み(手数料差引の見込み)」にする
- 一部入金は、残額だけを催促してよいことにする
- 催促の下書きが出ないときも、確認の問い合わせ文は下書きとして出す
つまり、慎重すぎて何も出ないAIを、慎重なまま問い合わせ文は残るAIに直したということです。2回目では、A社とC社が入金済みの扱いになり、D社の残額62,000円が計算式つきで出てきました。
催促メールは出ず、入金確認の問い合わせ文が出た
2回目に出てきたのは、確認の問い合わせ文が2通で、D社宛てとB社宛てです。
期限を80日過ぎたD社は、さすがに催促していいように見えます。でもAIの判断は「確認が先」でした。D社には手数料の条件がなく、70,000円が分割払いなのか別件の入金なのか、資料から読み取れないからです。残額62,000円は計算できても、理由が分からないまま催促すると、別件だった場合に話がこじれます。
D社宛ての問い合わせ文は、このとおりです。
件名:INV-0805のお振込についてのご確認
D社 ご担当者様
お世話になっております。10月10日に、貴社名義で70,000円のお振込を確認いたしました。こちらはINV-0805(請求金額132,000円)に対するお振込でしょうか。内訳や今後のお支払いの予定をご教示いただけますと幸いです。行き違いでお手続き済みでしたら、ご放念ください。
【自分の名前を書く】
責める言葉がなく、日付、金額、請求書番号がそろっています。署名だけ自分の名前にすれば送れる形です。返事で一部入金だと分かれば、そこで初めて残額62,000円の催促に切り替える、という段取りまで確認ポイントに書かれていました。
もう1通は、名義不明の55,000円についてB社に聞く文です。金額が同じB社の請求書(INV-0804)はありますが、AIはどの請求書にも確定させず、「こちらはINV-0804(請求金額55,000円)に対するお振込でしょうか」と質問の形にとどめました。B社はまだ期限前なので、催促にはしていません。送るかどうかはこちらで判断してください、とも添えてありました。
催促メールが0通だったのは、この資料では「催促してよい相手がいない」が正しい答えだったからだと、僕は考えています。催促は一人ずつ、一通にまとめて送るもの。その前に、聞くべき相手に聞いておけば足ります。
読み手にとっての得は、ここです。80日遅れの相手にいきなり催促を送らずに済み、聞くべきことが先に分かります。
AIの入金確認を使う前の注意
試したのはClaudeだけで、架空の資料を使い、手順を直して2回です。実在の資料では試していません。試した資料では「催促してよい」の相手が出ませんでした。依頼文には期限を過ぎた日数で催促メールの温度を変える指示も入っていますが、催促メールが出なかったため、その部分は確かめられていません。通帳や請求書の写真をそのまま読ませることも試しておらず、文字にした資料を貼る前提です。
本物の資料を貼るときは、取引先名や個人名を仮名に置き換えておくと安心です。「入金済み(手数料差引の見込み)」はあくまで見込みなので、最後は通帳と照らして自分の目で確かめてください。
入金が遅れているかもしれない請求書は、まず気になっている1社分だけ、請求書と通帳の入金を貼ってみてください。催促の文面を考えるのは、そのあとで十分です。


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