PR案件の依頼、受ける前に確かめることは?

さくら
さくら

@sakuchan ・ 11本

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PR案件の依頼が届いたら、返事を書く前に依頼文をAIに貼ってみてください。報酬や「PR」の表記、投稿を企業が広告などに使う二次利用など、依頼文から抜けている条件と、担当者さんにそのまま送れる返信文が出てきます。使う依頼文は、全文をコピペできる形で載せています。

企業からDMが届くと嬉しくて、すぐ「ぜひお願いします」と返したくなりませんか? 嬉しい反面、何を聞けばいいのか分からなくて不安になりますよね。返事を送る前に、1分ちょっとだけAIに依頼文を読ませてください。

PR案件の依頼文には、何が書かれていないのか?

丁寧なPR依頼のDM1通を条件ごとに判定すると、書いてある0、あいまい3、書いていない7で、報酬やPR表記、投稿後の扱いが抜けていた

練習用の架空の依頼を、Claudeで試しました。実在しない韓国コスメブランドから、Instagramのフォロワー約1.8万人のアカウントに届いたDMという設定です。新作ティントリップ全5色を送るのでリールを1本、発売日の10月30日ごろに投稿してほしい。公式アカウントのタグ付けと指定のハッシュタグもお願いしたい。返事は今週中に、という内容でした。

一読すると、丁寧で感じのいいお誘いです。ところが条件を10項目に分けて判定させると、「書いてある」は0、「あいまい」が3、「書いていない」が7でした。

あいまいだったのは、依頼の中身・商品の扱い・締め切りです。リール1本とはあっても媒体名はなく、5色が提供か貸し出しか、返送が要るのかも分かりません。投稿日は「ごろ」で、下書きを出す日も決まっていませんでした。

書いていないのは7つです。報酬、投稿前の内容確認、広告であることの示し方、投稿後の扱いは、どこにも出てきません。数字の報告、競合の扱い、合わなかったときの扱いも同じです。

リール・タグ付け・ハッシュタグ・投稿日のお願いは具体的なのに、お金と投稿後の話がまるごと抜けていました。文面が丁寧だと、抜けていること自体に気づきにくいんです。

あなたの手元のDMはどうでしょう。報酬、表記、投稿後の扱いの3つが書いてあるか、いま見返してみてください。

PR案件のDMを貼る、AIへの依頼文

下の依頼文を、AIの新しいチャットにまるごと貼って使います。

企業からSNSのPR投稿の依頼が届きました。引き受ける前に、依頼文から抜けている条件を洗い出して、担当者さんにそのまま送れる、失礼のない返信文を作ってください。

# 私の情報(ここに書き込む)
- 発信している場所とフォロワー数: ここにアカウントの媒体とおおよそのフォロワー数を書く
- ふだんの投稿ジャンル: ここに書く(例: コスメ、カフェ、日常)
- 自分なりに決めていること: ここに書く(例: 使って合わなかったものは紹介しない、報酬なしの提供だけなら1投稿まで、など。なければ「なし」)

# 届いた依頼文(ここに貼る)
ここに企業から届いたDMやメールの本文を、そのまま全部貼る

# 進め方
1. 依頼文を読み、書かれている条件を次の項目ごとに抜き出してください。項目は、依頼の中身(何を何本、どの媒体に)、商品の扱い(提供か貸し出しか、返送の有無)、報酬(金額、支払い方法と時期、振込手数料)、締め切り(投稿日、下書き提出日)、内容の確認(事前チェックの有無、修正の回数)、広告であることの示し方(投稿にどんな表記をどこに入れるか)、投稿後の扱い(削除してよい時期、企業による二次利用や広告配信への転用、その期間)、数字の報告(インサイトのスクショ提出など)、競合の扱い(同じジャンルの他社案件を受けない期間)、キャンセルや商品が肌に合わなかったときの扱い、です。
2. それぞれの項目に、「書いてある」「あいまい」「書いていない」のどれかを付けてください。依頼文にない内容を推測で埋めず、書いていないものは書いていないと判定してください。
3. 「あいまい」と「書いていない」の項目について、引き受ける前に必ず聞くべきものと、聞けたら安心なものに分けてください。分け方は下の判断のしかたに従ってください。
4. 依頼文から読み取れる、気をつけたほうがよい点があれば挙げてください。たとえば、広告であることを隠すように読める指示、報酬なしなのに投稿本数や二次利用の求めが多い、返事の期限が極端に短い、などです。
5. 最後に、担当者さんにそのまま送れる返信文を作ってください。

# 判断のしかた
- 投稿したあとで取り消せないこと、お金のこと、自分のアカウントに残り続けることに関わる項目は「必ず聞く」にしてください。報酬、広告であることの示し方、二次利用と広告配信への転用、削除してよい時期、競合を受けない期間は、書いていなければ必ず聞く側です。
- 引き受けたあとでも相談しやすいこと(撮影の細かい雰囲気、ハッシュタグの指定など)は「聞けたら安心」にしてください。
- 迷ったときは「必ず聞く」に入れてください。依頼主との間に事務所や代理店がいないので、あとから確かめられる相手は依頼文を書いた担当者さんだけです。
- 広告であることの示し方について、表記として足りているかどうか、法律に照らして問題があるかどうかは断定しないでください。「この点は担当者さんに確認しましょう」「心配なら消費者庁のステルスマーケティングのページを見てください」という書き方にとどめてください。日本では2023年10月から、広告であることが分かりにくい広告が景品表示法の規制対象になっています。
- 引き受けるかどうかの最終判断は私がします。あなたは「受けるべき」「断るべき」と決めないでください。

# 出力の形
次の4つの見出しで、この順に出してください。
1. 条件の確認表: 項目、依頼文の記載(短く引用)、判定(書いてある、あいまい、書いていない)の3列の表
2. 聞くことリスト: 「必ず聞く」と「聞けたら安心」に分けた箇条書き。各行に、なぜ聞くのかを1文で添える
3. 気をつけたい点: 箇条書きで3つまで。なければ「特になし」
4. 返信文: 400〜600字。まずお声がけへのお礼、次に前向きに検討していること、続けて確認したいことを番号付きで、最後に返事の目安の日付を入れる欄。丁寧だけれど堅すぎない、DMで送って自然な文面にしてください。「必ず聞く」の項目はすべて入れ、「聞けたら安心」は多くても2つまでにしてください

# やらないこと
- 依頼文に書いていない条件を、あるものとして扱わない
- 相場の報酬額を決めつけて提示しない
- 企業を疑うような強い言い方や、値上げ交渉のような文面にしない
- 広告表記や契約について法的な結論を断定しない
- 返信文に、私が書いていない私の情報(実績の数字、過去の案件名など)を足さない

# 題材の例(試しに動かすときだけ使う。ここから下は架空の依頼です)
以下は実在しないブランドと担当者による、練習用の架空の依頼文です。自分の依頼で使うときは、この部分を消して上の欄に本物の依頼文を貼ってください。

私の情報: Instagram、フォロワー約1.8万人。ジャンルはプチプラと韓国コスメ。決めていること: 合わなかったものは紹介しない。

届いた依頼文:
はじめまして。韓国コスメブランド「LUMÉA(ルメア)」日本担当の田中と申します。いつも投稿を拝見しています。このたび10月末に発売する新作ティントリップ「デューイグロウ」全5色をお送りしますので、リールを1本投稿していただけないでしょうか。発売日の10月30日ごろに投稿していただけると嬉しいです。投稿の際は公式アカウントのタグ付けと、指定のハッシュタグをお願いします。ナチュラルな使用感が伝わる内容だと助かります。ご興味があれば、今週中にお返事いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。

書き込む欄は2か所、自分のアカウントの情報と届いたDM

本番で書き換えるのは2か所です。「私の情報」の3行と、「届いた依頼文」の欄に貼る本物のDMです。3行目の決めていることは、できれば埋めてください。「合わなかったものは紹介しない」と書いてあると、返信文の質問に、その理由が自然な言い回しで添えられて出てきました。

末尾に入れた練習用の架空の依頼は、本番の前に消す

最初の1回は題材の例を残したまま動かして、出力の形を確かめます。本番は、「届いた依頼文」の欄に本物のDMを貼って、「題材の例」から下を消してください。消し忘れると、架空の依頼まで一緒に読まれてしまいます。

PR案件の依頼1通から、何が返ってきたか?

DMを貼ったAIから、確認表、聞くこと、気をつけたい点、返信文の4つが返ってくる様子

試したときは約80秒で、条件の確認表、聞くことリスト、気をつけたい点、返信文が、合わせて約2,350字で返ってきました。

確認表は、書いていない条件を埋めない

いちばん安心できたのは、依頼文にない条件を推測で埋めなかったところです。

依頼の中身: 「リールを1本投稿していただけないでしょうか」(媒体名の明記はなし)→ あいまい


報酬(金額、支払い方法と時期、振込手数料): 記載なし → 書いていない


広告であることの示し方: 記載なし(あるのは「公式アカウントのタグ付けと、指定のハッシュタグをお願いします」のみ)→ 書いていない


投稿後の扱い(削除してよい時期、二次利用・広告配信への転用、その期間): 記載なし → 書いていない

聞くことリストには、聞く理由がつく

「必ず聞く」が10、「聞けたら安心」が3。各行に、なぜ聞くのかの理由がついていました。

二次利用や広告配信への転用の有無と、その期間: 自分の顔や投稿が自分の手を離れて使われるかどうかに関わり、あとから取り消せないため。


色が肌に合わなかったとき、キャンセルになったときの扱い: 「合わなかったものは紹介しない」と決めているので、その場合に投稿しなくてよいかを先に決めておく必要があるため。

気をつけたい点も3つ挙がりました。報酬の記載がないのに求めだけが具体的なこと、届いてから投稿までに試す時間が分からないことなどです。

担当者さんに送れる返信文

返信文は約500字でした。

はじめまして、ご連絡ありがとうございます。LUMÉAさんの新作ティントリップ「デューイグロウ」のお話、とても嬉しく拝見しました。


ぜひ前向きに検討したいと思っております。お引き受けする前に、いくつか確認させてください。


1. 報酬の有無と、ある場合の金額・お支払い方法と時期・振込手数料のご負担 2. 商品はご提供か、お返しが必要か 3. 投稿日は10月30日で確定でよいか、下書きの提出が必要な場合はその日付 4. 投稿前の内容確認の有無と、修正の回数 5. PRであることの表記の方法と、投稿のどこに入れるか 6. 投稿を削除してよい時期 7. 投稿の二次利用や広告配信へのご利用の有無と、その期間 8. インサイトなど数字のご報告が必要か 9. 同じジャンルの他社さんのお仕事を控える期間の有無 10. 色が肌に合わなかった場合や、キャンセルになった場合の扱い(使ってみて合わなかったものはご紹介しないようにしているためです) 11. 指定のハッシュタグの内容


お手数をおかけしますが、ご確認いただけますと幸いです。お返事を拝見したうえで、〇月〇日までにお引き受けできるかご連絡いたします。

PR案件の返信文は、送る前にどこを直すか。

質問が11問。このまま全部送りますか? 受け取る側からすると、多めです。

11問になったのは、依頼文に『迷ったときは「必ず聞く」に入れてください』と書いてあり、数字の報告もその指示どおり「必ず聞く」に入ったからです。指定どおりの動きなので、送る前に自分で削って大丈夫です。

削るときも、報酬、広告であることの示し方、二次利用、削除してよい時期、競合を受けない期間の5つは残してください。どれも投稿したあとでは取り返しがつかない項目です。ハッシュタグの中身のように、引き受けたあとでも聞けるものから外します。

あとは2か所を直せば送れます。末尾の「〇月〇日」に自分の返事の目安を入れることと、言い回しをふだんのDMの口調に寄せることです。入力していない実績の数字や過去の案件名は、足されていませんでした。

PR案件の「PR」表記は、AIに任せていいのか?

投稿のキャプションに入れるPRの表記を、どこに入れるか担当者と決めておくイメージ

表記として足りているか、法律に照らしてどうかは、AIに断定させない書き方にしています。出力でも、「担当者さんに確認」「心配なら消費者庁のステルスマーケティングのページ」という形にとどまりました。

その消費者庁のページには、令和5年(2023年)10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反になること、規制の対象は商品・サービスを供給する事業者(広告主)であることが書かれています。Q&Aでは、広告主から依頼を受けて投稿するインフルエンサーは規制の対象外と説明されています。

ただ、それを「表記は気にしなくていい」と読むのは早いです。同じQ&Aには、広告であることを示す方法として、「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」といった言葉を書く方法や、「A社から商品の提供を受けて投稿している」と文章で書く方法が挙げられています。どの書き方を、投稿のどこに入れるのか。返信文の5問目で、引き受ける前に担当者さんと決めておく形にしてあります。

PR案件を受けるかどうかは、最後に自分で決める

依頼文には「受けるべき」「断るべき」をAIに決めさせない一文を入れてあり、出力もどちらとも言いませんでした。決めるのは、担当者さんの返事を読んだあとの自分です。

あなたが引き受ける条件は、何と何ですか? たとえば「報酬なしの提供だけなら1投稿まで」と決めているなら、返ってきた答えと並べるだけで判断がつきます。

今回試したのは架空の依頼1通で、末尾の例をそのまま入力にした1回だけです。手順も直していません。出てきた確認表と返信文は、送る前に必ず自分の目で読んでから使ってください。

まずは末尾の架空の例を残したまま、1回動かしてみてください。届いたDMで試すときも、返事を急かされていても、「ぜひ」と送る前に挟むのは1分ちょっとだけです。