SNS用の写真で服の色や背景だけを直したいとき、10月に出たKrea 3、FLUX 3 Image Klein、Nano Banana 2.1のどれを選べばいいか迷いますよね。3つの公式ブログとAPIドキュメントを読んで、1枚あたりの料金を円にし、無料で触れる入口と商用で使える条件まで並べました。先に1つだけ言うと、紹介記事で見かける「Krea 3のLoRAで商品やキャラを固定」は、公式APIドキュメントでは近日対応とされていて、いまはまだ使えません。
Krea 3、FLUX 3 Image Klein、Nano Banana 2.1は得意な方向が違う
3つとも写真の一部だけを直す編集ができますが、作った会社の狙いはかなり違います。Krea 3は写真の編集に向けて作られたモデルで(重みは公開されていません)、公式ブログでは、商品や人物、文字を保ったまま残りを変えると説明されています。FLUX 3 Image Kleinは、Black Forest Labsがモデルの中身(重み)を公開している小型版で、自分のPCでも動かせます。Nano Banana 2.1はGoogleのモデルで、Geminiアプリや検索のAIモードなどに入っています。
参照画像は、「この服をこの人に着せて」のように編集の材料として一緒に渡す画像のことです。SNSの写真を1枚直すだけなら、どれも枚数は足ります。
速さは、Krea社が「2Kの編集の多くは8秒未満で返る」と書いています。Krea社の測定なので、ほかの2つと同じ条件で比べた数字ではありません。
Krea 3のLoRA固定は、公式APIではまだ近日対応
LoRAは、自分の商品やキャラクターの写真を何枚か覚えさせて、毎回同じ見た目で出せるようにする追加学習のことです。紹介記事には「Krea 3はLoRAで商品や人物を固定できる」と書いたものがあります。ところが公式ブログにはLoRAの話が出てきません。APIドキュメントには「LoRAs are coming soon to the API」とあり、APIではまだ使えないと読めます。
誤解しやすいのがKreaの料金表です。無料プランにも「Limited LoRA training(50 images)」とあるので、Krea 3でも使えそうに見えますよね。これはKreaのサービス全体のプラン表です。Krea 3のユーザーガイドにも、LoRAの操作にはまだ対応していないと書かれています。
同じ商品を毎回同じ見た目で出したいなら、いまは元の商品写真を参照画像として毎回渡すことになります。
参照画像の枚数も、公式の中で数字が割れています。公式ブログは「up to 6 reference images」、APIドキュメントは最大8枚です。APIドキュメントには、5枚以上渡すと1枚ずつ長い辺が1536ピクセルに縮められるとあり、ロゴや小さな文字を崩したくないときは4枚以内にするよう案内されています。
1枚あたりの料金は、FLUX 3 Image Kleinが一番安い
料金は3社ともドル建てです。ここでは1ドル=158円(Yahoo!ファイナンスのドル円、2026年10月16日終値157.99円)で円にしています。
Krea 3は、この表の金額だけでは済みません。APIドキュメントによると、参照画像1枚ごとに、1Kの画像なら0.02ドル、2Kの画像なら0.07ドルが足されます。編集では直したい写真そのものも参照画像として渡すので、2Kの写真を2Kで直すと0.06ドルに0.07ドルが乗って0.13ドル、約21円です。じっくり考えさせるモード(high)を選ぶと、さらに0.02ドル足されます。
Nano Banana 2.1も、表の金額は出力1枚分で、渡した写真は入力として別に数えられます。Gemini APIの料金ページでは「無料枠なし」で、有料プランでしか使えません。
月に30枚を2Kで直すとして、出力代だけを足すと、Krea 3は約280円(1.8ドル)、Nano Banana 2.1は約240円(約1.5ドル)です。Krea 3は参照画像代の0.07ドルを足すと0.13ドルで、30枚なら約620円(3.9ドル)になります。FLUX 3 Image Kleinは1Kの値段で約43円(0.27ドル)です。毎日1枚直すくらいなら、どれも月1,000円かかりません。
無料で触れる入口と、商用で使える条件は別に見る
無料で作った画像を、そのままPR案件の投稿に使ってしまう。いちばん避けたいのはこの事故です。
Krea 3の無料プランは、1日100コンピュートユニットというポイントで上限が決まります。Krea 3の編集1回で何ユニット使うかは、モデルページに書かれていません。無料プランの画像には商用ライセンスが付かないので、PR案件やショップの商品写真に使うなら有料プランが前提です。
FLUX 3 Image Kleinの商用条件は、FLUX Kommunity License v1.0というライセンスで決まっています。Hugging Faceのモデルカードによると、条件は「gross annualized revenue」が500万ドル未満であることで、関連会社の分も合わせて数えます。個人でSNSを運用している人なら、ほぼこの範囲に入ります。
手元のPCで動かす道は、ハードルが高めです。モデルカードの計測では、1024×1024の画像1枚にGPUのメモリを25〜31GB使います。まずはHugging Faceのデモで触るのが現実的です。
Nano Banana 2.1は、モデルカードにGeminiアプリでの提供が挙がっています。ただ、無料のアカウントで2.1が選べるかは書かれていません。アプリを開いて、モデル名に「2.1」と出ているかを自分の画面で確かめてください。
写真の一部だけ直すなら、指示の書き方と見る場所を決めておく
3つを自分で比べるなら、同じ写真と同じ指示で条件をそろえます。写真は、自分の写真か自分の商品写真にしてください。友だちの顔が写った写真を外部のAIに渡すのは避けたほうが安心です。
指示の書き方は、FLUX 3 Image Kleinだけ勧められている形が違います。ComfyUIの日本語ドキュメントには「書くのは「変更内容」ではなく「結果」です」とあります。「Tシャツを水色に」と一言で頼むより、「くすんだ水色のTシャツを着た人が、屋外のカフェでマグカップを持っている写真」と仕上がりを丸ごと書く形です。モデルカードにも、短い指示をそのまま送るとありきたりな出力になると書かれています。
直したあとは、直していない場所を見ます。編集のたびに、次の4か所を元の写真と見比べてください。
- 顔の形と表情
- 手と指の本数
- 服のロゴや看板の文字
- 髪の毛先と、背景との境目
細かい文字やロゴ、布の柄が大事な写真なら、Krea 3のAPIドキュメントの案内どおり、手元で一番大きな解像度の写真を渡すのが基本です。かかった費用もメモしておくと、どれを常用するか決めるときに迷いません。
最初の1枚は、無料の入口がはっきりしているFLUX 3 Image KleinのHugging Faceデモがおすすめです。Krea 3のLoRAで商品を固定する使い方は、APIドキュメントの「coming soon」が消えてから考えれば十分です。



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