THE世界大学ランキング2027が2026年9月30日に発表され、日本の大学は東京大学が27位(前年26位)、京都大学が62位タイでした。国内17位タイまでの28校の世界順位を、2018年版から2027年版まで10年分並べました。ニュースで見た順位を、お子さんの進路にどう使えばいいのか迷ったことはありませんか。
THE世界大学ランキング2027、日本の国内順位は17位タイまでの28校
2027年版では118の国と地域から2,297校に順位が付き、日本からは112校が入りました。日本経済新聞はこれを「2026年世界大学ランキング」と呼んでいますが、同じ発表です。
出典: THE世界大学ランキング公式サイト。2026年10月1日確認
28校の内訳は国立18校、公立4校、私立6校です。17位タイの12校までで28校になり、次の29位タイが10校あるため、ここで区切りました。「601-650」のように幅のある数字は順位帯を表します。
同順位の大学は国内順位も同じ数字になる
THEは同点の大学に「=」を付けて表示し、京都大学の62位も公式サイトでは「=62」です。この記事の表では「=」を外していて、国内順位も同順位なら同じ数字にしました。
8位と10位にそれぞれ2校、14位に3校、17位に12校が並ぶため、9位や11位、15位、16位はありません。世界のトップ100に入った日本の大学は、この10年、毎回東京大学と京都大学の2校です。
日本の大学の世界ランキング推移、10年で動いたのはどこか?
推移の表の「なし」はその版の表に載っていない年、「順位なし」はデータを出したものの順位が付かなかった年です。「1001+」は1001位以下の帯を表します。
出典: THE世界大学ランキング公式サイト。2026年10月1日確認
2018年版から2023年版は、東京大学が46位から39位、京都大学が74位から68位です。2024年版から2027年版は、東京大学が29位から27位、京都大学が55位から62位です。2023年版と2024年版の間は評価方法が変わっているため、つないで上がった、下がったとは言えません。2027年版の数字は細かな変更を含むため、最後の年は目安です。
東北大学、大阪大学、東京工業大学は、2023年版まで200位より後ろの帯にいて、2024年版でそろって単独順位に入りました。帯から数字に移った動きなので、何位上がったとは数えられません。
東京科学大学は、どこからの続きか?
東京科学大学は、2024年10月に東京工業大学と東京医科歯科大学が統合してできた大学です。THEは2025年版まで2校を別々に載せ、2026年版から東京科学大学として掲載しました。そのため東京工業大学とは行を分け、つないで1本の推移としては読めません。
2026年版は、2025年10月の発表時は301-350位でしたが、THEがデータを点検し直し、2025年11月14日付で166位に訂正されました(東京科学大学のお知らせ)。表には訂正後の値を載せています。
国内7位以下の22校は、世界大学ランキングの順位帯で見る
出典: THE世界大学ランキング公式サイト。2026年10月1日確認
出典: THE世界大学ランキング公式サイト。2026年10月1日確認
出典: THE世界大学ランキング公式サイト。2026年10月1日確認
九州大学から下の22校には、10年間一度も単独の順位が付いていません。2024年版では帯の移動が目立ち、九州大学は501-600位から301-350位へ、北海道大学と筑波大学は501-600位から351-400位へ移りました。藤田医科大学と日本医科大学も、この年に801-1000位から1001-1200位の帯へ移っています。
慶應義塾大学と早稲田大学はどこに並んでいるか
2027年版では両校とも801-1000位の帯で、横浜市立大学と並ぶ国内14位です。慶應義塾大学は2022年版まで601-800位の帯が続き、早稲田大学は2023年版に一度だけ1001-1200位の帯に入りました。
初めて順位が付いた年が遅い大学もある
日本医科大学と東京医科大学は2019年版、京都府立医科大学は2020年版、和歌山県立医科大学は2024年版から順位が付きました。一橋大学は2022年版から2024年版まで「順位なし」の扱いで、2025年版で初めて1201-1500位の帯に入っています。
THE世界大学ランキングの評価方法は、2024年版で物差しが変わった
2023年版のTHEは、教育30%、研究30%、被引用30%、国際性7.5%、産業収入2.5%で大学を評価していました。2024年版では指標が13から18に増え、教育29.5%、研究環境29%、研究の質30%、国際性7.5%、産業4%の配分に変わっています(THEによる2024年版の評価方法の説明)。
研究の質は中身も入れ替わり、それまで30%あった論文の被引用の指標が15%に縮んで、研究の強さや卓越性などを見る3つの指標が加わりました。
推移の表の段差が2024年版に集まっているのはこのためと見られ、2023年版以前と2024年版以降は同じ物差しで測った数字ではありません。この年の動きを、日本の大学が一斉に力を付けた証拠と読むのは早いと考えています。
世界大学ランキングの「301から325位」は、順位ではなく帯です
2027年版では単独の順位が出る範囲が上位200位から上位300位に広がり、順位帯も11から18に分かれました。九州大学の301-325位もその1つで、前年の301-350位から帯の幅が半分になっただけです。帯の中のどこにいるかは公表されていません。
では、2026年版の351-400位から2027年版の376-400位になった北海道大学と筑波大学は、順位を落としたのでしょうか。これも帯が2つに割れて後ろ半分に入っただけで、動いたかどうかは読めません。名古屋大学の242位も、前年の201-250位の帯と比べられる数字ではありません。2027年版は指標も18から17に見直されるなど細かな変更があり、前年との差は目安として見てください。
世界大学ランキングと偏差値は何が違うのか?
偏差値は、予備校などが模試の結果と合否から、合格の見込みが一定程度ある学力の位置を示した数字で、基準や算出方法は会社ごとに違います。THEの5分野を見ると、研究環境29%と研究の質30%で約6割を研究に割いていて、入試の難しさは指標に入っていません。偏差値が高い大学ほど世界ランキングも上、とは限りません。
世界大学ランキングの推移表で言えること、言えないこと
この表から言えるのは、研究大学として世界でどのあたりに見られているかと、同じ物差しの年どうしでの動きです。一方で、学部の授業の丁寧さや、お子さんに合う学びの場かどうかは表に出てきません。
世界ランキングは大学を主に研究の面から見た地図で、偏差値は入試の面から見た別の地図だと私は考えています。どちらも単独では、志望校を決める物差しになりません。
中学生のお子さんや生徒と進路の話をするとき、どちらの地図を、何を確かめるために広げますか?高校選びの段階なら、世界ランキングは「大学にはこういう見られ方もある」と知っておく程度で足ります。
明日できる一歩は、気になる大学を1校選び、上の推移の表でその行を左から右へ10年分たどることです。2024年版の前後で動き方が変わっていないかを見て、2027年版は目安として読めば、数字の読み方が身につきます。




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