「有料プランだから、会話はAIの学習に使われていないはず」と思っていませんか? 主要な5つのアプリの公式ヘルプを確かめても、個人向けの有料プランなら自動で学習オフ、と書かれたものは1つもありませんでした。ChatGPT、Claude、Gemini、Copilot、Meta AIの学習させない設定を、触る場所まで1つずつ並べます。
「有料プランなら学習オフ」は本当か?
個人で契約している有料プランなら、答えはほぼノーです。ChatGPTはPlusやProでも、ClaudeはProやMaxでも、無料版と同じ設定が使われています。月額を払っていることと、学習に使われるかどうかは別の話です。
初めから学習に使わない前提で作られているのは、会社や学校が契約するプランです。ChatGPTならBusiness、Enterprise、Eduがこれにあたり、OpenAIは初期状態でこれらのデータを学習に使わないと説明しています。同じChatGPTでも、職場のアカウントと自宅のアカウントでは扱いが違います。
5つのアプリを並べると、次のようになります。
あなたのスマホに入っているのは、このうちいくつでしょうか? 入っているアプリの項目だけ読めば足ります。
ChatGPTとClaude、学習させない設定は自分で切るまでオン
この2つには、学習を止めるトグルが1つずつ用意されています。場所さえ分かれば、切り替えは1分もかかりません。
1. ChatGPT
プロフィールアイコンから「設定」を開き、「データコントロール」にある「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにします。オフにしたあとの新しい会話が、学習に使われなくなります。
過去の会話にさかのぼって効く設定ではありません。使い始めてから、この画面を一度でも開いたことはありますか? 長く使っている人ほど、今日切っておく意味があります。
2. Claude
「設定」から「プライバシー」を開き、AIモデルの改善に協力するかどうかのトグルをオフにします。公式ヘルプの英語表記では「Help Improve our AI models」という項目です。Free、Pro、Maxのどれでも同じ場所にあります。
Claudeは2025年に利用規約を改め、既存の利用者に学習へ協力するかを選ぶ画面を出しました。この画面では協力する側が初めからオンになっていたと、米Tom's Guideなどが報じています。「承諾」をそのまま押した人は、協力する設定のままかもしれません。
オンとオフでは、会話の保存期間も変わります。Anthropicの発表によると、オンなら最長5年、オフなら30日です。回答への評価として送ったフィードバックも5年保存の対象なので、人に見せたくない内容の会話では評価ボタンを押さないでおくと安心です。
GeminiとCopilot、学習の設定はどこにある?
GeminiとCopilotは、前の2つと仕組みが違います。Geminiは履歴の保存と学習が1つのスイッチでつながっていて、Copilotは学習のスイッチそのものがなくなりました。
3. Gemini
設定から「アクティビティ」を開き、「アクティビティの保存」をオフにします。18歳以上のアカウントでは、この保存が初期状態でオンです。オンの間の会話は、生成AIモデルのトレーニングを含むGoogleのサービス改善に使われます。
見落とされやすいのが、人による確認です。オンの間は一部の会話をGoogleのレビュアーが読むことがあり、確認された会話はアカウントから切り離したうえで最長3年保存されます。
オフにしても、会話は72時間アカウントに残ります。その間の会話は、フィードバックを送らない限り学習には使われません。代わりに過去の会話を見返せなくなるので、履歴を残したい人は迷うところです。なお、有料版なら自動でオフになるという説明は、Googleのヘルプには見当たりません。プランにかかわらず自分で確かめてください。
4. Copilot
2026年8月18日から提供されている新しいCopilotアプリについて、Microsoftは個人アカウントで入力した内容や回答、ファイルを基礎モデルのトレーニングに使わないと説明しています。そのためプライバシーの設定一覧に、学習を切るトグルは載っていません。
代わりに見ておきたいのが広告です。設定の「パーソナル化」にある「広告の個人用設定を許可する」をオフにすると、興味に合わせた広告を止められます。学習と広告は別のスイッチです。この区別が、次のMeta AIで効いてきます。
個人向けの Microsoft Copilot: プライバシー コントロールと選択 | Microsoft Support
個人向けの Microsoft Copilot のプライバシー制御に関する情報
Meta AIとの会話は広告に使われる、日本も対象
5. Meta AI
Meta AIは、InstagramやFacebook、Messenger、WhatsAppの中から呼び出せるAIです。日本では2025年11月25日から段階的に提供が始まりました。
Metaは2025年12月16日から、Meta AIとの会話を広告とおすすめ表示に使っています。Metaが挙げた例では、Meta AIにハイキングの話をすると、ハイキングに興味がある人として扱われます。ハイキングのリールを投稿したり、関連ページに「いいね」を押したりしたときと同じ扱いです。
この変更から外れたのはEU、英国、韓国で、日本は入っていません。広告への利用を断る方法はないと、MetaはTechCrunchの取材に答えています。ChatGPTやClaudeのように、切れば止まるスイッチがありません。
宗教、性的指向、政治的な意見、健康、人種や民族といった話題は、広告には使わないとMetaは説明しています。とはいえ、どの相談が「健康の話題」として除かれるのかは、使う側からは見えません。
できることは2つです。
1: 家族の病気やお金の悩みなど、広告に反映されたくない相談はMeta AIにしない
2: Meta AIアプリを使っているなら、設定の「データとプライバシー」からチャットとメディアをまとめて削除する
削除すれば履歴からは消えます。ただ、それまでの会話が広告にどう反映されたかまでは、公式ヘルプからは分かりません。
学習させない設定、今日は家族のスマホで1台ずつ
トグルを切れば済むのは、ChatGPT、Claude、Geminiの3つです。Copilotは広告の設定を、Meta AIは何を話すかを決めるほうが効きます。
家族のスマホはどうでしょうか? 子どもが宿題でGeminiを使っていたり、親がInstagramの中でMeta AIに話しかけていたりしても、本人は設定の存在を知らないことが多いものです。夕食のあとにでも1台ずつアプリを開き、場所を一緒に確認してください。1台5分あれば終わります。
学習オフにしても、会話がどこにも残らなくなるわけではありません。Claudeは30日、Geminiは72時間保存されますし、安全のための確認で読まれることもあります。オフは渡したものを学習に回さないための設定で、何を渡すかは別に決めておく必要があります。
最後に設定画面を開いたのは、いつでしたか? 場所が分かれば、切り替えはトグル1つです。


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