デザインやイラストを副業やフリーランスで受けていて、見積もりに「予算が少ない」「他はもっと安い」と返ってきたら、金額だけを下げず、案の数や修正回数、使わない色違いやWeb用の画像を減らして返事をします。先に作業時間と1時間の金額から最低ライン(これ以下では受けない金額)を出しておくと、譲れる範囲が見えます。
この返事の文面と最低ラインを、AIに一緒に整えてもらう依頼文を載せました。架空の焼き菓子の店のロゴで試した出来上がりも、抜粋で並べています。
見積もりの金額だけ値下げすると、何が残る?
残るのは、最初と同じ量の作業です。案の数も修正回数も納品するデータもそのままで、受け取る額だけが減ります。1時間あたりに直すと、下げた分がそのまま1時間の取り分から引かれている計算なんです。
「予算が少ない」と返されると、せっかくの依頼を逃したくなくて、その場で金額だけ下げて受けたくなりますよね。でも下げるなら、描く量も一緒に下げる。返事はこの考え方で組み立てます。
届いた返信に、使う場面は書いてありませんか?「名刺と看板に使えれば十分」のような一言があれば、そこが削れる範囲を探す手がかりになります。
値下げの返事より先に、最低ラインを作業時間から出す
式は「作業時間の合計 × 1時間あたりこれだけはほしい金額」です。あとで載せる焼き菓子の店の例では、18時間に1時間2,500円をかけて45,000円になりました。どれもこの題材での数字で、相場ではありません。
1時間いくらにすればいいか。ここに入れるのは、よそで聞いた金額より、自分がこれだけはほしいと思える金額です。本業のあとの夜や週末を使う時間に見合うかで決めるのがいいかなと。
最低ラインが出たら、見積もりと依頼主の予算を並べます。予算が最低ライン以上なら、その予算で収まる範囲を1つ作ります。下回るなら、範囲を最小まで削った案と、今回は見送る返事の両方を用意します。
副業に使える時間も並べておきます。削った後の作業が納期までに収まらないときは、納期を延ばす案にします。
値下げの代わりに削るのは、依頼主が使わないもの
案の数と修正回数から削る
削る順番は、依頼主が使わないものからです。案を3つから1つにする、修正回数を減らす、使う予定のない横長の版や色違いを外す。看板やSNSなど、実際に使う場面に要るデータは残します。
デザインの言葉を知らない依頼主もいるので、返事ではデータの形式名を「拡大してもぼやけないデータ」のように言い換えます。予算の金額が書いていない返信なら、削った案を見せつつ、ご予算はいくらくらいかを聞く1文を添えます。
「他はもっと安い」には触れない
比べた相手や相場の話には触れず、自分の見積もりに何が含まれているかを並べます。案の数、修正回数、納品するデータが見えれば、依頼主はそれを材料に比べられます。相手を下げる言い方も、こちらの弁解も要りません。
値下げの返信を作る依頼文
貼る前に、手元に6つそろえます。【入力】の中身は次のとおりです。届いた依頼主の返信、出した見積もり(金額、税込か税別か、案の数、修正回数、納品するデータ、納期)、依頼の内容と依頼主が使う場面、副業に使える時間、作業時間の見込みと1時間あたりの金額、これ以下では受けない金額。最後の1つは、決めていなければ空欄で構いません。
届いた返信は、言い回しを整えず、そのまま貼ってください。予算の金額が書いてあるかどうかを、AIが原文から読み取れます。末尾の【題材の例(架空)】は残したまま、自分の6つの入力を後ろに続けて貼ってください。試したときもこの形です。例には作業時間と最低ラインが入っていないので、例のまま試すなら自分の数字を入れるか、AIの質問に答えて埋めてください。
副業でデザインやイラストの仕事を受けています。見積もりを出したら、依頼主から「予算が少ない」「他はもっと安かった」と返ってきました。値段は崩さず、作業の範囲のほうを調整して折り合う返事の文面を作ってください。あわせて、私がこれ以下では受けない金額(最低ライン)を一緒に確かめてください。
【入力】
1. 依頼主から届いた返信:ここに貼る
2. 私が出した見積もり(金額、税込か税別か、案の数、修正回数、納品するデータ、納期):ここに貼る
3. 依頼の内容と、依頼主がそれを使う場面(看板、名刺、SNSなど):ここに書く
4. 副業に使える時間(例:平日夜に何時間、週末に何時間):ここに書く
5. この仕事にかかる作業時間の見込みと、1時間あたりこれだけはほしいという金額:ここに書く
6. これ以下では受けない金額がすでに決まっていれば:ここに書く(なければ空欄)
【手順】
1. 見積もりを項目ごとに分け、それぞれにかかる作業時間の見込みを入力5から割り振る。入力に無い時間は作らず、私に質問する。
2. 最低ラインを確かめる。「作業時間の合計 × 1時間あたりの金額」で計算し、入力6があれば並べて書く。差が大きいときは、どちらが実態に近いか私に聞く。
3. 依頼主の返信を読み、次のどれに当たるかを判断する。予算の金額が書いてある/書いていない/他と比べた金額が書いてある。
4. 項目のうち、依頼主が実際に使う場面(入力3)に要るものと、無くても困らないものに分ける。
5. 判断基準に沿って、範囲を調整した案を作る。
6. 依頼主への返信文面を作る。
7. 送る前に私が確かめることを挙げる。
【判断基準】
・値段だけを下げる案は作らない。金額を下げるなら、必ず同じ分だけ作業の範囲も下げる。
・削る順番は、依頼主が使わないものから。たとえば案の数(3案を1案に)、修正回数、使う予定の無い展開(使わない向きの版や色違い)を先に削る。看板やSNSなど入力3の場面で必要なデータは残す。
・依頼主の予算が書いてあり、それが最低ライン以上なら、その予算で収まる範囲の案を1つ作る。
・予算が最低ラインを下回るなら、範囲を最小まで削った案と、今回は見送る文面の両方を出す。私が仕事を逃したくなくても、最低ラインを割る案は出さない。
・予算の金額が書いていなければ、範囲を削った案を示しつつ、ご予算はいくらくらいかを聞く一文を入れる。
・他と比べた金額が書いてあっても、その相手や相場には触れない。代わりに、私の見積もりに何が含まれているか(案の数、修正回数、納品データ)を見えるようにして、比べる材料を渡す。
・削った後の作業時間が、入力4の副業に使える時間で納期までに収まるかを確かめる。収まらなければ納期を延ばす案にする。
・修正回数を超えたときの追加料金を、文面に一言入れるかどうか私に聞く。
【出力の形】
1. 最低ラインの計算(式と結果。分からない数字は「未入力」と書く)
2. 表:項目/元の見積もり/調整案/削った理由
3. 返信文面を2案(各300〜500字、やわらかい敬体)。依頼主がデザインの言葉を知らない前提で、「拡大してもぼやけないデータ」のように言い換える
4. 送る前に私が確かめること(3つまで)
【やらないこと】
・入力に無い金額、作業時間、相場の数字を作らない。
・依頼主を責める言葉、急かす言葉、「格安」「ぼったくり」などの言葉を使わない。
・消費税や源泉徴収、インボイス、契約書の扱いは判断しない。気になる点があれば「税務署や税理士に確認」「フリーランスの取引の相談窓口に確認」と書くだけにする。
【題材の例(架空)】
以下はすべて架空の例です。
依頼主:駅前で10席ほどの定食屋を営む店主。店の看板の張り替えに合わせて、ロゴを作りたい。メニュー表とInstagramにも使いたい。
私の見積もり:ロゴ3案の提案、修正3回まで、看板用とWeb用のデータ、横長の版と正方形のアイコン版を納品、合計55,000円(税込)、納期3週間。
依頼主の返信:「素敵なご提案をありがとうございます。ただ、小さな店で予算が少なくて……。他でも聞いてみたら2万円くらいと言われたのですが、なんとかなりませんか」
私の状況:平日は本業があり、副業に使えるのは平日夜に1時間、土日に3時間ずつ。返ってくるのは、最低ラインの計算、範囲を調整した表、返信文2案、送る前に確かめること、の4つです。この題材では予算が最低ラインを下回りました。返信文は、範囲を絞った案と見送る案の2つが出ています。
架空の焼き菓子の店で試した、値下げへの最低ラインと返信文
Claudeに依頼文を貼り、【題材の例(架空)】は残したまま、架空の焼き菓子の店のロゴの入力を続けて貼りました。見積もりはロゴ2案、修正2回、名刺用・看板用・Web用のデータ、白黒版とカラー版で48,400円(税込)、納期3週間です。返信は「予算は3万円ほどで考えていました。ネットのサービスだと1万円台のものもあり、迷っています」で、名刺と入口の看板に使えれば十分、とも書いてあります。
依頼主の返信は、予算の提示か、他との比較か
最低ラインは、提案10時間、修正4時間、書き出し4時間の18時間から45,000円と出ました。見積もりはそれを3,400円上回り、予算の3万円は下回ります。そのうえでAIは、返信に予算の金額があるのか、他との比較があるのかを分けていました。
予算の金額が書いてある(3万円)+他と比べた金額が書いてある(ネットのサービスで1万円台)の両方に当たります。予算3万円は最低ライン45,000円を下回るので、判断基準に沿って「範囲を最小まで削った案」と「今回は見送る文面」の両方を出します。
副業の時間も、この題材の入力から週8.5時間、3週間で25.5時間と足し上げ、納期に収まると確かめていました。
削る範囲の表
印刷に要るデータは残り、使う予定のないWeb用と白黒版が外れています。値段だけを下げる案は出ませんでした。
返事を書く前に「どこを減らすか」が表で見えるんです。削る理由が依頼主の使う場面に結びついているので、そのまま返信の説明にも使えます。
依頼主が使う場面だけに絞った返信文
AIが出した返信文2案のうち、範囲を絞った案(案A)の文面です。
ご検討いただき、ありがとうございます。名刺と入口の看板に使えれば十分とのこと、教えていただき助かりました。
お見積もりの金額は作業の中身に合わせて出しているため、同じ内容のまま下げるのは難しいのですが、使う場面に合わせて内容を絞ることで、金額を抑える形をご提案できます。
【最初にお出しした内容】 ・ロゴの案を2つご提案 ・修正2回まで ・名刺、看板、ホームページやSNS用のデータ(拡大してもぼやけないデータと、画像データ) ・白黒とカラーの2種類
【名刺と看板に絞った場合】 ・ロゴの案を1つご提案 ・修正1回まで ・名刺と看板の印刷に使える、拡大してもぼやけないデータ ・カラー1種類 こちらで【調整後の金額】円(税込)、納期は3週間のままです。
他で聞いた「1万円台」には触れず、最初の内容と絞った内容を並べて見せる文面です。受け取る側には、使う場面に合わせて選び直す相談として読めます。もう1案(案B)として、今回は見送る返事も出ました。
分からない作業時間は、AIが決めずに質問した
調整後の金額は、【調整後の金額】の空欄のまま残りました。入力に無かった次の3つを、AIは時間や数字を作らずに質問しています。
- 案を1つにしたときの作業時間。「10時間の半分とは限らないので、実際の見込みで」と添えてありました
- 修正1回の作業時間
- 名刺と看板用のデータを、カラー1種類だけ書き出す時間
値下げの返信を送る前に
出来上がりの最後には、送る前に確かめることが3つ並んでいました。
1. 調整案の作業時間(上の質問1〜3)と、1時間2,500円が税込か税別か。これで【調整後の金額】を埋め、3万円に収まるかどうかで案Aと案Bのどちらを送るか決める 2. 白黒版とPNGを本当に削ってよいか。名刺や看板を頼む印刷所・看板屋さんから指定されるデータの形式があれば、それは残す 3. 修正1回を超えたときの追加料金を、文面に一言入れるかどうか。入れる場合、その金額は入力に無いので、決めてから書き足す
返信文は下書きです。【調整後の金額】の空欄は、AIの3つの質問に自分の作業時間の見込みで答え、自分で金額を出して埋めます。その金額が最低ラインを割っていないかを見てから送ってください。
金額の大小の言い方も、送る前に読み返してください。見送る文面(案B)に、金額の大小を取り違えた言い回しがありました。
Claudeで試したのは1回、予算が最低ラインを下回る架空の焼き菓子の店という1つの題材だけです。金額を埋めるところや実際の依頼主とのやりとりまでは進めていないので、本文の金額や時間はすべてこの題材の数字です。消費税やインボイス、契約の扱いで気になる点は、税務署や税理士、フリーランスの取引の相談窓口に確認してください。
まずは手元の見積もりで、作業時間と1時間の金額をかけ算するところから始めてみてください。



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