AIで書いたnoteの下書きを、作り話を混ぜずに自分の文章へ戻す頼み方

千早
千早

@chihaya_shelf ・ 1本

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AIで書いたnoteの下書きを自分の文章に戻すには、口調を合わせるだけでなく、自分が書いていない話を入れないよう頼むことが要ります。そのための依頼文(AIに貼って使う、手順を書いた指示文)を載せました。自分の口調の本文、公開前に確かめる箇所の一覧、足すとよい話の3つが、決まった順で返ってきます。

AIっぽさをなくしてほしいと頼んで、読みやすくはなったのに、書いた覚えのない一文がまぎれていた。そんなことはありませんか? ふつうに頼んで試したときも、そういう一文が本文にまぎれていました。

ふつうに頼んだ下書きは、どこでずれたのか?

印刷した下書きの紙に並ぶ行のうち、3行だけが淡い橙色に縁取られて浮いている。書き手が書いていない文がまぎれている様子

材料は、架空のnoteの下書き2本です。1本は共働き家庭の「日曜90分の作り置き」、もう1本は副業Webライター1年目の振り返りで、どちらもAIが書いた下書きに、その書き手が前に書いたという設定のnoteを添えています。振り返りのほうには、下書きの元にしたメモもあります。

これを、特に指示を足さず、AIっぽさをなくして自分の口調で読めるように直してほしい、と頼みました(前に書いたnoteも添えて)。このあと紹介する依頼文ありの頼み方とは、同じ材料で1回ずつ、ClaudeのSonnet(Claudeのモデルの1つ)で比べました。

直った所もありました。「いかがでしたか」「〜と言えるでしょう」のような言い回しや大げさな形容はなくなり、文末は前のnoteに寄っています。振り返りのほうでは、出どころのない統計を外し、言い換えられていた編集さんの言葉をメモの元の言葉に戻していました。直した本文のあとには、「確認してほしいところ」という短い一覧も付けてきます。困ったのは、その先です。

下書きに無い気持ちや理由が、本文に入った

振り返りのメモにあったのは、事実だけです。始めて12か月、最初の3か月は文字単価0.5円で、いまは1.5円(継続の2社)。先月の収入3.8万円は多い月で、毎月ではない。編集さんに「結論、最後に来てますね」と言われて書き方が変わった。子どもの発熱で納期を1回落とした。平日の朝6時から7時に書いている。

直した本文には、次の文が言い切りで入っていました。

時給にすると、たぶん悲しくなる数字です。なので、あまり計算しませんでした。
言われて読み返すと、たしかに最後でした。私は理由を先に積んでから、最後に結論を置いていました。そのほうが丁寧だと思っていたんです。
去年の私に何か言えるとしたら、「とりあえず0.5円からでいいよ」くらいです。

時給を計算しなかったこと、結論を最後に置いていた理由、去年の自分への助言。どれもメモにはありません。口調がよく似ているぶん、読み流すと自分で書いた文に見えてしまいます。

こうした文は、この1本だけで9か所ほどありました。そのうち4か所は、AIが返してきた「確認してほしいところ」にも載っていません。

この3つの文、自分で書いていないと気づけそうですか? 一覧に無ければ、そのまま自分の文章として公開してしまうかなと思います。

決まり文句は、別の決まり文句に替わった

振り返りの下書きは「この記事が、あなたの一歩を後押しできれば幸いです」で終わっていました。直した本文の締めは「参考になればうれしいです」。言い方が変わっただけで、締めの型はそのままですね。

作り置きのほうも同じでした。下書きの「そんな私がたどり着いたのが」は、こうなっています。

それで落ち着いたのが、日曜90分の作り置きだった。

「たどり着いた」が「落ち着いた」になっただけで、話の入り方は下書きの型のままです。

最後は、下書きと同じく「まとめ」の見出しと3点の箇条書きで締めていました。

## まとめ

- 完璧は目指さない
- 肉と野菜を一個ずつ決める
- 夫にも子どもにも頼む

これだけ。私は日曜の90分で、平日がかなり変わった。

添えた前のnoteには、こういう締め方はありません。決まり文句を探して中身だけ言い直すところまで頼まないと、型は別の言葉で残るんですね。

確かめる箇所も、返ってくる形も、材料ごとに違う

作り置きのほうはメモが無く、食費が月4.2万円から3.6万円になった、という数字は下書きにしかありません。直した本文はこの数字を見出しに立てていましたが、確かめる箇所には挙げていませんでした。

返答の並びも、2本で違いました。作り置きは「本文、直したところ、確認してほしいところ」の順。振り返りは「事実の直し、本文、直し方の考え方、確認してほしいところ、声に出して読む助言」の順です。

下書きを直すたびにこれだと、どこを読めば確かめる箇所が分かるのか、毎回探すことになります。

下書きを自分の口調に直す依頼文

この依頼文で決めているのは3つです。本文に使うのは下書きとメモにある事実だけで、書き手が書いていない気持ちや理由は入れないこと。書き手しか知らない話は、本文に足さずに問いの形で返すこと。返答は「本文」「公開前に確かめるところ」「足すとよい話」の3つの節を、この順で出すこと。

口調は、添えた前の文章から拾わせます。文末や一文の長さに加えて、文の運び(言い切ったあとに一言添える、のような文のつなぎ方の癖)までです。手元に、前に自分で書いた文章はありますか? 1本でもあれば、それが口調の見本になります。

貼り替えるのは、依頼文の「入力」にある3か所です。【下書き】にはAIの下書き、【メモ】には下書きの元にしたメモ、【前の文章】には自分で書いた過去の文章を1〜3本。新しいチャットで、それぞれ「ここに〜を貼ります」の文の代わりに中身を貼ります。メモや前の文章が無ければ、「なし」と書いてください。最後の「題材の例」は、AIに直し方を見せるための架空の例なので、そのまま残して貼ってください。

AIに作らせた下書きを、書き手が書いた材料だけでできた、書き手の口調の記事に直してください。そのまま公開できる形(タイトル・見出し・段落のある記事)で返してください。あわせて、公開前に書き手が自分で確かめる箇所を短い一覧にしてください。

## 入力
- 【下書き】ここにAIの下書きを貼ります。
- 【メモ】ここに下書きの元にしたメモを貼ります(なければ「なし」)。
- 【前の文章】ここに書き手が自分で書いた過去の文章を1〜3本貼ります(なければ「なし」)。

## 手順
1. メモと下書きから材料を拾い出します。事実、数字、人の言葉、書き手自身の感想や理由です。メモが「なし」なら、下書きにある事実と数字を材料にします。
2. 下書きをメモと突き合わせます。メモと食い違う表現、出どころのない数字や統計、言い過ぎは、外すかメモのとおりに直します。人の言葉の引用は、メモにある元の言葉に戻します。差額や合計などの数字は計算し直します。メモが「なし」なら、下書きの数字は外さず、計算だけ確かめます。
3. 前の文章から口調を拾い、本文を合わせます。拾うのは文末、一文の長さ、敬体か常体か、読者の呼び方に加えて、文の運びです。たとえば「短く言い切ったあとに一言添える」「段落の最初の一文で何を言うか」「段落をどこで切るか」です。前の文章が「なし」なら、下書きの文体のまま手順4〜6を行います。
4. 骨組みを見直します。タイトルと見出しは残し、書き手の口調で付け直します。そのうえで次の3つは、前の文章に同じ形がない限り外し、地の文に戻します。
   - 「まとめ」などの見出しと、短い箇条書きでの締め
   - 成果や良かった点を並べた箇条書き
   - 最後に読者へ呼びかける一言
5. 本文を一文ずつ見て、材料のどれから来た文かを確かめます。
   - 書き手が書いていない気持ち、理由、出来事、その後の様子、読者への助言は入れません。
   - 下書きやメモにある事実は落としません。本の内容の説明なども、下書きにあれば残します。
   - 段落と段落のつながりは、書き手の口調でつないでかまいません。つなぎの言葉は作り話ではありません。
   - 記事の長さは、下書きとメモにある事実を全部使った分だけにします。材料の無い所は膨らませず、材料のある所は削りません。
   足すとよい話は、出力の3つ目の節に問いの形で書きます。
6. 本文を通して読み、決まり文句を探します。冒頭の前置き(「今回は〜をご紹介します」)、文の頭の導入(「そんな〜がたどり着いたのが」「〜という方も多いのでは」)、締め(「参考になれば幸いです」「ぜひ〜してみてください」)、推量や婉曲(「〜と言えるでしょう」)、大げさな形容です。見つけたら別の決まり文句に入れ替えず、その文の中身だけを書き手の口調で言います。前の文章に同じ言い回しがあれば、書き手の口癖として残します。

## 判断基準
- メモと下書きが食い違う → メモに合わせる。
- メモか下書きにある事実 → 書き手の口調で言い切る。「〜かもしれません」とぼかさない。
- メモがあり、下書きにだけある事実(本の内容など) → 本文に残し、一覧に【メモにない】で入れる。数字・統計・引用だけは、メモにない限り外す。
- メモが「なし」 → 下書きの数字も材料なので外さず、一覧に【メモにない】で入れる。
- 書き手の気持ちや理由で、どこにも書かれていないもの → 本文に入れず、3つ目の節へ。
- 事実か書き手の気持ちか迷う文 → 本文に入れず一覧へ。事実の説明は迷わず残す。
- 下書きと前の文章で口調や運びが違う → 前の文章に合わせる。

## 出力の形
次の3つの節を、この見出し・この順番で出してください。ほかの節、前置き、後書きは付けません。書くことがない節は「なし」と書きます。

### 1. 本文
タイトル・見出しを含む、直した記事だけ。注記や括弧書きの補足は入れません。

### 2. 公開前に確かめるところ
1行1件、多くて7件。頭に次のどれかを付けます。
- 【直した】メモに合わせて直した・外した所(元の表現も書く)
- 【メモにない】下書きにだけあった事実や数字で、本文に残した所
- 【数字】計算し直した所

### 3. 足すとよい話
書き手しか知らない話で、あれば本文が良くなるものを、問いの形で多くて3つ。答えは作りません。

## やらないこと
- 書き手が書いていない推測を、本文に言い切りの形や「※推測」の注記で入れること
- 出どころのない数字・統計・評判を足すこと
- 引用を言い換えること
- 書き手の評価を強めたり弱めたりすること
- 材料のある段落を、メモのような短い文の並びに縮めること
- 節を増やす、順番を変える、助言や感想を添えること

## 題材の例(架空)
【メモ】「今週の返却棚。『灯台守の手紙』が返却ボックスに。p.84に付箋が一枚、"返事は急がなくていい"。今月の貸出は4回目。」
【下書き】「タイトル:心がほどける一冊『灯台守の手紙』。今回は心温まる一冊をご紹介します。そんな私がたどり着いたのが、この本でした。灯台守の老人と町の少女が、一年間手紙をやりとりする物語です。累計10万部のベストセラーで、読み終えたあと誰もが大切な人に手紙を書きたくなるはずです。まとめ:・優しい文章・手紙の大切さ。ぜひ手に取ってみてください。」
この場合、タイトルは残して書き手の口調で付け直します。前置き、「そんな私がたどり着いたのが」、「まとめ」、最後の呼びかけは外します。物語の説明はメモにありませんが下書きの事実なので本文に残し、一覧に【メモにない】で入れます。「累計10万部」はメモがあるのに出どころがないので外し、【直した】で元の表現と並べます。付箋の言葉と貸出の回数はメモのとおりに言い切り、物語の説明とつないで段落にします。「手紙を書きたくなる」は書き手の言葉ではないので、3つ目の節に「付箋の言葉を読んで、何を思いましたか」と問いで置きます。

依頼文を足した下書きは、何が変わったか

依頼文を足したときの返答の形。上から本文、確かめる一覧、足すとよい話の3つが矢印でつながり、確かめる一覧には直した、メモにない、数字の3つの札が付く

同じ2本の材料に、この依頼文を足して頼みました。2本とも、書き手が書いていない気持ちや理由、出来事は本文に入りませんでした。振り返りで9か所ほどあった文は、0か所です。単価、収入、編集さんの言葉、子どもの発熱、書いている時間帯と、メモにある事実は全部入っていました。

確かめる箇所は、こう返ってきました。

### 2. 公開前に確かめるところ
- 【直した】「安定して稼げるようになりました」→メモのとおり「毎月ではない、多い月」に
- 【直した】「副業で月5万円を超えるのは全体の約2割と言われています」「多くの専門家が指摘する」→出どころがないので外した
- 【直した】編集さんの言葉「結論を先に書くと、読者に伝わりやすくなりますよ」→メモの「結論、最後に来てますね」に戻した。「半年ほど経った頃」「継続案件の編集者」もメモにないので外し、「編集さん」とした
- 【直した】「文章力が飛躍的に向上」「SEOの知識を体系的に身につけたことが単価アップの大きな要因」「正しい努力を続ければ誰でも稼げる」→メモにない評価や理由なので外した
- 【メモにない】「会社員として働きながら」「結論ファーストを意識するようになった」は下書きにだけあった事実。本文に残したので、そのとおりか確かめる
- 【数字】0.5円→1.5円は3倍で合っている。「1年」はメモの12か月に合わせた。1.5円が継続の2社の単価か、全体の単価かを確かめる

行の頭の札で、その行が何かが分かります。【直した】はメモに合わせて直したり外したりした所で、元の表現も並んでいます。【メモにない】は下書きにだけあって本文に残した事実、【数字】は計算し直した所です。1.5円がどの単価か、という読み違えやすい点まで挙がっていました。「1年」の行は、下書きの「1年」という言い方を、メモの「12か月」に合わせたという意味です。

作り置きのほうは、見出しが「食費は3か月で月4.2万円から3.6万円に」になりました。数字を見出しに立てたのはふつうに頼んだときと同じですが、今度はこの食費の数字と3か月という期間を、公開前に確かめるところの最初の行に挙げています。

返答の形は、2本とも「本文、公開前に確かめるところ、足すとよい話」の順にそろいました。札の付け方も、問いの数も同じです。材料が変わっても、どこを読めば何が分かるかは動きませんでした。

前半で見た「たどり着いたのが」の型や、「まとめ」の見出しと箇条書きの締めは、2本とも出てきませんでした。

返ってきた一覧と問いで、自分の文章に仕上げる

閉館後の事務室で、女性がスマホを横に置き、ノートに一行を書き足している。机の端には空欄のカードが3枚あり、1枚だけに書き込みがある

公開前に確かめるところは、上から順に、自分のメモや記録と照らしていけば足ります。【直した】は元の表現と並べて、外してよかったかを見る。【メモにない】は、本当にそうだったかを思い出す。【数字】は、計算を一度だけ確かめる。一覧は多くて7件までと、依頼文で決めてあります。

足すとよい話は、書き手しか知らない話を、本文に入れずに問いで返してくる節です。振り返りでは、この3問が返ってきました。

### 3. 足すとよい話
- 納期に間に合わないとわかったとき、編集さんにどう伝えて、そのあとどうしましたか
- 「結論、最後に来てますね」と言われたとき、どう思いましたか
- 0.5円の3か月を続けられたのは、なぜでしたか

ふつうに頼んだとき、AIが自分で答えを作って本文に入れていたのが、ちょうどこのあたりでした。「言われて読み返すと、たしかに最後でした」は、編集さんの言葉についての問いに、AIが先回りして答えた形です。依頼文を足すと、答えの欄は空いたまま返ってきます。

「結論、最後に来てますね」と言われたとき、みなさんならどう思ったでしょうか? その答えを自分の言葉で一文書き足すと、そこはほかの誰にも書けない文になります。AIの下書きが自分の文章に変わるのは、たぶんこの一文からです。

AIの下書きに使う前に知っておきたいこと

ここで見た結果は、ClaudeのSonnetに架空の材料2本を、それぞれ1回ずつ通したものです。

返ってくるまでの時間は34〜37秒で、ふつうに頼んだとき(20〜29秒)より少し長くかかりました。依頼文は2,500字ほどあるので、毎回まるごと貼ります。

メモを「なし」にしたときは、下書きの数字も材料として本文に残ります。外さないかわりに一覧に挙がるので、手元の記録と照らしてください。作り置きの食費のように、見出しになった数字ほど先に確かめたいところですね。

口調と骨組みはAIに任せて、気持ちと理由は自分で足す。頼み方でその線を引いておくと、公開前に確かめる所も、決まった並びで返ってきます。