老人ホームの契約書、入居前にAIと読んで施設に聞くことを決める

ごんた
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@gonta_route ・ 1本

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老人ホームの重要事項説明書と契約書は、料金、退去、身元引受人、亡くなった後の扱いが書いてある所を写真か書き写しでAIに貼れば、気をつける点の表と、施設に書面で出す質問文までそろう。契約するかどうかはAIに決めさせず、家族で決める。

施設に連絡できるのは、仕事が休みの日だけだ。その間にも、「いつまでに決めて」と期限は迫ってくる。分厚い書類を前に、思いついた順に電話で聞いていては間に合わない。聞くことは先に紙で固めて、答えも紙でもらっておきたい。そこで使うのが、AIに貼る指示の文(以下、依頼文)だ。

老人ホームの重要事項説明書は、どこを読めばいいのか?

老人ホームの重要事項説明書は、どこを読めばいいのか?

分厚い束を頭から全部読まなくていい。依頼文でAIに読ませるのは、次の6か所だけだ。

  • 月額費用
  • 入居一時金と、その返し方
  • 料金改定
  • 退去、つまり施設の側から契約を解除できる場合
  • 身元引受人
  • 亡くなった後の扱い

試すために作った架空の書類でも、料金は重要事項説明書の4〜5ページ、退去や身元引受人は契約書の条文に分かれて書いてあった。2つの書類を行き来しないと、6か所はそろわない。頭から順に読んでも、知りたい答えが一本の流れで出てこないわけだ。

手元の書類、この6か所がどのページにあるか、すぐ言えるか? 言えなくていい。そこを探すのをAIに任せる。

老人ホームの入居前に、契約書チェックで使う依頼文

貼るものは3つある。依頼文の【私が貼るもの】の所に、それぞれ入れる。

  1. 書類は、6か所が書いてあるページの写真か書き写し。ページ番号と条の番号が写るように撮る
  2. 家族の状況は、入居する人の要介護度や持病、入院中かどうか、家族の住む場所、施設とやりとりできる曜日、費用を出す人
  3. 期限は、退院予定日や「いつまでに決めてほしい」と言われた日
【頼みたいこと】
親の入居を考えている有料老人ホームの重要事項説明書と契約書を読んで、入居を決める前に気をつける点を書き出し、施設に書面で出す質問の文面まで作ってください。契約してよいかどうかの判断はしなくていいです。

【私が貼るもの】
1. 書類:ここに重要事項説明書と契約書のうち、月額費用・入居一時金(前払金)・料金改定・退去(契約の解除)・身元引受人・亡くなった後の扱いが書いてある部分を貼る(写真でもよい。ページ番号や条の番号が写るように撮る)
2. 家族の状況:ここに入居する人の今の状態(要介護度、持病、入院中かどうか)、家族それぞれの住んでいる場所、施設とやりとりできる曜日、費用を出す人を書く
3. 期限:ここに施設や病院から言われている期限(退院予定日、「いつまでに決めてほしい」と言われた日など)を書く

【手順】
1. 書類を読み、次の6項目ごとに、該当する条文とページを抜き出す。月額費用/入居一時金と返し方/料金改定/退去・契約の解除/身元引受人/亡くなった後。見つからない項目は「見つからない」と書く。写真で読めない所は推測で埋めず「読めない(〇ページ)」と書く。
2. 項目ごとに、毎月いくら・いつ・誰が払うのかを、私の家族の状況に当てはめて1行で言い直す。書類に金額が載っていない費用(おむつ代、通院の付き添い、医療費、日用品など)は「別にかかる」として並べる。
3. 項目ごとに、次の点が書いてあるかを見て、書いていなければ質問にする。
 ・入居一時金:入居から3か月以内に契約が終わったときの返し方、その後に何年かけて減っていくか、最初に差し引かれる割合
 ・料金改定:誰が、どんな理由で、何日前の知らせで上げられるか。家族の同意が要るのか、説明だけで決まるのか
 ・退去:施設の側から契約を解除できる場合の書き方。私の家族の持病や状態が当てはまりそうな書き方なら、どの程度になったら退去なのか、誰がどう判断するのか、入院で何日空けると部屋を明け渡すことになるのか
 ・身元引受人:引き受ける人の役目(支払いの保証、入院や通院の付き添い、亡くなった後の引き取り)と、保証する金額の上限
 ・亡くなった後:部屋を空ける期限、その間の費用、荷物の扱い、返ってくるお金の振込先と時期
4. 期限と照らし合わせる。決めるよう急かされているなら、申込金や仮押さえがあるか、それは取りやめたときに返るのかを質問の一番上に置く。退院日が近いなら、契約前に短く泊まって様子を見る方法があるかを質問に入れる(あるかどうかはあなたが決めず、施設に聞く形にする)。
5. 質問を下の【判断基準】で並べ替え、【出力の形】にまとめる。

【判断基準】
・「書いてあるが意味が分からない」と「書いていない」を分ける。前者は「〇条の〇〇は、△△という意味で合っていますか」と言い直して確かめる質問、後者は「書面で回答をください」と頼む質問にする。
・見学のときに口で聞いた話が書類に見当たらないとき、書類と違うときは、必ず書面で答えてもらう質問に入れる。
・上に置くのは、後から取り返せないもの(一時金の返し方、退去になる条件、身元引受人の保証の範囲)。日々の細かな費用は下に置く。
・家族が遠くに住んでいる、平日に動けないなど、私の状況で困りそうな条文には「該当」と印をつけ、その質問を優先する。
・私は休みの日にしか施設とやりとりできない。質問文の頭に、メールか書面で、いつまでに答えてほしいかを書く。

【出力の形】
1. 表:項目/書類の場所(ページ・条)/書いてあること(言い直し)/気になる点
2. 施設への質問文:あいさつ1〜2文と、回答の方法・期限のお願いのあとに、番号付きで10問以内。各質問の末尾に(〇ページ〇条)と該当箇所を添える。全体で800字以内
3. 自分で確かめる先:法律・お金・医療の判断が要る点を箇条書きにし、聞く先を添える(施設の担当者、ケアマネジャー、病院の医療ソーシャルワーカー、市区町村の高齢者福祉の窓口、消費生活センター(188)、弁護士など)

【やらないこと】
・書類にない金額・日数・割合を作らない。世間の相場を書類の代わりに書かない。
・契約してよい、やめたほうがよい、と判断しない。条文が法律に合っているかを判定しない。
・3か月以内の返し方の計算など、制度の細かい所は断定せず「施設か窓口で確かめる」と書く。
・持病や今の状態から、退去になるかどうかを予想しない。

【題材の例(架空)】
架空の有料老人ホーム「ひだまり苑」。月額費用24万円(家賃・管理費・食費)、介護保険の自己負担は別。入居一時金600万円、5年で償却、最初に20%差し引く。料金改定は「経済情勢の変化により改定することがある。30日前までに通知する」。退去は「医療的処置が常時必要となり、施設での対応が困難と判断したとき」。身元引受人は1名、保証の上限額の記載なし。亡くなった後は「14日以内に居室を明け渡す。以降は日割りで家賃を請求する」。
家族は架空の82歳の母(要介護2、糖尿病でインスリン注射、いま入院中で退院予定は10日後)、50代の長男はトラック運転手で休みは日曜と水曜、妹は県外に住む。施設からは「今週中に決めないと別の方が入る」と言われている。

末尾の「題材の例」は架空の話で、書き方の見本だ。消さずに残したまま、その下に自分の書類と状況を貼ればいい。

肝は【やらないこと】の所だな。書類にない金額や日数を作らない、契約してよいかを判断しない、と先に縛ってある。AIに読ませるのは、書いてあることと書いていないことを分ける所までにする。

架空の父の老人ホーム契約書で試すと、何が出たか

Claudeで試した。題材は架空の79歳の父で、要介護3、軽い認知症があって夜に歩き回ることがある。長男は隣の県に住んでいて施設とやりとりできるのは土曜だけ、弟は海外勤務、という設定にした。

書類は、月額198,000円、入居一時金380万円の重要事項説明書と、料金改定、事業者からの解除、身元引受人の条文。死亡時の第25条だけは写真がぶれて読めない、という形で渡した。

返ってきたのは6項目の表だった。3行だけ抜く。

項目
書類の場所(ページ・条)
書いてあること(言い直し)
気になる点
料金改定
契約書 第12条(ページは貼った写しに写っていない)
事業者が、物価や人件費などの変動を理由に、管理費と食費を上げられる。運営懇談会で説明してから実施する、とある。
何日前に知らせるかが書いていない。家族の同意が要るのか、説明だけで決まるのかがはっきりしない。(略)
身元引受人
契約書 第22条
身元引受人は、父と連帯して、この契約で父が払うべきお金を払う責任を負う。
保証する金額の上限が書いていない。(略)
亡くなった後
契約書 第25条
読めない(p.11)
部屋を空ける期限、その間の費用、荷物の扱い、返ってくるお金の振込先と時期がわからない。読める写しをもらう

契約書の言い回しが「何が書いてあって、何が書いていないか」に言い直され、施設に聞く点まで同じ行に並ぶ。分厚い書類が、聞く項目の一覧になるわけだ。

写真で読めない死亡時の条文は、推測で埋めなかった

ぶれた第25条を、AIはそれらしい文で埋めずに「読めない(p.11)」と書いた。そのうえで、読める写しをもらう、と次の手まで添えてある。

ここが埋められていたら、亡くなった後の部屋の明け渡しや返金を、誰も確かめないまま話が進む。読めない所は読めないと出るほうが、聞く先がはっきりする。

老人ホームの見学の口約束と契約書が食い違ったら?

老人ホームの見学の口約束と契約書が食い違ったら?

書類の欄には、見学のとき担当者が口で「入院しても半年は部屋を確保します」と言っていた、という1行を入れておいた。一方、契約書の第18条には、入居者が3か月以上の長期入院をしたときは施設の側から解除できる、と書いてある。

AIはこの食い違いを拾って、書面で答えてもらう質問にした。

【該当】見学の際に「入院しても半年は部屋を確保する」と伺いましたが、第18条には「3か月以上の長期入院」で解除とあります。どちらが正しいか、入院中の費用もお答えください。(第18条)

依頼文の判断基準に、口で聞いた話が書類と違うときは必ず書面で答えてもらう、と入れてあるからだ。紙に残っていない約束は、あとで確かめようがない。見学の場で聞いた安心材料ほど、書面に載っているかを先に確かめておきたい。

見学で聞いた話は、メモがあるなら書類の欄の最後に1行足して一緒に貼る。試したときもそうした。

老人ホームの契約を急かされたら、質問の一番上は申込金

老人ホームの契約を急かされたら、質問の一番上は申込金

申込金は、入居一時金とは別に、入居を決める前に払うよう言われるお金だ。今回は、施設から「来月1日入居なら今月20日までに申込金10万円を」と言われている設定にした。質問文の1問目はこうなった。

申込金10万円は、取りやめたときに返りますか。条件と時期、回答までに20日の期限を延ばせるかも教えてください。(記載なし)

急かされているときは、先に払えと言われている金が返るかをまず聞く。その下に来るのは、後から取り返せないものだ。一時金の返し方、退去になる条件、身元引受人の保証の範囲が上に並び、日々の細かな費用は下に回る。

この題材では質問が9問になり、並びは1問目が申込金、2〜3問目が一時金の返し方、4〜5問目が退去、6問目が身元引受人、7問目が料金改定、8問目が第25条、9問目が支払日と、書類に金額がない費用(日用品など)だった。

家族の状況に引っかかる条文には【該当】の印がつく。今回は、父の夜の歩き回りと第18条、見学の話との食い違い、身元引受人の連帯債務と土曜しか動けない長男や海外の弟、などに印がついた。父は入院中ではないので、契約前に短く泊まって様子を見る質問は入れなかった、と理由まで書いてあった。今回は、家族に関係のない質問は入ってこなかったので、読む側が選り分けずに済んだ。

質問文の頭には、平日は連絡が取れないのでメールか書面で〇月〇日までに答えてほしい、というお願いが入る。〇月〇日には、申込金の期限の20日より前の土曜までに回答が届く日を入れる、という注記がついた。自分の場合は、申込金の期限と動ける曜日から逆算して決める。

いつまでに決めてくれ、と言われているなら、その日付を期限の欄にそのまま書く。

老人ホームの契約書で、AIに決めさせないこと

表と質問のあとに、自分で確かめる先が並ぶ。この題材では8項目で、聞く先は施設の担当者、ケアマネジャー、かかりつけ医、市区町村の高齢者福祉の窓口、消費生活センター、弁護士に振り分けられた。たとえば身元引受人が連帯して債務を負うことの重さは、弁護士と消費生活センター、という具合だ。

お金の計算も言い切らせていない。初期償却15%は57万円にあたると計算したうえで、この額で合っているかは施設に確かめる、と書いた。

制度の決まりもある。入居から90日(約3か月)以内に契約が終わったときの前払金の返し方は、老人福祉法の第29条に定めがある。個人が先々の分までまとめて保証するときの上限額については、民法の第465条の2に決まりがある。ただ、自分の施設の契約にどう当てはまり、いくら返るのかは、施設か窓口で確かめる。

迷ったら消費者ホットラインの188だ。かけると、近くの消費生活センターなどの相談窓口につながる。

契約していいか、AIに聞きたくならないか? 依頼文の最初で「判断はしなくていい」と断ってある。決めるのは家族で、AIの仕事は聞くことをそろえる所までだ。

老人ホームの契約書の写真は、ページ番号ごと撮る

料金改定・退去・身元引受人の行は、ページの欄が空いた。AIの読み落としではなく、入力の作り方のせいだ。契約書の条文を書き写すとき、条の番号だけでページを入れていなかった。写真で貼るなら、ページ番号まで画面に入れて撮る。

第25条は、ぶれて読めないという注記をつけて渡したら、「読めない」で止まった。実際の写真を貼るときは、貼る前に一度、自分で読めるか見ておけば済む話だ。読めないままなら、撮り直すか、施設に読める写しを頼むしかない。

貼る前に、氏名や住所など質問に要らない所は伏せておく。

試したのは1回、架空の題材1つだけで、できた質問文を実際の施設に送って答えをもらう所まではやっていない。

契約するかどうかは家族で決める。その前に、施設に何を聞くかだけは紙にしておく。