メール返信と日程調整、1日のなかでじわっと時間を持っていかれていないでしょうか。
Town AIは、それをまるごとAIに委ねてしまえるアシスタントです。
1通5分のメールが30通で2時間半。
それが毎日続く計算です。
a16zが$55Mを投じ、元Plaid CTOが作ったこのツールが、どういう仕組みで動いているのかを解説します。
メール返信と日程調整に消える時間を、AIが取り戻す
あなたも、こんな経験ありませんか。
メールチェック、返信、日程調整、議事録の要約——こうした仕事は、新しい価値を生むわけじゃないのに、誰かが触らないと回らないものですよね。
それが毎日積み重なって、本来やりたいことに使える時間が気づくとゼロになっている感覚。
「これ全部AIで巻き取れるんじゃないか」という発想で生まれたのが、Town AIです。
メールも日程も朝のニュースまとめも、まるごと渡してしまえる設計のAIアシスタントなんですよ。
どんな人が作って、どんな数字を出しているのか——そこを知ると、このツールへの見え方が変わってきます。
Town AIとは——a16zが$55Mを投じた「学習するAIアシスタント」
Town AI(公式名Town)は、2024年末に米国で設立されたAIアシスタントです。
2026年6月3日にシリーズAで$55M(約88億円)を調達したばかりで、累計調達額は$73M(約117億円)。
リード投資家はa16zで、Forerunner Ventures・First Round・Alt Capital・Convictionが共同投資しています。
元Plaid CTOと元Google AI責任者が作っている
CEOは Jean-Denis Grèze(ジャン=ドニ・グレーズ)さん。
フィンテックAPI大手のPlaidで7年間CTOを務めた人で、その前はDropboxのエンジニアリングリーダーです。
共同創業者のTony Vincentさんも、Googleでディレクター・オブ・アプライドAIを担当し、その前はDropboxのデザイン責任者。
メール周辺の業務を10年以上見続けてきたメンバーが、本気で受信トレイを作り直しに来た、という構図ですね。
ウェイトリスト40万人、2ヶ月リテンション99%
数字が異質なんですよ、これ。
- 現在の利用者: 約10,000人(招待制)
- ウェイトリスト: 40万人超
- 2ヶ月リテンション率: 99%(自動化設定ユーザー対象)
「ウェイトリスト40万人に対して現ユーザー約10,000人」という比率から考えると、40倍の待機列があるツールです。
そしてリテンション99%。
AIツールは新しいうちに使われてすぐ飽きられるという流れが多いなか、カスタム自動化を1つでも設定したユーザーの2ヶ月リテンションが99%というのは、要するに「使い始めたらほぼ誰も辞めていない」ということですよ。
a16zがこの数字を投資理由として挙げているのが、腑に落ちます。
GmailとSuperhumanの上に「乗る」設計
Town AIの大事な特徴が、既存のメールクライアントを置き換えないこと。
GmailやSuperhumanの上にAIレイヤーとして乗っかる設計なので、いま使っているメールクライアントを変えずに導入できます。
「メールツールごと乗り換えてください」と言われると、過去のラベル設定もフィルターも全部やり直しで、それだけで導入が止まることが多いんですよね。
そこを切り離してくれているのは、相当に賢い設計だと思います。
5つの機能を見ると、取り戻せる時間が一気に具体的になるんですよ。
Town AIが代行する5つのメール・日程業務
ユーザーごとに「Townie」と呼ばれる個別AIアシスタントが生成され、次の5つを引き受けてくれます。
1つ目: 受信メールの返信ドラフトを自動生成
メールが届いた瞬間に、返信ドラフトが用意されます。
こちらは確認して「送る/送らない」を決めるだけ。
「何て返そう」と書き出しに迷う時間が、そのまま消えるんです。
なお、Xでは日本語と英語の両方を扱えるとの利用報告も上がっています(公式での言語対応の明記は未確認)。
2つ目: カレンダー予定の自動作成と日程調整
「○○さんと来週ランチ」のような曖昧な指示から、予定を入れてくれます。
日程調整メールのラリーも、Townieが間に入って処理してくれる設計です。
「空いてる日を教えてください→こちらの都合は→では確定で」という往復が全部なくなるイメージです。
3つ目: 打ち合わせ前のブリーフィング自動生成
打ち合わせの直前に、相手の経歴・過去のやり取り・関連資料をまとめたブリーフィングが届きます。
これがあると、打ち合わせ前に資料を漁る時間がまるごと消えるんですよ。
「この人、去年どんな話をしたっけ」と焦る場面もなくなります。
4つ目: 毎朝のニュースまとめ
朝起きたら、自分の業界や関心領域に絞ったニュースサマリーが届いている。
情報収集の起点をAIに渡してしまう発想ですね。
自分でRSSやX検索を回す時間が減る分、その時間を判断と思考に使える。
5つ目: 紹介メールの新規スレッドドラフト
「AさんとBさんを紹介したい」というシーンで、新規スレッドのドラフトを自動で書いてくれます。
件数が多くて、フォーマットも毎回似ている仕事なので、AIに向いている領域です。
このほかにも、文書の翻訳・転写・要約まで対応しています。
意識しておくと使い方が安定する考え方が3つあります。
ここが思ったより効くんですよ。
メール・日程をAIアシスタントに任せるための3つの原則
AIに業務を渡すときに意識している原則を3つ紹介します。
原則1: 「判断を含まない作業」から切り出す
AIに渡しやすいのは「下書きまで作る」「フォーマットに沿って整える」「過去事例から要約する」のように、判断の余地が少ない仕事です。
逆に、最終のYes/Noや、関係性に基づく文脈判断は人が握る。
料理に例えると、食材を切る・下準備するはAIが担い、最後の味付けと盛りつけだけ人間がやる、という分担に近いです。
この線引きを最初にやっておくと、AIに任せたあとで困りにくくなります。
原則2: AIは下書き、人は承認に徹する
理想は、自分の仕事を「承認だけ」に絞ることです。
Town AIの設計はこの考え方どおりで、Townieが書いた下書きを読んで送る/送らないを決める。
これだけで、メール業務が「書く時間」から「読む時間」に変わるんですよ。
同じ10分でも、「書く10分」と「読んで判断する10分」では消耗度がまるで違います。
その差が毎日積み重なると、けっこう大きいんですよね。
原則3: 学習するほど手離れが加速する
Town AIの強みのひとつが、使えば使うほど学習する点。
返信の癖、よく使う言い回し、関係者ごとのトーンを覚えていくので、最初は手を入れていたドラフトも、徐々にそのまま送れるレベルに上がっていきます。
ここを我慢して使い続けられるかが、AIアシスタント定着の分水嶺ですね。
一定期間使い込んだあとのTown AIは、もう手放せない状態になっている可能性が高い。
2ヶ月リテンション99%という数字は、そのことを指しているんだと思います。
あとは実際に動くだけです。
Town AIを今すぐ試す——ウェイトリスト登録と先行準備
最後に、今日から動けるアクションを2つ。
ウェイトリストに登録する
まずは公式サイトの town.com でウェイトリストに登録します。
iOS版アプリも公開されているので、先にダウンロードしておくとスムーズですね。
登録手順自体は数分で完了するシンプルな作りなので、最初に押さえておくと招待が来てからの動きが早いです。
待機期間に「AIに渡せる雑務」を棚卸しする
ウェイトリストが40万人超なので、招待が来るまでに時間がかかる可能性が高い。
そのあいだに、いまのメール・日程管理のなかから「AIに渡せそうな定型業務」をリスト化しておくと、招待が来た瞬間に効果が出ます。
候補は、上で挙げた5つの仕事(返信ドラフト、日程調整、ブリーフィング、ニュースまとめ、紹介メール)あたりから始めると取り組みやすいですね。
時間を生み出すツールを待つあいだに、何に時間を使いたいかを整理しておく。
それだけで、Town AIが手元に届いた瞬間の使い方が変わってくると思います。





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