Superliteに仕様を渡して放置できるか、Superpowersとの違い

ゾノ
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@zonoworks ・ 1本

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SuperliteとSuperpowersの違いは、どこで止まるかにある。Superpowersは設計の承認を取ってから計画を作り、タスクが終わるたびにレビューを挟む。Superliteは設計と計画を1つの文書にまとめ、人が指揮するモードなら承認は1回だけ。そのあと最大18のエージェントを同時に走らせる。放置できるかどうかは、その1回で何を見るか次第なんだよな。

仕様を書いてAIに任せたあと、何時間なら目を離せるだろう? 気になるのは速さより、戻ってきたときにどこが壊れているかだ。今回は使い捨てのコンテナ(node:22-bookworm)で両方のリポジトリの中身を比べ、Superliteの承認ゲートを管理する sl コマンドだけ動かした。Claude CodeもAPIキーも入れていないので、仕様を渡して作らせる比較はしていない。

Superliteで人が口を出すのは、承認1回だけ?

Superliteの brainstorming スキルは、頼まれた仕事を3段階に分ける。Trivialはその場でやる。Boundedはチャットで短い設計を出して承認1回、Architecturalは設計と計画を1つの文書にまとめて承認1回。「Approve once, then build」という節があり、承認前は読み取りの調査だけで、足場づくりも依存の追加も製品コードも書かない。

作者のIheatu Chris Woguさんのブログによると、新しいプロジェクトでは最大4問の質問がまとめて来て、次に設計と計画の文書が1つ出てくる。READMEはこれを約2ページの .review.md と説明していて、図と、時間とコストのおおよその見積もりが付く。承認後に止まるのは、破壊的な操作、外に向けた操作、セキュリティに関わる操作だけだ。

Superpowersは止まる場所が多い。brainstorming で設計を詰めて承認を取り、承認済みの設計から writing-plans が2〜5分単位のタスクに割る。指示文の行数を数えると、brainstorming はSuperpowersが225行でSuperliteが66行。subagent-driven-development は568行と114行で、5分の1ほどに削られていた。

Human orchestratorとAI orchestratorで、放置の意味が変わる

「承認1回」は、人が指揮するHuman orchestratorモードの話だ。AI orchestratorを選ぶと、レビュー用の計画も質問もなしで最後まで自分で進める。

見落としやすい記述もある。Superliteの指示文では、ユーザーが「自分で決めて」「離席する」と言った場合も、承認の関門は通過済みとして扱う。出かける前に「あとはよろしく」と打てば、計画を誰も読まないまま実装が始まりうる。

席を立つ前に、計画を最後まで読むほうだろうか? 仕様を書く側が口を出せる最後の場所は、この1回の承認なんだよな。

Superliteの承認ゲートは、プロンプトでなく仕組みで止める

作者のブログには失敗談も載っている。「コーディネーターはコードを編集しない」とプロンプトに太字で書いても、コーディネーターはそれを読んでうなずき、コードを編集した。だからSuperliteは、この決まりをフックで強制している。

承認ゲートも同じ考え方だ。ゲートを管理する sl コマンド(skills/subagent-driven-development/scripts/sl)を、空のgitリポジトリで動かした結果がこれ。

$ sl orchestrator set human
orchestrator: human, awaiting approval (set 2026-10-21T00:51:52; no approving human reply yet)
$ sl orchestrator approve --review x.md
orchestrator: review plan not found: x.md

sl orchestrator set human で .superlite/orchestrator.json ができ、"mode": "human"、"approved": false、"by": "user" が書き込まれた。approve には存在しないファイルを渡したので、レビュー計画が無いと承認できないと返ってきた。指示文によれば、承認は人がチャットに打った返事を UserPromptSubmit フックが記録し、それを確かめてから通る。AIが自分の判断だけで承認済みにはできない作り、と指示文からは読める。

Claude Codeのサブエージェントを18本並べる、Superliteの実行中

承認が済むと、Superliteは計画を同時に走れるタスクに分けて流す。READMEでは同時に最大18エージェント。ブログにある最新の1回では、合計21エージェント、ピークは同時18本で、人に何か聞いて止まった回数は0だった。

割り振りは「それをうまくこなせる一番安いエージェント」に回す方針で、agents/ にある7つの定義のmodel指定はこうなっていた。

役割
モデル
final-reviewer、fixer-opus
opus
implementer、fixer-sonnet、fixer-sonnet-high、package-reviewer
sonnet
implementer-haiku
haiku

実装の中心はSonnetで、簡単な実装はHaikuへ、最後のレビューと一部の修正はOpusへ回る。タスクごとにサブエージェントを立ててレビューを挟むSuperpowersとの待ち時間の差は、この並べ方から生まれる。

Superliteの16.1分は、最新の1回だけの数字

Superliteの紹介でよく見るのが「16.1分、Superpowersより52%速い」だ。隠しテスト177件を全部通した数字だけど、最新ビルドで走らせた1回の値になる。同じブログには、3回ずつ走らせた測定も載っている。

3回の測定値
平均
Superlite
21.4分、23.2分、30.5分
25.1分
Superpowers
21.2分、31.9分、47.6分
33.6分

52%は、Superliteの最新1回(16.1分)をSuperpowers標準のこの平均33.6分と比べた値で、Superpowersを調整した版(23.5分)と比べると31%になる。平均同士なら25.1分と33.6分で、俺の計算では約25%短い。

放置する側として目が行くのは、速さよりブレ幅のほうだった。Superpowersは21.2分から47.6分まで2倍以上開き、Superliteも21.4分から30.5分まで9分ほど動く。いちばん速い回だけ並べると、Superpowersの21.2分がSuperliteの21.4分をわずかに下回る。何分で終わるかは、回ごとに読めないと思っておいたほうがいい。

費用が書かれているのは別のベンチだけだ。READMEにある隠しテスト89件のベンチでは、Superlite 0.1.0が8.8分で3.28ドル(約490円)、Superpowers 6.4.1が34.4分で8.15ドル(約1,220円)。1ドル150円で換算していて、どちらも89件すべて通っている。177件のほうにはドル額が無い。ベンチの相手は6.4.1で、今のSuperpowersのリポジトリの package.json はversion 7.0.0だった。今のSuperpowersと比べた数字ではない。

Superliteを放置したら、どこが壊れそうか

ここから先は公開情報からの見立てで、放置して確かめた話ではない。

1: 計画が実装中の事情に追いつかない。Hacker Newsの議論でも「実装してみるまで全部は予想できない」という批判が出ていた。承認1回で全部を決める作りは、途中で見つかった制約を人が計画に戻す機会が少ない。作るものが新しいほど、テストは通るのに意図とずれたものが出てきそうだ。

2: エージェント同士が互いの作業に触れる。同じ議論で「エージェントが互いの作業に手を出すことにならないか」という質問が出ていて、作者の答えは確認できなかった。同じファイルを2つのタスクが触る仕様になっていないか? 最大18本が同時に走る以上、そこは人が仕様の段階で切り分けておきたい。

3: 費用の通知に気づかない。Superliteはフックで各エージェントのトークン・費用・時間を記録し、上限の70%で知らせるソフト予算を持っている。ただ、寝ている人は肩をたたかれても起きない。最初は小さい仕様で、1回にかかる費用の感覚をつかんでおきたい。

安心材料もある。ブログによると、main に勝手にpushはしない。起きたら main が壊れていた、という最悪の朝は避けられる作りだ。

SuperpowersからSuperliteに替える前に決めておくこと

まず、2つを同時に有効にしないこと。READMEによると、スキル名が重なり、どちらもセッションにコンテキストを注入するので競合する。実際、Superliteの8つのスキルのうち brainstorming、writing-plans、subagent-driven-development などはSuperpowers(15個)と同じ名前だった。入れているなら、無効にしてから替える。

Claude Codeでの入れ方は2行で済む。

/plugin marketplace add iha2/superlite
/plugin install superlite@superlite-dev

ライセンスは、READMEとバッジにはMITとあるけど、リポジトリにLICENSEファイルは置かれていなかった。仕事で使うなら、ここは作者の対応を確かめてからにしたい。

最初に任せる仕様は、壊れても捨てられる小さいものがいい。モードはHuman orchestratorにして、.review.md の時間とコストの見積もりと、同時に走るタスクが同じファイルを触っていないかを読む。手元に、そういう捨ててもいい仕様はあるだろうか?

Superliteで削れるのは待ち時間で、計画を読む時間までは削れない。その数分を払ってから、席を立つかどうか決めればいい。