SynthID Detectorで分かること、分からないこと

ことり
ことり

@kotori1031 ・ 1本

サムネイル

補正やトリミングをした画像、AI判定にかけたらどう出るのか気になりませんか? SynthID Detectorは、GoogleやOpenAIなど対応する会社のAIで作られた画像に、目に見えない透かしがあるかを確かめるツールで、どんなAI画像でも判定できるわけではありません。規約では、判定を見ながら加工を詰めていく使い方もはっきり禁じられています。

どの加工をしたら判定が変わるのか、それを知っておきたかったんです。でも、synthid.comを開いて最初に出てきた規約を読んで、その確かめ方はやめることにしました。

SynthID Detectorは、どんなAI画像でも判定できるのか?

答えは「いいえ」です。トップページには「一般的なAI検出器ではない」と書かれていて、判定できるのは対応する会社の生成AI製品で作られた画像・動画・音声だけでした。

Googleの公式ブログによると、2026年10月7日に英語版が全世界で公開され、対象はGoogleのAIに加えて、OpenAI、NVIDIA、Kakao。Appleは「近日対応」となっていて、今はまだ対象外です。

OpenAIの画像にも注意があります。OpenAIが画像にSynthIDの透かしを入れると発表したのは2026年5月19日で、それより前にChatGPTで作った画像には入っていないとされています。半年前に作った画像で「検出されない」と出ても、AIで作っていないことの証明にはならないみたい。

ほかの会社の画像生成AIで作ったものも同じです。透かしを入れていない画像は、AIで作ったものでも判定のしようがありません。

SynthID Detectorの使い方、自分の画像を1枚確かめるなら

synthid.comを開くと、最初に「Welcome to the SynthID Detector」という利用規約とプライバシー通知の画面が出ます。「Agree and continue」か「No thanks」を選ぶまで、アップロードの画面は使えませんでした。

サインインについては、GIGAZINEなどの報道で「Google、Apple、ChatGPTのいずれかのアカウントが必要」と書かれています。公式ブログの本文には書かれておらず、規約のプライバシー通知に「Appleなど第三者のアカウントでサインインした場合」の扱いがある、という形でした。

使い方として向いているのは、こういう場面かな。

  • 自分がGeminiやChatGPTで作った画像を、仕上げたあとに1枚確かめる
  • 受け取った画像が、対応する会社のAIで作られたものか確かめる

どちらの場合も、トップページには「できるだけ高画質のファイルを上げてください」とあります。SNSから保存し直した画像やスクリーンショットより、手元にある元のファイルで確かめるほうがよさそう。

回数には「1日の利用回数の上限」があると書かれていました。具体的な数字は書かれていません。

アップロードした画像の扱いは、プライバシー通知にあります。画像は判定のためにその場で処理され、結果を返したあとすぐに削除される。そのうえで、1日の上限を守らせて自動の攻撃を防ぐために、一部のデータは保存される、という内容でした。人から預かった写真を上げる前には、ここを読んでおきたいところです。

加工した画像でもSynthIDは残るのか?

公式の説明は「加工には強いけれど、絶対ではない」です。synthid.comのトップページには、透かしは「一般的な加工には強い(robust against common transformations)」とあります。Google DeepMindのSynthIDのページでも、トリミング、フィルター、非可逆圧縮といった加工に耐えるよう設計されている、と説明されていました。

一方で、synthid.comのFAQには「どんな信号も加工に対して絶対ではない」という趣旨の一文もあると報じられています。強い圧縮や編集で判定の精度が落ちるので、ほかの手がかりもあわせて判断してほしい、という書き方です。

ここで面白いのが、GIGAZINEさんの検証です。ChatGPTで作った画像は、そのままだと「OpenAIで生成または編集された」と表示されました。猫の部分だけ切り抜いて明るさなどを調整したものを上げ直すと、SynthIDは検出されたものの、提供元が「OpenAI」とは出なかったそうです。

透かしが見つかるかどうかと、どの会社のAIかまで出るかどうかは、別々に変わることがあるみたい。トリミングや明るさの調整なら、普段からしていますよね? 結果を見るときは、検出の有無と提供元の表示を分けて読むと、読み違えが減りそうです。

SynthID Detectorの規約で禁じられていること

規約(Additional Terms of Service)には、禁止事項として次の3つが書かれていました。

  1. 判定の結果を手がかりにして、透かしの検出を壊したり弱めたりする方向へ画像の加工を詰めていくこと。サービスを使った外からの攻撃も含まれます
  2. 画面を通さずプログラムからリクエストを送ったり、画面を自動の窓口のように使って大量に判定したりすること
  3. 複数のアカウントや自動のツールを使って、1日の回数の上限を超えること

違反するとGoogleはアクセスをすぐに止められる、とも書かれています。

私が最初に考えていたのは、トリミング、縮小、圧縮、文字入れと加工を変えながら、どこで判定が変わるかを表にすることでした。でも、加工を少しずつ変えては判定にかける流れは、1の「検出を弱める方向に加工を詰めていく」に当たるかもしれません。それで、この画面では同意せず、判定もしませんでした。

あなたが確かめたいのは、加工の境目でしょうか。それとも、手元の1枚がどう判定されるかでしょうか? 後者なら、規約の範囲で十分に使えます。

未検出と出たら、AI画像ではないということ?

そうとは限りません。未検出になる理由は、ここまでに出てきただけでもいくつかあります。

  • 対応していない会社の画像生成AIで作った
  • 2026年5月19日より前に作ったOpenAIの画像
  • 強い圧縮や編集で、透かしの信号が弱くなった
  • カメラで撮った写真

反対に、検出されても、画像のどこがAIなのかまでは分かりません。AIで全体を作ったのか一部を編集したのかは区別できない、と報じられています。

レタッチした写真でも、自分で作ったAI画像でも、SynthID Detectorの結果は判断の材料の1つです。まずは手元の元ファイルを1枚、プライバシー通知に目を通してから確かめてみると、このツールで何が分かるのかがつかみやすいかな。