Cloudflareって何者?Webサイトの警備員が、AIアプリまで動かす巨大サービスに進化していた話

にくたま
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@nikutama ・ 21本

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最近、Cloudflare(クラウドフレア)というサービスが気になっています。

きっかけは、WordPressに代わる新しい仕組みとして話題になっている「EmDash」というもの。

調べていくうちに「Cloudflareはサーバーレスだから、レンタルサーバーがなくてもWebサイトを公開できる」という話が出てきました。

サーバーレス?

サーバーがないのにWebサイトが動く?

さらに調べると、データベースも使えるし、画像も保存できる。AIまで動かせるらしい。

なんだか、私が知っているレンタルサーバーとはずいぶん違います。

そこで今回は、Cloudflareとはそもそも何なのか、どんな歴史を持つ企業なのか、そしてAI時代にどんなことができるのかを、できるだけ分かりやすく整理してみました。

Cloudflareは、もともとWebサイトの警備員だった

Cloudflareは、2009年にアメリカで設立された企業です。

2010年9月にサービスを一般公開しました。

そのルーツは、2004年に始まった「Project Honey Pot」という取り組みにあります。

これは、インターネット上の迷惑メール送信者や悪質な自動プログラムを発見するためのプロジェクトでした。

いわば、インターネット上に罠を仕掛けて、悪さをする相手を見つける仕組みです。

そこから、こんな発想が生まれました。

「悪質なアクセスを発見できるなら、Webサイトに到達する前に止められるのでは?」

こうしてCloudflareは、Webサイトを攻撃から守るサービスとして成長していきます。

例えば、通常のWebサイトなら、訪問者は直接レンタルサーバーにアクセスします。

しかしCloudflareを利用すると、その間にCloudflareが入ります。

訪問者 → Cloudflare → レンタルサーバー

Cloudflareがアクセスを確認し、問題なければWebサイトへ通します。

怪しいアクセスはブロックしたり、追加の確認を求めたりできます。

つまり、Webサイトの前に立ってくれる警備員のような存在です。

CDNという言葉、実は昔から知っていた

Cloudflareについて調べていると、頻繁に出てくる言葉が「CDN」です。

CDNとは、Content Delivery Networkの略。

日本語では「コンテンツ配信ネットワーク」と呼ばれます。

でも、これだけでは分かりませんよね。

簡単に言えば、Webサイトの画像やファイルなどを、いろいろな場所から効率よく届ける仕組みです。

例えば、日本にあるサーバーにアメリカの人がアクセスするとします。

普通なら、日本のサーバーまでデータを取りに来る必要があります。

ところがCDNを使えば、アメリカにある近くの拠点から、保存済みのデータを届けることができます。

わざわざ遠くまで取りに行かなくて済むわけです。

これによって、Webサイトの表示が速くなったり、元のサーバーの負担が軽くなったりします。

あれ?CDNってjQueryとかで見たことあるぞ?

ここで、ちょっと引っかかりました。

CDNって、昔からCSSやJavaScriptのライブラリを読み込むときに使っていた、あのCDN?

例えば、こんなコードです。

<script src="https://cdnjs.cloudflare.com/ajax/libs/jquery/3.7.1/jquery.min.js"></script>

そうです。まさに同じCDNです。

しかも、このコードにある「cdnjs.cloudflare.com」は、Cloudflareが提供している配信サービスなんです。

jQueryとは、Webページに動きをつけたり、プログラムを書きやすくしたりするためのJavaScriptの道具集のようなものです。

昔のWeb制作では、かなりお世話になった方も多いと思います。

ちなみに、CDNを提供しているのはCloudflareだけではありません。

Google、Amazon、Fastly、Akamaiなど、さまざまな企業がCDNを提供しています。

CDNというのは仕組みの名前であって、Cloudflareだけを指す言葉ではないんですね。

とはいえ、昔からcdnjsを使っていたなら、実はずっとCloudflareのお世話になっていたことになります。

これはちょっと意外でした。

警備員が、いつの間にか店舗まで貸すようになった

Cloudflareは、Webサイトを守ったり、高速化したりするために、世界各地にネットワークを整備してきました。

ここで面白い変化が起こります。

「データを届けるだけでなく、その場所でプログラムも動かせるのでは?」

こうして登場したのが、2017年に発表された「Cloudflare Workers」です。

Workersを使うと、Cloudflare上でプログラムを実行できます。

これまでのCloudflareは、ショッピングモールの入口に立つ警備員のような存在でした。

お店そのものは、エックスサーバーやロリポップなどのレンタルサーバーにあります。

ところがCloudflareは、次第にこんなサービスまで提供するようになったんです。

  • お店の場所も貸します
  • 商品を置く倉庫もあります
  • お客さんの情報も保存できます
  • レジのような処理もできます
  • プログラムも動かせます

こうなると、そもそも別のレンタルサーバーが必要なのか?という話になってきます。

サーバーレスは、サーバーがないわけじゃない

Cloudflareを調べるうえで、理解しておきたいのが「サーバーレス」です。

名前からすると、サーバーを使わない技術に思えます。

でも、実際にはサーバーを使っています。

サーバーレスとは、簡単に言えば自分でサーバーの管理をしなくていい仕組みのこと。

例えば、従来のWebアプリ開発では、サーバーを用意して、必要なソフトを設定して、プログラムを動かす環境を整える必要がありました。

一方、Cloudflare Workersなら、プログラムをCloudflareに渡して実行できます。

サーバーの細かい管理はCloudflare側が担当してくれます。

もちろん、作ったアプリの不具合やセキュリティ対策まで全部お任せできるわけではありません。

それでも、自分で管理しなければならない部分が大きく減ります。

そして、これがAIによるアプリ開発と非常に相性がいいんです。

レンタルサーバーに置いていたものは、どこへ行く?

例えば、エックスサーバーやロリポップでWebサイトを公開する場合、HTMLやCSS、画像、PHPなどのファイルをサーバーへアップロードします。

Cloudflareにも、こうした役割を担うサービスがあります。

Cloudflareの機能
できること
Workers / Static Assets
Webサイトの表示やプログラムの実行
D1
データの保存・検索
R2
画像やPDFなどのファイル保存
DNS
ドメインやサブドメインの管理
Cron Triggers
決まった時間にプログラムを起動
Workers AI
AIモデルの実行

例えば、副業診断ツールを作るとします。

ユーザーがいくつかの質問に回答し、最後におすすめの副業タイプを表示するようなサイトです。

画面の表示はCloudflare。

診断結果を計算するプログラムもCloudflare。

回答履歴を保存するならD1。

画像などを保存するならR2。

こうした組み合わせで、レンタルサーバーを別途契約せずにWebアプリを動かすことができます。

また、独自ドメインを使っている場合は、サブドメインを割り当てて、別々のWebアプリを公開することもできます。

例えば、

  • lp.example.com:商品紹介ページ
  • app.example.com:Webアプリ
  • diag.example.com:副業診断ツール

といった感じです。

ただし、WordPressについては注意が必要です。

WordPressはPHPというプログラミング言語や、MySQLなどのデータベースを使っています。

Cloudflare Workersは一般的なPHPレンタルサーバーとは仕組みが違うため、WordPressのファイルをそのまま移せば動くわけではありません。

今あるWordPressをそのまま使いたいなら、レンタルサーバーを残してCloudflareを併用する方法もあります。

さらに面白いのが、CloudflareとAIの組み合わせ

ここからが、個人的に一番気になった部分です。

最近はChatGPTやCodexなどを使えば、プログラミングに詳しくなくても、小さなWebアプリを作りやすくなりました。

私も普段、AIと相談しながらツールを作っています。

ただ、プログラムを作れたとしても、それをインターネット上で公開して動かす場所は必要です。

そこでCloudflareが活躍します。

AIにHTMLやJavaScriptを書いてもらい、Cloudflareに公開する。

さらに、Cloudflare自身にもAIを利用する機能があります。

「Workers AI」を使えば、Cloudflareが提供する環境で対応するAIモデルを実行できます。

また、OpenAIなどの外部AIサービスと接続することもできます。

つまり、AIを使って作ったアプリの中に、さらにAIの機能を組み込めるわけです。

例えば、普通の副業診断ツールなら、回答に応じて決められた結果を表示します。

一方、AIを組み込めば、回答内容を読み取って、一人ひとりに合わせたアドバイスを生成することもできます。

もちろん、AIの利用には別途料金が発生する場合があります。

人間が操作しなくても、AIが自分で仕事をする?

さらに調べると、Cloudflareは「AIエージェント」という分野にも力を入れています。

AIエージェントとは、簡単に言えば、目的を与えると、状況を判断しながら仕事を進めるAIの仕組みです。

普通のWebアプリは、人間がアクセスして、ボタンを押して、結果を表示します。

しかしAIエージェントを組み込むと、人間が操作していない間にも仕事を進められます。

例えば、SNSのコメント管理アプリを考えてみます。

  1. 毎朝9時に自動で起動する
  2. 新しいコメントを確認する
  3. AIがコメントの内容を判断する
  4. 普通のコメントには返信案を作る
  5. 個別相談や難しい内容は人間の確認に回す
  6. 処理結果を保存する

こうした処理を、Cloudflare上で実行できます。

パソコンを閉じていても、処理のたびに手動でプログラムを起動する必要はありません。

もちろん、各SNSのAPIが利用できることや、必要な権限があることが前提です。

APIというのは、外部サービスとプログラムを通じてやり取りするための窓口のようなものです。

ここで重要なのが、「自動化」と「自律型AI」の違いです。

普通の自動化は、あらかじめ決めた手順を実行します。

一方、自律型AIは、決められた目的やルールに沿って、次にどの作業を行うべきか判断できます。

ただし、完全に自由に行動するわけではありません。

利用できる機能や操作する範囲を、あらかじめ人間が決める必要があります。

AIが途中で仕事を止めて、後から再開することもできる

例えば、こんなアプリも考えられます。

毎朝、AIがニュースを収集。

気になる情報を選んで要約し、ブログ記事の下書きを作成。

完成したら人間に確認を求める。

承認されたら、記事を公開する。

この場合、途中に「人間の承認待ち」という時間が発生します。

Cloudflareには「Workflows」という、複数の作業を順番に進めたり、途中で待機したり、失敗した処理をやり直したりする仕組みがあります。

これを使えば、承認待ちの間ずっとプログラムを動かし続ける必要はありません。

必要なタイミングで仕事を進められます。

Cloudflareは、こうしたAIエージェントを開発するための「Agents SDK」も提供しています。

SDKとは、特定の機能を作りやすくするための道具セットのようなものです。

単にWebサイトを公開するだけではなく、AIが継続的に仕事をする仕組みまで作れる。

これは、従来のレンタルサーバーというイメージから、かなり離れた世界ですよね。

料金はどうなの?

ここまで高機能だと、料金が気になります。

Cloudflareは無料で使い始められるサービスが多く、個人開発にも比較的向いています。

例えば、Workersの無料プランでは、1日10万回までのリクエストが利用できます。

リクエストとは、プログラムに対して「この処理をしてください」とお願いすることです。

ただし、アクセス人数とリクエスト回数が同じとは限りません。一人が何回も処理を実行する場合もあります。

画像やPDFを保存するR2、データベースのD1にも無料枠があります。

無料枠を超えた場合の扱いはサービスやプランによって異なり、有料プランでは使った量に応じて追加料金が発生するものもあります。

また、外部AIのAPIを利用する場合、その利用料金も考える必要があります。

攻撃による大量アクセスなども想定し、利用上限や監視を設定しておくと安心です。

まずは無料枠で小さなアプリを試し、利用状況を確認しながら必要に応じて有料化するのがよさそうです。

個人開発のハードルが、また一つ下がりそう

今回Cloudflareを調べて、印象がかなり変わりました。

もともとWebサイトを守る企業だったCloudflare。

それが世界各地にネットワークを広げ、データ配信だけでなく、プログラムも動かせるようになった。

さらに、データベースやファイル保存、AIの実行環境までそろえてきた。

今では、Webサイトの警備員というより、Webアプリを作って運営するための巨大なプラットフォームという印象です。

そして、AIでプログラムを作れる時代になったことが、Cloudflareの価値をさらに高めているように感じます。

以前なら、Webサービスを作るにはプログラミングだけでなく、サーバー構築や運用など、いろいろな知識が必要でした。

もちろん、現在もセキュリティやシステム設計の知識が不要になったわけではありません。

それでも、個人が小さなサービスを作って公開するまでのハードルは、確実に下がっていると感じます。

AIにアプリを作ってもらう。

Cloudflareで公開する。

さらにAIを組み込んで、定期的に情報を集めたり、判断したり、仕事を進めたりする。

こんな仕組みを、個人でも作れる時代になってきました。

私自身、これまではレンタルサーバーにHTMLファイルをアップロードして、小さなサイトやツールを公開することが多かったのですが、Cloudflareも本格的に試してみたくなりました。

特に、AIが自律的に動くWebアプリには興味があります。

今後は実際に小さなアプリを作りながら、使い勝手や従来のレンタルサーバーとの違いを検証してみたいと思っています。

参考リンク

※この記事は2026年10月時点の情報をもとにまとめています。機能や無料枠、料金体系などは変更される場合があります。

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