10月31日時点のGitHub Trending(週間)では、並んだ13件のうち10件が、エージェントに仕事の手順を足す「Skill」と、その詰め合わせのリポジトリでした。そこからWeb制作で使える8本について、役割と入れ方、入れる順番、入れすぎない目安をまとめます。入れただけで毎回読まれる説明文の量を数えたら、いちばん軽い1本と重い1本で440倍以上の差がありました。
入れただけで毎回読まれるのは、Skillの説明文です
話題のSkillをまとめて入れたら、エージェントの返事がもたつくようになった。そんな覚えはありませんか? 原因の見当をつけるには、Skillがどう読み込まれるかを先に押さえておくと早いですね。
Skillの正体は SKILL.md というファイルです。先頭に「どんなときに使うか」を書いた説明文(description)があり、その下に手順の本体が続きます。Claude Codeの公式ドキュメントによると、説明文はエージェントが「何を使えるか」を知るために常にコンテキスト(AIがその会話で読んでいる範囲)に載り、本体は /スキル名 で呼んだときか、エージェントが関係あると判断したときにだけ読み込まれます。
つまり、入れた時点から毎回かかるのは説明文の合計です。本体は呼ばれるまで載りませんが、一度呼ばれるとそのあとの会話にも残ります。説明文は1本あたり1,536字で切られるものの、本数が増えれば合計はそのまま積み上がります。
そこで8本のリポジトリから SKILL.md を取ってきて、説明文と本体の文字数をPythonで数えました。トークン数ではなく文字数で、中身はほぼ英語です。
8本のSkillを、説明文の文字数で並べると
説明文の合計が少ない順です。スター増は、10月31日時点の週間Trendingに出ていた1週間の増加分です。
3本は、リポジトリの中の SKILL.md をそのまま数えると桁が変わるので、Claude Codeに入る分だけで数えています。impeccableはリポジトリに26個ありますが、同じ1本のSkillをエージェントごとのフォルダに置いた写しで、表は .claude/skills/ の1本の数字です。claude-seoは標準の26本で、AhrefsやDataForSEOなど外部サービスとつなぐ任意の拡張9本は含めていません。ECCはリポジトリ全体だと SKILL.md が1,068個ありましたが、翻訳などの写しを除いた本体(skills/ 配下)の314本で数えています。
写しを除いても、karpathyの219字に対してECCは96,845字で、440倍を超えます。第三者が9月26日に claude plugin details で測った値でも、常に読み込まれる量はECCが約41,515トークン、superpowersが約838トークンでした(developertoolkit.aiの計測)。このコマンドはClaude Codeの公式機能なので、自分が入れたpluginの重さも確かめられます。
あなたのエージェントに入っているSkillは、この表のどのあたりでしょうか?
Trendingに並んでいた残り2つのうち、anthropics/skillsはAnthropic公式の見本集なので、比べる物差しとして後半で触れます。anthropics/knowledge-work-pluginsは営業・法務・財務など業務職向けのプラグイン集なので外しました。
デザイン系のSkill3本は、1本選べば足ります
この週はデザイン系が3本並びました。作る、整える、見直すと入り口は違っても、やることの重なりは大きいです。LPの案件なら1本に絞るくらいがちょうどいいですね。
1. impeccable、UIの仕上げを24のコマンドで頼む
Paul Bakausさんが作った、UIを方向づけて仕上げるためのSkillです。bolder(もっと大胆に)、quieter(落ち着かせる)、critique、polish など24のコマンドがあり、「どこもInterのフォント」「余白が詰まりすぎ」といった問題を、LLMを使わない62個のルールで検出します。Claude Code、Cursor、Codex CLI、GitHub Copilotなど19種類のエージェントに対応しています。
入れ方は npx impeccable install のあと、エージェント上で /impeccable init です。Claude Codeなら /plugin marketplace add pbakaus/impeccable からpluginとしても入ります。
常に載る説明文は600字ほどで、重くはありません。ただ、エージェントが編集したUIファイルを調べて指摘を返すフックも用意されていて、有効にすると編集のたびに動く処理が1つ増えます。
2. taste-skill、写真選びとブラウザ確認まで1本で
美術の方向性(art direction)を決め、参考になる実在の写真をWikimedia CommonsやOpenverseから探し、ブラウザで見え方を確かめるところまで進めるSkillです。今は design-taste-frontend の1本だけで、以前あった複数のSkillは taste-skill-classics などの別リポジトリに移りました。古い紹介記事の手順はそのまま使えません。
npx skills add https://github.com/Leonxlnx/taste-skill --skill "design-taste-frontend"npx skills は、Vercelが出しているSkillのインストール用コマンドです。動かすにはNode 22以上と、Chrome・Edge・Chromiumのどれかが要ります。
説明文は971字と軽いのに、READMEによると1回のビルドに30〜45分、トークンは数十万かかります。普段は静かで、呼んだときに重いタイプですね。
3. Jakub Krehelさんのskills、見直し役の14本
Jakub Krehelさんによる、できたUIを見直すための14本です。アイコンや影、文字の大きさや間隔、色のコントラスト、WCAG 2.2に沿ったアクセシビリティ、レイアウト、ボタンやエラー文の言葉づかいまで分かれています。全体を見るなら better-interface、プルリクエストの確認なら interface-review が入り口です。
入れ方は npx skills add jakubkrehel/skills か、Claude Codeで /plugin marketplace add jakubkrehel/skills のあと /plugin install interfaces@interfaces です。
14本あっても説明文の合計は1,874字で、1本あたり130字ほどです。本体は合わせて12万字ありますが、呼んだ分しか読まれないので、常駐の負担は小さいですね。
3本から選ぶなら、作るところから任せたい人はtaste-skill、作ったUIを整えたい人はimpeccable、指摘だけほしい人はjakubkrehel/skillsです。Anthropic公式のanthropics/skillsにも frontend-design というSkillがあるので、それで困っていなければ3本とも足さなくていいと思います。
作業の進め方を変えるSkillは、重さが桁で違う
書く前に考えさせる、テストから書かせる、といった進め方を変える3本は、説明文の量が219字から96,845字まで開いています。変えたいのはエージェントの考え方でしょうか、それとも作業の手順まるごとでしょうか? それで選ぶ1本が変わります。
4. andrej-karpathy-skills、4つの原則だけのいちばん軽い1本
アンドレイ・カルパシーさん(OpenAIの創業メンバーの1人)が指摘したLLMのコーディングの癖を、4つの原則にまとめたものです。作者は本人ではありません。原則は、書く前に考える(Think Before Coding)、単純さを優先する(Simplicity First)、必要な箇所だけ変える(Surgical Changes)、ゴールから逆算して進める(Goal-Driven Execution)です。
/plugin marketplace add forrestchang/andrej-karpathy-skills
/plugin install andrej-karpathy-skills@karpathy-skillsREADMEの手順は forrestchang の名前のままですが、リポジトリの今の場所は multica-ai の下で、GitHubの転送で同じものに届きます。curl -o CLAUDE.md でファイルとして置く方法もありますが、手元の CLAUDE.md を上書きするうえ、CLAUDE.md は会話のたびに最初から読み込まれます。Skillとして入れれば、常に載るのは説明文の219字だけです。
5. superpowers、聞き出しから計画、TDDまで通す15本
Jesse VincentさんとPrime Radiantのチームが作った、開発の進め方一式です。まず質問を重ねて「本当は何を作りたいか」を聞き出し、ファイルのパスと確認手順まで書いた計画を立てます。そのあとテストを先に書くTDDで進め、作業ごとに新しいサブエージェントを立てて実装とレビューを回します。
Claude Codeなら /plugin install superpowers@claude-plugins-official で入ります。Codex、Cursor、Gemini CLIなど、15種類以上のエージェント向けにも手順があります。
15本で説明文は2,319字、karpathyの10倍ほどです。進め方を丸ごと変えるわりに、常駐の分はこのくらいに収まっています。
6. ECC、314本を抱えるハーネス
ECCは、Skill、サブエージェント、フック、記憶の仕組みをまとめたハーネス(エージェントの周りに置く道具と決まりの一式)です。READMEの10月31日時点の表では、エージェント71、Skill 314、コマンド98を抱えています。
入れ方は npx ecc-universal@2.2.3 setup で、--profile minimal などの絞り込みも用意されています。READMEは、pluginと手動インストールを重ねるとSkillやフックが重複すると強く注意しています。
skills/ 配下だけで説明文は96,845字、本体は300万字を超えます。入れるなら、ランタイムのフックを除いた --profile minimal から始めて、足りないものだけ足すほうが扱いやすいです。
セキュリティとSEOのSkillは、小さなLPに要るのか?
常駐させる必要はない、というのが僕の考えです。どちらも使う日が決まっている道具ですね。
7. security-audit-skill、見つける役と確かめる役を分けた監査
Cloudflareが公開したセキュリティ監査のSkillで、1週間のスター増は8本の中でいちばん多い12,838でした。偵察から報告まで6段階で進み、脆弱性の候補を見つけるエージェントと、それを反証しにいく別のエージェントを分けているのが特徴です。
npx skills add https://github.com/cloudflare/security-audit-skill --skill security-audit前提は重めで、並列のサブエージェントを使えるエージェント、Node.js、OSのサンドボックス(外から切り離して対象を動かす仕組み)が要ります。サンドボックスが無いと対象のコードを実行せず、候補は needs_validation(確認待ち)のまま残ります。READMEには、1回の実行で見つかったのは、繰り返し実行した合計の約半分だったとも書かれています。
説明文は359字なので、入れておくこと自体は軽いです。1ページのLPなら、フォームや外部APIとのやりとりがある案件で、納品前に環境を整えて回すくらいがちょうどいいです。
8. claude-seo、サイトのSEOを10分から15分で監査
26のサブSkillと19のサブエージェントで、技術面のSEO、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)から見た中身、構造化データ、AI検索への対応などを10〜15分で調べ、優先度順の改善案を出すpluginです。リポジトリの紹介文には「Universal」とありますが、READMEの手順はClaude Code向けだけです。
/plugin marketplace add AgriciDaniel/claude-seo
/plugin install claude-seo@agricidaniel-claude-seo
/seo setupClaude Code 1.0.33以上が条件で、/seo setup がPython 3.11〜3.14の環境とヘッドレスブラウザを用意します。料金はClaude Codeのプランの範囲内です。
説明文は標準の26本だけで8,448字と、ECCに次ぐ量です(任意の拡張9本を足すと、さらに増えます)。1ページのLPなら、公開前に1回回したら無効にしておけば十分です。
入れる順番と、Skillを入れすぎない目安
役割ごとに1本ずつ、軽いものから入れていくのが僕のおすすめです。
- 作業の進め方を1本。迷ったらkarpathy(219字)、手順まで任せたいならsuperpowers(2,319字)
- デザインを1本。作る、整える、見直すのどれが欲しいかで選ぶ
- SEOとセキュリティは、使う日だけ有効にする
- ECCは、上の3つで足りないと分かってから
--profile minimalで
目安は、常に載る説明文の合計を3,000字前後に収めることです。superpowersにimpeccableを足して約2,900字、karpathyとtaste-skillなら1,200字ほどで済みます。claude-seoを入れっぱなしにすると、それだけで8,000字を超えます。
もう入れすぎている場合も、外さずに読み込み方を変えられます。pluginで入れたものは /plugin の「Installed」タブか claude plugin disable で無効にでき、しばらく使っていないものは同じタブの「Not used recently」にまとまって出ます。Skill単位なら、.claude/settings.json の skillOverrides が使えます。
{
"skillOverrides": {
"design-taste-frontend": "name-only",
"security-audit": "user-invocable-only"
}
}"name-only" は説明文を畳んで名前だけを載せ、"user-invocable-only" はエージェントからは見えなくして、自分が / で呼んだときだけ使えるようにします。完全に隠すなら "off" です。自分で書くSkillなら、先頭に disable-model-invocation: true を書けば説明文が載らなくなります。
入れる前に、Skillのライセンスと渡すコードを確かめる
クライアントのリポジトリに入れるなら、次の4点は先に見ておきたいですね。
- andrej-karpathy-skillsは、READMEに「MIT」とあるものの、リポジトリ直下にLICENSEファイルが無く、GitHub上のライセンス表示もありません
- anthropics/skillsは多くがApache 2.0ですが、
docx・pdf・pptx・xlsxの4つはソースを公開しているだけで、オープンソースではありません - taste-skillが使う写真はパブリックドメイン、CC0、CC BY、CC BY-SAに限られ、ページにクレジットが自動で入ります。クレジットを残してよいか、先にクライアントと決めておくと揉めません
- security-audit-skillは、対象のコードをエージェントに読ませ、サンドボックスで動かします。受託のコードに回すなら、先に許可をもらいます
最初の1本はkarpathyかsuperpowersにして、デザインは困ったときに1本足すくらいがちょうどいいです。今入っているpluginがあれば、まず claude plugin details で常に載っている量を見てみてください。
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