🔁 2本の自動化ツールが1つのログインを奪い合っていた——原因確定まで記録した3つの数字

bokuwalily
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@bokuwalily ・ 90本

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鍵を1本しか渡していないのに、使う人が2人いた——。

そのことに気づくまでに、7日かかりました。

あなたは今こうなっていませんか?

• 自動化ツールが「接続できない」「起動できない」と止まり続け、ログを見ても相手サービスの不調にしか見えない • 止まる時間帯と、うまく動く時間帯に、何の違いがあるか分からない • 「アルゴリズムかサーバーの問題だろう」と思い、自分の設定はほとんど疑っていない • 同じログイン情報を複数の自動化ツールから使っているかどうか、意識したことがない

先に結論を言います。

わたしが7日間悩み続けた原因は、相手サービスではなく、自分の自動化設定の構造でした。

2本の自動化ツールが、まったく同じブラウザのセッション情報を、同時に取りに来ていたのです。

この記事では、自動化ツールが7日間止まり続けた原因を、3つの数字を記録して突き止め、15分で直すまでの経緯を書きます。

起動画面で止まり続けた3日間

出来事が起きたのは、SNSへの返信を自動化するツールを新しく動かし始めた日のことです。

起動画面のまま、ぴたりと止まりました。

エラーメッセージには「通信に失敗しました」とだけ書かれていました。

何を意味するのか、最初はよく分かりませんでした。

数分待って、もう一度起動を試みました。また同じ画面で止まります。

「今日はサーバーが混んでいるのかな」と思いました。その日は一度あきらめることにしました。

翌日、同じ手順でもう一度試しました。また止まりました。

その次の日も、止まりました。3日連続で、同じ場所で、同じエラーが出ていました。 毎回再起動して、毎回同じ画面で止まる。

何がいけないのか、まったく見当がつかない状態でした。

自動化ツールを増やしていくと、こういう場面は必ず出てきます。

うまく動いていた時期があったからこそ、止まった瞬間に「何が変わったんだろう」と考え込んでしまうのです。

エラーメッセージを何度見直しても、書かれていることは変わりません。

「通信に失敗しました」という1行が、ずっとそこにありました。

思いつく対処を3つ試して全部空振り

ツールの設定画面を開いて、入力したパスワードが間違っていないか確認しました。合っていました。

ネットワーク環境を疑って、スマホのWi-Fiをオフにして4G接続に切り替えてみました。

それでも止まりました。

ブラウザのキャッシュを全部消去して、ログアウトしてもう一度ログインし直しました。

それでも止まりました。

思いつく対処を3つ試して、3つとも効果がありませんでした。

「これはもう自分の設定の問題ではないんだろう」という気持ちが、じわじわ大きくなっていきました。

「やることはやった」の落とし穴

この「3つ試して3つとも効果なし」という経験が、外を疑う気持ちをさらに強くしました。

自分でできることをやった、という感覚が生まれるからです。

「やることはやった、あとは向こうが直るのを待つだけ」という結論が、自然と出てきます。

でもあとで振り返ると、わたしがやった3つはどれも「ログイン情報や接続の確認」でした。

「複数のツールが同時に動いているかどうかの確認」は、その3つに含まれていませんでした。

疑うべき場所を疑っていなかっただけで、「やることをやった」とは言えなかったのです。

これは、あとになって気づいたことです。

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原因を外に求めてしまった

ここでわたしの頭が向いた方向は、「外」でした。

「ツール側のサーバーが不安定なのかもしれない」。

「最近、外部からの接続を厳しくするようになったのかもしれない」。

そういう仮説が次々と浮かんできました。

外のせいという居心地のいい仮説

これは、ある意味で居心地のいい仮説です。

自分では手を出しにくい場所に原因があると思えば、することがなくなるからです。

「待つしかない」という結論が、とても自然に出てきます。

同じ症状の報告を探しに行く

実際、そのツールを使っているコミュニティのメッセージを見に行きました。

同じ症状で困っている人がいないか、確認しようとしたのです。

似たような報告はいくつかありました。

「自分だけじゃないかもしれない」と思うと、少し気持ちが楽になりました。

でもそれは、問題を解決してくれるものではありませんでした。

ただ「外のせい」という仮説を補強しただけでした。

広告運用でも同じパターンだった

じつは、まったく同じパターンを以前にも繰り返していました。広告の運用をしていた頃のことです。

成果が落ちると「アルゴリズムが変わったせいだ」と思い、自分のクリエイティブや設定を疑うのが後回しになりました。

広告費を月に数千万単位で扱っていた頃でも、このパターンから抜け出せない時期がありました。

「プラットフォームが変わった」「競合が増えた」「シーズンのせいだ」。

そうやって説明をつけながら、数字が落ちていくのを眺めていた時期があります。

実際に自分のデータを細かく見ると、アルゴリズムのせいではなく、クリエイティブが古くなっていただけということがほとんどでした。

でも「外のせい」という仮説があると、内側を見る動機がなくなります。

内側を測らずに待ち続けた

今回の自動化ツールも、まったく同じでした。

「外のせい」という仮説に飛びついて、自分の内側を測ることをしていませんでした。

3日間、ただ待って、ただ外を疑い続けていたのです。

3つの指標を記録し始める

3日目の夜、ようやく立ち止まりました。

「本当に外の問題なのか?自分の設定の何かが関係しているのでは?」。

そう思い、数字を記録することにしました。

記録した3つの指標

記録したのは、3つの指標です。

ひとつ目は「通信失敗の回数」です。

ツールが起動を試みて、失敗した件数を時間順に書き出しました。

ふたつ目は「終わっていない通信の件数」です。

送信はしたけれど、相手から返答が返ってきていない中途半端な状態が、その時点でいくつあるかを数えました。

みっつ目は「同じアカウントへの同時アクセス数」です。この3つ目が、後で核心になります。

記録を始めるまで3日かかった理由

3つを記録するだけのことなのに、始めるまで3日かかりました。

測る前に原因を特定しようとしていた、という状態が、丸3日間続いていたのです。

なぜ記録を始めるまでに時間がかかったのか、少し考えました。

「エラーメッセージを見ている」という行為が、すでに「調べている」と感じさせていたからだと思います。

ログを眺める、設定を確認する、ネットで検索する。

それをやっていると、「対処している」気持ちになります。

でも実際には、数字を記録して比較する、という作業はしていませんでした。

眺めることと、記録することは、まったく別のことでした。

眺めることと記録することの違い

「調べている感覚」と「実際に記録している」の間にある落とし穴は、意外と深いです。

たとえばダイエットでも、「食べたものを大体把握している」と「実際にノートに書いている」は、全然違います。

書いてみると「思ったより食べていた」と気づくことがある、あの感覚に近い気がします。

今回も、エラーログを「見ていた」だけで、「記録して並べる」をしていませんでした。

並べることで初めて、「時間帯が偏っている」という事実が見えてきます。

頭の中で見るのと、紙や画面に並べて見るのとでは、気づけることがまったく違います。

これは、自動化に限らず、いろんな場面で同じだと思います。

時間帯の偏りから見えた仮説

記録を始めた翌日、発生から4日目のことです。

最初の気づきがありました。

失敗は朝9時台と夜21時台に集中

通信失敗が起きている時間帯が、毎回ほぼ同じでした。

朝の9時台と、夜の21時台に集中していたのです。

これはおかしいと思いました。ランダムなサーバーの不調なら、時間帯はもっとばらばらになるはずです。

「この時間帯に、自分の設定の中で何かが動いているのかもしれない」。

そう考えて、スケジュールを確認しました。

確認してみると、朝9時に別の自動作業ツールが起動する設定になっていました。夜21時も、同じです。

そのツールは、返信の自動化ツールとまったく同じアカウントにログインして動くものでした。

それでも確信が持てなかった

「あ」と思いました。でも、まだ確信はありませんでした。

「時間が重なっているのは偶然かもしれない」という気持ちもありました。

根拠なく否定したくなる心理が働いていたのだと思います。

仮説を立てると、それが外れたときに「自分の見立てが間違っていた」という事実と向き合うことになります。

それを避けたい気持ちが、確認を遅らせることがあります。

今回もそれに近い感覚がありました。「もしかして」と思いながら、もう一晩様子を見てしまいました。

失敗のたびに同時アクセスが2件

5日目、改めて3つ目の指標のデータを確認しました。

同時アクセス数を記録していたので、失敗が起きた時間帯のログを見直しました。

失敗のたびに、同じアカウントへのアクセスが2件同時に発生していました。

1件は返信ツールで、もう1件は別の自動作業ツールでした。

1枚のカードを2台で使う構造

ブラウザのセッションというのは、ひとつのログイン状態のことです。

ATMカードと同じで、1枚のカードは1台のATMでしか使えません。

片方が先に使い始めると、もう片方は「このカードは今使われています」と弾かれます。

そういう構造が、自分の2本のツールの間で起きていたのです。

エラーメッセージには「通信に失敗しました」とだけ書かれていました。

でも実際の意味は「セッションが別の場所で使われていて入れませんでした」だったわけです。

言葉だけ見ると、相手サービスの問題にしか読めません。

数字を記録して初めて、「自分の内側の問題」だと気づけました。

3つの指標を記録していなければ、この仮説にたどり着けませんでした。

特に3つ目の「同時アクセス数」がなければ、時間帯の一致だけでは確信を持てなかったと思います。

再現テストで原因を確定する

でも、仮説だけでは確定になりません。再現テストをすることにしました。

まず、片方のツールだけを動かした状態で、返信ツールを起動してみました。

3回試して、3回とも起動しました。

次に、両方のツールを同時に動かした状態で、もう一度起動を試みました。

3回試して、3回とも起動画面で止まりました。

合計6回のテストで、原因が確定しました。

「外のせいではなかった」と、はっきり言える瞬間でした。記録を始めてから確定まで、3日間かかりました。

最初のエラーから数えると、7日間です。

各3回繰り返して確かめる

再現テストというのは要は、「同じ条件を作って、同じことが起きるか確かめる」というだけのことです。

難しい言い方になっていますが、やっていることはシンプルでした。

「片方だけ動かして確認し、両方動かして確認する」。それを各3回ずつ繰り返しただけです。

この「繰り返す」というのが大事で、1回だけだと「たまたまかもしれない」という余地が残ります。

3回同じ結果が出て初めて、「これは確定だ」と言えました。

仮説を崩しにいく姿勢でテストする

再現テストをしようと決めたのは、「仮説が正しいことを証明したい」というより「仮説を崩したい」という気持ちからでした。

「もし間違っていたら恥ずかしい」という感覚が、正直ありました。

「セッションの取り合いなんて、そんな素朴な話のはずがない」と思いたい気持ちもありました。

でも、崩せなかったのです。3回試して3回止まる、という事実は、何度見ても変わりませんでした。

「自分の仮説を崩しにいく」という姿勢でテストしたからこそ、確定できたと思っています。

「これが原因だと思いたい」という気持ちでテストすると、結果を都合よく解釈してしまうことがあります。

7日悩んだ問題が15分で直った

修正の方法は、拍子抜けするほどシンプルでした。

2本のツールが動く時間を、重ならないようにずらすだけです。

片方は朝8時45分に終わるように、もう片方は朝9時15分から始まるように、スケジュールを組み直しました。

夜も同じように、30分ずつずらしました。

修正作業にかかった時間は15分以下でした。

翌朝から、返信ツールは一度も止まらなくなりました。7日間悩んでいた問題が、15分で解決しました。

原因が分かれば直すのは早い

この「15分」という数字を書いておくのは、嫌がらせのためではありません。

「記録と確定に時間をかけた分、修正自体は短かった」という事実が、重要だと思うからです。

原因が分かっていれば、直すのは早い。

原因が分からないまま対処しようとすると、いくら時間をかけても変わらない。

この7日間はその対比を、身をもって体験した時間でした。

7日間を時系列で整理する

この一件を時系列で整理すると、こうなります。

エラーが出はじめてから記録を始めるまで、3日間。

記録を始めてから時間帯のパターンに気づくまで、1日。

仮説を立てて再現テストで確定するまで、2日間。修正にかかった時間は、15分以下。

合計7日間のうち、最初の3日間はただ外を疑い、待っていた時間でした。

もし最初から記録をしていたら、おそらく3〜4日で解決できていたと思います。

「測る前に原因を探す」という行動が、3日分の時間を余計に使わせていたのです。

複数の角度で数えると見えるもの

余談ですが、今回「終わっていない通信の件数」を数えてみたとき、少し気持ち悪い数字が出てきました。

5件、応答なしのままぶら下がっていました。

これは、返信ツールが7日間で5回、中途半端な状態のまま止まっていたということです。

送ったまま返ってこない通信が5件ある。

そのことを、わたしはエラーメッセージを眺めている間まったく知りませんでした。

中途半端に残った5件の通信

「動かなかった」ことは分かります。

でも「どのくらい動かなかったか」「何が残っているか」は、記録しないと見えません。

「止まった回数」だけでなく、「中途半端になった件数」も記録していたことで、影響の大きさが分かりました。

この2つ目の指標を入れていなかったら、問題の全体像をつかめていなかったと思います。

数字を記録するとき、ひとつだけ記録するより複数の角度から記録した方が、より立体的に状況が見えてきます。

今回の3つは、わたしが偶然選んだものでしたが、結果的に「外か内か」を判断するのにちょうどいい組み合わせでした。

広告で見ていなかった細かい数字

広告の話に戻ります。

成果が落ちた時に「アルゴリズムのせい」にしていた時期、わたしが本当にやれていなかったのは「数字を細かく見ること」でした。

クリックされた数は見ていました。

でも「何秒で離脱しているか」「どの文言で止まっているか」を見ていませんでした。

そちらを見ていなかったから、外に原因を求めることになっていたのです。

自動化ツールも、まったく同じです。

「動いた・止まった」だけ見ていると、外のせいか内のせいか分かりません。

「何回、いつ、どの状態で止まったか」を記録して初めて、切り分けができます。

これは技術の話ではなくて、「どう見るか」の話です。難しいコマンドも、特別な専門知識も、いりません。

「何が、何回、いつ起きたか」を書き出す習慣があれば、原因の場所を絞り込む手がかりが手に入ります。

「書き出す」だけでいいのです。

止まったら外を疑う前に3つ数える

ここで少しだけ、視点を広げさせてください。

「なんか止まっている」「なんかうまくいかない」という場面は、これからも繰り返し出てきます。

自動化を広げれば広げるほど、そういう場面は増えます。

そのとき最初に外を疑うのは、自然なことです。

「自分はちゃんとやっている」という前提から動くのが普通だからです。

動かせる内側から確認する

でも、外側の原因は自分では動かせません。内側の原因は、自分で動かせます。

どちらを先に確認するべきか——動かせる方から確認する方が、単純に早いのです。

今回わたしが記録した3つ——通信失敗の回数、終わっていない通信の件数、同時アクセス数——は、どれも難しい技術知識がなくてもできる「数え方」です。

「何が、何回、いつ起きたか」を書き出すだけのことです。

その数え方が、外か内かを切り分ける最初の根拠になりました。

3つの記録は30分もかからない

「3つも記録するのは大変そう」と思う方がいるかもしれません。

でも今回の3つは、それぞれ10分もかからない確認作業でした。

1つ目の通信失敗の回数は、ツールのログ画面を開いてスクロールするだけでした。

2つ目の終わっていない通信は、ステータスが「未完了」のものをカウントするだけでした。

3つ目の同時アクセス数は、アクティブなセッション数を確認するだけでした。

合計30分もかかりませんでした。

30分の記録作業が、3日間の「外を疑って待ち続ける時間」を短縮してくれました。

わたしが今使っている自動化の環境は、Claude Codeというツールを中心に組んでいます。

その仕組みの全体については別の記事にまとめてあるので、興味があればフッターのリンクから覗いてみてください。

「測ってから疑う」順番に変える

最後に、この記事を読んでくださった方にひとつだけ持ち帰っていただきたいことがあります。

何かが「止まった」と感じた瞬間、まず3つだけ書き出してみてください。

「何回失敗したか」「中途半端に終わっているものが何件あるか」「同時に動いているものが何本あるか」。

それだけです。

原因が外にあっても内にあっても、記録があれば仮説を立てられます。

記録がない状態では、ただ待つしかなくなります。

「測ってから疑う」順番に変えるだけで、7日が3〜4日になります。

わたしは今回の経験で、その順番を改めて思い出しました。

数字を記録することは、問題を解決するためだけでなく、「自分のせいか、相手のせいか」を冷静に判断するためでもあるのだと、今は思っています。

止まったとき、外を疑う前に、まず3つ数えてみてください。それが、一番近道でした。

止まった瞬間を記録の合図にする

最後に、この経験を通じて自分の中で変わったことをひとつだけ書いておきます。

「エラーが出た、何かが壊れた」という感覚から、「エラーが出た、記録を始めるタイミングが来た」という感覚に変わりました。

問題が出た瞬間を、調べ始める合図にする。そう決めると、焦りが少し小さくなります。

何が起きているか分からない状態が、一番しんどいのです。

記録し始めると、少なくとも「何が何回起きているか」は分かる。

その「少しだけ分かっている状態」が、次の手を考える余裕を作ってくれます。

完全に解決していなくても、動き出せる気持ちになれます。

7日間の出来事で、わたしが一番変えたかったのはこの習慣でした。「止まったら記録する」、それだけです。

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