診察室で「いつからですか」と聞かれて、言葉に詰まったことはありませんか? 病院に行く前の質問メモは、書きためた症状メモをAIに渡せば形にできます。
条件は2つで、診断を頼まないことと、渡さない情報を先に決めておくことです。
ChatGPT Healthの受診準備は、日本ではまだ使えません
OpenAIは2026年1月7日にChatGPT Healthを発表し、7月23日から米国の18歳以上を対象に、webとiOSで提供を始めました。
医療記録やApple Healthのデータをつないで、検査結果を読み解いたり、次の診察で医師に聞く質問を準備したりできる、という機能です。
提供対象は米国のユーザーだけで、2026年9月時点では日本から使えません。
米国の医療記録サービスとの連携が前提なので、仕組みごと日本に持ってくることもできません。
それでも、まねできる部分はあります。
「症状と経過を整理して、医師に聞くことをリストにする」ところは、普段使っているChatGPTやClaude、Geminiでも十分にできます。
しかも、これは新しい発想ではありません。
厚生省研究班がまとめた「上手な医者のかかり方10か条」の1番目は、伝えたいことはメモして準備です。
AIは、そのメモづくりの手間を減らす道具として使っています。
AIに症状を話す前に、渡さない情報を決めておきます
ChatGPT Healthは、健康の会話を他の会話から切り離して保護する仕組みを用意しています。
日本で使う普通のAIチャットには、その専用の区画がありません。
だから入力する前に、渡さないものを決めておきます。
私が入れないと決めているのは、次のものです。
- 氏名、住所、生年月日、電話番号
- 保険証やマイナンバーカード、診察券の番号
- 通っている病院と医師の名前
- 家族の体調を相談するときの、その人の名前
- 検査結果の画像やPDFそのもの(氏名や患者番号が写り込むので、必要な数値だけ書き写します)
逆に渡してよいのは、「40代男性」「2週間前から」「朝より夕方がつらい」のように、誰なのか分からない形に言い換えた情報です。
質問メモを作るのに、名前は要りません。
設定も一度見ておきます。ChatGPTなら、設定のデータコントロールにある「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにすると、それ以降の会話がモデルの学習に使われなくなります。
ClaudeやGeminiにも同じ役割の項目があります。
いま使っているAIの設定画面、最後に開いたのはいつでしょうか?
症状メモは、どう頼めば質問リストになる?
症状メモは、きれいに書けていなくてかまいません。
スマホのメモ帳に「いつ」「どこが」「どんなときに」を走り書きしたものがあれば十分です。
何も残っていなければ、覚えている範囲で「いつから」「どう変わったか」を書き出すところから始めます。
あとは、次の形でAIに渡します。
症状の部分だけ、自分のメモに差し替えてください。
私は病院に行く前の準備をしています。
診断や病名の推測、薬や治療の提案はしないでください。
以下の症状メモを、次の3つに整理してください。
1. 医師に伝える経過を、時系列で5行以内に(いつから、どこが、どんなときに、どう変わったか)
2. 医師に聞きたい質問を、優先度の高い順に5つまで
3. メモの中で、医師に伝えた方がよさそうなのに抜けている項目(例: 飲んでいる薬、つらさの程度)
【症状メモ】
・2週間ほど前から、朝起きたときに胃のあたりが重い
・食後に強くなる日がある
・コーヒーを減らしても変わらない
・市販の胃薬を2回飲んだ1行目と2行目で「準備のため」「診断はしない」と先に宣言するのが肝です。
これを書かないと、AIは親切心から病名の候補を並べてくることがあります。
3番目の「抜けている項目」も効きます。
飲んでいる薬やアレルギー、仕事への影響など、診察でよく聞かれるのに自分では書き忘れる項目を拾ってくれるからです。
出てきた質問が自分の言葉になっていなければ、「もっと短く」「専門用語を使わずに」と頼み直します。
前回の診察で聞きそびれたことは、このリストに入っていますか?
診断を求めない書き方が、AIとの距離を守ります
同じ不安でも、聞き方しだいでAIの役割が変わります。
左の列は、AIの答えがそのまま判断になってしまう聞き方です。
私は医者ではないので診断はできませんし、AIも同じ立場です。
OpenAI自身も、ChatGPTは病気の診断や治療に使うためのものではないと明記しています。
だから、AIの答えを見て受診をやめたり、薬の量を変えたり、飲むのをやめたりはしません。
薬のことは、必ず医師か薬剤師に確認します。
そして、いつもと違う強い症状が急に出たときは、質問メモを作るより先に電話です。
救急車を呼ぶか迷ったら#7119に相談できます。
実施していない地域もあるので、総務省消防庁の案内で自分の地域を一度確かめておくと安心です。
子どもの休日や夜間の急な病気なら#8000、明らかに緊急なら迷わず119番です。
質問リストは3つに絞り、答えを書く余白を残します
AIが5つ出してきても、1回の診察で全部聞けるとは限りません。
私は上から3つに絞って、1枚にまとめるようにしています。
長いメモは、受け取る医師の側も読みにくいからです。
持っていく1枚は、次の4つだけです。
- 経過(3〜5行)
- 飲んでいる薬とサプリ(お薬手帳があれば一緒に持っていく)
- 聞きたいこと3つ
- 医師の答えを書き込む余白
最後の余白は、10か条の7番目「大事なことはメモをとって確認」のためです。
聞いた答えを書き込んでおけば、次の受診前にAIへ渡す症状メモにもなります。
次の通院の予定は、もう決まっていますか? まずは今夜、スマホのメモ帳に今日の体調を1行だけ書いてみてください。
それが、次の質問メモの1行目になります。


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