🛑 「出さない記事」を1つ先に書いた——AIが何でも掘り起こす前に気づいたこと

bokuwalily
bokuwalily

@bokuwalily ・ 90本

サムネイル

写真を自動でアルバムにまとめてくれる機能が、スマホの中に入っています。

日付や場所ごとに整理して、「あの頃の写真」として勝手にハイライトを作ってくれる、あの機能です。

便利だと思っていたのですが、一度だけ困ったことがありました。

自動で作られたアルバムに、もう振り返りたくない時期の写真が含まれていたんです。

アプリは何も悪くありません。

ただ、「この時期の写真は出さないで」という判断を、アプリは最初から持っていないんです。

あなたは今、こうなっていませんか?

• AIに作業を自動化してほしいけど、「全部渡していいのか?」という不安がある • 過去に書いたものの中に、今はあまり触れたくない話題がある • 自動化すると便利になるのはわかっているのに、なぜか動かすのが少し怖い • AIに「やってほしくないこと」を、うまく伝える方法がわからない

先に結論を言います。

「出さない記事」のリストを1つ先に作っておけば、AIの自動化は安心して動かせます。

この記事では、古い記事をAIが自動で磨き直す仕組みを作ったとき、除外リストを先に用意することになった経緯と、その理由を書きます。

AIが「出さない」という判断を一切持たないことに気づいた話と、ひとりで動かすときに「出さない判断」をどう担うかについてです。

AIは「全部やる」という前提で動く

Lilyは今、古い記事を自動で改善して再公開する仕組みを作っています。

Claude Codeというツールに指示を書いて動かす仕組みで、コードはほぼ0行です。

仕組みの概要をざっくり説明します

記事の画像

簡単に言うと、こういう流れです。

過去に書いた記事をAIに読ませて、「今の読者に届くように書き直して」と頼む仕組みです。

書き直した記事をLilyが確認して、問題なければ公開する。この確認・公開の部分を半自動化しました。

記事の本数が増えると、手で1本ずつ見直すのが難しくなっていきます。

70本を超えたあたりから、毎月の見直し作業が体力的につらくなってきていて、こういう仕組みが必要になってきました。

AIへの依頼は自然な言葉で書きます。

「この記事のタイトルは今の読者に届きにくいので、改善案を3つ出して」「冒頭の段落が長すぎるので、読みやすく整えて」という具合です。

動かす前に気づいた、ひとつの問題

仕組みを作り終えて、さて動かそうとしたとき、ふと気になりました。

「この仕組みは、どの記事でも区別なく処理するんじゃないか?」

手元には、公開から1年以上経った記事が60本以上ありました。

全部を対象にしたら、60本全部がAIの「改善対象」になります。

問題は、その60本の中に今は表に出したくない記事がいくつかあったことです。

自作アプリの話題を詳しく書いた記事や、当時の状況を正直に書きすぎた記事——読まれること自体は別に構わないのですが、わざわざ改善して再公開したい記事ではない、という感じです。

AIにはその区別が、最初からありません。

「これは出したい」「これは出したくない」という判断を、Lilyが言葉で教えてやらないと、全件を同列に処理してしまいます。

ここで初めて気づいたんです。仕組みを作る前に決めなければいけないことが、まだあったと。

📕 AIエージェントと自動化の全工程をまとめた総集編 手順・コード・テンプレをそのまま渡しています 🤖【完全版】月商160万円の「寝てても回る仕組み」をゼロから30日で組む全工程|2026年10月版・Claude Code×AIエージェント・特典40ファイル・毎月更新

「消したい」わけじゃない。でも「広めたくない」

少し具体的に話します。手元の記事の中に、自作アプリの話を詳しく書いたものが7本ありました。

今は触れたくない、という感覚

そのアプリは今も動いていますし、記事を消すつもりもありません。

ただ、今のLilyが発信したいテーマとは、少し方向が違ってきています。

自分がやっていることを誠実に書いた記事なので、恥ずかしいわけでもない。

でも、改善して目立たせたいかというと、そうでもない——という感覚です。

「封印したい過去」ではないけど、「今の自分の看板にしたいもの」でもない。

このニュアンス、伝わるでしょうか。

あと、解雇から半年ほど経った頃に書いた記事もいくつかあります。

当時の感情がかなり正直に出ていて、それ自体は悪いことではないのですが、いま改善して前に出す記事ではないな、という感覚があります。

当時は書くことで気持ちが整理されていた部分があって、あの記事たちに助けられた面もあります。

だからこそ、今の自分のモードで「改善対象」として処理したくない、という思いがありました。

AIにその「感覚」は伝わらない

問題は、AIにこの感覚が一切伝わらないことです。

AIは記事の内容を読めますし、改善案も出せますが、「Lilyが今どういう方向に進みたいか」という文脈は、明示的に教えないと持っていません。

「自作アプリの話題を扱った記事は除外して」と書かなければ、AIは普通に処理します。

「出さない」という判断は、人間が先に言葉にしてやる必要があるんです。

これに気づいたとき、正直ゾッとしました(笑)。

自動化の仕組みを作ることに夢中になっていて、「何を自動化するか」より「何を自動化しないか」を先に決めていなかったからです。

しかもこれ、AIが悪いわけじゃないんです。

「出さない」という判断基準を渡していなかったのは、Lilyの側です。

AIに文句を言っても意味がなくて、伝えるべきことを伝えていなかっただけ、という話です。

除外リストを先に作る、という発想

そこでLilyがやったのは、仕組みを動かす前に除外リストを作ることでした。

エクセルとかデータベースとか、そういう難しいものではありません。

テキストファイルに記事のタイトルを書いただけです。

リストに書いた3つの基準

何でも除外すると、処理できる記事がなくなってしまいます。

なので、除外するかどうかの基準を先に3つ決めることにしました。

1つ目は、今の発信テーマと方向が違う記事です。

自作アプリの詳細な使い方や、今のLilyが中心にしていないテーマを扱ったものがこれにあたります。

2つ目は、当時の状況を細かく書きすぎた記事です。

解雇された直後の感情が強く出ているものなど、いま改善・再公開する対象にしたくないものです。

読まれること自体は問題ないのですが、前に押し出したい記事ではない、という判断です。

3つ目は、同じ話題が重複している記事です。

似たテーマを扱った記事が複数ある場合、いちばん良いものだけを改善対象にして、残りは動かさない、という基準です。

この3つを基準にして、60本以上の記事から18本を除外リストに入れました。

残り42本が、AIの処理対象になります。

リストを作って初めて、安心して動かせた

除外リストを作るのに、正直1時間以上かかりました。

記事を1本ずつ開いて、「今の自分が改善・再公開したいか?」を考えていく作業です。過去に書いた60本を振り返ることは、当時の自分を振り返ることでもあるので。

当時うまくいかなかった時期の記事を読むと、「そうか、あの頃こんな気持ちだったんだな」という感覚が戻ってきます。

懐かしいとか悲しいとか、そういう感情が混ざってくるので、純粋に作業としては進みにくいんです。

でも、この1時間があったことで、仕組みを動かすときの気持ちがまったく変わりました。

「AIが何をするか」が明確になっていたので、不安なく動かせました。

除外リストがない状態で動かしていたら、処理された記事を確認するたびに「これは出したくなかったのに…」という気持ちになっていたと思います。

先に人間が判断する部分を決めておくことが、自動化を安心して使うための核心だとわかりました。

CMO時代には「出さない係」がいた

記事の画像

ここで少し、前の仕事の話をします。Lilyには以前、広告会社でCMOをしていた時期があります。

組織には必ず「ガード役」がいた

月に3,000万円規模の広告を動かしていた頃、組織の中には必ず「確認する人」がいました。

「この表現は大丈夫か」「この数字は正確か」「このタイミングで出していいか」を確認する人たちです。

いま思うと、この人たちが「出さない判断」を担ってくれていたんです。

クリエイターが「出したい」と思って作ったものを、「今は出さない方がいい」と止める役割の人たちがいました。

しかも、複数の目が入る仕組みになっていました。

法務が確認する、上長が確認する、マーケが確認する——という具合に、それぞれの立場から「これでいいか?」

が問われる。

「出さない判断」は、特定の誰か一人が担うのではなく、組織全体に分散していたんです。

誰かがうっかりしていても、次の確認で止まる、という構造でした。

ひとりになって気づいた「空白」

解雇から半年経って、Lilyは完全にひとりで動いています。広告費は0円。スタッフもいません。

判断するのは自分だけです。

CMO時代は「誰かが止めてくれる」という安心感の中で動いていたんだ、とひとりになって初めてわかりました。

「出さない判断」を誰かが担ってくれていたから、自分は「出したい」だけを考えていられた。

これ、組織にいる間は全然気づかなかったことです。

確認の仕組みが自然にあったから、「確認してもらう」という行為を意識せずにやっていたんです。

AIを自動化のパートナーにするとき、まったく同じことが起きます。

AIは「出したい」方向には全力で動いてくれますが、「出さない」判断は持っていません。

ひとりでAIを動かすなら、「出さない係」も自分がやる必要があります。

それを言葉にして、先にAIに教えておくことが、CMO時代のガード機能の代わりになります。

AIに「言葉で教える」という作業

除外リストを作ることは、AIへの「言葉で教える」作業でもありました。

AIは優秀ですが、Lilyの頭の中にある暗黙の判断基準は持っていません。

暗黙知を言語化する、という難しさ

「このテーマは今は出したくない」という感覚は、最初は言葉にしにくいものです。

「なんとなく気が進まない」と思っていても、「なぜ気が進まないのか」を説明するのは難しい。

でも、AIに伝えるためには、言語化するしかありません。この作業、思ったより価値がありました。

自分が何を発信したくて、何を発信したくないのかが、リストを作ることで明確になったからです。

「なんとなく気が進まない記事」が18本あるのは知っていましたが、「なぜ気が進まないのか」を言葉にしたことはありませんでした。

除外リストを作る過程で、それが3つの基準に整理されていきました。

あの1時間以上は、AIへの指示を作る時間であると同時に、自分の発信方針を整理する時間でもあったんです。

リストに書いた言葉が「指針」になった

おもしろいことに、除外リストを作った後から、新しい記事を書くときの判断も変わりました。

「これは除外リストに入る話題だな」という基準が手元にできたことで、次に書く記事のテーマ選びがしやすくなったんです。

AIへの指示として作ったリストが、Lilyの発信方針の整理にもなりました。

自動化の準備が、自分の棚卸しになるというのは、少し予想外でした。

記事を書くたびに「これは出してもいい記事か?」と考えることは、以前もやっていました。

でも除外リストを作ってから、その判断の速さが変わりました。

言葉にした基準があると、判断にかかる時間が圧倒的に短くなります。

「仕組みを止める条件」を先に決める

この経験から、個人でAIを使うときの考え方が変わりました。

「何をやらせるか」の前に、「何はやらせないか」を決める、という順番です。

仕組みを作る前に決めること

AIに何かを自動化させるとき、Lilyは今、必ずこの3つを先に決めるようにしています。

1つ目は、絶対に対象外にするものです。除外リストで言えば「アプリ関連の記事」がこれです。

迷わずに対象外にできる、明確なラインを先に引いておきます。

2つ目は、条件つきで対象外にするものです。

「この条件に当てはまったら止める」というルールです。

「解雇直後に書いた記事で、感情が強く出ているもの」というような条件がこれにあたります。

3つ目は、判断に迷ったら止まるものです。AIが「これはどうすればいいか?」

と迷った場合に、勝手に進まないようにする指示です。

迷ったら必ずLilyに確認する、というルールを仕組みの中に入れています。

この3番目が、意外と重要でした。

「迷ったら動かない」という設定をしておくだけで、AIが勝手に判断して動いてしまうリスクがかなり下がります。

この順番が「安心感」を作る

この3つを決めてから仕組みを動かすと、処理された結果を見るときに「大丈夫か?」

という不安がありません。迷う可能性のある部分には、必ず確認のステップが入っているからです。

実際に仕組みを動かして、4週間で42本の記事を確認しました。

除外した18本が処理されてしまったことは、1度もありませんでした。

AIへの信頼は、AIを信じることからではなく、止まる条件を先に決めることから始まるんだとわかりました。

「信頼できる仕組み」というのは、任せることではなく、止めるところを決めておくことなんです。

仕組みを作る前の自分に教えてあげるとしたら、「最初に除外リストを作れ」の一言です。

それさえやっておけば、あとは安心して動かせます。

「出さない」も自分の仕事

最後に、少し大きな話をして終わります。

個人でAIを使って動き始めると、「AIが全部やってくれる」という感覚になることがあります。

でも、最後の判断は人間がやる

Lilyも最初はそう思っていました。仕組みを作れば、あとは自動で動く——と。

でも実際に動かしてみると、自動化できる部分と、人間が判断する部分は明確に分かれていました。

「どう書くか」はAIが得意ですが、「何を出すか」「何を出さないか」は人間が決めないといけない。

この仕組みの全体——Claude Codeを使った自律環境の組み方、除外リストの具体的な作り方も含めた詳細は、有料記事にまとめています。 仕組みの中身に興味があれば、フッターからどうぞ。

「出さない判断」を持つことが、個人の武器になる

大手メディアやプラットフォームは、何千もの記事を持っていて、出す・出さないの判断を組織でやっています。

個人がひとりで動くとき、その判断は自分ひとりがやらないといけない。

でも逆に言うと、個人だからこそ「出さない理由」を自分の言葉で持てるということでもあります。

組織の都合ではなく、自分の発信方針に基づいた理由を持てる。

Lilyが除外リストを作ったのは、技術的な必要に迫られたからです。

でも作ってみると、「自分が何をやりたいのか」が整理されて、発信の方向が少しはっきりしました。

AIの自動化を怖いと感じているなら、まず「出さないリスト」を1つ作ってみてください。

それがあるだけで、動かすときの気持ちがまったく変わります。

「出さない」も自分の仕事——それを先にやってから、AIを動かす。

この順番が、個人でAIを使うときの安心感を作ってくれます。

📕 この記事の内容を、実装まで全部まとめた有料記事があります 手順・コード・テンプレをそのまま渡しています AIで「寝てても回る仕組み」をゼロから30日で組む全手順