はじめに
投資銀行のアナリストが作る財務モデル。
DCF法、LBO分析、M&Aモデル…こうした高度な分析は、これまで年収1,000万円以上のプロにしかできない仕事でした。
でも今、Claudeに適切なプロンプトを与えるだけで、これらの財務モデルが作れるようになっています。
この記事では、投資銀行で使われる12種類の財務分析をClaudeで再現するプロンプトを紹介します。
この記事でできるようになること
- 企業価値評価(バリュエーション)
- DCF(割引キャッシュフロー)分析
- LBO(レバレッジド・バイアウト)モデル
- 類似企業比較分析
- M&A分析
- 財務諸表分析
すべてコピペ→企業情報を入力するだけで使えます。
12のプロンプト
1. DCF(割引キャッシュフロー)分析
以下の企業情報をもとに、DCF分析を行い企業価値を算出してください。
企業名: [企業名]
業界: [業界]
直近の売上高: [金額]
営業利益: [金額]
成長率予測: [%]
以下を含めてください:
- 5年間のフリーキャッシュフロー予測
- 適切なWACC(加重平均資本コスト)の設定と根拠
- ターミナルバリューの計算
- 感度分析(WACC ±1%、成長率 ±1%)
- 最終的な株式価値と1株あたり価値
計算過程も詳しく説明してください。用途: 投資判断、M&A価格交渉、事業計画
2. LBO(レバレッジド・バイアウト)モデル
以下の企業に対するLBO分析を行ってください。
対象企業: [企業名]
買収価格: [金額]
EBITDA: [金額]
想定保有期間: 5年
分析内容:
- 最適な資本構成(負債/自己資本比率)
- 返済スケジュール
- 5年後のExit時の想定IRR(内部収益率)
- 感度分析(Exit倍率、EBITDA成長率別)
PE(プライベートエクイティ)ファンドが検討する観点で分析してください。用途: PE投資判断、MBO検討、買収ファイナンス
3. 類似企業比較分析(Comps)
[企業名]の類似企業比較分析を行ってください。
対象企業の情報:
- 業界: [業界]
- 売上高: [金額]
- EBITDA: [金額]
- 純利益: [金額]
以下を作成:
1. 類似企業5〜10社の選定と選定理由
2. 主要マルチプル比較表(EV/EBITDA、EV/売上高、PER、PBR)
3. 対象企業の適正株価レンジ
4. プレミアム/ディスカウントの考察用途: IPO価格算定、投資判断、同業比較
4. M&A シナジー分析
以下のM&A案件のシナジー分析を行ってください。
買収企業: [企業名A]
被買収企業: [企業名B]
買収金額: [金額]
分析内容:
- コストシナジー(人員削減、拠点統合、調達効率化)
- 売上シナジー(クロスセル、新市場参入)
- シナジー実現までのタイムライン
- 統合リスクと対策
- シナジー込みのバリュエーション用途: M&A意思決定、PMI計画、取締役会説明資料
5. 3表連結財務モデル
以下の前提条件で、3年間の財務三表(PL、BS、CF)連動モデルを作成してください。
前提条件:
- 初年度売上: [金額]
- 売上成長率: [%/年]
- 売上原価率: [%]
- 販管費率: [%]
- 設備投資: [金額/年]
- 運転資本回転日数: 売掛[日]、在庫[日]、買掛[日]
出力:
- 損益計算書
- 貸借対照表
- キャッシュフロー計算書
- 主要財務指標(ROE、ROIC、自己資本比率など)用途: 事業計画策定、銀行融資申請、投資家向け資料
6. 財務デューデリジェンス
以下の財務データをもとに、デューデリジェンスレポートを作成してください。
[ここに財務諸表データを貼り付け]
チェック項目:
- 収益の質(一時的要因、継続性)
- 運転資本の傾向と異常値
- 設備投資の妥当性
- 簿外債務のリスク
- 経営者への質問事項リスト
M&Aの買い手目線でリスクと論点を整理してください。用途: M&Aデューデリジェンス、投資判断
7. IPO バリュエーション
以下の企業のIPOバリュエーションを行ってください。
企業名: [企業名]
業界: [業界]
直近業績: 売上[金額]、営業利益[金額]
成長率: [%]
分析:
1. 類似上場企業との比較
2. 想定時価総額レンジ
3. 適正公開価格の算定
4. IPOディスカウントの考慮
5. 投資家向けエクイティストーリー案用途: IPO準備、証券会社との交渉
8. 事業再生計画
以下の企業の事業再生計画を策定してください。
企業概要: [業界、規模、従業員数]
現状の問題: [赤字額、債務超過額など]
主な原因: [売上減、コスト高など]
計画内容:
- 100日アクションプラン
- コスト削減施策と効果試算
- 売上回復シナリオ
- 資金繰り表(12ヶ月)
- 銀行交渉用の再生計画概要用途: 事業再生、リストラクチャリング、銀行交渉
9. 配当政策分析
以下の企業の最適な配当政策を分析してください。
企業情報:
- 業界: [業界]
- 時価総額: [金額]
- 純利益: [金額]
- 現金残高: [金額]
- 有利子負債: [金額]
- 設備投資計画: [金額/年]
分析:
- 配当性向の業界比較
- 自社株買いとの比較
- 株主還元の最適なバランス
- 投資家へのメッセージング用途: IR戦略、株主総会準備
10. 為替感応度分析
以下の企業の為替感応度分析を行ってください。
企業: [企業名]
海外売上比率: [%]
主要通貨: [USD/EUR/CNYなど]
為替ヘッジ状況: [あり/なし、カバー率]
分析:
- 1円円高/円安時の営業利益への影響
- 通貨別の感応度マトリックス
- ヘッジ戦略の提案
- 競合他社との比較用途: 決算説明、リスク管理、ヘッジ戦略
11. セグメント別価値分析(SOTP)
以下の複合企業のSum-of-the-Parts分析を行ってください。
企業: [企業名]
事業セグメント:
- セグメントA: 売上[金額]、営業利益[金額]
- セグメントB: 売上[金額]、営業利益[金額]
- セグメントC: 売上[金額]、営業利益[金額]
分析:
- 各セグメントの適切な評価倍率
- セグメント別企業価値
- コングロマリット・ディスカウントの考察
- 事業ポートフォリオ最適化の提案用途: コングロマリット分析、事業売却検討
12. 信用リスク分析
以下の企業の信用リスク分析を行ってください。
財務データ:
[主要財務指標を入力]
分析:
- 主要信用指標(インタレスト・カバレッジ、D/Eレシオなど)
- 想定信用格付けと根拠
- 同業他社との比較
- リスクシナリオ(業績悪化時の債務返済能力)
- 融資判断のポイント用途: 融資審査、取引先与信管理
使い方のコツ
1. 実際の数字を入れる
架空の数字より、有価証券報告書から取った実データの方が精度が上がります。
2. 業界特性を伝える
「SaaS企業なので〜」「製造業なので〜」と業界文脈を追加すると、より適切な分析になります。
3. 比較対象を指定する
「〇〇社と比較して」と指定すると、より実務的な示唆が得られます。
4. Excelへの出力を依頼する
「Excel形式でコピペできるようにテーブル出力して」と言えば、すぐ使える形式で出力されます。
注意点
⚠️ AIの出力は必ず検証してください
Claudeは非常に優秀ですが、以下の点には注意が必要です:
- 最新のデータは持っていない(学習データの時点まで)
- 計算ミスがゼロとは限らない
- 業界特有の慣行を知らない場合がある
重要な意思決定には、必ず専門家のレビューを入れてください。
まとめ
かつては年収1,000万円超のアナリストだけができた財務モデリング。
今はClaudeのサブスク代(月2,000円程度)で、基礎的な分析は誰でもできる時代になりました。
- スタートアップの資金調達準備
- 副業での財務コンサル
- 投資判断の補助ツール
など、様々な場面で活用できます。
まずは1つ試してみてください。
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