広告バナーや説明資料を画像生成AIに任せて、文字が化けて結局Illustratorで組み直した、という徒労、ありますよね。
7月21日に発表されたQwen-Image 3.0は、発表時点でベンチマークも料金も非公開で、どれくらい強いモデルなのか判断がつかない状態でした。
それが3週間で全部出てきたので、今回はビジネス用途に振り切って、極小文字と複雑レイアウトをどこまで指示できるのかをプロンプトの形に落として整理します。
Qwen-Image 3.0 Proが世界5位に急浮上 発表時は分からなかった実力
Text-to-Image Arenaの総合ランキングで、Qwen-Image 3.0 Proが1,263ptを取って世界5位に入りました。
前世代のQwen-Image 2.0 Proが15位・1,191ptだったので、1世代で10ランク分ジャンプした計算です。
注目したいのは総合よりCommercial Designです。
広告・販促まわりのクリエイティブを評価する部門で、16位から6位まで上がってきました。
もうひとつ、この5位が持つ意味について補足しておきます。
前世代のQwen-Image 2.0 Proは、Alibaba自社のベンチマークでは18モデル中5位と説明されていました。
その同じモデルが、第三者のArenaでは15位です。
自社ベンチと外部評価がこれだけ離れる世界なので、今回の5位は「外から測った数字」である点にこそ価値があります。
無印のQwen-Image 3.0とProは同じモデルなのか
ここで引っかかる人がいるはずです。
7月に話題になったのは「Qwen-Image 3.0」で、ランキングに載っているのは「Qwen-Image 3.0 Pro」。
別モデルが後から出たように見えますが、調べた限り同じものです。
根拠は3点あります。
- API経由で呼べるモデルIDは、AIHubMix・QwenCloud・OpenRouterのいずれも
qwen-image-3.0-proで統一されている。無印3.0に相当する別IDは存在しない - ランキング発表での比較対象が「Qwen-Image 2.0 Pro」になっている。Proは3.0で新設された上位グレードではなく、2.0の頃から続く命名
- 試せる窓口も同じ。
chat.qwen.aiが入り口で、発表直後に触ったモデルとランキングのモデルで経路が分かれていない
つまり「Proという新型が出た」のではなく、「7月21日に出たあのモデルの正式名称がProだった」が正しい理解です。
ニュース側が略称の「Qwen-Image 3.0」で通したせいで、名前が2つあるように見えているだけなんですよね。
登録方法や生成手順そのものはQwen-Image 3.0とは 使い方と料金をわかりやすく解説に書いたので、まだ触っていない人はそちらから。
ここからは、そのモデルに業務寄りの指示を書くならどうなるかを見ていきます。
極小文字と複雑レイアウトを狙うプロンプト設計
前回扱ったのは水彩やイラスト寄りのプロンプトでした。
今回は真逆で、文字が多くて構造が固いものを想定します。
10px級の極小文字はどこまで指示できるか
公式が打ち出している売りは「10ピクセル級のテキストが判読できる」。
注意書き入りの縦バナーだと、こういう書き方になります。
A vertical advertising banner for a Japanese coffee subscription, 1080x1350.
Top: bold headline 「毎朝、淹れたてを。」 in a clean gothic sans-serif.
Middle: a watercolor illustration of a coffee dripper.
Bottom band: a three-column price table —
「お試し 980円」「月2回 1,780円」「毎週 3,200円」.
Very bottom: fine print at the smallest legible size,
「表示価格は税込です。初回のみ送料無料。」
Muted cream and deep brown palette.ポイントは、フォントサイズを数値で指定せず「最小の判読可能サイズ」と役割で書くところです。
10px級が読めるという主張自体に言語の但し書きはありません。
ただし、このモデルの売り文句で精度を名指しされているのは中国語と英語です。
日本語は12言語ネイティブ対応の中に入っているものの、極小サイズでの精度を名指しで保証する記述はどこにもありません。
なので価格・型番・日付のような数字中心の情報から極小領域に置いていくのが、設計に沿った使い方になります。
日本語の注意書きは、通ったらラッキーくらいの温度で扱って、校正は前提にしておくのが安全です。
広告バナーやUIモックアップの複雑レイアウトを一発で組む
次は構造の複雑さです。
A SaaS dashboard UI mockup, light theme, 16:9.
Left sidebar with six navigation items, each with an icon and a label.
Main area: a 2x2 grid of cards.
Top-left: a line chart with labeled axes.
Top-right: a KPI card reading 「月間アクティブ 12,480」.
Bottom-left: a data table with five rows and four columns.
Bottom-right: a donut chart with a four-item legend.
Sans-serif, 8px grid, soft shadows.ここまで細かく書けるのは、プロンプト上限が4,500トークンあるからです。
公開されている実証範囲は、3x3のグリッドに9枚の独立したインフォグラフィックを配置したものや、4階層までネストしたインターフェースのモックアップ。
2x2のカードにサイドバーが付く程度の構造なら、設計上の想定内に収まります。
効いてくるのは、これがつなぎ合わせではなく一発で出るという点です。
パーツごとに生成してFigmaで組み直す前提だと、カードの余白もフォントサイズも後から揃え直す作業が必ず発生します。
構造ごと出てくるなら、その組み直し工程が丸ごと要らなくなります。
ただ、このモデルはベンチマーク表も重みも技術レポートも非公開のまま出ています。
外から検証できる材料が順位と仕様しかないので、自分の案件で通るかどうかは自分のプロンプトで確かめるしかないんですよね。
その1枚がいくらなのかも、ようやく分かりました。
API料金がついに判明 1枚あたり何円か
発表時は未発表だったAPI料金が出ています。
1Kで約6円なので、バナーを100枚回しても600円ちょっとです。
A/Bテスト用に文言違いを20パターン出す、みたいな使い方が単価的に成立します。
注意点として、発表直後のAPIは招待制でした。
今は第三者のAPIアグリゲーター経由で価格表が公開されていて実質使える状態ですが、直接申請のステータスは変わりうるので、業務に組み込む前に現状を確認してください。
広告 資料 UI制作で使うならどう向き合うか
判断の一線は「文字が読めればいいのか、文字が美しくないといけないのか」です。
読めればいい側なら、Qwen-Image 3.0 Proは強いです。
- 構成が決まっていて中身だけ差し替えるバナー、LPパーツ、EC商品カード
- 社内資料の図版、比較表、フロー図
- クライアント提案前のUIラフ
美しくないといけない側、たとえば日本語のコピーを装飾フォントで載せるキービジュアルは、まだMidjourneyや後処理との併用が安定します。
極小サイズの日本語は公式が精度を名指ししていない領域なので、そのまま納品物のリスクになります。
まずは chat.qwen.ai を開いて、いつも作っているバナーの構成を英語で書き下して1枚投げてみてください。
5分あれば、自分の案件に足せるかどうかの判断はつきます。




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