画像生成AIと動画生成AIの比較記事を開いたら、載っているモデルが2ヶ月前のままだった。
2026年7月は FLUX 3 も Seedance 2.5 も Midjourney V8.2 も出た月で、ここが抜けると勢力図まるごとズレます。
7月に何が動いて結局どれをどう使い分けるのか、画像4本・動画2本・統合型1本の計7モデルで整理しました。
2026年7月 画像生成AIと動画生成AIが一斉に更新された
日付を並べると、この1ヶ月の異常さがわかります。
- 7月7日 Meta Muse Image が Meta AI に登場
- 7月16日 Seedance 2.5 の API が BytePlus で公開、同じ日に Gemini Omni が Google Vids へ
- 7月23日 Black Forest Labs が FLUX 3 を発表
- 7月24日 Midjourney V8.2 がデフォルトモデルに切り替わる
- 7月31日 Seedance 2.5 が Dreamina で一般公開
3週間で画像も動画も統合型も動いた。
しかも各社が示し合わせたわけでもないタイミングで、です。
面白いのは全部が前進だったわけじゃないところで、Muse Image の目玉機能は発表から3日で消えました。
何が消えたのかは後ほど。
画像生成AI 動画生成AI 7選 早見比較表
この表で言いたいのは「7つのうち、同じ土俵で戦っているモデルがほぼない」ということです。
画像4本ですら、無料の量産・指示の再現・絵の格・自前運用でそれぞれ別の首位を取っている。
ここを混ぜて「どれが一番いいですか」と聞くと、答えが出ません。
画像生成AI編 4モデルがそれぞれ別の首位を取っている
1. Meta Muse Image SNS用の画像を無料で回す
Meta Superintelligence Labs が作った Meta 初の画像生成モデルで、7月7日から Meta AI に載っています。
発表時の目玉は、Instagram の公開アカウントを @メンションすると、その人を絵の中に登場させられる機能でした。
これが7月10日の更新で提供終了。
ユーザーからのフィードバックを受けて引っ込めた、という説明です。
発表から3日で撤回された機能を「使えます」と紹介している記事は、この時点で更新が止まっています。
残ったのは、無料で使える生成そのものと、Instagram ストーリーズの30種類以上の AI エフェクト。
ただしエフェクトと WhatsApp での生成は日本では未提供です。
2. GPT Image 2 条件が多いプロンプトの再現で首位
2026年4月21日に API 公開(gpt-image-2-2026-04-21)。
7月組ではありませんが、条件を積み重ねたプロンプトの追従精度では今も首位です。
ブラインド選好の比較でも首位を取っていて、「文字をこの位置に、この色で、この書体っぽく」みたいな制約が3つも4つも重なる指示に強い。
商用のバナーやサムネイルで効くのはここなんですよね。
料金は画像出力が100万トークンあたり30ドル(約4,500円)、Batch なら15ドル(約2,250円)。
3. Midjourney V8.2 審美性のトップが7月24日に入れ替わった
比較記事が一番ズレやすいのがここです。
V8.1 がデフォルトだったのは6月10日から7月23日まで。
翌7月24日に V8.2 がデフォルトモデルになりました。
実質1ヶ月半で入れ替わっています。
V8.2 は6月25日から --preview フラグで先行公開されていたので、追っている人には既知でした。
更新の中身は審美性と画像品質、そしてパーソナライズプロファイルの参照画像プールの拡張です。
V8 系はそもそもレンダリングが従来の約5倍速く、2K ネイティブ出力と HD モードを持っています。
料金は月10ドル(約1,500円)から、上位の Mega で月120ドル(約18,000円)。
「Midjourney V8」と書いてある比較表は、7月24日以降は現行を指していません。
4. FLUX.2 オープンウェイト帯の基準は動いていない
FLUX.2 の発表は2025年11月なので7月組ではありません。
それでも7選に入れているのは、自前で回す選択肢がここ以外に育っていないからです。
FLUX.2 [dev] は32Bパラメータで Apache 2.0、重みが Hugging Face に置かれています。
蒸留版の [klein] も同じく Apache 2.0。
一方で [pro] [flex] [max] は重み非公開の API 提供です。
画像を社外のサーバーに出せない案件では、この dev 版が実質の標準になります。
光学的な描写の正確さも評価が高い。
動画生成AI編 30秒4Kと会話編集で方向が割れた
動画側は2本ですが、狙っている場所が正反対です。
片方は尺と画質を伸ばし、もう片方は作る手間を削っています。
5. Seedance 2.5 ネイティブ30秒と参照素材50点
ByteDance の動画モデルで、7月16日に BytePlus で API 公開、7月31日に Dreamina で一般公開されました。
サブスク契約者向けに、ヨーロッパ・アジア・中東・南米から順に配信されています。
スペックが振り切れています。
1回の生成で最大30秒、さらに2回まで延長可能。
4K・10bit 出力。
そして1本のクリップに最大50点のマルチモーダル参照を放り込めます。
画像だけでなく動画・音声・テキストを参照素材として混ぜられる。
参照動画の理解、編集、白モデル制御、グリーンバック編集にも対応しています。
料金は4Kの30秒クリップで約2,250円から。
6. Gemini Omni 会話で動画を直してアバターで出演する
ここは誤解されやすいので先に書いておきます。
Gemini Omni は単体の動画生成サービスとして配られているわけではなく、Google Vids の中で動く機能です。
やれることは、テキストと参照画像から動画を作って、そこから会話で直していくこと。
「背景を夜にして」「ライティングを直して」と言えば、作り直しではなく差分で反映されます。
もうひとつがパーソナルアバターで、Google アカウント側で本人確認をして顔と声を登録すると、Vids のセレクタから自分を選んで出演させられます。
告知は7月16日。
Rapid Release のドメインは同日から、Scheduled Release のドメインは8月5日から段階展開です。
対象は Google AI Pro / Ultra と Workspace の業務プラン。
ただし提供は英語のみ、18歳以上、EEA とスイスと英国では使えません。
画像生成AIと動画生成AIの境界を壊しにきた統合型
7. FLUX 3 音声つき20秒動画とアクション予測
7月の一斉更新で一番跳んでいるのがこれです。
Black Forest Labs が7月23日に発表した FLUX 3 は、画像・動画・音声・行動予測を1つのモデルで扱います。
画像生成の会社が、同じバックボーンでロボットの動きまで出そうとしている。
ただし今日触れるのは動画だけで、Early Access です。
画像は「数週間以内」とだけ言われていて期日が切られていません。
行動予測にいたっては、選ばれた研究・商用パートナー経由でしか提供されない状態です。
使える動画側は1回の生成で最大20秒。
音声を後工程で足すのではなく、同じ生成パスで一緒に出します。
多言語のセリフにも対応。
text-to-video image-to-video video-to-video に加えて keyframe-to-video があるので、キーフレームを指定した遷移が作れます。
価格は未公表。
つまり今は「本命かどうかを見極める段階」であって、制作パイプラインに組み込む段階ではありません。
用途別 画像生成AIと動画生成AIの使い分けガイド
7本を条件で振り分けます。
- SNS用の画像を数で回したい → Meta Muse Image。無料枠で足りることが多い
- 条件が多い商用画像を一発で決めたい → GPT Image 2。文字入り・レイアウト指定に強い
- 絵そのものの格を上げたい → Midjourney V8.2。ただし7月24日以降のモデルを指定しているか確認する
- 画像を社外に出せない、自前GPUで回したい →
FLUX.2 [dev]。Apache 2.0 で重みが取れる - 長尺・4K・参照素材を作り込む動画を作りたい → Seedance 2.5。参照50点は他にない設計
- 社内共有用の動画を早く作りたい、自分が出演したい → Gemini Omni。Workspace を使っているなら追加契約なしで届く
- 画像も動画も音声も1本で試したい → FLUX 3。ただし Early Access で価格未公表
迷ったら「作りたいのは1枚か、尺のあるものか」で先に分けると早いです。
画像側は4本とも別の強みなので、そこから条件で1本に落とせます。
モデルが変わると画像生成AIのプロンプトの書き方も変わる
7本を触っていて一番効いたのは、スペック差より「言語化の宛先が違う」ことでした。
Midjourney V8.2 は語彙で殴るモデルです。
文章を長くするより、画風・レンズ・光の名前を的確に積んだほうが効く。
文の長さと質は比例しません。
GPT Image 2 は逆で、条件を漏れなく積み上げる書き方が合います。
位置・色・書体・被写体の関係を全部書いて、書いた条件同士が矛盾していないかを自分で読み返す。
矛盾していなければ、だいたいそのまま出てきます。
Seedance 2.5 になると言語化の対象そのものが変わります。
参照が50点入るなら、絵の中身を言葉で描写する必要がない。
言葉で書くべきなのは「参照とどう違えるか」の差分だけです。
FLUX 3 はさらに変わって、音声が同じパスで出てくるのでプロンプトが台本に近づきます。
セリフとカット割りを書く感覚になる。
センスじゃない、言語化だ。
ただし言語化の宛先はモデルごとに違います。
ここを揃えずに同じプロンプトを使い回すと、モデルを乗り換えた瞬間に品質が落ちます。
まとめ 2026年夏の画像生成AIと動画生成AIをどう選ぶか
2026年7月は、画像4本・動画2本・統合型1本がそれぞれ別の方向に動いた月でした。
覚えておくと得なのは3点です。
Midjourney は7月24日から V8.2 がデフォルト。
Meta Muse Image の Instagram @メンションはもう存在しない。
Seedance 2.5 は Dreamina 経由で日本からも触れます。
そして FLUX 3 は、画像と動画を別ツールで作るという前提そのものを疑わせにきています。
まだ Early Access で価格も出ていませんが、この分け方が来年も有効かどうかは、ここで決まると思っています。
まずは手元の1本を最新バージョンに合わせるところから。
それだけで出力が変わるケース、けっこうあります。



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