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Twenty CRM完全解説|Salesforce代替のOSSでコスト90%削減は本当か?

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Salesforceの請求書が届くたびに、画面を二度見したことはありませんか。

「今月もこの金額か」と息をついて、月末の予算会議でどう説明するか考えながら画面を閉じる。

SEOとSNSで集客の数字を積み上げている横で、CRMコストが営業利益をじわっと削っている会社、思った以上に多いんですよね。

そんな中で、いま海外のマーケ界隈で話題になっているのが「Twenty CRM」というオープンソースのCRMです。

GitHubスター5万超え、Y CombinatorのS23バッチ出身、GitHubリポジトリには「The open alternative to Salesforce, designed for AI.」というタグラインが掲げられています。

公式サイトでは「Salesforce比90%超のコスト削減事例」まで掲載されています。

ただ、「OSS=無料」「クラウドより全部安い」と単純に信じていいのか。

日本語UIは?業務で本当に使えるレベル?そのあたりを、マーケ担当者が判断材料として使える形で整理しました。

Salesforceが高すぎる問題と、OSSというルートの現実

Salesforceのコスト構造を冷静に見ると、ユーザーあたり月3,750円〜(Starter Suite、$25/月)のライセンス費だけでは終わりません。

中規模導入では初期コンサル費も別途かかり、AppExchangeアドオンが月数千円ずつ積み上がり、年次更新で値上げ。

10名のチームでも、3年トータルで500万円コースは普通にあります。

「それでも他にないから使ってる」が、多くの中小企業の本音ではないでしょうか。

ここで選択肢に上がるのがOSS CRM、つまりソースコードが公開されていて自社サーバーで動かせるタイプのCRMです。

ライセンス費はゼロ。

データは100%自社管理。

聞こえは最高ですよね。

ただし、OSS=タダではないんです。

サーバー代、運用工数、アップデート対応、セキュリティ監視。

これらは全部自社負担になります。

「ライセンス費が消える代わりに、運用コストと知識コストが乗る」が正しい理解です。

それでも、規模次第ではトータルコストが激減するケースは確実にあります。

Twentyはまさにそのラインを攻めにきた現代版のOSS CRMです。

具体的にどのくらい変わるのか、次のセクションで数字を見ていきます。

Twenty CRMとは何か|GitHubスター5万超のOSS CRMを解剖

記事の画像

Twenty CRMは2023年にフランス・パリで生まれ、Y Combinator S23バッチを経て公開されたオープンソースのCRMです。

2026年6月時点でGitHubスターは約51,400、フォーク7,500、Discordコミュニティ6,200名。

OSSプロジェクトとしてはトップクラスの活発度です。

技術スタックは現代的そのもの。

フロントエンドはReact、バックエンドはNestJS、データベースはPostgreSQL、APIはGraphQLとREST。

TypeScriptが76.7%を占めるモダンな構成です。

いわゆる「古いPHP製OSS CRM」とは別物で、SuiteCRMやEspoCRMの世代とは設計思想が違います。

ライセンスはメインコードがAGPL-3.0のオープンソースですが、エンタープライズ機能には別途商用ライセンスが適用されるデュアルライセンス構造です。

セルフホストでの基本利用はAGPL-3.0の範囲内で問題ありませんが、エンタープライズ機能を本番運用する場合はサブスクリプション契約が別途必要になります。

SaaSとして第三者に再配布する場合は改変コードの公開義務も発生するので、自社の使い方によっては法務確認を推奨します。

主要機能を確認しておきましょう。

  • コンタクト、企業、商談の一元管理
  • Kanban、テーブル、カレンダー、リストの複数ビュー
  • メール・カレンダー同期(Gmail、Outlook対応。Cloud版はセットアップ不要。セルフホスト版は別途OAuth設定が必要)
  • ワークフロー自動化(レコード変更、スケジュール、Webhookトリガー)
  • カスタムオブジェクト、カスタムフィールドをノーコードで追加
  • GraphQL + REST APIで外部連携自由自在
  • SalesforceやHubSpotからのデータインポート

機能面ではエントリー〜中規模利用なら十分戦えるレベルです。

HubSpotやAttioとの差は、思想と所有権の置き方にあります。

HubSpotは無料枠が手厚い反面、本格利用時の有料化ロックインが強烈。

Attioは設計の洗練度が近いものの非OSSでクラウド限定、料金は$29/ユーザー/月から(年次契約)。

Twentyは「データ所有権をクライアント側に置く」「カスタマイズを自社で握る」という思想で、両者と明確に分かれます。

では、実際のコスト感はどうなのか。

次からが本題です。

Twenty CRMの料金を日本円で計算する

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ここが多くの読者にとって一番気になる部分だと思うので、丁寧にいきます。

Twentyには2つの選択肢があります。

Twenty社が提供するクラウド版と、自社サーバーで動かすセルフホスト版です。

クラウド版の料金体系はこちら(為替は1ドル≒150円で換算)。

プラン
月次契約
年次契約(25%割引)
主な内容
Pro
$9/ユーザー/月(約1,350円)
$6.75/ユーザー/月(約1,010円)
コアCRM機能、30日無料トライアル
Organization
$19/ユーザー/月(約2,850円)
$14.25/ユーザー/月(約2,140円)
SSO、行レベルアクセス制御
Enterprise
要問い合わせ
要問い合わせ
カスタム契約

セルフホスト版はソフトウェア自体が無料です。

発生するのはサーバー代だけで、相場は月$5〜50(約750円〜7,500円)。

Railwayの一クリックデプロイテンプレートも公式が提供しているので、PostgreSQLとRedisの構成も自動で立ち上がります。

Twenty単体だと感覚がつかみにくいので、Salesforce・HubSpot・Zohoと並べてみます。

プラン名によって価格が桁単位で変わるので、比較対象のプランを明示しています。

ツール
プラン
1ユーザー/月
10ユーザー/月(円換算)
Salesforce
Pro Suite(年次)
$100
約150,000円
HubSpot
Sales Hub Professional(年次)
$90
約135,000円
Zoho CRM
Professional(年次)
$23
約34,500円
Twenty Cloud
Pro・月次
$9
約13,500円
Twenty Cloud
Pro・年次
$6.75
約10,125円
Twenty セルフホスト
$0(VPS代のみ)
約750〜7,500円

表を見ると、Twenty Cloud年次は他の有料CRMと比べて1桁安い水準に収まっています。

想像してみてください。

Salesforce Pro Suite(10人、月約15万円)からTwenty Cloud Pro年次(10人、月約1万円)に切り替えると、それだけで年間約168万円の差が生まれます。

これがタイトルの問い「コスト90%削減は本当か?」への答えです。

公式サイトに掲載されているAC&T社の事例は「Salesforce比90%超のコスト削減」と謳われています。

数値として確認すると、Salesforce Pro Suite(10ユーザー月約150,000円)とTwenty Cloud Pro年次(10ユーザー月約10,125円)を比べると約93%削減。

中位プランどうしの比較で、数値上は妥当です。

ただし、これは特定の前提条件での話です。

セルフホスト運用の工数を時給換算で乗せると、小規模チームでは「Twenty Cloud Pro」のほうがトータルで安くなるケースも多い。

「クラウド版年次でも月約1,010円/人なので、Salesforceから乗り換えるだけで月10万円単位の削減」が現実的な落としどころです。

コスト感は分かりました。

次は「じゃあ実際に使えるのか」という実務の話に移ります。

Twenty CRMの機能をマーケ担当者視点で確認する

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コストが下がっても、業務で使えなければ意味がありません。

マーケ担当者の視点で、Twentyの機能を実務に当てはめてみます。

コンタクト・商談管理は完成度高めです。

Kanbanビューでパイプラインが直感的に追えますし、テーブルビューでExcel感覚の一括編集も可能。

カスタムフィールドはノーコードで追加できるので、「リードソース」「広告キャンペーンID」「初回接触チャネル」などマーケが追いたい項目を自由に増やせます。

ワークフロー自動化は、できることとできないことを正確に把握しておきたいポイントです。

できること: 「商談ステージが変わったらSlack通知」「新規コンタクトが追加されたらメール送信」「日次でスコアリングを更新」のようなトリガーベースの自動化。

Webhookで外部システム連携も自由。

できないこと: Salesforce Flow級の複雑な分岐ロジック、CPQ(見積・価格設定)、AppExchange相当の豊富なアドオン、モバイルアプリ。

エンタープライズの複雑なプロセスを丸ごと載せ替えるのは現時点では厳しいです。

そして、ここからが個人的に一番面白いと思っている部分です。

ちょっと注目してください。

TwentyはネイティブでMCPサーバーを搭載しています。

MCPとは、ClaudeやChatGPT、CursorといったAIアシスタントが外部システムと安全に対話できる共通プロトコルです。

TwentyはこれをネイティブでCRMに実装していて、OAuth経由で接続するだけで、AIアシスタントがCRMの読み書きをできるようになります。

Slackの片隅でClaudeに「今月の商談を金額順に並べて、確度80%以上だけ見せて」と話しかけたら、CRMから答えが返ってくる。

それが今、現実になっています。

具体的にはこういう使い方ができます。

  • Claudeに「先週のミーティングで話した田中さんをコンタクトに追加して、メモも残しておいて」と言うだけで処理が完了する
  • ChatGPTに「今月の商談を金額順に並べて、確度80%以上だけ抜粋」と聞けば、CRMから直接データを引いてレポートしてくれる
  • マーケ施策(広告配信、メール配信、SNS投稿)の実行記録をAIエージェント経由で自動的にCRMへ流し込む

CRMを開かなくてもCRMを操作できるということなんです。

日常的に使うClaude DesktopやChatGPTがそのままCRMのUIになる。

マーケ担当者にとっては、日報や活動ログを「AIに話したら勝手にCRMに入る」状態が作れます。

Salesforceでも類似の連携は組めますが、最初からネイティブMCP対応のCRMは現時点でほぼTwentyだけ。

「AI時代のCRM」の構造を取りに来ている意図が伝わるはずです。

ただ、ここで一つ確認しておきたいハードルがあります。

Twenty CRM 日本語対応と導入のリアルなハードル

正直に書きます。

Twentyの日本語UIは、2026年6月時点で正式サポートが確認できていません。

公式ドキュメントは英語、UIのデフォルト言語も英語。

GitHubにはi18n(国際化)の作業痕跡はあり、ロケール追加のPRも出ているようですが、日本語UIの公式リリース告知は見当たりませんでした。

ここを許容できるかが、最大の判断ポイントになります。

英語UIに抵抗のないチーム、または「CRMの項目名くらいなら英語で問題ない」というメンバーで構成されているなら、ほぼ問題なく使えます。

むしろ、Salesforceの翻訳された専門用語より、英語のシンプルな単語のほうが意味が取りやすいケースもあります。

一方で、営業メンバー全員が日本語UIを前提にしている、現場ITリテラシーが幅広い、というケースだと、UIだけで離脱されるリスクが高い。

このチームには、現時点では推奨しづらいです。

ただし、英語UIに耐えられる前提なら、今はむしろ動き出すタイミングです。

OSSコミュニティとしての勢いがあり、機能追加のペースも速い。

早めに使いこなしている会社が、日本語サポートが来たときに一番先行できる。

「条件が合うチームにとっては、今が最高の入り口」という見方もできます。

セルフホストの技術的ハードルについても触れておきます。

最も手軽なのはRailwayの一クリックデプロイ。

クレジットカード登録だけで、PostgreSQL、Redis、Twenty本体、Workerが自動構築されます。

月$5前後で動き始めるので、検証用ならハードルは低めです。

本格運用するなら、Docker Composeで自社VPSに立てるパターンが一般的。

AWS、GCP、Sakura、Xserverなど、どこでも構いません。

要件は2GB RAM以上のサーバーと、PostgreSQL、Redisが動く環境。

Linuxの基本操作ができるエンジニアが1人いれば、構築から運用までこなせるレベルです。

HubSpot Free、Zoho CRMとの選び方も触れておきます。

HubSpot Freeは「マーケと営業を統合したい、英語UIは厳しい、コードを触れる人がいない」会社向け。

代わりに有料化での跳ね上がりは覚悟が必要。

Zoho CRMは「とにかく日本語で安く始めたい、ある程度カスタマイズもしたい」会社向け。

Twentyは「データ所有権を自社で握りたい、英語UI問題ない、AI連携を前提に組みたい」会社向けです。

棲み分けがはっきりしているので、要件を3つくらい書き出せば自然に答えが出るはずです。

判断軸を整理したのが次のセクションです。

こんな会社・チームにTwenty CRMが刺さる

ここまでの内容を踏まえて、判断軸を整理します。

向いているケース

  • 1つ目: スタートアップ・中小企業で、Salesforceのコストが重く、英語UIに抵抗のないチーム
  • 2つ目: AI活用を本気で進めたい組織。MCP対応CRMとして他に選択肢がない
  • 3つ目: 自社にエンジニアが1人以上いて、データ所有権を100%自社管理したい組織

向いていないケース

  • 1つ目: 日本語UI必須、現場の英語耐性が低い組織
  • 2つ目: Salesforce Flowレベルの複雑なワークフロー、CPQ、モバイルアプリ前提の運用が必要な大規模組織

「自社が向いているかも」と思った方には、まずクラウド版の30日無料トライアルが現実的な第一歩です。

セルフホストはその後、本気で使うと決めてから検討すれば十分。

Railwayのテンプレートなら、検証環境も30分で立ち上がります。

OSS CRMの世界は、SuiteCRMやEspoCRMが長く主流でしたが、明らかにTwenty世代に切り替わりつつあります。

AIネイティブで、モダンな技術スタックで、データを自社に置ける選択肢。

「Salesforceは高すぎる、でも日本のSaaSは機能が物足りない」と感じてきたマーケ担当者にとって、これまでなかったタイプの選択肢がようやく出てきたという印象です。

判断材料が揃った今、あとはトライアルで「自社の業務に乗るか」を実際に触って確かめるだけです。

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