Opusは高いからSonnetで済ませる。その判断、2026年9月22日までは正しかったと思います。ただ上限の条件が変わったので、資料の読み込みと議事録と提案書を実際にOpus 5.5へ戻してみて、割に合う仕事とそうでない仕事を分けてみました。
Opus 5.5で、5時間の上限が伸びました
先に対象を確認しておきます。新しく出たClaude Opus 5.5を使えるのはPro、Max、Team、Enterpriseの4つで、公式の製品ページにそう明記されています。無料プランで案内されているのはSonnetとHaikuだけなので、ここから先は有料プランを契約している人向けの話になります。
そのうえで、今回の発表で一番刺さったのは性能の話ではありませんでした。Pro、Max、Team、そして席ごとに契約するEnterpriseで、5時間ごとの使用量の上限を引き上げると発表ページに書いてあったところです。加えて有料プランの利用者には使用量のリセットが配られ、好きなタイミングまで取っておける形になりました。
「5時間ごとの上限って何のことですか」と聞かれることがあるのですが、これはClaudeに一定時間のあいだに投げられる分量の枠だと思ってください。Opusは1回の返事で枠を大きく食うので、資料を2つ3つ読ませた時点で「今日はもう打ち止め」になりがちでした。多くの人がOpusを避けてきた本当の理由はここで、料金そのものより上限の怖さが効いていたはずなんです。
金額の前提も置いておきます。Proは月20ドルで約3,000円、Maxは月100ドルの約1.5万円から、Teamは標準の席で1人あたり20ドルから25ドルの約3,000円から3,800円。Opusに仕事を戻す話は、Proからが出発点になります。
資料の読み込み、議事録、提案書で試しました
「上限が伸びたなら、全部Opusに戻せばいいのでは」と思いますよね。そう仮定して回してみたのですが、結果は1勝2分けでした。
選んだのは、非エンジニアの会社員が週に何度もやっている3つです。複数の資料を読ませて論点を出す仕事、打ち合わせの文字起こしから議事録を起こす仕事、提案書の下書きを作る仕事。同じ入力を用意して普段使っているSonnetとOpus 5.5の両方に通し、出てきたものを並べて読みました。
資料の読み込みは、戻す価値がありました
差がはっきり出たのはここでした。他社サービスの比較資料と、半年分の社内議事録をまとめて渡して、「うちが次に取るべき打ち手を3つ挙げて、理由もつけて」と頼んだときの話です。
Sonnetの答えは、資料に書いてあることをきれいに整理したものでした。価格が高い、機能が足りない、認知が弱い。間違っていないし、そのまま資料に貼れる品質です。一方のOpus 5.5は、比較資料にあった競合の価格改定の時期と、議事録に出てくる解約理由の変化を結びつけて、「値下げより先に解約理由の方を潰すべき」と返してきました。
この違い、どこから来ていると思いますか。答えが資料のどこにも書いていないからです。複数の材料をまたいで、書かれていないことを組み立てる仕事では、考える手順の長さがそのまま結論の質になります。枠を食ってでも回す価値があるのは、この形の仕事でした。
議事録が変わらなかったのは、材料が全部そこにあるからです
同じ期待で議事録も戻してみたのですが、正直そこまで変わりませんでした。1時間の打ち合わせの文字起こしを渡して、決まったこと、持ち帰り、期限の3点で整理させる。どちらも同じところを拾ってきて、読み比べても優劣をつけられませんでした。
理由を考えると納得できます。議事録に必要な情報は、全部文字起こしの中に書いてあるからです。誰が何を言ったかも、いつまでにやるかも、材料としてすでに揃っている。そこに足りないのは組み立てではなく、拾い漏らさない整理だけなんです。
だとすると、議事録に枠を使うのはもったいない。週に5本も6本も回る仕事なので、ここを軽いモデルに置いておくほど、資料の読み込みに回せる枠が残ります。
提案書は、Sonnet系に戻しても構いません
提案書の下書きも試しました。こちらは少し事情が違って、1回目の出来はOpus 5.5の方が上だったんです。構成の立て方に無理がなく、そのまま章立てとして使えました。
それでも提案書はSonnetに戻しています。提案書づくりで効くのは1回の質ではなく、何度直せるかだからです。「この章はもっと短く」「この数字は削って」と5回投げ直したときの完成度は、1回だけいい下書きをもらった状態を簡単に追い越していきます。そして直しの往復は、回数がそのまま枠の消費になります。
現実的なのは、骨組みを決める最初の1回だけOpus 5.5に頼んで、そのあとの直しをSonnetに任せる形です。全部を任せる必要はありません。
線引きは、答えが1つに決まるかどうか
3つを並べてみて、使える基準が出ました。
- 答えが材料の中に書いてある仕事はSonnetのままでいい。議事録、要約、翻訳、文章の体裁直しはここに入ります
- 複数の材料をまたいで、どれを選ぶか決める仕事はOpus 5.5に戻す。資料横断の論点出し、競合分析、原因の仮説出しはここ
- 直しの往復が多い仕事はSonnet。回数がそのまま枠の消費になるので、1回の質より回せる数が効きます
迷ったら、「これは正解が1つに決まる仕事か」と自分に聞いてみてください。決まるならSonnetで足ります。決まらないから人が悩んでいる仕事こそ、伸びた枠を使う先です。
今日ひとつだけ戻すとしたら
資料の読み込みを選んでください。それも毎日ではなく、複数の資料をまたいで何かを決める週1回の場面だけでいいです。
やることは単純で、いつもの要約プロンプトを開いて資料を1つではなく3つ渡し、「この資料たちをまたいで言えることを3つ」と足すだけ。5分もかかりません。そこで返ってきた答えが、自分では結びつけていなかった2つの資料をつないでいたら、その仕事はもう戻していい仕事です。
高いから避ける、という判断はずっと合理的でした。その前提が変わったのなら、変わった分だけ仕事を移していけばいいだけだと思うんです。


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