Product Huntで話題の起業家向けAIツール2選、真逆の設計思想を比べる

AI経営者の参謀@ひで
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@hide_ceo 69本

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2026年8月のProduct Huntで、起業家向けのAIツールが2本、それぞれ日次1位を取りました。

面白いのは、この2本が売り方でも作り方でも正反対だったことです。

片方は招待がないと触れず、もう片方は登録した瞬間から無料で動かせます。

同じ月に、入口を閉じた側と開いた側が両方1位を取りました

Hey Noahは643票を集めて、その日と、その週の1位を取っています。

AdAnt AIは605票で8月5日の日次1位、月間でも3位に入りました。

どちらも向いている相手はほぼ同じです。

人を増やせないまま業務だけが増えていく、少人数の会社をやっている側。

なのに申し込み方が真逆なんですよ。

Hey Noahは招待がないと触れません。

AdAnt AIは50クレジット分を無料で配っていて、その場で広告動画を1本作り切れます。

機能を並べて比べるより、この差のほうが経営者には効きます。

自社が今どっちの売り方をしているか、という話に直結するので。

Hey Noahは、招待がないと使えないという設計を選んだ

Pilot Alpha Labsが出した、SMS起点の自律型エグゼクティブアシスタントです。

専用アプリを入れる必要がなく、SMSとメールで指示が飛びます。

やることの範囲がかなり広い。

カレンダーを読んで空き時間から候補日を出し、タイムゾーンを合わせ、参加者に連絡して招待まで作る。

会議の前には相手の背景をまとめたブリーフィングを送り、会議のあとはメモとアクション項目を拾う。

レストランの予約や各種アポ取りは、実際に電話をかけます。

Gmail、Googleカレンダー、Zoom、Slackあたりと繋がっていて、既存の道具立てをそのまま使う設計ですね。

で、ここからが本題です。

公式サイトを開いても、その場で登録できる導線がありません。

既存ユーザー経由でリクエストするか、招待をもらうか。

価格の記載も1行もない。

これ、機能を絞ったわけじゃなくて、入口だけを絞ってるんですよ。

秘書型のAIって、カレンダーもメールも連絡先も全部渡すことになります。

渡す側からすると「誰にでも配っているサービス」に自分の1年分の予定を見せるのは、けっこう抵抗があるんですね。

つまり入口を絞ることが、セキュリティの話じゃなく信頼の話として機能している。

希少性で釣っているように見えて、渡す側の心理をちゃんと計算した設計だと思ってます。

AdAnt AIは、1万本のバズ広告を読ませるという設計を選んだ

こっちは正面から量で殴りにいっています。

TikTok、Instagram、YouTubeでバズった広告を1万本以上読ませて、繰り返し効いているパターンを抽出する。

そこから広告動画のバリエーションを量産します。

Product Huntでのポジショニングは「バズる広告版のClaude」で、会話しながらコンセプトを詰めていく形です。

説得力の出どころが分かりやすいのもポイントで、創業チーム自身がこのやり方でオーガニック再生5,000万回超と、獲得単価の平均60%削減を出しています。

自分たちが回した手順をそのまま製品にした、という順番ですね。

料金はローンチ時点で月39ドル、日本円で約5,900円の1プランだけ。

足りない分は従量クレジットで買い足す方式で、新規登録には50クレジットが無料で付きます。

この50クレジットで動画が1本仕上がるので、財布を出す前に品質を確認できる。

入口はほぼ開けっ放しです。

1点だけ注意があって、日本には「AdAgent AI」という名前のよく似た別サービスがあります。

売れるネット広告社グループが2025年3月から販売している広告代理店向けのAIエージェントで、電話やメールの対応を自動化するもの。

名前は似ていますが、AdAnt AIとはまったく別物です。

絞る側と増やす側、解いている問題は同じです

並べるとこうなります。

Hey Noah
AdAnt AI
入口
招待制
50クレジット無料
価格の見え方
非公開
月39ドル 約5,900円の1プラン
信頼の根拠
誰に使わせるかの選別
1万本の学習と創業チームの実績
1回の失敗で失うもの
相手との関係
広告1本分の予算

バラバラの2社に見えますが、どちらも同じ問いに答えているんですよ。

「なぜこのAIの出力を信じていいのか」という問いです。

Hey Noahの答えは「使っている人を見れば分かる」。

AdAnt AIの答えは「学習させたものを見れば分かる」。

そしてどちらを選ぶかを決めているのは、失敗したときのコストだと思ってます。

秘書が日程を間違えれば、傷つくのは相手との関係です。

取り返しがつきにくい。

だから母数を増やすより、合わない使い方をする人を最初から入れないほうが安く済む。

広告が1本滑っても、次を出せば終わりです。

むしろ100本出して3本当たれば勝ちの世界なので、母数がそのまま正義になる。

自社がどちら側の設計を取るべきかは、機能の話じゃありません。

1回の失敗が誰にどれだけ残るか、で決まります。

自社は、どちらで信頼を担保しているのか

自社のサービス説明の一行目を、いま開いてみてください。

「なぜうちを信じていいか」の根拠が、選別側に置かれているか、物量側に置かれているか。

誰が使っているか、どこと組んでいるかを書いていれば選別側。

導入社数、処理件数、学習量を書いていれば物量側です。

たいてい両方書いてあります。

そして両方書いてあると、どちらの根拠も効かなくなるんですね。

「大手5社が導入」と「累計100万件処理」が並んでいると、読む側はどちらも背景として流します。

強い順に並べたつもりが、平均化されて全部弱くなる。

Hey NoahもAdAnt AIも、両方は言っていません。

片方に振り切っているから1行で伝わっている。

やることは1つで、どちらを主役にするかを決めることです。

失敗のコストが人間関係や取り返しのつかなさに寄っているなら選別側。

やり直しがきくなら物量側。

今週できるのは、自社のトップページに並んだ根拠を2種類に色分けして、弱いほうを一度消してみることですね。

30分あれば足ります。

消したあとに残った1行が弱く感じるなら、それは消し方を間違えたんじゃなくて、主役に据えた側の根拠がまだ足りていないということです。

そこが分かるだけでも、次に何を積むかは決まります。