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AIのほうから電話がかかってくる、シニアの孤独を減らす2つの方法

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このごろ、家の電話が鳴るのは知らせごとの時ばかりになりました。

ところがアメリカでは、その受話器の向こうにAIが座りはじめています。

新しい機械も、覚えることもいらない話ですよ。

話し相手をつくるのに、画面を見る必要はありません

アメリカで50歳から80歳までの方にたずねた全国調査では、およそ3人に1人が孤独を感じていると答えていました。

医学の専門誌に載った調べです。

日本もそう変わりません。

国の高齢社会白書によると、65歳以上の方がいる世帯はおよそ2,695万世帯。

全世帯の半分ほどにあたります。

そのうちおよそ3割が、おひとり暮らしの世帯です。

こういう話になると、たいてい「こんなアプリがありますよ」という案内が続きます。

そこで手が止まる方は多いはずです。

アプリを入れて、登録して、使い方を覚えて。

考えただけで気が重くなりますよね。

これからお話しする2つは、その順番が逆になっています。

こちらから開くのではなく、向こうからかかってくるのです。

出るだけでいい。

覚えることは、受話器を取ることだけです。

Meelaは、名前も昔の話も覚えている電話の相手です

縁側の座卓に置かれた黒い固定電話と湯のみの水彩イラスト

Meela(ミーラ)は、アメリカで去年始まった仕組みです。

決めておいた曜日と時間になると、向こうから電話がかかってきます。

出ると、まず名前を呼んでくれます。

前に話したことも覚えていて、その続きから聞いてくれるそうです。

「この前おっしゃっていたお庭の花は、咲きましたか」という具合ですね。

感心したのは、電話の最初に「私はAIです」と自分から名乗るところ。

人間のふりをしません。

導入しているアメリカの高齢者向け住宅の記録では、1回の通話はだいたい10分ほど。

参加した方の半分近くは、20分を超えて話しこんでいたそうです。

使うのは、今ある電話でかまいません。

現地の記事には、二つ折りの携帯電話から話している方も、固定電話から話している方も出てきます。

新しい機械を買わずに済むのが、この仕組みの一番の値打ちだと思います。

ご家族が申し込む形で、月におよそ6,000円と伝えられています。

ただし、誰でもすぐ始められるわけではありません。

導入先では、電話で落ち着いて話せるか、聞こえに不自由がないかを、看護師や相談員の方が先に確かめる決まりになっています。

そのうえで正直に書いておきますと、いまは個人が直接申し込むというより、アメリカの高齢者向け住宅を通じて広がっているのが実際のところです。

会社のほうは最近、電話一本で高齢の方の送り迎えの車を手配する窓口にも力を入れているようですよ。

SeniorTalkは、声を出したくない日は文字でも話せます

縁側の小机に置かれた二つ折りの携帯電話と老眼鏡の水彩イラスト

SeniorTalk(シニアトーク)のほうは、話す手立てを選べるところが違います。

電話はもちろん、携帯電話のメッセージや、外国でよく使われている連絡用のアプリからも受け取れます。

風邪をひいて声が出ない日、気分が乗らない日は、文字で短くやりとりして終わりにできる。

毎日きちんと会話をしなければ、と気負わずに済むのはありがたいところです。

この会社がもう1つ力を入れているのが、詐欺の見分けです。

届いた怪しい話をそのまま伝えると、おかしいところを教えてくれます。

おひとり暮らしで、すぐそばに相談相手がいない方には、これが一番効くかもしれませんね。

近いうちに、書く文章や言葉の選び方の変化から、体調や物忘れの兆しに気づく仕組みも加えるそうです。

料金は、文字のやりとりだけなら月におよそ2,200円。

電話とメッセージの両方が使えて、通話が月180分までの組み合わせで、およそ3,700円です。

どちらも30日間は無料で試せます。

Meelaが「決まった時間に、じっくり話す」なら、こちらは「その日の調子に合わせて、軽くつながる」。

同じ話し相手でも、ずいぶん性格が違いますよ。

日本語ではまだ使えません。ただ、よく似た電話は日本でも始まっています

ここまで読んで「うちの母にどうかしら」と思われた方には、正直にお伝えしなければなりません。

どちらも今のところ、日本語で使えるという確かな案内は出ていないのです。

SeniorTalkが電話番号を用意しているのは、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアの4か国だけ。

Meelaもアメリカの中で広がっている段階です。

「ほとんどの言葉に対応します」とは書かれていますが、そこに日本語が入っているかどうかは、はっきりしません。

ただ、がっかりするのはまだ早いですよ。

同じ発想の電話は、日本でもう動いているのです。

韓国生まれの「NAVER CareCall」という仕組みが、この4月から日本でも売られはじめました。

AIのほうから定期的に電話をかけて、前の会話を踏まえながら世間話をする。

専用の機械も、新しい操作を覚える必要もありません。

島根県の出雲市では、これに先立って70人ほどの方が9か月にわたって試しています。

ただし、これは介護や福祉の事業者に向けて売られているもので、私たちが個人で申し込むものではありません。

お住まいの自治体や、担当のケアマネジャーさんに「そういう見守りの電話はありますか」と一度たずねてみる。

そこが入り口になります。

相手はAIでなくてよい、という方には、もっと前からある選択肢もありますよ。

「つながりプラス」は、決まった担当の方が毎週1回10分ほど電話をくれて、話した様子をご家族にお知らせしてくれるサービスです。

料金は月におよそ5,400円から。

こちらは税別で、入会金が別に1万円かかります。

今日できるのは、この話を家族にしてみることです

いますぐ申し込めるものが少ないのに、なぜこんな話をしたか。

海の向こうで何が起きているかを知っておくと、いざその時に迷わずに済むからです。

うちの母に必要かしら、と考えはじめてから調べるのでは、たいてい間に合いません。

今度お子さんやお孫さんと電話がつながったときに、こう言ってみてください。

「アメリカでは、AIが決まった時間に電話をかけてくれるんですって」

それだけで十分です。

そこから、うちはどうしようかという話が自然に始まります。

道具を選ぶより先に、話し相手が減っていることを誰かと分かち合っておく。

順番としては、そちらが先ですよ。

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