「またAIエージェントの新作か」と追いきれなくなっている人ほど、awesome-llm-appsの新着だけは押さえてください。
12万スター超のこのリポジトリには、実行可能なAIエージェントとRAGアプリが100本以上詰まっていて、2026年に入ってから面白い実装が増え続けています。
この記事では新着10個を厳選し、1本は実際にローカルで動かした手触りまで共有します。
awesome-llm-appsとは
awesome-llm-appsは、実行可能なAIエージェントとRAGアプリを100本超まとめたコレクションリポジトリです。
2026年7月22日時点でスターが126,066、フォークが18,598、GitHub週間トレンドでは6位に返り咲き、直近1週間だけで5,000スター以上を伸ばしています。
ライセンスはApache-2.0で、Claude・Gemini・GPTから各種OSSモデルまで幅広く扱われているのが特徴です。
ディレクトリはユースケースごとに切られています。
starter_ai_agents、advanced_ai_agents、rag_tutorials、always_on_agents、voice_ai_agents、generative_ui_agentsといった具合に並んでいて、1本ずつが独立して動くサンプルになっているのが強みです。
git cloneしてディレクトリを1つ選べば、READMEに沿って数分で試せます。
100本超の中から、いま押さえておくべき10個を並べます。
1 AI 3D Pygame Agent
DeepSeek R1にPyGameコードを書かせて、ブラウザエージェントがそのまま実行し、生成された3D風のミニゲームを画面上で動かすというデモです。
エージェントがコードを書く役、別のエージェントがコードを走らせて動作確認する役に分業しているのが面白いポイント。
社内LTで「LLMって結局何ができるの」に1分で答えたいときの弾になります。
2 Multi-MCP Agent Router
複数の専門エージェントがそれぞれ別のMCPサーバーに接続していて、ルーターが入力を見て担当エージェントに振り分ける構造です。
1つのエージェントに全ツールを持たせて肥大化させるより、責務ごとにMCPを切って束ねたほうが運用が楽になる、という設計判断が体験できるサンプルになっています。
「MCPを試すのは終わったから実運用の設計に落としたい」フェーズの人に投資対効果が高い1本です。
3 Typed Agentic RAG with Pydantic AI
パスはrag_tutorials/agentic_typed_rag_pydanticai/です。
Pydantic AIをエージェントフレームワークに使い、StreamlitのUIからPDFやドキュメントURLを投げると、Pydanticで型検証済みのAnswerオブジェクトが返ってくるRAG実装になっています。
埋め込みはtext-embedding-3-small、ベクトルストアはNumPyインメモリでDB不要、モデルはgpt-5.2とclaude-sonnet-4-6をサイドバーで切り替えられます。
私が実際にローカルで動かしてまず刺さったのは「コーパスに答えがない質問には決定的に拒否する」ゲートです。
Answerのcitationがインデックス済みチャンクとの厳密照合を通過しないと返却できない設計になっていて、幻覚のcitationが返る問題がフレームワーク側で潰れます。
パーサを書かずに型でハードチェックが入るので、後段の「LLMが返した文字列をどう構造化するか」で消耗している人にはっきり効きます。
準備は.envにAPI keyを入れる程度で、体感5分で最初の回答が返ってきました。
「動くRAGサンプル」ではなく「本番に持ち込める型設計のサンプル」として読むのが正解の1本です。
4 Gemini Agentic RAG
Gemini 2.0 Flash Thinkingを推論に、QdrantをベクトルDBに、Agno(旧phidata)をエージェントフレームワークに使う構成です。
ローカルコーパスに答えがない場合にExa AIのWeb検索へフォールバックする設計が組み込まれていて、クエリの自動リライトも入っています。
「PDFに書いてないことは知りません」で止まらないRAGを作りたい人向けです。
5 Headroom Context Optimization
LLM APIのコストを50〜90%削減する、と謳ったコンテキスト最適化のリファレンス実装です。
プロンプトの冗長さを削り、履歴の抑え方を工夫し、モデル選択の切り分けを効かせる、といった本番運用の泥臭い工夫が1つのサンプルにまとまっています。
PoCは通ったが月末の請求書を見て青ざめたチームが読むと、切り込みどころがまとまって手に入ります。
6 Google ADK Crash Course
Googleが公開しているGoogle ADK(Agent Development Kit)を、公式ドキュメントを追う前に一気通貫で体感できるクラッシュコース形式のパックです。
最小構成からエージェントの拡張、ツール接続まで、動くサンプルがステップで並んでいて、Google ADKをこれから触るときのスターターキットとして機能します。
7 OpenAI Agents SDK Crash Course
OpenAI Agents SDKのツール定義、ハンドオフ、トレーシングを一気に触るチュートリアルパックです。
旧swarmから乗り換え検討中の人や、SDKの現行APIを最短で理解したい人向け。
フレームワーク学習は公式ドキュメントを頭から読むより、動くサンプルを1本壊して直したほうが早い、というのを体験できます。
8 Multimodal Coding Agent Team
コーディング問題の写真を撮って投げると、マルチモーダルLLMが問題を読み取り、別のエージェントがサンドボックスで解を実行して返してくれる、というエージェントチームです。
マルチモーダル入力とサンドボックス実行のリファレンスとして、これから同じ構造を自分のプロダクトに持ち込みたい人には設計サンプルとして参考になります。
9 Release Radar Agent
パスはalways_on_agents/release_radar_agent/。
プロジェクトの依存マニフェストを読み、GitHub Releasesを監視して、破壊的変更・セキュリティ更新・deprecationだけを要約してくれる常駐エージェントです。
Google ADKとFastAPIで組まれていて、Gmailやwebhookで配信できます。
dependabotの通知を全部追いきれずmainブランチが1週間遅れる、という現場の課題に効く設計になっています。
10 Voice RAG OpenAI SDK
パスはvoice_ai_agents/voice_rag_openaisdk/。
OpenAI SDKのTTSとQdrant、LangChain、FastEmbedを組み合わせて、PDFに音声で質問して音声で回答が返ってくるRAGを作れます。
社内ナレッジを音声で引ける仕組みの試作サンプルとして、モバイル業務やハンズフリー環境のプロトタイプに向いています。
まとめ awesome-llm-appsで最初に触るならどれか
10個を並べてみると、狙いが明確に分かれています。
RAGで型と品質を上げたいなら3番のTyped Agentic RAG、依存アップデート疲れなら9番のRelease Radar Agent、MCPを設計に組み込みたいなら2番、音声RAGを試作したいなら10番。
フレームワーク学習が目的なら6番か7番、コスト削減の課題を持っているなら5番、というマッピングになります。
「とりあえず1本」を選ぶなら3番を推します。
動くまで数分、モデル切り替えは1行、型検証で幻覚citationが返らない体験がまず刺さります。
git cloneしてからrag_tutorials/agentic_typed_rag_pydanticai/だけ入ってREADME通りに進めれば、10分でPDFに問い合わせできる状態まで行けます。
100本超のうち、まず自分の課題に近い1本を選んで壊しながら読む。
これがawesome-llm-appsとの付き合い方の正解です。


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