「大阪はどう」「そこ、私からだと遠い」「じゃあ名古屋?」
グループLINEで候補地だけが往復して、その日は結局なにも決まらない。
この往復を、全員分の航空券代を並べて1回で終わらせるツールがあります。
しかも「全員の合計が一番安い都市」と「誰も損しない都市」は、計算してみると別の都市になります。
離れて住む友達との集合場所を、全員分の航空券代から出せます
MeetPointは、参加者それぞれの出発都市と往復の日程を入れると、全部の出発地からの航空券価格を見に行って、集合先の候補を順位付けしてくれるツールです。
しかも無料。
作ったのは Florens von Buchwaldt さんで、2026年6月にProduct Huntで公開されました。
きっかけがそのまま「あるある」で、ヨーロッパ中に散らばった友達と集まろうとしたときに、候補地を往復させながら毎回手で航空券を調べていたそうです。
絞り込みもひと通りあって、1人あたりの予算上限、乗り継ぎ(指定なし、1回まで、直行のみ)、片道の飛行時間の上限(6時間、10時間、15時間)、探す地域を先に決められます。
航空券の価格はKiwiのTequila APIから取ってきています。
ここが、地図の上で中間地点を出すタイプのツールとのいちばん大きな違いです。
座標の真ん中にある街に、みんなが安く飛べる便があるとは限らないので。
全員の航空券代の合計を最小にする都市が「Cheapest」で出ます
モードは2つあって、最初に目に入るのがCheapestです。
やっていることはそのままで、グループ全員の航空券代を足した総額が一番小さくなる都市を上に持ってきます。
幹事として最初に知りたい数字って、たぶんこれですよね。
全員でいくらかかるかが見えれば、予算の話は前に進みます。
ただ、総額には抜けている情報があります。
誰がいくら払うのか、が入っていません。
合計7万円の内訳が「3万5千円と3万5千円」なのか「1万5千円と5万5千円」なのかは、総額だけ見ているかぎり区別がつかないわけです。
そして、グループLINEがいつまでも止まらない本当の理由は、たいていこっちの内訳のほうにあります。
誰か1人に負担が寄る集合場所を「Fairest」で避けられます
もう1つのモードがFairestで、ここからが面白いところです。
Fairestは参加者ごとに「travel burden」という負担の点数を出します。
計算式は公開されていて、航空券代に、飛行1時間あたり15ドルと、乗り継ぎ1回あたり25ドルを足したものです。
1ドル150円で直すと、空を飛んでいる1時間が約2,250円、乗り継ぎ1回が約3,750円の重さとして乗ってきます。
そのうえでFairestは、グループの中で一番負担が重くなる人を探して、その人の点数が最小になる都市から順に並べます。
平均でも合計でもなく、いちばん割を食う人が順位を決めるわけです。
開発者の説明がわかりやすくて、一番安く済んでいる人でも、乗り継ぎ3回で11時間かけているなら得をしているとは言えない、と書かれています。
このFairest、実は後から足した機能だそうです。
それが結果的に一番支持されたということは、集合場所の話で私たちが本当に困っているのは金額そのものじゃない、ということなんだと思います。
東京とシンガポールで並べると、安い都市と公平な都市が入れ替わります
言葉だけだとピンと来ないので、実際の数字を見てください。
MeetPointは都市の組み合わせごとに比較を公開していて、東京とシンガポールに1人ずつ住んでいる場合はこうなります。
合計がいちばん安いのはクアラルンプールで、約6万8千円。
でも内訳を見ると、シンガポールの人が約1万5千円で、東京の人が約5万4千円です。
差が約3万9千円分あります。
一方で上位に来るのは香港で、合計は約7万3千円。
クアラルンプールより約4千円高いのに選ばれるのは、内訳が約3万7千円と約3万5千円で、2人の差が約2千円しかないからです。
グループ全体で約4千円だけ多く出すと、2人のあいだの不公平が約3万9千円分から約2千円分まで縮む。
これ、「じゃあ香港ね」で終わる話ですよね。
なお、この数字はMeetPointが距離から計算している概算です。
実際の日程を入れて検索すると、季節や予約のタイミングで動きます。
日本の集まりで使うなら、向く場面と向かない場面を先に見分けます
先に正直なところを書いておきます。
東京や大阪や福岡に散らばった同級生で集まる、みたいな国内だけの同窓会には、これは向きません。
日本の主要都市の間は新幹線が現実解になる区間が多くて、航空券だけで比べると答えが歪むからです。
効いてくるのは、メンバーの誰かが海外にいるときです。
同期の何人かが駐在や移住で外に出ている同窓会、海外にいる家族との合流、各国に散ったメンバーで集まるチーム。
このあたりだと飛行機以外の選択肢がそもそもないので、計算がそのまま答えになります。
制約も先に書いておきます。
今のところ一度に入れられるのは4人までと案内されているので、10人規模の同窓会をまるごと投げることはできません。
それとUIは英語だけです。
とはいえ入力するのは都市名と日付なので、詰まるところはほとんどないはずです。
Cheapest(合計が安い順)、Fairest(いちばん損する人が軽い順)、Direct(直行のみ)の3語だけ押さえておけば十分に回せます。
集合場所でLINEが往復し始める前に、先に候補を出しておきます
幹事がやることは1手だけです。
グループに候補地を投げる前に、全員の出発都市と日程を入れて、上位3都市を出しておく。
これだけで、そのあとの会話の形が変わります。
「大阪はどう?」は意見なので反論できますが、「全員の負担が並ぶ順に並べたらこの3つでした」は結果なので、反論するには別の基準を持ってこないといけません。
幹事が矢面に立たなくて済むのは、この差です。
そして都市さえ決まってしまえば、そこから先の旅程はAIに丸ごと渡せます。
何日目にどこを回って、どこで合流して、何時の便で帰るか。
このへんは今のAIがいちばん得意なところなので、15分あれば形になります。
重いのはいつだって、最初の1つを決めるところです。
次にバラバラの予定を集めることになったら、最初に開くのを航空券の検索窓から変えてみてください。


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