登山中に見た植物や岩、スマホをかざすだけでAIが教えてくれる

そうた
そうた

@yamabiraki 4本

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山で「これ何」と思った瞬間、今のスマホでどこまで答えられるか

登山道の脇に見たことのない花が咲いていて、とりあえず写真だけ撮って先に進む。

あとで調べようと思って、結局そのままになっていませんか。

俺のカメラロールにも、名前の分からない花や苔が何十枚も残ってます。

その「これ何だろう」を、山にいる間に片づける手段が増えました。

Googleが2026年8月24日に、アメリカの国立公園制度110周年に合わせてアウトドア向けの機能をまとめて発表していて、その中心にあるのがGemini Liveのカメラです。

これまでも「撮る、家で画像検索、出てきた候補を見比べる」という流れはできました。

ただ、あのワンクッションを挟むと、家に着く頃にはたいてい熱が冷めてるんですよね。

カメラロールに残った花の写真がその証拠です。

Gemini Liveのカメラ機能に岩や植物を見せると何が起きるか

登山道で足を止め、野草にスマホのカメラをかざす手元のイラスト

Gemini Liveは、カメラの映像をAIに見せながら音声で会話できるモードです。

撮ってアップロードするのではなく、いま映しているものについてそのまま話しかけられます。

Googleの説明で例に挙がっていたのが、見慣れない野草、特徴的な岩の造形、そして歴史のある道標の3つでした。

植物だけでなく、岩や人工物も対象に入っているのがポイントです。

面白いのは、名前を答えて終わりにならないところです。

答えが返ってきたあとに「この時期にここで咲くのは普通ですか」「間違えやすい似た花はありますか」と会話を重ねられます。

図鑑アプリだと名前が出た時点で調べものは終わりますが、こちらは1本の花から地形や気候の話に流れていくこともあります。

休憩中の暇つぶしとしても、正直かなり楽しいです。

このカメラと画面共有の機能自体は2025年5月からAndroidとiOSの両方に追加料金なしで開放されていて、すでに入れているGeminiアプリでそのまま使えます。

新しくアプリを入れる必要がないのは、荷物と同じで身軽なほうがいいですよね。

植物図鑑アプリや専用の登山アプリと何が違うのか

テーブルに広げた地図と紙の図鑑、その横に置かれたスマホの俯瞰イラスト

同じことは登山アプリ側でもできます。

AllTrailsの上位プラン「AllTrails Peak」には「Outdoor Lens」という植物識別機能があって、カメラを木や花にかざすと名前を教えてくれます。

ただしこちらは年会費1万2700円前後の有料プランに含まれる機能です。

植物の名前を知るために年1万円超えを払うかというと、そこは人によって判断が分かれるところだと思います。

観点
Geminiのカメラ会話
登山アプリの識別機能
費用
追加料金なし
AllTrails Peakは年1万2700円前後
対象
植物、岩、道標など見えるもの全般
主に植物
追いの質問
その場で会話を続けられる
識別結果の表示が中心
ルート情報との連動
なし
トレイルのデータと紐づく
導入
入っているGeminiアプリでそのまま
専用アプリと会員登録が必要

とはいえ専用アプリが負けているわけではないんですよね。

登山アプリの識別機能は、そのトレイルで実際に記録された植生とデータが紐づく強みがあります。

汎用のAIには持ちにくい土地勘のようなものです。

無料で気軽に始めたいならGemini、トレイル情報とまとめて管理したいなら登山アプリ。

ここは併用してもいい部分だと思います。

国立公園110周年に合わせて追加された道案内や装備提案の機能

発表されたのはカメラの話だけではなく、家を出てから山を歩き終わるまでを一通りカバーする4本立てでした。

  1. Gemini Liveのカメラを向けて、植物や岩、道標をその場で聞く
  2. Geminiアプリに行き先と日程を渡すと、持ち物リストや仲間に送る招待状を作ってくれる
  3. Ask Mapsが道中の絶景スポットや食事どころを提案し、渋滞や通行止めも先に知らせる
  4. 検索のAIモードで登山靴などの装備を探すと、条件に合った商品リスト付きで返ってくる

持ち物リストのくだりが個人的に一番刺さりました。

行き先と日程を渡すだけで、見どころ、必需品、食事、アクティビティまで入ったリストが返ってきます。

装備リストを毎回ゼロから書き出している人にとっては、たたき台が数秒で出てくるだけでもだいぶ違います。

もうひとつ印象に残ったのが、Ask Mapsの案内に添えられていた念押しです。

電波の届かない場所でもナビできるよう地図は必ずダウンロードしておくこと、とわざわざ書いてありました。

AIを推す発表の中でオフライン前提の注意が入るあたり、現場を分かっている人が関わっているんだなと思います。

日本の登山でどこまで使えて、何がまだ未確認なのか

舞台がアメリカの国立公園である以上、そのまま日本の山に置き換えられる部分と、まだ確認できていない部分は分けておきたいところです。

使える見込みが高いのは、Gemini Liveのカメラ会話です。

Gemini Liveの日本語対応は2024年10月、カメラと画面共有の無料開放は2025年5月で、どちらも今回の国立公園の企画とは別に前から動いている機能です。

日本の山でレンズを向けて日本語で聞く、という使い方はできる見込みです。

一方でAsk Mapsの絶景スポット提案やGeminiの旅程生成が日本で同じ体験になるかは、執筆時点で確認できた範囲では断定できません。

Ask Mapsは2026年3月に発表され、8月には150以上の国へ広げると告知されています。

検索のAIモードのほうは2025年9月から日本語で提供されています。

精度も未知数です。

データの厚みは北米の植生や地質に寄っている可能性があって、日本の固有種や地方の道標をどこまで正確に答えるかは、実際に山で確かめてみないと分かりません。

そして一番現実的な制約が電波です。

Gemini Liveは映像をその場でクラウドに送って処理する仕組みなので、稜線や谷で圏外になれば当然動きません。

山で困ったときの相棒というより、電波の届くところで楽しむ寄り道くらいに構えておくのがちょうどいいと思います。

次の登山で試したい使い方と、頭に入れておきたい注意点

最初に試すなら、登山口や電波の入る休憩ポイントがおすすめです。

歩きながらスマホを見るのは足元が危ないので、必ず足を止めてからにしてください。

聞き方は「この花の名前は」で止めるともったいないです。

「この標高でこの時期に咲くのは普通ですか」「間違えやすい似た花はありますか」まで踏み込むと、図鑑を引くのとは違う情報が出てきます。

岩の種類や地層、古い道標の由来も同じように聞けます。

一方で、線を引いておきたいことがあります。

食べられるかどうかの判断には使わないことです。

山菜やキノコの見分けは専門家でも実物を手に取って判断する世界で、AIが返した名前を根拠に口に入れるのは取り返しのつかない事故につながります。

名前が分かったからといって、それが正解とも限りません。

気になったものは持ち帰った写真で図鑑を当たるか、現地の案内看板やビジターセンターで確認する。

AIの答えは調べる取っかかりとして扱うのが安全です。

あとはバッテリーですね。

カメラと通信を同時に使うので消費は大きめです。

地図アプリと併用するなら、モバイルバッテリーは持っておいたほうがいいと思います。

準備の下調べも、山で見たものを調べるのも、AIに任せられる範囲は確実に広がってきました。

その分だけ、山そのものを見る余裕が増えるのがありがたいところです。

ただ、目の前の花を見て「きれいだな」と足を止めるところまでは、AIには代われないんですよね。

名前を知るのは、そのあとで十分です。