18時すぎ、子どもの「おなかすいた」が始まってから、冷蔵庫の前で数分固まります。
作るのはいいんです。
何を作るか決めるところが、いちばん体力を持っていきます。
この「決める」の部分だけを切り出して、AIに渡せます。
「今日の夕飯どうしよう」を丸ごと引き受けるAI、Clementineとは?
2026年9月9日、アメリカで食材の宅配をしているInstacartが、Clementineというアシスタントを公開しました。
やっているのは、「今週の子どものお弁当、予算重視で1週間分」くらいの一言から、そのまま買える状態のカートを作ることです。
入り口は3つあります。
- 話しかける(「高たんぱくで簡単な夕飯を2人分」)
- 手書きの買い物メモを写真に撮って渡す
- レシピを渡す
どれから入っても、着地はカートです。
いいなと思ったのは、家庭ごとの事情を先に登録しておける点でした。
グルテンフリー、ベジタリアン、ナッツを使わない、オーガニック優先。
一度入れておけば、以後の提案はその条件を通ったものだけになります。
カートに入れるかどうかは最後に自分でタップして決めるので、勝手に注文が飛ぶ設計ではありません。
ただ、使えるのはアメリカとカナダだけです。
日本からは触れません。
とはいえ、使えないサービスの紹介で終わらせるつもりはありません。
このAIが肩代わりしている「決める」と「買う」は、日本にあるものだけで分解して再現できます。
夕飯を決められないのは、気力の問題なのか。
Clementineの発表には、Instacartが調査会社のThe Harris Pollに委託した調査が添えられていました。
2026年6月に、アメリカの18歳以上2,059人へ聞いたものです。
80%を超える人が「夕飯に何を作るか決めること」にストレスを感じていると答えています。
さらに3分の1近くが、作ることではなく決めることの方が大変だと答えました。
6割を超える人は、この作業をAIに任せてみたいとも答えています。
「作る」と「決める」が、別々の負担として数えられているわけです。
未就学児がいる家だと、決める側の条件がさらに増えます。
上の子が食べられて、下の子も食べられる。
取り分けられるように、味付けは後から足せる形にする。
調理は30分まで。
昨日と似ていない。
できれば冷蔵庫にあるもので済ませる。
この連立方程式を、いちばん疲れている18時に毎日ゼロから解いています。
ワンオペの日は、相談する相手も横にいません。
ただ、逆に言えば条件は全部言葉にできます。
言葉にできる条件を毎晩打ち直さなくていいように、一度だけ書いておくところから始めます。
「決める」をChatGPTに渡す。今夜の献立を1分で出させる頼み方
うちの食卓の前提を、一度だけ覚えさせる
ChatGPTのメモリ機能に、我が家の前提を登録しておきます。
無料プランでも使えます。
やり方は、この文をそのまま送るだけです。
これを覚えておいてください。今後の献立の相談で毎回使います。
・食べるのは大人2人と5歳、2歳の4人
・2歳の分は取り分けにするので、味付けは後から足せる形にしたい
・下の子はきのこ類を食べない
・平日の調理時間は30分まで
・献立は主菜1品、副菜1品、汁物1品の3点で出すこれを入れておくと、以後は「今夜の献立」と打つだけで条件が全部効きます。
毎回の入力が短くて済むぶん、疲れている日でも続きます。
登録するのは食べ物の話だけにしています。
園の名前も子どもの氏名も、献立を出すのに要りません。
冷蔵庫の中を撮って、今あるもので出させる
献立だけ出させても、買い物が発生した時点でその日には間に合いません。
なので冷蔵庫を撮ります。
野菜室と冷蔵室を、正面から1枚ずつ。
扉のポケットは無視して大丈夫です。
その2枚を送って、こう書きます。
この写真に写っているものを優先して、今夜の献立を3案出してください。
買い足しが必要なものがあれば、案ごとに分けて書いてください。3案出てくるので、その中から選びます。
ここまでで1分もかかりません。
やっていることは「考える」を「選ぶ」に置き換えただけですが、この差が夕方には大きいです。
「買う」はコピペ1回で終わらせる。ChatGPTの献立をネットスーパーのカートに移す手順
検索窓に貼れる形で買い物リストを出させる
買い物リストを作らせると、たいてい「鶏もも肉 300g」「玉ねぎ 2分の1個」という書き方で出てきます。
これをそのままネットスーパーの検索窓に貼っても、何も出てきません。
分量が邪魔をしています。
なので、出し方の方を指定します。
この献立の買い物リストを作ってください。
・1行に1品だけ、商品名だけを書く(分量は書かない)
・野菜、肉と魚、乳製品と卵、調味料の順に並べる
・家に常備してありそうなものは、別のリストに分けて書くこうすると、上から1行ずつ検索窓に貼っていくだけで終わります。
分量は献立の方に書いてあるので、作るときにそちらを見れば足ります。
売り場の順に並べさせているのは、カテゴリを行ったり来たりしなくて済むからです。
自動連携を待たずにコピペで割り切る理由
レシピアプリとネットスーパーが自動でつながればいいのに、と思うところですが、その手の連携は消えます。
DELISH KITCHENのAmazonフレッシュへの買い物リスト連携は、2025年4月に終了しました。
イトーヨーカドーのネットスーパーも、2025年2月に別会社との提携でまるごと作り直されています。
連携は事業者の都合でなくなりますが、コピペはどこでも動きますし、なくなりません。
Amazonフレッシュでも、Green Beansでも、イトーヨーカドーネットスーパー by ONIGOでも、やる操作は変わりません。
夕飯をAIに相談するとき、任せない方がいいのはどこか。
いちばん気をつけているのは、予算です。
Instacartは、Clementine経由の注文が平均カート単価の115ドル(約1.7万円)を上回りやすいと説明しています。
出てきた提案を全部カートに入れれば、そうなります。
なので買い物リストは出させても、カートに入れる操作は自分の手でやります。
先に「今日は3,000円まで」と伝えておくのも効きます。
次に、子どもの今日の気分です。
「今日はこれ食べたくない」は、どのデータにも入っていません。
朝から何と言っているかは、自分の方が早く知っています。
最後に、味の最終決定権です。
3案出させて、選ぶところを子どもに渡すようにしたら、食卓での衝突が減りました。
「3つあるけどどれにする」と聞くと、自分で選んだものはわりと食べます。
今夜やるなら、メモリに5行書いて、冷蔵庫を2枚撮る。
ここまでで5分です。
夕飯がラクになるというより、冷蔵庫の前で固まっていた数分が、そのまま返ってきます。


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