速いほうと綺麗なほう、どうせ綺麗なほうが高いんだろうと身構えて料金表を開いたら、数字が1行残らず同じで拍子抜けしました。
GPT Image 2.5のAPIに追加された gpt-image-2.5-flare と gpt-image-2.5-sunburst は、トークン単価が完全に一致しています。
選択肢から「安いほう」が消えると、残る判断材料は時間と修正回数だけになります。
料金表を並べても、差が1行も出てこない。
公式のモデルページに載っている単価を並べると、こうなります(1ドル150円で換算)。
6項目すべて同額です。
対応エンドポイントも /v1/images/generations と /v1/images/edits の2つで共通、inpaintingもどちらも使えます。
では何が請求額を動かすかというと、quality パラメータのほうです。
1024×1024で1枚生成したときの画像出力トークンと実額を並べると、桁が変わっていくのが見えます。
lowとmaxで35倍以上の開きがあります。
コスト管理の話をしているつもりでモデル名を比べていると、本当に効くレバーを触らないまま終わります。
財布に刺さるのは quality であって、FlareかSunburstかではありません。
FlareとSunburstは、結局どこで差がつくのか。
公式ドキュメントの表現はかなり素っ気なくて、Flareは「速くて高品質な日常の画像生成」、Sunburstは「編集の精度」に焦点を当てたモデル、と書かれています。
ドキュメント内の選び方の指針も、編集の精度が最優先のワークフローならSunburst、日常的な生成ならFlare、という一行です。
これだけだと線が引けないので、外部で公開されている計測値を見ます。
Segmindが公開しているベンチマークでは、1024×1024のquality highでFlareが21.9秒、Sunburstが33.2秒。
3840×2160まで上げると31.8秒と41.0秒でした。
同じ設定でおおむね3割から5割ほどSunburstのほうが長くかかる、という結果です。
面白いのは編集のほうで、既存画像の一部を直したときに「指定した領域の外がどれだけ変わってしまったか」を測ると、Flareが31.2%、Sunburstが19.1%。
Sunburstは頼んでいない場所を触る量がおよそ4割少ない、ということになります。
ここが「編集の精度」の正体です。
絵が上手いかどうかではなく、直してと言っていない部分を保てるかどうかの差でした。
なお、ChatGPT側で言われている「Images 2.0比で生成レイテンシが最大50%短縮」は、旧世代との比較であってFlareとSunburstの比較ではありません。
この2つは別の数字なので、混ぜて読むと判断を誤ります。
SNSサムネなら、Flareで足りるのか。
足ります。
サムネイルは1枚を磨く仕事ではなく、当たりが出るまで数を投げる仕事だからです。
1枚で11秒の差は小さく見えますが、構図案を10本出すと約2分、色違いまで展開すると体感がはっきり変わります。
待ち時間が長いと、人は試行回数を勝手に減らします。
サムネで質が落ちる原因は、モデルの精細さ不足よりも「面倒になって2案目で決めた」のほうが圧倒的に多い。
しかも文字は画像に焼き込まず、後からデザインツールで乗せるのが安全策です。
細かいタイポグラフィを画像側に持ち込まない運用なら、Sunburstの精密さが活きる場面がそもそも出てきません。
quality はhighあたり、1枚8円ほど。
10案出しても80円です。
サムネはFlare固定で問題ないと考えています。
ブログ挿絵は、どちらで作るか。
挿絵はサムネと違って、記事をまたいで色味とタッチを揃えたくなります。
とはいえ揃える作業の主戦場はプロンプトの固定であって、モデルの精細さではありません。
新規に描き起こす段階はFlareで十分です。
判断が変わるのは、絵が確定したあとに「この1枚の背景だけ差し替えたい」と言い出したときです。/v1/images/edits に入った瞬間、さっきの数字が効いてきます。
指定領域外の変化が3割起きるということは、背景を直したつもりで人物の表情や線の太さが微妙にズレて返ってくるということです。
シリーズものの挿絵でそれをやられると、並べたときに1枚だけ浮きます。
生成はFlare、確定した絵の部分修正はSunburst。
この使い分けが素直だと思います。
商品写真でSunburstが要るのは、どこからか。
線引きはシンプルで、画面に「原本のある物」が写っているかどうかです。
架空のイメージカット、たとえば雰囲気だけ伝わればいいコーヒーカップやデスク周りの俯瞰なら、細部が多少揺れても誰も困りません。
Flareで数を出して、良い1枚を選べば終わりです。
一方、自社の実物を撮った写真を参照画像として渡し、背景や光だけを差し替える作業はまったく別物になります。
守らなければいけないものが具体的に存在するからです。
- パッケージに印刷された文字とロゴの形
- 金属やガラスの映り込みの向き
- 布の縫い目とステッチの本数
- 実際の色(似た色ではなく、その色)
ここが1文字でも崩れると、写真としては綺麗でも商品ページには使えません。
指定領域外を触る量が4割少ないというSunburstの性質は、まさにこの用途のための差です。
参照画像を渡す時点で /v1/images/edits を使うことになるので、判定はさらに簡単になります。
ゼロから描くならFlare、手元の実物を守りながら加工するならSunburst。
迷ったら「この画像には守るべき原本があるか」と自分に聞けば、たいてい即答できます。
迷ったときの決め方は。
秒数の差を、そのまま修正回数に換算してしまうのが一番わかりやすい方法です。
Flareで2回やり直すと約44秒、Sunburstで一発なら33秒。
この時点で「速いはずのFlare」が負けます。
逆に3案から選ぶ前提なら、Flareのほうが早く終わります。
ここまでの材料で手順に落とすと、こういう順番になります。
qualityをlowにしたFlareで構図とレイアウトの当たりを取る(1枚1円未満)- 方向が決まったら同じプロンプトのままhighかxhighで本番を出す
- 参照画像を渡す編集に入る、または同じ箇所の修正が3回を超えたらSunburstに切り替える
最初からSunburstを常用しない理由は、品質ではなく待ち時間です。
1枚に33秒かかると人は試行を減らし、試行を減らすと結果的に絵が悪くなります。
料金という変数が消えた以上、選び方は好みではなく手順の問題になりました。
まずは自分がよく作る画像に原本があるかどうかだけ、確認してみてください。



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