Claude Codeに300ページの技術書PDFを渡したら、コンテキストが一瞬で埋まって「今日はもう会話できません」状態になったことないですか。
この詰みを解決してくれるOSSがbook-to-skillで、試したら死ぬほど便利でした。
本1冊が丸ごとClaude CodeのSkillに化けて、200Kトークン地獄から抜け出せます。
book-to-skillとは何か 200Kトークン丸投げをやめるツール
book-to-skillは、技術書のPDFやEPUBをClaude CodeのSkillに変換するOSSです。
virgiliojr94さんが公開していて、執筆時点でGitHub 14.3k★、Fork 1.6k、週間で4,600★以上伸びてトレンド入りしています。
何が嬉しいかというと、200Kトークンのコンテキストに本を丸ごと突っ込む代わりに、「本の目次と概念だけ最初にロード、読みたい章だけあとから呼び出す」形に変換できるところ。
生PDFやRAGと何が違うのか
生PDFをそのまま読ませる方式は、300ページの技術書で200Kトークン枠を食い尽くします。
RAGは事前にベクトルDB構築が必要で、Claude Code内でSkillのようにサッと差し替えできません。
book-to-skillは「本1冊をSKILL.md(約4Kトークン)と章ファイル群(1章あたり約1Kトークン)に分解して、Claude Codeがオンデマンドで章を読む」設計になっています。
最初のロードは概念と目次だけ、必要な章はあとから追加ロード。
この設計だけで頭が下がります。
仕組みを実況 技術書はどうやってSkillに変わるのか
抽出フェーズは3系統。
テーブルやコードブロックを崩したくない技術書はDocling、速度優先ならpdftotext、EPUBはebooklibとbeautifulsoup4という使い分けです。
同じ103ページの技術書を両方で走らせたベンチマークがREADMEに載っていて、pdftotextが0.1秒でトークン27K、テーブル0件。
Doclingが164秒でトークン27K(+1.2%)、テーブル48件、コードブロック36件を抽出。
処理時間と抽出精度は完全にトレードオフです。
できあがるファイルの中身
変換後は1つのフォルダに5種類のファイルが並びます。
SKILL.mdchapters/ch01-*.mdglossary.mdpatterns.mdcheatsheet.mdClaude Codeは最初にSKILL.mdだけ読んで、「あ、この本の第5章の話だな」と判断したらchapters/ch05-*.mdをピンポイントで開きにいきます。
図書館の司書が背表紙だけ見て必要な本を1冊持ってくる動きに近いです。
実際にインストールして手元のPDFを変換してみた
公式READMEの手順に従ってClaude Code用にインストールします。
ワンライナー1発。
git clone https://github.com/virgiliojr94/book-to-skill.git ~/.claude/skills/book-to-skillClaude Codeを再起動して、変換したい技術書PDFを渡すだけ。
/book-to-skill ~/Downloads/tech-book.pdf my-book-skillこれで~/.claude/skills/my-book-skill/配下にSKILL.mdとchapters/群ができます。
最初にハマったポイント
「これは罠でした」ポイントを2つ晒しておきます。
book-to-skillの紹介記事の中には、curlで個別ファイルを取ってくる古い手順を載せているものがあります。真似するとscripts/配下の実行ファイルが揃わずコケます。公式READMEのgit clone方式を正としてください- Docling抽出を使う場合、pip依存の
pdf,epub,docxエクストラを最初に入れないと抽出フェーズで詰みます。pip install "book-to-skill[pdf,epub,docx]"を先に走らせてから起動する方が安全です
生成されたSKILL.mdを開くと、章の概要がずらっと並んでいて「これAIが読みやすいやつだ」と一目で分かります。
人間が読む書籍要約ではなく、AIがナビゲーションに使う目録の設計になっています。
200Kトークン丸投げ vs チャプター単位 数字で比較する
公式READMEに載っている書籍別の実測値がこれです。
AI Engineeringは元256Kあって、そもそもClaude Codeの200Kコンテキストに入らない本です。
それがbook-to-skill変換後は51分の1に縮む。
なぜここまで縮むのか
答えは「読まない章はロードしない」というだけ。
生PDF方式だと本の最初から最後まで全ページトークン化しますが、book-to-skillはSKILL.md(4K)と必要になった章(1Kずつ)しか消費しません。
RAG的な検索方式(毎回全チャンクを読む)と比較しても、AI Engineeringで15.6倍削減されるとREADMEに載っています。
チャットが長引いても本の内容がぶら下がり続けるだけで済むので、他の作業(コードを読ませる、ログを解析させる)に使える枠がガッツリ残ります。
マジでこれだけで導入価値あります。
Claude Code以外でも使える SKILL.md標準の強み
book-to-skillのREADMEには、Claude Code向けとGitHub Copilot CLI向けの両方のインストール手順が用意されています。
同じフォルダ構成のSKILL.mdが両方のエージェントで読める作りです。
Copilot CLIの場合はcloneする先を変えるだけ。
git clone https://github.com/virgiliojr94/book-to-skill.git ~/.copilot/skills/book-to-skillそのあとCopilot CLI内で/skills reloadすればロード完了、と公式READMEには書いてあります(僕はClaude Code環境で動かしていて、Copilot CLI側は今回未検証です)。
チームで技術書を共有する場合、~/.claude/skills/配下をGitで管理してgit pullで全員に配布する運用ができます。
本1冊をエンジニア全員のAIエージェントに配れる感覚は、想像以上に強いです。
触ってみて分かった注意点とハマりどころ
正直に注意点も晒します。
- Docling処理時間が長い。103ページで164秒(README実測)なので、500ページの技術書だと10分以上待つ覚悟が要ります。速度優先なら
pdftotext、精度優先ならDoclingと割り切って選ぶこと - OCR誤抽出が起きる本があります。図が多いページ、数式が多い章、テーブルが密なページは抽出精度が落ちます。生成後の
chapters/は必ず目視チェックしてください book-to-skill本体のライセンスはMITですが、処理する書籍そのものの著作権は別です。READMEにも明記されているとおり、個人利用の範囲内で使うのが無難です
一番きついのは章抽出のミスで、意図しない章分割が起きてch03とch04の内容が混ざる本がありました。
目次が特殊なフォーマット(コラム多数、番号なし節など)だと発生しやすい印象です。
どんな技術書 どんな人に向いているか
相性がいい本、悪い本を切り分けておきます。
相性がいい本
- リファレンス系(APIドキュメント、言語仕様書)
- パターン集(デザインパターン、リファクタリング、SRE本)
- 章立てが明確な技術書(アルゴリズム本、DDD本、SICPなど)
相性が悪い本
- 図と数式が主体の本(機械学習の数学本、信号処理本)
- 物語調の本(ストーリー展開が長いビジネス書、ノンフィクション)
- 章立てが緩い本(雑誌記事の寄せ集め、コラム集)
Skill活用のアイデアが枯れている人向けに、AimanaVo内の関連記事も置いておきます。
まとめ
book-to-skillは「技術書PDFをClaude CodeのSkillに変換して、200Kトークンを食い潰さずに本1冊を相棒にする」ためのOSSです。
持ち帰ってほしいポイントは3つ。
- 生PDF方式で200Kが埋まっているなら、まず
git cloneだけ試す。5分で違いが分かります - 抽出方式は
pdftotext(速い・簡素)とDocling(遅い・高精度)を書籍の性質で選ぶ - 生成された章ファイルは目視チェックする。抽出ミスは書籍固有の癖で起きるため事前確認が効きます
技術書を持て余している棚があるなら、1冊ずつ変換してAIエージェントに読ませてみてください。
読了率が跳ね上がります。


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