同じBGMの動画を何本も並べると飽きられるし、かといって毎回1から作り直すのはしんどい。
Suno v6でサビだけを英語の一文で差し替えられるようになったので、1曲を何本ぶんのBGMに増やせるのか試しました。
増やせます。
ただ量産のブレーキは、曲を作る側ではなく別の場所にありました。
ショート動画のBGM、毎回1から作り直していないか?
自作BGMに切り替えた直後は、けっこう快適です。
問題は4本目あたりから来ます。
同じ曲が続くと、コメント欄より先に自分が飽きます。
かといって毎回新しい曲を回すと、当たり外れの振れ幅が大きすぎます。
伸びた動画のBGMがあるのに、次の動画では別の曲を一から探し直す。
もったいないんですよね。
欲しいのは「同じ曲だと分かるけど、同じではない」BGMです。
サビだけ違って、それ以外は同じ。
これが作れると、1本の当たり曲がシリーズまるごとを支えてくれます。
サビだけ英語の一文で差し替えられるようになったSuno v6とは?
Sunoが2026年9月9日に発表したのがv6です。
目玉は、完成した曲の一部だけを平易な英語の指示で書き換えられるようになったこと。
サビだけ別のボーカルにする、歌詞の一行だけ変える、A曲のボーカルとB曲のドラムを合体させる。
こういう操作が指示文だけで通ります。
音の一部を抜き出してそこからビートを組み直す、写真や動画を放り込んで曲にする、といった入り口も増えました。
ただショート動画の運用で効いてくるのは、圧倒的に部分差し替えです。
部分編集は2024年からあった。変わったのは指示の出し方
「曲の一部だけ作り直す」機能そのものは新しくありません。
Replace Sectionという名前で2024年10月から使えていて、曲の中の10秒から30秒の範囲を選んで再生成する仕組みでした。
新しくなったのは、範囲を自分で指定しなくてよくなったことです。
以前は波形を見ながら「ここからここまで」を決めていたところが、今は文で書くだけ。
細かい話に見えますが、量産では効き方が全然違いました。
範囲を選び直す往復が消えたので、1曲から3バージョン作るのが数分で終わります。
v6 v6-wild v6-mini、無料で触れるのはどれか
モデルは3種類あります。
ここで気をつけたいのが、モデルが使えることと、サビの差し替えができることはイコールではない点です。
曲の一部を作り直すReplace Sectionは、2024年の登場時からPro、Premier限定の機能でした。
v6で指示の出し方が変わったあとも、無料プランを「標準機能のみ」と書いている料金ページの表記は変わっていません。
無料プランでも差し替えまで通せる、という公式のアナウンスは見当たりませんでした。
なので無料アカウントでできるのは、v6-miniで曲を作って聴くところまで。
サビ差し替えでの量産をやるなら、有料プランが入り口になります。
もう1点。
v6より前のモデルは全部引退しました。
今までに作った曲はライブラリに残って再生も共有もできますし、延長やリミックス、カバーの起点にすることもできます。
ただその処理はv6側で動くので、元の曲と少し違う音になることがあります。
手持ちの当たり曲を使うなら、そこは織り込んでおいてください。
AI作曲でサビを差し替える指示は、どう書くか。
元にする1曲は、サビが立っている曲を選ぶ
差し替えの効き方は、元の曲で8割決まります。
基準はシンプルで、サビとそれ以外の落差がはっきりしている曲です。
全体がずっと同じテンションで進む曲は、サビを差し替えても違いが出ません。
イントロで抑えて、サビでぐっと来る。
この起伏がある曲ほど、差し替えたときの変化が伝わります。
あとBPMは控えておいてください。
後の工程で効いてきます。
差し替え指示のBeforeとAfter
指示は英語で書くのが通りやすいです。
私が使っている型は、変えたい場所と変えたくない場所を1文の中に両方入れるだけ。
Change the chorus to a whispered female vocal, keep the intro and beat the sameReplace the chorus with an instrumental synth lead, no vocals, everything else unchangedMake the chorus more energetic and add handclaps, keep the same key and tempoやりがちなのが Make the chorus better のような、方向を書いていない指示です。
これだと何が返ってくるか読めなくて、結局何回も回すことになります。
「どこを」「どう」「それ以外は触らない」の3点セットで書く。
これだけで戻し作業がかなり減りました。
一度の指示で変えるのも1箇所までにしておくのが安全です。
サビもアウトロも同時に注文すると、聴き比べたときにどっちの指示が効いたのか分からなくなります。
サビ違いのBGMを、ショート動画にどう振り分けるか。
まず1曲から3バージョン作って、シリーズの回ごとに割り当てます。
第1回はオリジナル、第2回はささやきボーカル版、第3回はインスト版、みたいな配り方です。
これで何が起きるかというと、視聴者が「またこのシリーズだ」と気づく速度は落ちないまま、飽きだけが減ります。
イントロもビートもBPMも同じままなので、耳が先に「知ってるやつだ」と判定してくれるからです。
編集側の効きはもっと分かりやすいです。
BPMが同じなので、カットのタイミングをそのまま流用できます。
前の回のプロジェクトを複製して、音声トラックだけ差し替える。
カット位置を切り直す必要がありません。
私の場合、シリーズ2本目以降の編集時間が半分以下になりました。
BGM沼にいた頃、音源探しと拍合わせで溶かしていた時間がここに丸ごと乗ってきます。
ここまでは全部いい話です。
ただ、この量産にはちゃんと天井がありました。
BGMの量産に、いくらかかるか。
生成して聴くだけなら、無料でもかなり回せます。
無料プランは1日50クレジットもらえて、1回の生成で10クレジット使うと2曲返ってくる。
1日10曲は作れる計算です。
もう一段のブレーキがダウンロードでした。
2026年9月3日から、Sunoはダウンロード数に上限を設けています。
無料プランは生涯で最大7本まで。
月ごとにリセットされません。
しかも個人利用の非商用限定です。
しかも9月3日以降に登録した無料アカウントは、この7本すら確約されていません。
公式の案内では「トライアルのダウンロードを受け取れることがある」という書き方になっています。
正直に言うと、無料枠は試すための器であって、量産の器ではないです。
ここを曖昧にしたまま「無料でも十分」とは書けません。
現実的な入り口はProの約1,200円です。
ただし毎日投稿で毎回違うBGMを載せるには、月20本では足りません。
だから配分を変えます。
1シリーズにサビ違いを3本。
これなら月20本で6シリーズから7シリーズぶんの音が確保できます。
しかも1シリーズの中で3本を回していけば、投稿できる動画の本数はダウンロード数に縛られません。
9本撮ったら3本ずつ配る。
同じ音が2回続かない並びさえ作れば、20本の枠でもかなり長く走れます。
差し替えでの量産と枠の制限は、実は相性がいいんです。
作った曲を案件動画で使うのは、商用利用になるか?
無料プランでダウンロードした曲は、公式に非商用限定と明記されています。
案件動画、広告、収益化プログラムに乗せる動画で使うなら、有料プランが前提になります。
逆に有料プランでダウンロードした曲は、商用でも個人利用でも使ってよいとSuno側が明言しています。
ここは以前より線がはっきりしました。
背景にあるのが、v6の学習データです。
v6はそれまでのモデルとは別のデータセットでゼロから学習し直したモデルで、Warner Music Group、BMG、Believeの許諾楽曲が使われています。
Sunoでプロダクトを統括するジャック・ブロディさんは、v6モデル群の学習にUniversalとSonyの著作権楽曲は一切入っていないと明言しました。
公開初日から、楽曲を提供したパートナー側への収益の分配も始まっています。
つまり「AI作曲だから権利まわりがふわっとしている」という状態からは一歩進んでいます。
ただし前のモデルで作った曲は学習データの世代が違います。
手持ちの旧曲を案件で使う場合は、v6で作った曲と分けて考えたほうが安全です。
手持ちの1曲、サビだけ差し替えてみる
一番伸びた動画のBGMを開いて、サビだけ差し替える指示を1行書いてみてください。
数分で別バージョンが返ってきます。
元の曲は消えないので、気に入らなければ元のままでいいだけです。
生成と試聴はクレジットの範囲で何度でも回せるので、聴き比べてからダウンロード枠を使う。
この順番を守れば、月20本でも枠を無駄にしません。
新しい曲を探しに行くのをやめて、当たった1曲を割り算する。
この切り替えをしてから、音源で悩む時間がほぼゼロになりました。



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