画像生成AIはなぜ占星術アプリを買収したのか、当たるより大事な話

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@konoha08 4本

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タロットや星座の話をすると、決まって「それって当たるの?」と聞かれます。

返事に困っていたのですが、画像生成AIの会社が占星術アプリを買収したというニュースを読んで、あの質問への答えがすこし整理できた気がしました。

当たるかどうかとは別の場所に、占いの使いどころがあるのかもしれません。

MidjourneyのCo-Star買収で何が起きたのか。

画像生成AIのMidjourneyが、占星術アプリのCo-Starを買収しました。

買収そのものが完了したのは2026年の春で、公表されたのは7月24日です。

表に出ないまま数か月が過ぎていた、ということになります。

Co-Starは2019年に生まれた出生図ベースの占星術アプリで、月間のアクティブユーザーは約430万人。

生年月日と出生時刻と場所からホロスコープを組み立て、友達と互いの相性を見せ合える設計になっています。

文面はAIと人の手を組み合わせて書かれていて、遠慮のない言い回しのプッシュ通知が飛んでくることでも知られています。

Co-Starの約24人のチームは全員がMidjourneyに移りました。

創業者でCEOのバヌ・ギュラー(Banu Guler)さんは、MidjourneyのChief Design Officerに就任しています。

デザインとプロダクトとフロントエンドを横断するチームを率いる立場です。

買収額は公表されておらず、Co-Starのアプリはこれまで通りギュラーさんの管理下で運営が続きます。

Midjourney創業者のデイビッド・ホルツさんは、今後6か月ほどで同じくらい野心的な発表を6件ほど予定しているとも話しています。

占星術アプリの買収は、そのうちの1件だったようです。

それにしても、なぜ画像を作る会社が星の話をするアプリを欲しがったのでしょうか。

Co-Star創業者が語った、言葉にする前の気持ちを映す道具とは。

星空の下でタロットカードを広げ、スマホの淡い明かりで読み解いている手元の幻想的なイラスト

ギュラーさんは買収の発表に合わせて、こんな言葉を残しています。

多くの研究所が人間をコンピューターで置き換える方向に進んでいるように見えるいま、デイビッドとわたしは違うやり方を取っています。コンピューターは、わたしたちの人間らしさを自分自身に見せてくれる道具になりうる。自分でうまく言えるようになるより先に、あなたが何を言おうとしているのか、どう感じているのか、何を思い描いているのかを示してくれる道具です。

人間らしさを自分に見せてくれる道具という発想

読んでいて、これは占いの話だと感じました。

画像生成AIと占星術アプリは、根っこでは同じことをしているのだという言い方をしているからです。

Midjourneyに「なんとなくこういう雰囲気の絵」と打ち込むとき、わたしたちは自分が何を見たいのかを正確には分かっていません。

出てきた画像を見て初めて「これじゃない」「こっちに近い」と気づきます。

ホロスコープを読むときも似ていて、書かれた文章そのものより、それに反応した自分の気持ちのほうが情報になります。

道具が答えを持っているのではなく、道具に向き合った自分の反応が答えの手前にある。

そう考えると、絵を作る会社が星のアプリを迎え入れたことにも筋が通って見えてきます。

タロットをAIと読み解くと、何が変わるのか。

星座線を引いたノートとタロットカードが並び、対話の吹き出しが小さく浮かぶ幻想的なイラスト

一人でカードを引いていた頃、わたしは意味を検索して読んで、それで終わりにしていました。

「節制の逆位置は過剰やバランスの乱れ」と書いてあれば、そうなのかと思って画面を閉じる。

カードは引いたのに、何も持ち帰れていない日が多かったです。

AIと一緒に読むようになって変わったのは、AIが賢いからではありませんでした。

質問を組み立てるために、いま自分が何に困っているのかを言葉にしないといけない、という部分です。

「仕事のことです」だけでは読み解きが返ってこないので、状況を3行くらい書くことになります。

その3行を打っている途中で、自分でも思っていなかった言葉が出てくることがあります。

もう1つ効くのが、「他の読み方もありますか」と聞き返せることです。

1枚のカードには複数の解釈があるのに、検索だと最初に出てきた1つで納得して終わってしまいます。

3つ並べてもらうと、そのうちのどれに引っかかったかで、自分がいまどこを気にしているのかが見えてきます。

ギュラーさんの言う「言葉にできるより先に示してくれる道具」は、たぶんこの感覚のことなのだろうと読み解いてみました。

AI占いは当たるのか、それとも当たらないのか。

当たる当たらないで測ろうとすると、占いは予言として採点されることになります。

外れたから意味がなかった、当たったからすごい。

この採点表の上では、AIが書いたホロスコープはただの精度の悪い予言でしかなくなってしまいます。

わたしは、そもそもこの採点表を使わなくていいのだと思っています。

カードを引いた日に何を考えたか、どの言葉に引っかかったか。

そこに残るものは、予測が合っていたかどうかとは関係がありません。

Co-Starの文面が刺さると言われるのも、未来を言い当てているからというより、読んでいるいまの心当たりを突いてくるからではないでしょうか。

AIは、あなたの明日を知っているわけではありません。

持っているのは、無数の言い回しと、こちらが投げた言葉に別の角度を返す力です。

占いはエンタメとして楽しみながら、返ってきた言葉で自分を点検する。

その距離感がちょうどいいように感じています。

AIと占いを深める、小さな習慣のはじめかた

大がかりな準備はいりません。

カードが1枚と、AIとの会話画面があれば足ります。

  1. カードを引いたら、意味を調べる前にいまの状況を3行だけ書く。仕事でも家のことでも構いません。書き終えてからカード名と正逆を添えて、読み解きをお願いします。
  2. 返ってきた解釈に「他の読み方もありますか」と聞き返す。3つくらい並べてもらって、自分がどれに反応したかを見ます。
  3. 1週間後にその会話を読み返す。当たっていたかではなく、あの日の自分が何を気にしていたかを確かめる時間になります。

星座のほうが好きな方なら、カードの代わりにその日の天体配置を1つ選んで、同じことをしてもいいと思います。

夜、寝る前の5分。

当てにいくのではなく、自分を置きにいく時間として使ってみてください。

画像を作る会社が占星術アプリを迎え入れたのも、案外そういう時間の価値を見ていたのかもしれません。