こんにちは、プロンプト画伯です。
元デザイナー→AI画像職人やってます。
画像生成AIに「もっといい感じに」を10回投げて、10回とも違う画像が返ってきたことはありませんか。
私はあります。
しかも昨日も今日も。
それどころか、せっかく一度うまくいったのに、次の日に同じプロンプトを書こうとして「あれ、なんて書いたっけ」と頭が真っ白になる経験も、数え切れないくらいしています。
この記事は、その「いい感じに」を消すために画像生成プロンプトを「仕様書ファイル」に変えた実験ログです。
コピペで使える画像生成版のテンプレも置いておきます。
「いい感じに」が10回伝わらない画像生成AIあるある
クライアントから「もう少しだけ柔らかい雰囲気で」と言われて、Midjourneyに「softer, more gentle」と追記する。
返ってきたのはなぜかピンク一色のキラキラ画像。
元の構図はどこかへ消えています。
これ、AIが悪いんじゃありません。
私の指示が「揮発している」だけです。
AIに「もっといい感じに」を投げて返ってくるもの
私の手元に去年のプロンプト履歴があります。
同じブランドの素材を50枚作るのに、プロンプトのバリエーションが30種類以上ありました。
同じブランドで。
そのうち「使い物になる」と判断したのは1割にも満たない。
1枚あたり何度も試行錯誤を繰り返している状態でした。
問題はセンスじゃなく「言語化の揮発性」だった
プロンプトを書くたびに、頭の中で「今回はどう書こうかな」と考え直しています。
前回うまくいった言い回しを覚えていない。
Notionに貼っておいても、結局そこから検索して引っ張り出すのが面倒で、新しく書いてしまう。
センスの問題じゃありません。
揮発するんです。
書いたそばから消えていく。
この問題を解決する方法が、意外なところから来ました。
ここからが本題です。
Google製DESIGN.mdが提示した「答え」——指示を設計仕様に変える
そんなときに出会ったのがこれでした。
Googleがオープンソースで公開している「DESIGN.md」という仕様。
元はコーディングエージェント向けで、AIにUIを作らせるときの「設計図ファイル」です。
これを画像生成プロンプトに翻訳したら、私の試行錯誤地獄が終わりました。
「え、コーディング用のツールが画像生成に?」と思いますよね。
でも、発想を聞いた瞬間に「あ、そういうことか」となる話です。
DESIGN.mdとは何か(30秒でわかる版)
DESIGN.mdは1つのMarkdownファイルです。
中身は2層構造になっています。
上半分にYAMLで「値」を書く。
色のHEX値、レイアウトの種類、フォントの指定。
下半分にMarkdownで「なぜその値なのか」を書く。
理由、背景、意図。
AIコーディングツールにこのファイルを読ませると、「値だけ」じゃなく「設計の意図」まで踏まえてUIを出してくれます。
コーディング側の話ですが、この発想を画像生成に持ち込んだのが今回の実験です。
二層構造の核心——「値」と「なぜその値か」を分けて書く
ここがミソなんですが、人間が後から見ても「なぜこの色なのか」がわかる。
これが画像生成にとってめちゃくちゃ重要でした。
プロンプトに #F4A261 とだけ書いてあっても、3ヶ月後の自分は意図を忘れています。
でも「親しみやすさを出すための暖色系。背景のオフホワイトと合わせて柔らかい印象を作る」と書いてあれば、新しいバリエーションを作るときも軸がブレません。
設計図と料理レシピの違いに似ています。
レシピは手順だけ。
設計図は「なぜその手順か」も書いてある。
実際にどう翻訳したのか、次のセクションでテンプレごと見てもらいます。
画像生成版DESIGN.mdを作ってみた
コーディング側の概念を画像生成側に翻訳すると、こんな対応関係になります。
これをYAML+Markdownにまとめると、画像生成プロンプトが「仕様書ファイル」になります。
コピペで使える画像生成版DESIGN.mdテンプレ
ここからが今日の主役です。
Midjourney、DALL-E、Stable Diffusion、どれでもそのまま使える汎用構造で書きました。
コピペして自分のブランドの値と理由を埋めるだけで、明日から使えます。
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style:
base: watercolor-painting
reason: "親しみやすさと手作り感を出すため。フラットなデジタル感を避ける"
palette:
primary: "#F4A261"
secondary: "#264653"
background: "#FAF3E0"
reason: "暖色系で柔らかい印象。背景はオフホワイトで主役を引き立てる"
composition:
layout: rule-of-thirds
subject_size: 60%
reason: "主役を画面の3分の2に置くと視線が安定する"
mood:
- calm
- artisanal
- approachable
forbidden:
- flat-design
- cyberpunk-neon
- corporate-gradient
---
## なぜこのスタイルなのか
ターゲットはAIに少し疎い40代のクリエイター。
フラットデザインや派手なグラデーションは「テック寄り」に見えて距離が生まれる。
水彩タッチは手書き感があり、AIで作っても冷たく感じにくい。
背景をオフホワイトに固定することで、主役の色が画面ごとにブレない。
## 使い分けのルール
- SNSアイコン系:subject_size を 80% に上げる(顔のアップ)
- バナー系:layout を golden-ratio に変える
- ストーリー素材:palette のprimaryを secondary と入れ替えるこのテンプレを使うときは、forbidden の3行が一番効きます。
「やってはいけないこと」を明示すると、AIが勝手にトレンドを足してくる事故が激減します。
YAML部分を自分のブランドの値に書き換えて、Markdownのなぜ部分に理由を1行ずつ足すだけ。
それだけで「仕様書」になります。
このテンプレが実際にどう効くのか、Before/Afterで見てもらいます。
Before/After——テンプレ前後で何が変わったか
実際にこのテンプレを使い始めてから、私の作業がどう変わったか。
Beforeの失敗パターン3つ
1つ目。
バリエーションが「世界観の違うもの」になる。
同じブランドの素材なのに、1枚目は水彩、2枚目はフラット、3枚目は3Dレンダリング。
チームに見せると「これ別案件ですか」と言われる。
2つ目。
過去のプロンプトを探せない。
Notionで「あの時うまくいった呪文」を検索して10分溶ける。
見つからずに新しく書く。
新しいプロンプトはまた違う仕上がりになる。
無限ループ。
3つ目。
人に渡せない。
「同じ感じで5枚追加お願い」と外注しても、相手は「同じ感じ」を再現できません。
私の頭の中にしか言語化がないから。
Afterの変化——「同じ世界観」が出るようになった瞬間
テンプレを導入してから、最初に驚いたのは「指示が短くなった」ことです。
プロンプト本文に書くのは「コーヒーを淹れる女性、横向き」みたいな主題だけ。
スタイル指定はDESIGN.mdファイルが受け持ちます。
歩留まりが体感で4倍以上に跳ね上がりました。
それより嬉しかったのは、外注したときの一致率です。
テンプレファイルを渡すだけで、別の人が作っても同じ世界観の素材が返ってくる。
ブランドの言語化が、自分の頭の外に出た瞬間でした。
「これ別案件ですか」と言われていたチームが、初めて「統一されてる」と言ってくれた。
その一言のために、ファイルを作る15分は安いと思っています。
画像生成プロンプトの仕様書管理——運用のコツと限界
このやり方、万能ではありません。
失敗例も晒しておきます。
seedと組み合わせるとさらに再現性が上がる
DESIGN.mdでスタイルを固定しても、AIは同じプロンプトから毎回違う絵を生成します。
ここに seed 値の固定を組み合わせると、もう一段階再現性が上がります。
Midjourneyなら --seed 12345 を末尾に付けるだけ。
Stable Diffusion系はUIのSeedフィールドに数値を入力する方式が基本です。
記法は違いますが、「毎回同じ乱数の出発点から始める」という仕組みは同じです。
ただし再現性の質が異なります。
Midjourneyのseedは「類似画像」を返す挙動で完全一致は保証されません。
Stable Diffusionは同一パラメータなら完全に同じ画像が再生成できます。
同じ「seed固定」でも、ツールによって得られる再現性の度合いは変わります。
DESIGN.mdが「スタイルの固定」、seedが「構図の固定」。
2軸で押さえると、ブランド素材の量産がかなり安定します。
壊れるとき——AIモデルアップデートとの戦い
正直に言うと、これでも壊れるときはあります。
一番厄介なのはモデルのアップデートです。
Midjourneyが以前バージョンアップしたとき、私のテンプレで作っていた画像の色味がかなり変わりました。
理由を書いてあるおかげで「palette.primaryを少し赤寄りに調整しよう」と判断はできたんですが、ファイル自体の更新作業は必要です。
バージョンが変わるたびにこれが来ます。
仕様書は「メンテナンスするもの」と思っておくと気が楽です。
書いて終わりじゃない。
でも、これは一度作ったファイルを更新する話。
ゼロから毎回考える状態と比べれば、天と地の差があります。
まとめ——「毎回プロンプトを考える」のをやめた
毎回ゼロから言語化していたのが嘘みたいに、いまは主題だけ書いて投げる作業になりました。
スタイルはファイルが覚えてくれている。
3ヶ月前の自分が書いた「なぜこの色か」を、いまの自分が信頼して使える。
センスじゃない、言語化だ。
そう言い続けてきた自分が、一番「言語化を揮発させていた」ことに気づいた経験でもあります。
まずはテンプレをコピペして、自分のブランドの値と理由を埋めてみてください。
15分で「自分専用の画像生成仕様書」ができます。
プロンプトを毎回考える時間より、よっぽど使える15分です。



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