AIに日記を覚えさせる費用は、誰が払うのか。

AI手帳術@ふみ
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毎日書いてきた日記アプリから「来月で無料プランが終わります」と通知が届いたら、どうしますか。AIジャーナリングアプリのRosebudが、2026年9月30日で無料プランを終えます。値上げのニュースとして流してしまうにはもったいない一件なので、「書いたものを覚えていてもらう費用」という角度から考え直してみます。

AI日記の無料プランが、9月30日で終わります

公式ヘルプのChanges to the Free Planに、2026年9月30日をもって無料プランを終了する、とはっきり書かれています。理由もぼかさずに書いてあって、記憶の仕組みを刷新したところ動かすためのリソースが大幅に増え、無料枠を持続的に提供できなくなった、という説明でした。

ここで真っ先に気になるのは、今まで書いたものが消えるかどうかですよね。同じページに、書いたものは何ひとつなくならないし、いつでも全部エクスポートできる、と明記されています。書き出しの形式はMarkdownで、設定画面のExportから一括で取り出せます。

つまり締切があるのは「無料で書き続けること」であって、「これまで書いたもの」ではありません。ここが分かっていると、残りの判断はずいぶん落ち着いてできます。日本語は正式に対応していて、言語設定を切り替えるとアプリの表示とAIの応答がまとめて日本語になる仕組みです。

何にお金がかかっているのか。

方眼ノートの見開きと、隣で光るスマホの吹き出し

日記アプリの料金というと、置き場所代のようなイメージを持ちがちです。でもAI日記で重いのは保存側ではなく、書いた文章を毎回読み込んで、前に書いたことと照らし合わせて返事を作る側です。

方眼ノートで考えると腹落ちしやすいと思います。ノート1冊は千円あれば買えて、書いたページは置いておくだけなら追加の費用がかかりません。負担が出るのは、半年分を読み返して「この話、3月にも書いていましたね」と気づく作業のほうです。

AI日記はその読み返し係を毎回雇っているようなもので、しかも過去が積み上がるほど読む量が増えます。Rosebudが「記憶の仕組みを良くしたら無料では回らなくなった」と説明しているのは、まさにこの部分の話でした。書いた量が増えて嬉しいのは自分だけで、コストのほうは黙って膨らんでいきます。

その費用は、これまで会社側が持ってくれていました。ここから先は、お金で払うか、自分の手間で払うかのどちらかになります。

課金して、記憶ごと預けるという選択

付箋を貼った手帳のページと、値札のような小さなタグ

有料プランのRosebud Bloomは、公式サイトでは月12.99ドル(約1,950円)、年間契約だと107.99ドル(約1万6,000円、月あたり8.99ドル)です。日本のApp Storeにも2,000円と15,000円のBloomが並んでいて、ドル建ての月額と年額にそれぞれ対応する水準になっています。日本語で書いて、日本円で払えます。

近いところの相場も並べておきます。

アプリ
無料でできること
有料プラン
Rosebud
2026年9月30日で終了
Bloom 月2,000円前後 / 年15,000円前後
Day One
記入数は無制限、ただし1台のみ
Silver 月1,500円 / 年8,000円、Gold 年12,000円
Mindsera
AI抜きの書く機能とエクスポート
Genius 月14.99ドル(約2,200円) / 年129ドル(約1万9,000円)

RosebudとDay Oneの円表記は日本のApp Storeでの価格、Mindseraは公式サイトのドル建てです。Day Oneは無料でも記入数に上限がなく、複数の端末で同期したい場合に有料になります。MindseraはAI機能がまるごと有料側にあって、無料のCuriousプランでもMarkdownとPDFで書き出せます。書くこと自体は無料、AIに読ませる部分から有料、という線の引き方はどこも似ています。

では月2,000円は高いのでしょうか。これは読み返す回数で決まると思っています。週次の振り返りで毎週開くなら1回あたり500円弱、年に数回しか読み返さないなら1回数千円です。手帳を最後のページまで書き切れた年に、何回過去のページをめくったか思い出してみると、自分の数字が出ます。

紙とテキストファイルに戻すなら、何を諦めるか。

紙の手帳を毎年買っている人には、ここが一番現実的な選択肢だと思います。書く体験はもともと紙のほうが気持ちいいですし、方眼ノートと万年筆に月額は発生しません。

ただ、諦めるものははっきりしています。思い出す係です。「去年の秋も同じことで悩んでいましたよ」と言ってくれる相手がいなくなるので、そこは自分の運用で埋めることになります。

やり方は2つあります。1: Rosebudから書き出したMarkdownを、クラウドのメモアプリか普通のフォルダに月ごとで置いておく。2: 紙の手帳側は、マンスリーページの端に「この月に考えていたこと」を一行だけ残して索引にする。読み返したくなったときに、フォルダの検索窓と手帳の索引のどちらからでも辿れる状態にしておくのがコツです。

費用はゼロですが、その代わり自分が月に数分の整理を払います。ではゼロ円で済むこちらが得なのかというと、そうとも限りません。この数分を払い続けられるかどうかが、このルートが1年もつかどうかの分かれ目になります。

ChatGPTに振り返りを積むと、どこまでできるか。

書き出したMarkdownを持っているなら、ChatGPTのプロジェクト機能に置いてしまう手もあります。プロジェクトは2025年9月から無料プランでも使えるようになっていて、添付できるファイル数や容量に上限はありますが、日記の振り返りくらいなら十分入ります。

やることはシンプルです。プロジェクトを1つ作り、書き出した日記ファイルを入れ、指示欄に 過去の記録を参照して、繰り返し出てくるテーマを指摘してください のように役割を書いておくだけです。週末にプロジェクトを開いて「今週はこんな感じでした」と打てば、蓄積を踏まえた反応が返ってきます。

では専用アプリと同じところまで任せられるのかというと、そこは差が出ます。毎晩の時間に自分から問いかけてはくれませんし、日記が増えるたびにファイルを自分で足さないと、AI側の記憶は先月で止まります。この更新の手間が、ここで払う費用です。逆に言えば、手動の更新を続けられる人には一番安く済むルートになります。

3つの分かれ目は、思い出す役をどこに置くかです

同じ「日記を続ける」でも、記憶を預ける先が違うだけで必要なものが変わります。条件で並べるとこうなります。

1: 毎週きちんと読み返す習慣がすでにあって、問いかけまで任せたい場合は、課金して預けるのが一番ラクです。月2,000円は読み返しの回数で割ると安くなります。

2: 書くこと自体が目的で、読み返しは年に数回でいい場合は、紙とMarkdownで足ります。索引の一行さえ残しておけば、必要なときに辿り着けます。

3: 読み返したいけれど固定費は増やしたくない場合は、ChatGPTのプロジェクトに自分で積むのが現実的です。更新の手間を払う覚悟だけ要ります。

決める前に、まずデータを書き出しておくことをおすすめします。9月30日までにMarkdownを手元に持っておけば、3つのどのルートにもあとから移れますし、決めきれないまま月末を迎えても困りません。手帳が1年続くかどうかが意志ではなく仕組みで決まるのと同じで、日記の記憶も、置き場所を決めた人のところに残ります。