給餌器もトイレも、バラバラだったペット家電がAIでつながり始めました

うちの子とAI@もふ
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@mofulog 5本

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家電は増えたのに、うちの子の記録はアプリごとに散らばったまま

自動給餌器、給水器、自動トイレ、見守りカメラ。

おうちに増えていくのはいいのですが、記録を確かめようとするとアプリを3つも4つも開くことになりませんか。

飲んだ水の量はこっちのアプリ、トイレの回数はあっちのアプリ、食べた量はまた別の画面。

並べて見比べるだけでひと仕事です。

家電はどんどん賢くなったのに、おうちの子の1日を通しで見られる画面だけが、いまだにどこにもありません。

その前提を崩しにかかる発表が、2026年9月、ベルリンでありました。

IFAベルリンで示されたPetSuperAi、5つのお世話家電の記録を1つにする構想

給餌器とトイレとカメラの記録がペット手帳に集まるイラスト

2026年9月2日、スマートペット家電のブランドPetSuperが、IFAベルリン2026への初出展を発表しました。

IFAは9月4日から8日まで開かれる世界最大級の家電見本市で、PetSuperのブースはH2.2-164です。

並ぶのは5製品、ごはんから見守りまでがひと通りそろう

会場に出るのはLitterGo(自動猫トイレ)、DryGo(ペット用乾燥ボックス)、FeedView(スマート給餌器)、HydriGo(スマート給水器)、ViGo(AIペットカメラ)の5製品です。

ごはん、水、トイレ、乾かす、見守る。

毎日のお世話がほぼ全部そろっています。

1台ずつ売る会社ではなく、家の中のお世話をまるごと埋めにきているのがわかります。

PetSuperAiはまだ製品ではなく、探っている段階です

正直に書いておきたいのがここです。

発表文でPetSuperAiに使われている言葉は「exploring(探っている)」でした。

デバイスが生む記録をどう分析すれば個体ごとの生活パターンの変化に気づけるか、その方向を探っている、という書き方です。

製品名も提供時期も価格も出ていないので、今日から使える機能ではなく、このブランドがどこを向いているかの表明になります。

その一方で、発表文にははっきり書かれています。

病気を診断したり健康状態を判定したりするものではなく、飼い主の判断を助けるためのものだ、と。

売り込みたいタイミングでこの線を先に引いているところは、私はけっこう好きです。

PetSuperのCEOで共同創業者のブライアン・フーさんは「ペットは、どこか変だと自分からは伝えられない」と話しています。

給餌や掃除を自動化するその先で、おうちの子が毎日出しているサインを飼い主が読めるようにする。

それが次の世代のペット家電だ、という主張です。

ここまでなら、よくある展示会の発表で終わる話です。

引っかかったのは、ほとんど同じことを言う会社を2週間前にも見ていたことでした。

PETKITに続く2社目、1社のPRではなく業界の流れになってきました

スマホの画面に複数のペット家電の記録が集まっていくイラスト

2026年8月18日、上海でPETKITが「Kitbo」というAIヘルスアシスタントを発表しています。

給水器の飲水量、給餌器の食事量、猫トイレの排泄記録を横断して読み込み、飼い主に言葉で返す仕組みです。

さかのぼると、PETKITは2026年1月のCESでも「AIエコシステム」を掲げていました。

並べると、こうなります。

時期
発表元
場所
打ち出した内容
2026年1月
PETKIT
CES 2026
給水器と給餌器とトイレの3台がアプリ上で1つの健康ダッシュボードになる
2026年8月18日
PETKIT
上海
Kitboが給水器と給餌器とトイレの記録を横断して読む
2026年9月2日
PetSuper
IFA 2026(ベルリン)
PetSuperAiが5カテゴリの記録から生活パターンを見る

1社が言っているうちは、そのブランドの売り文句です。

別の会社が2週間後に同じ絵を出してくると、話が変わります。

業界がそっちを向いている、ということだからです。

競争の軸がずれてきた、と言い換えてもいいかもしれません。

トイレが静かとか給餌器が詰まらないとか、単体の完成度を競っていた市場で、今は「記録をまとめる層を誰が握るか」が焦点になりつつあります。

飼い主から見れば、家電を選ぶ基準に「あとで記録がつながる側にいるか」が増える、ということです。

日本との違いは、測る道具を足すか、お世話家電が測るか

じゃあ日本は遅れているのかというと、そこは違います。

複数のデバイスを1つのアプリでまとめる仕組みなら、日本にもとっくにあります。

RABOのCatlogは、9グラムの首輪型デバイスが食事や水飲み、運動、睡眠、毛づくろいを拾い、トイレの下に敷くCatlog Boardが体重と尿量、尿の回数、便の量と回数を測ります。

記録は2つとも同じアプリに集まります。

犬用のPawlinqも2026年2月24日に出ていて、本体19,800円に月額1,180円です。

トレッタキャッツは猫トイレそのものがデバイスで、体重、尿量、尿の回数、入室回数、滞在時間、前回からの経過時間の6つを測ります。

多頭飼いでもAIの顔認識でどの子か見分けますし、複数のトイレを1つのアプリで管理できます。

違うのは統合しているかどうかではなく、そのデバイスがそもそも何をする機械か、でした。

ブランド
測る役目のデバイス
統合の範囲
Catlog(RABO)
首輪とトイレ下ボードの専用デバイス
行動と排泄を1つのアプリに集約
トレッタキャッツ
猫トイレ本体
複数のトイレを横断、多頭飼いも識別
PETKIT / PetSuper構想
給餌器、給水器、トイレ、カメラ、乾燥ボックス
毎日のお世話家電そのものが記録源になる

日本の2社は、おうちの子の生活に「測るための道具」を足す設計です。

首輪をつける、トイレの下に板を敷く。

測ることが本業のデバイスを増やしていきます。

PETKITとPetSuperが向かっているのは逆方向です。

もう部屋に置いてある給餌器やトイレが、お世話をするついでに測る。

飼い主は何も足していないのに、家電を買い替えるたびに記録の土台が厚くなっていきます。

どちらが優れているという話ではありません。

専用デバイスのほうが測れる項目は細かいですし、お世話家電まかせだと精度は機種次第です。

ただ、続けやすさの一点では後者がかなり強いと思います。

国内のペットテック市場は2030年に106億円、2024年比で73.8%増まで伸びると予測されています。

どちらの設計が主流になるかは、まだ決まっていません。

構想が届くのを待たずに、今日から記録を整えておく

PetSuperAiの日本語対応も発売時期も、2026年9月8日時点では何も出ていません。

給水器のような単体の製品は日本のネット通販でも見かけますが、5製品がそろって連携する状態にはまだ距離があります。

とはいえ、待つしかないわけでもありません。

記録の土台を先に作っておくと、あとでどの仕組みが来ても乗り換えが楽になります。

  • 今持っている給餌器や給水器の個体別アラート設定を見直す。飲水がない日が続いたら通知、のような機能が眠っていることがよくあります
  • 月に1回でいいので、各アプリの数値を同じ日付で並べてメモに書き写す。飲んだ水の量、食べた量、トイレの回数の3項目で十分です
  • 並べた数字をAIに渡して、先月と変わったところだけ挙げてもらう。診断はさせず、気になる点の洗い出しに使います
  • 気になる変化が出たら、そのメモを持って獣医さんへ。「いつから、何回、どのくらい」が答えられると診察が早く進みます

AIが出せるのは気づきのきっかけまでで、診断は獣医さんの仕事です。

PetSuperの発表文がわざわざ「診断するものではない」と書いているのも、たぶん同じ線引きだと思います。

家電がつながる日を待つあいだにできるのは、おうちの子の「いつも」を数字で持っておくこと。

仕組みがつながったとき、いちばん効いてくるのはたぶんそこです。