翻訳イヤホン比較、スマホの無料翻訳で足りる人と足りない人

Kaz
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この記事は、AI通訳イヤホン(翻訳イヤホン)と、スマホに入っている通訳機能を、使う場面ごとに比べたものです。翻訳機メーカーのTimekettle(タイムケトル)が新モデル「W4 Plus」をMakuakeで先行販売し、ITmedia PC USERが実測レビューを出しました。一方で、Google翻訳やAirPodsにも、イヤホンで訳を聞ける機能が入りました。

話す相手は誰で、どこで使いますか? Makuakeの先行販売で4万円台後半、一般販売で6万7999円の専用機が要るかどうかは、ほぼこの2つで決まるんですよね。

翻訳イヤホンを買う前に、スマホの無料翻訳で足りるか?

Google翻訳の「ライブ翻訳」は、2026年3月に日本で始まりました。iPhoneでもAndroidでも、イヤホンを着けてアプリの「ライブ翻訳」をタップすると、相手の話の訳を音声で聞けます。イヤホンの機種は問わず、70以上の言語に対応し、講演や動画を聞く用途も案内されています。

AirPodsのライブ翻訳は、2025年11月のiOS 26.1で日本語に対応しました。AirPods Pro 3、Pro 2、AirPods 4(ノイズキャンセリング搭載モデル)と、AppleのAI機能「Apple Intelligence」が動くiPhone(iPhone 15 Pro、15 Pro Max、iPhone 16以降の全モデル)が要ります。相手も対応AirPodsを着けていればお互いが自分の言語で聞け、着けていなければiPhoneの画面に相手の言語で文字起こしを出します。

Galaxy AI(SamsungがGalaxyのスマホに載せたAI機能)の通訳は、訳をスマホの画面とスピーカーに出します。Galaxy Budsを着ければ、自分はイヤホンで訳を聞き、相手には画面とスピーカーで伝えられます。

Google翻訳はイヤホンの機種を問わないので、スマホとイヤホンがあれば、追加の出費なしで今日から試せます。相手が何も着けずに済む短いやり取りなら、これで足りるはずなんですよね。足りなくなりやすいのは、相手にも訳を音声で聞かせて、腰を据えて長く話したいときです。僕ならまず手持ちで試して、足りないと感じたところで専用機を考えます。

比較する翻訳イヤホンと通訳機能の一覧

W4 Plusと前モデルのW4は、同じハードウェアです。違いは翻訳のソフトで、W4 Plusには、IT、製造、環境・エネルギー、医療・バイオの4分野に合わせた翻訳、自然な言い回しに整える「ネイティブ表現」、会話中の要約とAI議事録が加わりました。W4(4万1600円)は、W4 Plusの一般販売に合わせて販売を終える予定だと、ITmediaは伝えています。

オンラインなら、W4 Plusは52言語に対応します。国内版(Makuakeなどで日本向けに売るもの)は、全機能を月額料金なしで使えます。

製品・機能
価格
使う端末
相手への伝え方
オフライン
月額
W4 Plus
Makuake 4万8999円から(ITmedia掲載時)、一般販売予定6万7999円
iPhone、Android(PC不可)
片耳を渡す、またはスマホのスピーカー
日本語と組めるのは英語、中国語のみ
なし(国内版)
AirPods Pro 3+ライブ翻訳
3万9800円(発売時)
iPhone 15 Pro、iPhone 16以降
iPhoneの画面に文字起こし
言語をダウンロードすればiPhone上で処理
なし
Galaxy Buds4 Pro+Galaxy AI
4万1250円(発売時)
Galaxyのスマホ
スマホの画面とスピーカー
機内モードのスマホで動作
基本機能は無料
Google翻訳のライブ翻訳
アプリは無料
iPhone、Android
画面を上下に分けて双方の言語を表示、スマホのスピーカーにも出せる
公式で確認できず
なし

W4 Plusの価格はITmediaのレビューとTechno-Edge、Galaxyのオフラインは機内モードのスマホ単体で試したITmediaのレビューによります。

AirPodsのオフラインはAppleのサポート、Galaxy AIの料金はSamsungの案内によります。Google翻訳の相手への伝え方はSBbitの報道によります。

AI通訳イヤホンは、相手に片耳を渡すか画面を見せるか

展示会のカウンターで、イヤホンの片方を相手の手に渡す場面と、スマホの画面を相手に向けて訳を見せる場面

W4 Plusの看板は、イヤホンを片耳ずつ相手と分け合う「1対1通訳」です。充電ケースは左右に分かれるので、片側をケースごと相手に渡せます。ただしITmediaは相手役がおらず、このモードは試していません。

相手に何も着けてもらわない「切替通訳」もあります。相手の声はスマホのマイクで拾って自分のイヤホンに訳を流し、自分の言葉の訳はスマホのスピーカーから流します。AirPods、Galaxy、Google翻訳も、相手が何も着けていなくても使える点は同じです。相手が何も着けない使い方なら、無料の機能と仕組みは近く、W4 Plusならではの部分は、片耳を渡す1対1通訳と、専門分野に合わせた翻訳、会話中の要約になります。

僕が外せないと思うのは、初対面の相手に、耳に入れるものを渡せるかどうかです。あなたの相手は、イヤホンを受け取ってくれる人ですか? 片耳を渡せれば、お互いが画面を見ずに、自分の言語の音声で聞きながら話せます。腰を据えて話す取引先なら渡せても、立ち話の相手なら、画面かスピーカーで伝えるほうが現実的です。

通信のない場所で、翻訳イヤホンは数字を取り違えるのか?

展示会のカウンターで、メモ帳に金額を数字で書いて相手に見せている手元。横に機内モードのスマホ

通信が途切れる場所は、意外と身近にあります。飛行機の中、建物の奥の展示ホール、現地のSIMやWi-Fiを用意していないときは、つながらないことがあります。W4 Plusは、先に言語パック(通信なしで訳すためのデータ)を入れておけばオフラインでも訳せますが、日本語と組めるのは英語と中国語だけです。

ITmediaは、金額や「結構です」のような断りを含む12の日本語の例文を、英語に訳す向きで、専門分野をITに設定して2回ずつ読み上げて試しています。オンラインでは2回とも、12文すべてが意味の通る英語になりました。

オフラインでは、2回とも4文が崩れました。「4万7599円」は「4万759円」「47,59円」と認識され、「50台以上なら15%引き」は「50代以上」と聞き取られて、50歳以上が割引という意味の英語になっています。チェックアウトの延長を頼む文では、時刻が "12 AM"(深夜0時)と訳されました。

機内モードのGalaxy AIでも、同じ12文のうち4文が崩れています。ITmediaは、製品の差よりも、オンラインとオフラインの差のほうが大きいと見ています。Google翻訳のライブ翻訳は、オフラインでの対応が公式に案内されていないので、通信のない場所で使う予定があるなら、出発前に機内モードにして試しておくと安心です。

「じゃあ、数字はどうするの?」と思いますよね。商談で金額や台数がずれると、あとで困るのは自分です。金額、数量、時刻は、紙かスマホの画面に数字で書いて見せるのが確実で、どの製品を選んでも変わりません。

Web会議や動画は翻訳イヤホンで訳せるか?

W4 PlusはPCに対応していません。Web会議で双方向に話すなら、スマホかタブレットで会議に入り、電話・Web会議向けの「通話通訳」モードを使います。文の区切りがはっきりしていれば、話し終えてから訳が流れるまで1〜2秒でした(ITmediaの記者が1人で両方の役をした体感)。iPhoneでは、電話とFaceTimeでもライブ翻訳を使えます。

英語の動画は、W4 Plusの「音声・動画翻訳」モードで、スマホで再生した動画の訳を字幕として画面に重ねられます。字幕はほぼリアルタイムですが、訳の音声は9分37秒の動画で約2分遅れました(ネイティブ表現オフ、ITmediaの手動計測の目安)。

ITmediaが動画で試した結果では、ネイティブ表現をオンにすると話が短くまとめられて日本語訳は約5000字から約2000字に減り、発言が丸ごと抜けた箇所もありました。正確さが要るならオフにしておきます。

場面別、どの翻訳イヤホンを選ぶか

旅行で道や値段を聞くなら、まずGoogle翻訳のライブ翻訳です。iPhone 15 Pro以降とAirPods Pro 3、Pro 2、AirPods 4があればAirPodsのライブ翻訳、GalaxyのスマホならGalaxy AIの通訳からでも始められます。

取引先との商談でも、立ち話や初対面でイヤホンを渡しにくい相手なら、手持ちのスマホの機能で話の流れを追い、数字は書いて見せれば足ります。年に1〜2回の出張なら、まず無料の機能で1回使ってみて、足りなかった場面を確かめてから買っても遅くありません。

腰を据えて長く話す取引先で、相手にも訳を音声で聞かせたいなら、W4 Plusが候補に入ります。英語の動画や配信を字幕で見たい人にも向いています。Makuakeで買えば2027年1月末までに届く予定で、一般販売は2月初旬の予定です。

次の出張や旅行で、最初に話す相手は誰ですか? その人にイヤホンを渡して長く話すかどうかが、専用機を買うかの分かれ目です。

AI通訳イヤホンを使う前の注意

  • Makuakeの応援購入は12月7日までで、原則キャンセルできません
  • 国内版の「月額なし」は、サービスが継続する限りという条件付きです
  • ITmediaのW4 Plusの評価は、1対1通訳を含みません
  • W4 Plusの用語集(社名や製品名など、訳し方を決めておきたい言葉を登録する機能)は、日本語の用語を登録できません
  • 要約などの記録はアプリ内にだけ保存され、機種変更で引き継がれません
  • 中国本土ではGoogleのサービスにつながりにくいため、Google翻訳を頼りにする出張は、現地で使えるかを事前に確かめておきます