AI経由の問い合わせが増えたか聞かれるたびに、GA4のReferralを目視で拾ってた人には朗報です。
2026年5月13日、GA4にAI Assistantという新しいデフォルトチャネルが追加されました。
ChatGPTやGemini経由の流入がワンクリックで見えるようになった一方で、Perplexityが漏れる仕様や過去データを遡及しない設計は、社内報告に持ち込む前に押さえておきたいポイントです。
GA4に AI Assistant チャネルが増えた理由
博報堂DYホールディングスのAI検索白書2026によると、日本のAI検索利用率はプライベート用途で2025年3月の8.4%から11月に27.6%へ、ビジネス用途では9.4%から29.9%へ、8カ月で約3.5倍に伸びています。
Google検索結果に表示されるAI Overviewsも、同じく2025年5月の9%から11月に32%へ、半年で約4倍に拡大しました。
数字だけ見ても、AIアシスタント経由の流入をReferralの中で目視カウントする運用は、もう現実的じゃないんですよね。
Googleが2026年5月13日にAI Assistantチャネルを追加した背景は、この観測需要にツール側が追いついたと理解するとしっくりきます。
ChatGPT Gemini Claudeは拾えて Perplexityが漏れる仕様
Googleが公式に対応先として名指ししているのは、ChatGPT、Gemini、Claudeの3つです。
このチャネルの判定はリファラーヘッダー依存で、参照元がGoogleの管理する対応ドメインリストに合致した場合に限り、medium値ai-assistant、campaign値(ai-assistant)、チャネルAI Assistantが自動付与されます。
問題はPerplexity・Copilot・Grokといった他の生成AIツールの扱いです。
対応ドメインリストは非公開なので、「対応しているかもしれないし、していないかもしれない」というグレーな状態が続いています。
現時点でGoogleが名指ししている3つ以外は、基本的にReferralかDirectに混ざる前提で実装するのが安全です。
Before After Referral Directに埋もれていた数字が分離される
このチャネルが追加される前の運用を思い出すと、chatgpt.comはchatgpt.com / referral、gemini.google.comはgemini.google.com / referral、Claudeはclaude.ai / referralという形で、生成AI経由のトラフィックが個別ドメインごとにReferralにバラけていました。
さらにChatGPTのモバイルアプリなど参照元が渡らない経路はDirectに混ざるので、AI経由の合計値を出すには参照元カラムを毎回フィルタで絞る手作業が要る状態でした。
AI Assistantチャネル導入後は、対応3ツールの合計が単一行にまとまり、集客レポートを開けばAI AssistantがOrganic SearchやDirectと同じ粒度で1行に並びます。
社内共有時にフィルタ設定を説明せず、標準レポートのスクリーンショット1枚で済むのは大きな変化ですね。
ただし遡及処理は入らないので、5月13日以前の期間と比較したい場合は、旧レポートで手動集計する必要があります。
Perplexityの穴を埋めるカスタムチャネルグループの作り方
GoogleのAI Assistantが拾わない生成AIを合算で見たいなら、カスタムチャネルグループを1つ足すのが最短ルートです。
GA4の管理画面から「データの表示」→「チャネルグループ」→「新しいチャネルグループを作成」で自作できます。
セッションの参照元に対して、以下の正規表現を「一致」で当てるとPerplexity・Copilot・Grokあたりまでカバーできます。
chatgpt\.com|openai\.com|gemini\.google\.com|bard\.google\.com|copilot\.microsoft\.com|claude\.ai|perplexity\.ai|deepseek\.com|grok\.com|meta\.ai|you\.com配置順が重要で、この生成AIチャネルをReferralより上に置かないと、先にReferralルールが吸ってしまって分類が動きません。
gemini単独ではなくgemini\.google\.comのようにドット付きで書くのは、無関係な.aiドメインを大量に誤検知しないための基本ルール。
Google公式のチャネルと自作の拡張チャネルを並列で持っておくと、公式が対応ツールを追加した時の差分検証もやりやすくなります。
この数字を信じすぎない 3つの落とし穴
AI Assistantチャネルの数字は便利ですが、そのまま経営会議に出すと過大評価になる仕様がいくつかあります。
1: bot混入。
Googleはこのチャネルからbotリストを除外する処理を明示していないので、自動アクセスがそのまま数字に乗ります。
訪問数の絶対値だけで判断せず、コンバージョン率や1訪問あたり売上でbot影響を薄める運用が現実的です。
2: 過去データの非対応。
2026年5月13日より前のセッションはこのチャネルに再分類されないので、「今年に入ってからのAI流入推移」というグラフはそのままでは作れません。
3: アプリ内ブラウザとCookie同意モード。
ChatGPTのアプリ、SafariのプライベートブラウジングやCookie同意モード適用時にリファラーが落ちる経路は、すべてDirectに流れます。
計測できているのは実際のAI流入の一部、下限値、という前提で数字を扱うのが安全です。
「AI経由の訪問が先月より20%増えた」と社内で報告する時、この3つを注釈として添えるかどうかで、聞き手側の受け取り方はまるで変わります。
AIO投資の意思決定に使うデータの読み方
チャネルデータが揃うと、次に来る問いはほぼこの1つに集約されます。
「AIO予算、増やすべきか、様子見か」
実務で見ているのは3点です。
1: 訪問数の絶対値ではなく、コンバージョン率と1訪問あたり売上。
AI経由の訪問はまだ全体の1〜5%程度が多数派なので、絶対値で判断すると小さすぎて動けません。
代わりに「AI経由訪問の1件あたり売上」がOrganic Searchやその他Referralと比べてどう出るかを見ます。
これが上回っていれば、少ない訪問数でもコンテンツ側の投資判断が立ちます。
2: どのランディングページに落ちているか。
AI Assistantチャネルの上位ランディングページを抜くと、AI回答で引用されているコンテンツが逆引きで見えます。
3: LLMO計測ツールとの突き合わせ。
GA4は「AI経由で来た人が何をしたか」を測るツールで、「AIに引用されているか」は測れません。
引用の可視性はLLMOツール側で観測して、GA4のチャネルデータと突き合わせると、「引用されているのに流入が少ない」「引用は少ないのに流入が多い」というズレが見えて、施策の優先順位が立ちます。
そもそも自社の業種でLLMO投資が効くかどうか自体、事前に見極めておくと予算配分の議論が具体になります。
まとめ 今週やる3つ
最後に、今週中に片付けておきたい3つ。
1: GA4の集客レポートでAI Assistantチャネルが表示されているか確認する。
管理画面ではなく通常レポート側で見えます。
2: Perplexity・Copilot・Grokを合算したいなら、カスタムチャネルグループを設定する。
先ほどの正規表現をそのまま貼れば、10分で完了します。
3: 社内報告用のテンプレを更新する。
「AI流入の数字は下限値」「5月13日以前は非対応」の2つを注釈として入れておくと、後で誤解される事故が減ります。
計測基盤としては歯抜けが残っていますが、それでもAI経由の流入をチャネル1本で追える意味は大きいです。
まずはGA4を開いて、AI Assistantという行が出ているかを確認するところから始めるのが早いですね。





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