Tovelとは、商談の録音をCRM入力まで運ぶ承認制AIレコーダー

みほ
みほ

@mihonoblog 5本

サムネイル

商談そのものより、終わったあとの後追い作業のほうが長い日があります。

メモを起こしてCRMに入力して、見積の下書きを書いて、次回の日程を打診する。

そこにTovelという、録音から後追いを丸ごと拾い上げて、承認したものだけ実行するAIレコーダーが出てきました。

商談のあとに残る後追い作業が、一人分の仕事量になっている

初回のヒアリング商談って、話しながらメモを取るのがそもそも無理なんですよね。

相手の言葉を拾おうとすると会話が止まるし、会話に集中すると手が止まる。

だから私は録音だけ回しておいて、終わってから聞き直しています。

問題はそのあとです。

文字起こしを読み返して、CRMに案件レコードを作って、要件を整理して、見積の下書きを書いて、次回の日程をメールで打診する。

商談が45分でも、後追いだけで1時間近く持っていかれます。

しかもこれ、後回しにすると精度が落ちるんです。

翌日に回すと「たしか予算は年内って言ってたはず」みたいな記憶頼みの入力になって、あとで見返したときに使えないメモが残る。

うちの案件管理が一時期ぐちゃぐちゃになった原因、たぶんこれでした。

商談を録るツール自体は山ほどあります。

でも「録って要約する」までで止まるものが多くて、CRMへの入力とメールの下書きは結局こちらの手作業で残るんですよ。

Tovelとは、ボットを通話に入れずに録音するAIレコーダー

Tovelは、通話や打ち合わせを録音して、そこからアクション項目とCRMレコード、カレンダー予定を作るという製品です。

ポケットサイズの専用デバイスが付いてきますが、アプリだけでも録音を始められます。

読んでいていちばん目を引いたのが「No bot joins your call」、通話にボットを参加させないという一文でした。

オンライン会議のAI議事録ツールって、たいてい参加者リストに「◯◯のNotetaker」みたいなアカウントが増えるじゃないですか。

社内の定例なら誰も気にしませんが、初回商談の相手に「録画用のボットが入りますけど大丈夫ですか」を毎回聞くのは、小さい摩擦として積み上がります。

Tovelは端末側で録るので、通話の画面には何も現れません。

対面の商談でもオンラインでも同じやり方で録れる、というのが設計の起点になっています。

価格はプレローンチが約15,000円(99ドル)、正式ローンチ後は約24,000円(159ドル)。

差額の約9,000円が予約特典という位置づけです。

ただ、デバイス代とは別に月額がかかるのかは公式に記載がありません。

承認するまで何も動かない、という設計をどう見るか

Tovelの説明で繰り返し出てくるのが「Nothing is created or sent until you approve it」という一文です。

検出したアクションはいったんレビュー画面に溜まって、こちらが中身を確認して送り先を指定するまで、CRMにもカレンダーにも書き込まれません。

正直、ここが一番の判断材料だと思ってます。

全自動で動くほうが便利に見えますよね。

でも想像してみてください。

商談の終わり際の社交辞令だった「来月あたり一度お伺いします」を、AIが本気の予定として受け取って、相手のカレンダーに招待を飛ばす。

社内システムなら笑い話ですけど、初回商談の相手にやると信用の問題になります。

取り消しにくい操作は人間が通してから実行する。

AIエージェントに業務を任せるときの定石ですが、カレンダー招待もCRMのレコード作成もメール送信も、全部この「取り消しにくい」側です。

小さい会社ほどこの設計はありがたいと思ってて、理由は単純で、間違えたときに謝りに行くのが自分だからです。

承認を1クッション挟むぶん完全自動より手間はかかるんですけど、その手間は事故らないための保険料だと考えると安いほうです。

自分の会社に入れたら、商談後のCRM入力はどこまで消えるか

ここからは仕様から組み立てた想定の話です。

まだ手元に届いていないので、実測ではありません。

うちの初回ヒアリング商談で発生する後追いは、だいたい4つに分かれます。

  1. 案件レコードをCRMに作る(会社名、担当者、予算感、想定時期)
  2. 要件のメモを整理して社内に共有する
  3. 見積の下書きを作る
  4. 次回打ち合わせの日程をメールで打診する

Tovelの仕組みに当てはめると、1と4は録音から直接拾える範囲に見えます。

会話に出た会社名・予算・時期はCRMレコードの項目にそのまま入りますし、「来週あたりもう一度」という発言はカレンダー予定の候補になる。

承認画面で中身を見て、送り先を確認して、通すだけです。

2は要約自体は出るはずですが、社内が読める形に整えるのは結局こちらの仕事です。

3の見積は金額の判断が入るので、そもそもAIに任せる部分ではないと思ってます。

なので、後追い1時間のうち消えるのは20〜30分くらい、というのが今のところの皮算用です。

半分は残る。

この見立てが甘いか辛いかは、実際に触るまで分かりません。

ただ、消える候補が「いちばん面倒でいちばん後回しにしがちな部分」なのは大きいです。

CRM入力って、やらなくてもその日は困らないんですよ。

困るのは3ヶ月後なので。

日本語対応と連携状況、導入前に確認したい注意点

期待だけで書くとあとで自分が困るので、引っかかる点を並べます。

まず日本語です。

公式サイトに対応言語の記載がありません。

商談の文字起こしで日本語が実用水準に届いているかは、現時点で誰も確認できない状態です。

ここが弱いと、後追い作業が減るどころか修正作業が増えます。

次にCRM連携の状況。

公式の連携一覧にはHubSpotやSalesforce、Zoho CRM、Pipedriveなど多数が「対応済み」として並んでいます。

ただ、海外の製品レビューの時点で稼働が確認されていたのはHubSpotとGoHighLevelの2つで、Salesforceなどは開発中の扱いでした。

プレローンチの製品で公式の一覧と実際に動くものにズレが出るのは珍しくないので、自分が使っているCRMが本当に繋がるかは注文前に確認したほうがいいです。

それから録音の同意です。

Tovelには参加者全員が録音を承諾する確認モードがありますが、録音に関する法律や慣習は地域によって違うので、それを守るのは製品側ではなくユーザーの責任だと明記されています。

日本の商談で相手にどう断りを入れるかは、これまで通り自分たちのルールで決める話です。

最後にチームで使う場合。

従業員が自分の端末から録音を消しても、サーバー側のコピーは管理者の管理下に残ります。

管理者用のダッシュボードにはコーチングシグナルというフラグも出るそうですが、何を基準に立つのかは公開されていません。

一人で使うぶんには関係ないですけど、人を増やしたときに説明できないと揉めます。

PLAUDやNottaと並べて考える、小さい会社の現実的な選択肢

待つあいだの代替として現実的なのは、日本語で今日から使えるこの2つです。

ツール
録音の方法
製品の重心
専用デバイスまたはアプリ、ボット不参加
承認を挟んでCRMレコードとカレンダー予定まで運ぶこと
専用デバイス
録音デバイスの完成度と、文字起こしの分数プラン
ボット参加とデバイス録音を選べる
58言語の文字起こしと要約、日本語の商談もそのまま通せる

PLAUDもNottaも、録るところと要約するところは十分に強いです。

日本語で今日から使えるという意味では圧倒的に現実的。

ただ、その要約を見ながらCRMに手で入力する時間は変わらないんですよね。

Tovelが置き換えようとしているのはそこで、その代わり製品としてはまだ生まれたてです。

私の結論としては、今すぐ15,000円を払うのは早いと思ってます。

日本語対応と、自分のCRMが本当に繋がるかどうか。

この2つが確認できるまでは、ウォッチリストに入れて待つほうが安全です。

そのあいだにやっておくと効くのが、商談後の後追いを上の4項目みたいに分解して、それぞれ何分かかっているかを1ヶ月測ることです。

内訳さえ手元にあれば、Tovelでも他のツールでも「どこが消えてどこが残るか」の判断が一瞬で終わります。

ツールが先じゃなくて、自分の後追いの内訳が先なんですよ。