「この画面、どうやって戻るんだったかしら」
そう思ったとき、まっさきに浮かぶのは孫の顔ではないでしょうか。
その孫を呼ばずに済ませる方法が、実はもうお手元のスマホに入っていますよ。
同じことを孫に3回聞くのは、さすがに気が引けます
前に一度、教えてもらっているんです。
そのときは、ちゃんと分かったつもりでいました。
ところがひと月も経って同じ場面になると、指が止まってしまう。
孫のほうは「いいよ、何回でも聞いて」と言ってくれます。
それが本心なのも、ちゃんと分かっています。
でも、その「何回でも」が3回目に差しかかるあたりで、こちらが先に遠慮してしまうんですね。
困っているのは操作そのものより、あと何回聞けるだろうと数えてしまうことのほうです。
その数を気にしなくていい相手が、今は、すぐそばにあります。
困りごとを抱えているのは、シニアの7割を超えています
MMD研究所が2024年の暮れに、60代から70代でスマホをお持ちの1,200人へ聞いた調査があります。
スマホでトラブルや困りごとを経験したことがある人は、72.4パーセントでした。
10人のうち7人です。
中身でいちばん多かったのは「機能を使いこなせていない」で、43.9パーセント。
では、困ったときに誰へ相談しているのか。
同居している家族が31.9パーセント、通信会社のお客様窓口が27.9パーセント、離れて暮らす家族が21.6パーセントでした。
いちばん多い「同居している家族」でも、3割ちょっとなんですね。
ドコモのモバイル社会研究所が全国の60歳から84歳の方1,130名を訪ねて聞いた調査でも、70代の約6割、80代の約7割が「スマホを使いこなせていない」と感じていました。
もう一つ、目を引いた数字があります。
ネオマーケティングが今年の4月に60歳から75歳の500人へ聞いたところ、スマホの操作で困ったときの相談先は「インターネットで調べる」が43.2パーセントで1位でした。
「家族(子ども・孫)」の39.8パーセントを、すでに追い越しています。
家族に聞くのが当たり前という時代のほうが、そろそろ変わってきているようです。
孫に聞くのと、AIに聞くのとでは、聞ける回数が違います
「それ、この前も教えたよ」
この一言が、いちばんこたえるんですよね。
孫は前に教えたことを覚えていますから、こちらは自然と、あと何回までなら許されるかを数えるようになります。
AIのほうは、前に何を聞いたかを持ち越しません。
3回目だろうと10回目だろうと、最初と同じ調子で答えてくれます。
ため息もつきませんし、忙しそうな素振りも見せません。
時間を選ばなくていいのも、ありがたいところです。
夜中の11時にふと思い出しても、朝まで待たずに済みます。
ただ、いいことばかりではありませんよ。
AIも間違えます。
言われたとおりに押しても、そのとおりの画面が出てこないことはあります。
そのときは「その画面は出てきませんでした」と、そのまま言い返してください。
たいていは、別のやり方を出し直してくれます。
呆れられない相手ができると、聞くことそのもののかまえが変わってきますよ。
文字を打たなくても、話しかけるだけで聞けます
小さな文字を打つのが億劫で、それだけで聞くのをやめてしまう。
声で聞けるなら、その手前の面倒がまるごとなくなります。
やり方はこれだけです。
- ChatGPT(チャットジーピーティー)のアプリを開く
- やりとりの画面の右下あたりにある、音の波のような形のマークを押す
- マイクを使ってもいいですかと聞かれたら「許可」を選ぶ
- あとは、いつもの声で話しかける
Androidをお使いなら、Gemini(ジェミニ)というアプリでも同じように声で話しかけられます。
聞き方に、決まった言い回しは要りません。
難しい言葉を使う必要もありません。
「スマホの画面の下のほうに、青い丸の中に白い矢印みたいなものが出ているんですが、これは何ですか」
これくらいの調子で構いません。
見えているものをそのまま口に出せば、ちゃんと通じます。
ひとつ、はっきりさせておきたいことがあります。
無料のままでできることと、できないことがあるんです。
- 声での会話は、無料のままできます
- 写真を送って見てもらうのも、無料でできます(枚数には上限があります)
- 今見ている画面をそのまま相手に映して見せる機能は、有料の契約をした方だけです
ですから画面を見てもらいたいときは、その画面を写真に撮ってから送る、という順番になります。
LINEも写真の整理もアプリの更新も、同じように聞けます
「LINEでビデオ通話をかけたいのに、どこを押せばいいか分かりません」
こう言えば、押す場所を順番に教えてくれます。
一度で覚えられなくても、また同じことを聞けばいいんです。
「写真がいっぱいで、これ以上撮れませんと出てきました」
これなら、どこから減らせばいいか、消してはいけないものは何かまで説明してくれます。
「アプリを更新してくださいと出ているんですが、押しても大丈夫でしょうか」
押していいものかどうかの見分け方も、一緒に返ってきます。
どれも、孫を呼びつけるほどではないけれど、自分ひとりでは決めきれない。
そういう、あいだの困りごとなんですよね。
それでも分からないときのために、無料の教室もありますよ。
総務省が進めている取り組みで、全国の携帯電話のお店や公民館でスマホ教室が開かれています。
何度でも受けられて、費用はかかりません。
事前の申し込みが要りますから、お近くの開催を調べてからお出かけくださいね。
無料で試せるうちに、一度だけ声に出してみませんか
本当に困ってから初めて話しかけるのでは、たいてい慌てます。
ですから、何ごともない今のうちに、一度だけ試しておいてください。
聞くことは、なんでも構いません。
「スマホの文字を大きくしたいんですが、どうすればいいですか」
これくらいで十分です。
声が届いて、返事が返ってくる。
その往復を一度でも味わっておくと、次に本当に困ったときの一歩が、ずいぶん軽くなります。
かかる時間は1分もありませんよ。
そして、その1分のあとに残るのは、操作の知識よりも、何度聞いてもいい相手ができたという感覚のほうだと思います。



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