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正確さが命の仕事で、もう少しだけ余裕がほしい ― 金融・銀行のAI活用プロンプト

なごみ
なごみ

2026/03/10

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ある支店の若手行員が言った。

「稟議書を2時間かけて書いて、上司に差し戻されて、また2時間。お客様のところに行く時間がどんどん減るんです」

金融機関の仕事は、正確さが求められる。数字も、書面も、説明も。ミスが許されない分、確認に時間がかかる。確認に時間がかかる分、お客様と向き合う時間が減る。

AIにお金を扱う判断はさせられない。コンプライアンスの最終判断も人間の仕事。
でも「稟議書の構成」「研修資料の下書き」「商品説明のわかりやすい言い換え」なら、お客様の前に座る時間を増やせる。

窓口で使う

金融商品をわかりやすく説明する

パンフレットの言葉は、お客様には届かない。

以下の金融商品の説明を、窓口でお客様に伝えるイメージで書き直してほしい。

■ 商品名/種類: [投資信託/定期預金/保険/ローンなど]
■ 商品の特徴: [専門的な説明を貼り付け]
■ お客様の属性: [年齢層/投資経験/リスク許容度]

以下を出して:
- 一言で言うと(専門用語なし、20字以内)
- お客様に伝える説明(100字程度、話し言葉で)
- 「こんな方におすすめ」(3パターン)
- リスクの伝え方(正直に、でも過度に怖がらせない)
- よくある質問と回答 3つ

※金融商品の説明は、金融庁のガイドラインに沿った最終確認が必要です。

クレーム対応の初動を整理する

「説明が足りなかった」と言われたとき。

以下の窓口クレームへの対応スクリプトを整理してほしい。

■ クレームの内容: [商品に関する不満/手続きの遅れ/説明不足/態度への不満]
■ お客様の状態: [怒っている/困惑している/冷静に訴えている]
■ 事実関係: [わかっている範囲で]

以下を出して:
- 最初の30秒で言うべきこと(まず何をするか)
- 状況を確認するための質問の順番
- 説明・謝罪のポイント
- エスカレーション(上席に引き継ぐ)の判断基準
- 対応後の記録に書くべきこと

営業で使う

法人訪問の事前準備

何も調べずに行くのは失礼。でも調べる時間がない。

以下の法人訪問の事前準備を手伝ってほしい。

■ 企業の概要: [業種/規模/地域]
■ 当行との取引状況: [融資/預金/給振/外為など]
■ 訪問の目的: [定期訪問/融資提案/新規取引/関係構築]

以下を出して:
- 訪問で確認すべきこと(5つ)
- 聞くべき質問(経営者の関心を引くもの)
- 提案できそうなサービスの候補
- 「他行も使っている」と言われた場合の切り返し
- 訪問後のフォローアクション

融資提案のトークを組み立てる

「うちは借金はしない主義」を動かすには。

以下の法人融資提案のトーク構成を考えてほしい。

■ 企業の状況: [業種/資金ニーズの背景]
■ 融資の想定内容: [設備投資/運転資金/事業拡大/借り換え]
■ 金額感: [概算]
■ 想定される課題: [金利/担保/返済計画]

以下を出して:
- 話の切り出し方(いきなり融資の話をしない)
- 「なぜ今、融資を使うべきか」のロジック
- 他行との差別化ポイントの伝え方
- 経営者が気にするポイントへの回答
- クロージング(次のステップに進めるための一言)

決算書を読み解くポイント

数字の裏にある「経営の状態」を読む。

以下の決算データから、融資判断・営業提案に使える分析ポイントを整理してほしい。

■ 業種: [業種]
■ 主な財務数値:
  - 売上高: [金額]
  - 営業利益: [金額]
  - 経常利益: [金額]
  - 借入金: [金額]
  - 自己資本比率: [%]
  (その他: [あれば])
■ 分析の目的: [融資審査/定期報告/営業提案]

以下を出して:
- 主要な経営指標の計算と読み方
- この企業の強みと弱み
- 業界一般的な水準との比較の視点
- 融資判断で注目すべきポイント
- 経営者との面談で使える「質問のネタ」

事務・バックオフィスで使う

稟議書を通りやすく書く

「何が言いたいのかわからない」と言われない稟議。

以下の案件の稟議書の構成を考えてほしい。

■ 案件の概要: [何を決裁してほしいか]
■ 金額: [金額]
■ 背景・理由: [なぜ必要か]
■ 期待効果: [どんなメリットがあるか]
■ リスク: [想定されるリスク]

以下を出して:
- 稟議書の構成(決裁者が3分で判断できるように)
- 件名(一目で内容がわかるもの)
- 概要(3行で要点)
- 背景・必要性の書き方
- 費用対効果の示し方
- リスクと対策
- 「結論→理由→補足」の順番で整理

報告書を1ページにまとめる

「で、結論は?」と言われるその前に。

以下の情報から、上席への報告書を作ってほしい。

■ 報告の内容: [何について報告するか]
■ データ・事実: [箇条書きで]
■ 報告先: [支店長/部長/本部など]
■ 求められるアクション: [承認/検討/共有]

以下を出して:
- サマリー(3行で結論)
- 現状分析(事実ベースで)
- 課題とリスク
- 対策案(選択肢があれば複数)
- 次のアクションと期限

※1ページ以内に収まる量で。

マニュアル改定の周知文

「マニュアル変わりました」だけでは誰も読まない。

以下の業務マニュアル改定の周知文を作ってほしい。

■ 改定の内容: [何がどう変わったか]
■ 改定の理由: [なぜ変えたか]
■ 対象者: [全行員/特定の部署]
■ 施行日: [日付]

以下を出して:
- 周知メールの本文
- 「何が変わるの?」を3行で
- 改定前→改定後の対比(わかりやすく)
- FAQ(「今までのやり方でもいい?」等)
- 問い合わせ先の案内

人を育てる

コンプライアンス研修の構成

「やらされ感」のない研修をつくる。

以下のテーマでコンプライアンス研修の構成を考えてほしい。

■ テーマ: [反社会的勢力対応/個人情報保護/インサイダー取引/マネロン対策など]
■ 対象: [新人/全行員/管理職]
■ 時間: [○分]
■ 課題: [形骸化している/参加者が眠そう/実務に結びつかない]

以下を出して:
- 研修の構成(時間配分つき)
- 導入(「なぜこの話が自分に関係あるか」の伝え方)
- 事例(「こんなとき、あなたならどうする?」のケーススタディ)
- 判断に迷う場面のシミュレーション
- 受講後に「1つだけ覚えておいて」のまとめ

1on1で部下の本音を引き出す

「特にありません」で終わらない面談を。

部下との1on1面談で使う質問リストを作ってほしい。

■ 部下の状況: [若手/中堅/管理職候補]
■ 確認したいこと: [業務の負荷/キャリアの希望/人間関係/モチベーション]
■ 最近の変化: [異動があった/目標未達/好調/特になし]

以下を出して:
- 業務について聞く質問(3問)
- 成長・キャリアについて聞く質問(3問)
- 職場環境について聞く質問(2問)
- 本音を引き出す質問(2問)
- 「聞いてはいけない質問」「こう聞くと閉じてしまうNG例」

評価フィードバックの伝え方

「あなたの評価はBです」。その先が大事。

部下への評価フィードバック面談の進め方を整理してほしい。

■ 評価結果: [良好/期待通り/改善が必要]
■ 良かった点: [具体的に]
■ 改善してほしい点: [具体的に]
■ 来期の期待: [何を求めるか]

以下を出して:
- 面談の流れ(時間配分つき)
- 良い点の伝え方(具体的に、本人が納得できるように)
- 改善点の伝え方(傷つけずに、でも明確に)
- 来期の目標設定の進め方
- 面談後のフォロー

「頑張ってね」で終わらない、具体的なフィードバックを。

金融機関でAIを使うときの鉄則

  1. 顧客情報は絶対に入力しない ― 口座番号、取引内容、個人情報は一切入れない。「50代経営者、製造業」程度の属性情報まで
  2. コンプライアンスの判断はAIに任せない ― 法令、規制、金融庁のガイドラインは自分で確認。AIは「整理のツール」
  3. 稟議書も提案書も「たたき台」 ― AIが作った文章をそのまま使わない。内容を確認し、自分の言葉に直してから提出する

正確さが求められる仕事だからこそ、「正確さ以外のところ」で楽をする。
浮いた時間は、お客様の話を聞くことに使う。

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