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クレーム対応に毎月40時間。でも「ちゃんと対応できた」と思えるのは何回? ― クレーム対応のAI活用プロンプト

なごみ
なごみ

2026/02/28

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クレーム対応に費やす時間を計算したことがあるだろうか。

初動の電話やメール対応に30分。社内での事実確認に30分。お詫びの文面作成に30分。上司への報告に20分。再発防止策の整理に30分。フォローアップに20分。1件のクレームに、ざっと2〜3時間。月に15件あれば、40時間近くになる。

しかも、その40時間が全て「自信を持って対応できた」時間かというと、そうでもない。「この対応で合っていたのだろうか」「お客様は本当に納得してくれたのだろうか」とモヤモヤする時間も含まれている。

AIにお客様の怒りを受け止めることはできない。電話越しの声のトーンから「この方は怒っているのではなく、不安なんだ」と察することも、「申し訳ございません」の後の沈黙を待つことも、人にしかできない。

でも「初動の対応文面」「報告書のフォーマット」「再発防止策の整理」なら、「目の前のお客様に集中する」時間を増やせる。

初動で8割決まる

最初の返信を「テンプレに見せない」

お客様は「テンプレで返された」と「ちゃんと読んでくれた」を敏感に見分ける。

以下のクレームへの初動返信を書いてほしい。

■ クレーム内容: [何が起きたか]
■ お客様の状態: [怒っている/困惑している/冷静に指摘/不安そう]
■ 事実確認: [済み/まだ/一部わかっている]
■ 連絡手段: [メール/電話の折り返し/チャット]

条件:
・「この件について」と個別の内容に言及する(テンプレに見えないように)
・何に対するお詫びかを明確にする
・現在の状況を正直に伝える(調査中なら「調査中」と)
・次のアクションと時間の目安
・「放置されている」と感じさせない

3パターン出して。状況に合わせて選べるように。

電話対応の「最初の30秒」

お客様の怒りが最大なのは、電話をかけてきた最初の30秒。

クレームの電話対応の冒頭トークを考えてほしい。

■ クレームの種類: [製品不良/サービス不満/対応への不満/請求ミスなど]
■ お客様の温度感: [かなり怒っている/冷静に指摘/不安・困惑]
■ こちらの状況: [非がある/非がない/まだわからない]

以下を出して:
- 最初の一言(「お電話ありがとうございます」の後)
- お客様の話を聞くときのあいづちフレーズ(5つ)
- 話を遮らずに要点を整理するテクニック
- 「申し訳ございません」のバリエーション(状況に応じて使い分け)
- お客様の怒りが和らぐ「ひと言」(3つ)
- 電話を切る前に必ず確認すること

最初の30秒で「この人はちゃんと対応してくれそう」と思ってもらえる対応で。

クレームの種類別対応

製品・サービスへのクレーム

「思っていたのと違う」から「壊れた」まで。

製品/サービスへのクレーム対応の文面を作ってほしい。

■ 製品/サービス: [名前]
■ クレーム内容: [不良/不具合/期待と違う/使い方がわからないなど]
■ 原因: [判明している/調査中]
■ 対応方針: [交換/修理/返金/説明/お詫び]

以下を出して:
- お客様への返信(原因が判明している場合)
- お客様への返信(調査中の場合)
- 交換/返金/修理それぞれの説明テンプレ
- 「お客様の使い方の問題」だった場合の伝え方(責めない)
- フォローアップ(対応後の確認連絡)

対応・接客へのクレーム

スタッフの態度、説明不足、待ち時間。モノではなく「人」へのクレーム。

接客・対応へのクレーム対応を考えてほしい。

■ クレーム内容: [態度が悪い/説明不足/約束が違う/たらい回しなど]
■ 事実確認の結果: [スタッフに非がある/誤解がある/双方に問題がある]
■ お客様が求めていること: [謝罪/説明/担当者変更/上の人と話したい]

以下を出して:
- お詫びの文面(何に対して謝っているか明確に)
- 事実関係の説明(「スタッフを責めている」と見えない形で)
- 改善策の提示(「気をつけます」ではなく具体的に)
- スタッフを守りつつお客様にも誠意を見せるバランス
- 「上の者に代わります」のタイミング判断基準

人の問題は、仕組みの問題として対応する。

「言った言わない」のクレーム

記録がない。証拠がない。でもお客様は「聞いてない」と怒っている。

「言った言わない」のクレームへの対応を考えてほしい。

■ お客様の主張: [「○○と言われた」「聞いてない」など]
■ こちらの記録: [記録がある/ない/曖昧]
■ 実際のところ: [こちらに非がある/お客様の記憶違い/不明]

以下を出して:
- 「記録にはこうなっています」の伝え方(お客様を嘘つき扱いしない)
- お互いの認識をすり合わせる方法
- 記録がない場合の対応(「確認できませんでした」の先)
- 落としどころの見つけ方
- 今後「言った言わない」を防ぐ仕組み

社内を動かす

エスカレーションを「次の人が動きやすく」する

引き継ぐとき、情報が足りないと二度手間になる。

クレームのエスカレーション文を作ってほしい。

■ クレーム概要: [何が起きたか]
■ お客様の状況: [温度感、要望]
■ これまでの対応: [時系列で]
■ エスカレーション理由: [権限外/専門知識が必要/お客様が「上の人を」と要求]

以下の構成で:
- 概要(3行で状況がわかる)
- 経緯(時系列)
- お客様の要望と温度感
- 現時点の対応状況
- エスカレーション先に求めること
- お客様に伝えている内容(齟齬が出ないように)

「この情報があれば、すぐ対応を引き継げる」フォーマットで。

クレーム報告書で「次」を変える

同じクレームを二度起こさないために。

クレームの社内報告書を作ってほしい。

■ 発生日: [日付]
■ クレーム内容: [何が起きたか]
■ 原因: [なぜ起きたか]
■ 対応: [何をしたか]
■ 結果: [解決したか、お客様の反応]

構成:
- 概要(3行で)
- 経緯
- 原因分析(「誰が悪い」ではなく「何が足りなかったか」)
- 対応と結果
- 再発防止策(具体的な仕組みの変更)
- 他のケースへの横展開(「同じことが起きうる場面」)

犯人探しではなく、仕組みの改善につなげる報告書で。

クレームを「資産」にする

クレームデータから改善点を見つける

クレームは「お客様が教えてくれた改善点」。

以下のクレームデータを分析して、改善につなげてほしい。

■ 期間: [○月分]
■ クレームの傾向:
[カテゴリ別の件数や内容を箇条書き]

以下を出して:
- クレームの傾向分析(何が増えている/減っている)
- 根本原因の推定(表面的な原因の裏にあるもの)
- 優先的に対策すべき3つ
- 短期的にできること(来月から)
- 中長期的に取り組むべきこと
- 「クレームゼロ」ではなく「同じクレームゼロ」の目標設定

クレームを減らすのではなく、クレームから学ぶ分析で。

クレーム対応でAIを使うときの絶対ルール

  1. お客様の個人情報は絶対に入れない ― 氏名、連絡先、注文番号、クレームの詳細な発言内容はNG。「40代女性、製品の不具合に怒っている」程度で
  2. AIの返信文をそのまま送らない ― 特にクレーム対応は、一言の違いで印象が変わる。「申し訳ございません」の前後を、必ず自分の目で確認する
  3. 対応のスピードが上がった分、「丁寧さ」を上げる ― 5分早く返信できるようになったら、その5分で「もう一言、添えるべきことはないか」を考える。それがクレーム対応の質を変える

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