9月24日でSora 2のAPIが止まります。OpenAIの廃止予定表には移行先の欄があるんですが、Sora 2の行だけハイフン1つで空っぽのままです。
つまり公式の「ここに乗り換えてね」が存在しないので、縦型15〜30秒を作ってきた人は自分で移動先を決めるしかありません。今溜まっているプロンプトを、どこに、どう書き直して持っていくかの話をします。
9月24日に消えるのは、何か。
Videos APIと、Sora 2系のモデル全部です。
sora-2sora-2-prosora-2-2025-10-06sora-2-2025-12-08sora-2-pro-2025-10-06
告知が出たのは3月24日なので、猶予はきっちり半年ありました。アプリとWeb版のほうはもっと早く、4月26日の時点ですでに閉じています。残っていたAPIが今月で最後、という順番です。
「じゃあOpenAIの別の動画モデルに移ればいいのでは?」と思いますよね。それが無いんです。廃止予定表の推奨移行先が空欄なのは、社内に受け皿がないという意味なので、移る先は他社から選ぶことになります。
30秒の縦型を1本で出し切れるツールは、もうない
先に期待値を下げておきます。Sora 2で30秒を1本まるごと出していた人、たぶんいないはずです。Sora 2が出せたのは4〜12秒で、縦型は9:16の720pか1080p。30秒のリールを作るなら、もともと3本くらいつないでいたはずなんです。
じゃあ移行先には30秒を一発で出せるものがあるのか。無いです。いちばん長いKling 3.0とSeedance 2.0で15秒、Runway Gen-4.5が10秒、Veo 3.1は8秒まで。つなぐ前提は変わりません。
ここが移行のいちばん大事なところで、書き直す対象はツール名ではなく「尺の割り方」です。12秒で書いていた指示を8秒に押し込むと、カメラの動きと会話のどちらかが確実に入りきらなくなります。何を捨てるかを先に決めておくと、移行が一気にラクになります。
移行先5つ、縦型ショートで使えるのはどれか
縦型9:16はさすがに5つとも対応していました。差が出るのは尺と、参照素材の受け取り方です。
1. Kling 3.0、尺がいちばん長い
3〜15秒で指定できて、スマートストーリーボードを使うと1回の生成の中に最大6カット入ります。30秒を2本で組める計算になるので、つなぎの回数がいちばん少なく済みます。
サブスクはStandardが月10ドル、日本円だと約1,500円からです。
2. Veo 3.1、音がついてくる
4秒、6秒、8秒のクリップを16:9か9:16で出します。尺は短いんですが、音声が追加料金なしで一緒に生成されるのが他と違うところ。環境音やセリフを別で足す工程が丸ごと消えます。
料金は1秒あたりで、標準が0.40ドル(約60円)、Fastが720pで0.10ドル(約15円)、Liteが720pで0.05ドル(約7.5円)。同じ8秒でも8倍違うので、テスト回しはLite、本番だけ標準、みたいな使い分けが前提になります。
3. Runway Gen-4.5、1枚から動かす
2〜10秒、720x1280の縦型に対応しています。最初のフレームに画像を渡せるので、サムネ用に作った1枚をそのまま動かす流れが組みやすいです。
APIは1秒あたり12クレジットで、1クレジット0.01ドル。つまり1秒0.12ドル(約18円)とわかりやすい。
4. Pika 2.2、縦横比の選択肢が広い
5〜10秒で、縦横比は16:9、9:16、1:1、4:5、5:4、3:2、2:3の7種類。TikTokとReelsとフィード投稿で比率を変えたいときに、切り抜き直さなくていいのが効きます。
サブスクはStarterが月10ドル(約1,500円)で900クレジット。API経由だと5秒720pで0.20ドル(約30円)、1080pで0.45ドル(約68円)です。
5. Seedance 2.0、参照素材を大量に渡せる
4〜15秒で、画像9枚、動画3本、音声3本を1リクエストに同時に入れられます。プロンプトの中で@Image1のようにラベルで名指しできるのが特徴で、「この顔でこの服でこの場所」を素材で指定できます。
料金は720pで1秒あたり0.3024ドル(約45円)。動画を参照に入れると0.1814ドル(約27円)に下がる料金設計になっています。
Sora 2のプロンプトは、どこを書き直すか。
「同じ文章をコピペしたら動くんじゃないの?」と思いますよね。動くには動きます。ただ、直さないと確実にズレるところが3箇所あります。尺、音、参照です。
Sora 2に投げていた文章、だいたいこんな感じだったはずです。
夕方の屋上、白いパーカーの女の子がフェンスにもたれてカメラを見る。
風で髪が揺れる。カメラはゆっくり寄ってから引く。
遠くに電車の音。彼女が「まだ間に合うよ」と言う。
縦型9:16、12秒。12秒の中に、寄りと引きのカメラワークとセリフが全部入っています。これを移すときの直し方が、ツールごとに変わります。
Veo 3.1に持っていくなら、まず8秒に収まるように削ります。カメラを寄りだけにして引きを捨てるか、セリフを残してカメラを固定にするか。そして音は「遠くに電車の音」と書いたまま残します。ネイティブで音が出るので、ここは消すと逆にもったいない。
夕方の屋上、白いパーカーの女の子がフェンスにもたれてカメラを見る。
カメラがゆっくり寄る。風で髪が揺れる。
彼女が「まだ間に合うよ」と静かに言う。遠くで電車が通る音。
9:16、8秒。Kling 3.0なら逆に、尺をそのまま伸ばしたうえでカット割りを書き足します。1回の生成でカットを割れるので、寄りと引きを2カットとして明示したほうが指示が通ります。
9:16、15秒。夕方の屋上。
カット1、フェンスにもたれた白いパーカーの女の子にゆっくり寄る。
カット2、同じ人物のまま引いて、空と街を画面に入れる。
カット1でセリフ「まだ間に合うよ」。Runway Gen-4.5に持っていくなら、文章から「見た目の描写」を抜いて画像にします。白いパーカーの女の子を1枚作って最初のフレームに渡し、プロンプト側には動きだけを書く。10秒上限なのでセリフは短いものだけ残します。
要するに、Sora 2向けに書いた1本の長文を、尺の指定・音の指定・見た目の指定に分解して、ツールごとに配り直す作業です。文章を書き直すというより、荷物を詰め替える感覚に近いです。
キャラの顔が毎カット変わる問題をどうするか。
30秒を3本に割った瞬間、同じ女の子のはずなのに2本目で別人になる。つなぐ前提の作り方で、いちばん引っかかるのがここです。
じゃあどう止めるのか。入口は各社でけっこう違います。
- Seedance 2.0は参照画像を9枚まで渡して、プロンプト内で
@Image1と名指しする。顔の素材を複数の角度で持っておけるので、カットをまたいでも寄せやすい設計です。 - Kling 3.0はエレメントライブラリに被写体を登録しておく方式。毎回プロンプトに顔の描写を書き直さなくて済みます。
- Runway Gen-4.5とVeo 3.1は、最初のフレームに同じ人物の画像を渡すのが基本の型。前のカットの最終フレームを書き出して次のカットの1枚目にする、という手作業が現実的な運用になります。
顔を安定させたい動画が多いなら、参照の枚数を増やせるツールを選ぶのが近道です。素材を貯めるのが先で、プロンプトを磨くのは後、という順番になります。
縦型30秒1本、いくらかかるか。
月額の比較を見てもピンと来ないので、30秒の縦型を1本作る前提で並べ直します。1ドル150円で計算しました。
一発で当たることはまずないので、ここに試行回数を掛けます。5回回して1本採用なら、Veo標準は9,000円、Liteなら1,100円ちょっと。この差が毎日の投稿で効いてきます。
現実的な組み方は、構図と動きをLiteやPikaの720pで固めて、決まったカットだけ画質の高いモードで撮り直す形です。最初から標準モードで探り始めると、財布が先に尽きます。
なおここに挙げた料金は各社とも改定が早いので、本番で回す前に公式の料金ページを見てください。
今週やること
残り数日で何から手を付けるか。2つだけ済ませておけば大丈夫です。
- Sora 2で書いたプロンプトと、生成済みの動画をローカルに落とす。APIが止まったあとで取りに行けるとは思わないほうがいいです。テキストはテキストで別ファイルにまとめておくと、あとで検索できて助かります。
- 手持ちのプロンプトを1本選んで、8秒に削ったものと15秒にカット割りしたものの2種類を作る。これが移行先を選ぶときの試験用サンプルになります。
そのうえで、まずどれか1つだけ触ってみてください。音をまとめて任せたいならVeo 3.1、カット割りごと1回で済ませたいならKling 3.0、顔を絶対に固定したいならSeedance 2.0。全部試そうとすると今週が終わるので、1つに絞るのがコツです。
期限が決まっている乗り換えって気が重いんですが、尺の割り方さえ手元で整理できていれば、移った先で作り直しになることはありません。





コメント
ログイン か 会員登録 するとコメントできます