ElevenLabs Receptionは、日本の一人社長の電話番になるか。

みほ
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@mihonoblog 6本

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「お世話になっております、ホームページ制作の件で」で始まる電話を、先週は1日3本切りました。しんどいのは通話の2分ではなく、切ったあとに元の作業へ戻るまでの10分の方なんですよね。9月16日に出たElevenLabsのReceptionが、その10分を買い戻せるのかを調べました。

営業電話と本当のお客さん、毎回自分で見分けていませんか?

うちは従業員3人で、代表番号に出るのは基本的に私です。かかってきた瞬間は営業か顧客か分からないので、判断のために一度は出るしかない。この「出るしかない」が、集中を削っている本体だと思ってます。

電話代行を検討したことはあります。でも有人の代行は取り次いでもらったあと、結局自分がかけ直すんですよね。取りこぼしは減るけれど、自分の時間はあまり戻ってこない。

欲しかったのは「受けてくれる人」ではなくて、「営業なら断って、顧客なら用件を聞いて予約まで取ってくれる仕組み」でした。

Receptionは電話口で何をするのか。

ElevenLabsが9月16日に出したReceptionは、音声エージェントを電話受付の形に固めた製品です。公式の説明では、自社サイトのURLを貼るとAIがその事業内容を読み取り、数分で受付として立ち上がります。

公式に書かれている機能はこのあたりです。

  • 70以上の言語での着信応答と、話し手の言語の自動判別
  • Googleカレンダーを見て空き枠を提示し、そのまま予約を入れる
  • 通話の要約、文字起こし、録音を全プランで取得
  • 予約確定のSMS送信
  • Zapier連携(上位プランはWebhookも)

予約まで取ってSMSを送るところが、私には一番効きます。「折り返します」で終わるのと、切った時点で予約が入っているのとでは、私の戻り工数がまるで違うので。

「URLを貼るだけで本当に成立するの?」と思いますよね。成立するのは、サイトに書いてあることまでです。料金表も対応エリアも、サイトに載っていなければAIも答えられません。自社サイトの情報が薄い会社ほど、導入前に書き足す作業が先に来ます。

月29ドルを、日本の電話代と並べてみる

価格はBasicの月29ドル(約4,350円)からです。含まれるのは通話75分で、超えると1分あたり0.45ドル(約68円)かかります。

プラン
月額
含まれる通話
超過分
Basic
29ドル(約4,350円)
75分
1分0.45ドル(約68円)
Plus
79ドル(約11,850円)
275分
1分0.38ドル(約57円)
Premium
199ドル(約29,850円)
1,000分
1分0.30ドル(約45円)

14日間の無料トライアルがあって、クレジットカードの登録は不要です。

では一番安いプランで足りるのか。うちの代表番号は1日3件から5件、1件あたり2分弱なので、月に換算すると150分前後でした。この数字だとBasicの75分では足りず、Plusが妥当な線になります。

判断材料は1週間で作れます。カレンダーに「今日の着信 7件」と数字だけ書き足していく、それだけです。月額が高いか安いかは、この実測値が出るまで決めようがないんですよね。

日本語ページと英語ページで、書いてあることが違う

ここが今回いちばん大事なところです。英語の公式ページのよくある質問には「Reception by ElevenAgents is now available for businesses globally」とあり、続けて、米国外に拠点がある場合は電話番号をつなぐために少し追加の設定が必要だと書かれています。

一方、日本語の公式ページには「現在は米国内のビジネスのみご利用いただけますが、他地域にも順次対応予定です」という記述が残ったままです。同じ日本語ページには「月額$22から」という、英語側のプラン表と合わない金額も併記されています。

つまり日本語ページの更新が追いついていない可能性が高い。ただ、英語ページにグローバル提供と書いてあるから日本の番号ですぐ動く、と言い切れる材料も今の公開情報にはありません。

だから本番の代表番号をいきなり移すのは早いです。まず14日間のトライアルで英語ページ側の手順を踏み、日本の番号が実際につながるところまで自分の目で確認してから有料プランに進む。これが今日できる一番安全な順番だと思ってます。

日本で今すぐ動かせるのはどれか。

Receptionの確認を待つ間も、電話は鳴り続けます。国内で今日から契約できるものを、性格の違いで並べておきます。

  • IVRy: 公式が「0円から」と明記していて、初期費用も0円。新規の番号発行に加えて、NTT回線や携帯など既存番号からの転送でも使えます。今鳴っている番号を変えずに試せるのが強いところ
  • ミライAI: BASICが月額4,980円で初期費用0円。電話番号が別途月額500円から、社員名簿が1ユーザー月額300円という積み上げ式です。代表電話の取次ぎを細かく設計したい会社向け
  • fondesk: AIではなく人が受ける電話代行。月額10,000円(税別)で50件まで、51件目から1件200円。初期費用なし、14日間の無料トライアル付き。「AIに出させたくない番号」の受け皿として残す選択肢

うちは代表番号をIVRyの転送で試して、お客さま向けの直通番号はfondeskに寄せる二層構成で見積もっています。全部を1つのサービスに寄せなくていいんですよね。

手放していい電話と、手放してはいけない電話

じゃあ今日から何を決めればいいのか。ツール選びより先に決めるべきなのは、どの電話を手放すかの線引きです。うちで引いた線はこの3つでした。

  1. 初回接触の営業電話: 全部渡していい。断り文句を1つ登録すれば終わります
  2. 既存顧客の予約と日程変更: 渡していい。カレンダーを見て枠を押さえるのは、AIの方が正確です
  3. トラブルの連絡と、金額の交渉: 渡さない。ここで一次対応を間違えると、浮かせた時間の何十倍も溶けます

この線引きさえ済んでいれば、Receptionが日本でも確実に動くと分かった日に迷わず進めます。逆に線引きをしないまま入れると、「AIが変な対応をした」という新しい仕事が増えるだけです。うちは一度メールの下書きをそのまま送ってしまって、謝罪の電話を自分でかけた回があるので、そこは慎重に見ています。

まずは1週間、着信を数えるところから。月29ドルを払う価値があるかを決める材料は、結局それしかありません。