自分の写真で手持ちの服を試着できるAI、体型に合う一着の見分け方

ここな
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@closetnote 5本

サムネイル

クローゼットは服でいっぱいなのに、朝になると着る服がない。

足りないのは服ではなく「それを着た自分の姿」で、写真2枚をAIに渡せば試着した姿を先に見られます。

アメリカの大手スタイリングサービスがすでに商品化している仕組みを、手持ちのAIチャットで小さく再現してみました。

コーデ迷いの正体は、試着しないまま服選びをしていることです

朝の10分でハンガーを2往復して、結局いつもの組み合わせ。

この繰り返しはセンスの問題ではなくて、単純に判断材料が足りていないだけなんですよね。

お店なら試着室で3秒で決まります。

鏡に映った瞬間に「違う」がわかるから。

ところが家のクローゼットの前には鏡はあっても、その組み合わせを着た自分がいません。

頭の中だけでシミュレーションしているから疲れるし、失敗を避けて安全な組み合わせに戻ってしまう。

通販で迷うときも同じです。

商品ページに写っているのは、身長も体型も自分とは違う人。

あの写真から自分の姿を逆算するのは、けっこうな高等技術だと思います。

だったら着る前に見られればいい。

それをサービスとして作ってしまった会社があります。

Stitch Fix CEOが語った、自分の姿で確認してから選ぶという発想

クローゼットの前で服の組み合わせをスマホで確認するイメージ

Stitch Fixはアメリカのパーソナルスタイリングサービスです。

スタイリストが2,000以上のブランドから服を選んで箱で送ってくれて、気に入ったものだけ買う仕組み。

英語圏向けのサービスなので日本からそのまま使うのは難しいのですが、注目したいのは箱が届くことではなく、その手前で起きていることです。

自分の写真に服を着せる「see it on me」は何をしてくれるのか

Stitch Fixは2025年10月に「Stitch Fix Vision」という生成AI機能を発表しました。

アプリからセルフィーと全身写真をアップロードすると、自分の好みに合わせて組まれたコーデを着た自分の画像が届く仕組みです。

街中やビーチなど、シーン違いの画像も一緒に生成されます。

そして2026年6月、この機能が拡張されました。

おすすめのコーデ画面で「see it on me」を選ぶと、それを着た自分の画像がその場で生成され、自分専用のギャラリーに自動保存される。

生成された画像からそのまま購入もできます。

Stitch Fixの発表を読んでいて、いちばん納得したのがここでした。

「この服、私が着たらどうなるんだろう」の答えが、注文する前に手元に届く。

買い物の順番がひっくり返っているんです。

AIはスタイリストを置き換えないという発言の真意

Stitch Fix CEOのマット・ベアさんが、2026年6月にマイアミで開かれたGlossy E-Commerce Summitでこう話しています。

We have a lot of AI tools and capabilities in the background that are tools for our stylists, but it's just as important that we have many ways for clients and stylists to interact directly with each other.

裏側にはスタイリストのためのAIツールをたくさん持っている。

でも、クライアントとスタイリストが直接やりとりできる手段をたくさん用意することも、同じくらい重要だ、という話です。

We want our clients to see the nuance beyond what those algorithmic or AI recommendations are serving. The combination is the secret sauce.

アルゴリズムやAIのレコメンドが差し出すものの、さらに向こうにあるニュアンスまでクライアントに見てほしい。

その組み合わせこそが秘伝のタレなのだ、と。

Glossyの記事より)

AI試着は「決めてくれる機能」ではなく「判断材料を増やす機能」。

この線引きがはっきりしているのが好きです。

そして判断材料を増やすだけなら、専用アプリがなくてもできます。

同じ試着を無料のAIで再現する手順、用意するのは写真2枚です

全身写真と服の写真をAIに渡して試着画像を作る手順のイメージ

使うのは普段のAIチャットです。

画像を読み込んで画像を作れるものなら、どちらでも動きます。

全身写真1枚と、着たい服だけを写した写真1枚

  • 全身写真: 明るい場所で、壁を背にして正面から。体のラインがわかる服装で、腕は体から少し離して立つ
  • 服の写真: ハンガーにかけるか床に平置きして、真正面か真上から。影を入れない

ここが仕上がりをほぼ決めます。

暗い写真や斜めから撮った服を渡すと、AIは足りない情報を想像で埋めてしまうので、出てくるのは「似た何か」になります。

撮り直しは30秒なので、うまくいかないときはまず写真を疑ってください。

そのまま使えるプロンプトと、返ってきた画像

添付した1枚目の人物に、2枚目の服を着せた画像を作ってください。

- 人物の顔、体型、身長のバランスは一切変えないでください
- 服の丈、肩の位置、サイズ感は実物どおりに再現してください
- 背景は白のままにしてください
- 全身が入る構図でお願いします

うまく出たのは、丈の位置と肩の落ち方、そして全身のシルエットです。

手持ちのロングカーディガンを渡したら、膝上で切れる長さも、前を開けたときの縦のラインも実物に近い形で返ってきました。

崩れたのはプリント柄とボタンの数、それからロゴです。

細部はAIが描き直してしまうので、ここを見て判断してはいけません。

もう1つ気をつけたいのが、放っておくと脚を長く、ウエストを細く整えてくること。

プロンプトに「体型は変えないでください」と毎回書いているのはこのためです。

整えられた画像で判断すると、実物を着たときに落差が出ます。

体型に合う服を選ぶために、生成された画像で見るべき3点

  1. 肩の縫い目がどこに落ちているか。肩先より内側だとかっちりした印象に、外側に落ちるとリラックスした印象になります。同じシャツでもここだけで別物に見えるので、まっさきに確認する場所です。
  2. 丈が体のどこで切れているか。トップスの裾、スカートやパンツの丈が、体のどのラインで終わっているか。似合う似合わないの体感に、いちばん直結するのがここでした。
  3. 全身の輪郭。目を細めて画像をぼんやり眺めて、シルエットの重心が上下どちらにあるか見ます。細部が消えると輪郭だけが残るので、判断しやすくなります。

逆に見なくていいのは、柄の向き、ボタンの位置、素材の光沢です。

この3つはAIが作り直している可能性が高いので、最初から判断材料に入れないほうがラクです。

AI試着が効く場面と、まだ鏡の前に立つべき場面

効くのはこういう場面です。

  • 手持ちの服の組み合わせを、着替えずに何パターンも見比べたいとき
  • 通販で迷っている服を、自分の体型に当ててみたいとき
  • 衣替えで、この服を残すか手放すか決めたいとき

一方で、まだ鏡が必要な場面もあります。

  • サイズを確定するとき。AIは実寸を測っているわけではありません
  • 素材の落ち感やシワの出方を知りたいとき
  • 顔色との相性を見たいとき。生成画像の色は実物とずれます

マット・ベアさんは同じ場でこうも話していました。

My hot take about the future of retail is that it will be very much human-led and relationship-driven.

小売の未来についての持論は、それが非常に人間主導で、関係性に基づくものになるということだ、と。

服選びも同じで、最後に「これを着て出かけたい」と決めるのは自分です。

AI試着はその手前、候補を絞るところまでを引き受けてくれる道具なんですよね。

今夜、クローゼットから1着だけ出して写真を撮ってみてください。

全身写真と合わせて2枚、AIに渡すだけです。

明日の朝、ハンガーの前で固まる時間が少し短くなります。