マッチングアプリのメッセージをAIに直してもらったら変わったこと

みずき
みずき

@mzk_diary 6本

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送信ボタンの前で書いては消してを繰り返して、結局「プロフィール拝見しました、よろしくお願いします」で送ってしまった1通、ありませんか。

海外にはその1通を直すためだけに作られたAIツールが何種類も出ていて、そのうち3つを触ってみました。

ただ調べていくうちに、使い方を間違えると逆効果になるという数字のほうが先に出てきたので、そこから書きます。

婚活でAIを使う人が、1年で3.3倍に増えている

アメリカのMatchとキンゼイ研究所が毎年出している調査があります。

18歳から98歳まで、約5,000人のシングルに聞いたもので、2025年で14回目。

そこで、恋愛や婚活にAIを使っていると答えた人が26%いました。

前年比で333%増、つまり1年で3.3倍です。

Z世代に限ると半数近くが「もう使ったことがある」と答えています。

何に使いたいかも聞いていて、44%が「相手の絞り込み」、40%が「プロフィール文づくり」と答えました。

わたしが引っかかったのは、26%という数字そのものより伸び方のほうです。

4人に1人はまだ多数派とは言えないのに、1年で3.3倍になるということは、去年まで「AIに恋愛の相談なんて」と思っていた人が、次々に手を出しているということになります。

日本の調査ではないので、そのまま自分の周りに当てはめることはできません。

ただ、この速度で増えているものが日本にだけ来ない、というのも考えにくい話ですよね。

AIに文章を直してもらうことへの、ためらいの正体

便箋に書かれた下書きと、その隣に置かれたスマホの吹き出しを描いた手描き風のイラスト

AIに手伝ってもらうことを考えたとき、「ずるいと思われないかな」という引っかかりが出てくると思います。

その感覚には、はっきり数字の裏付けがあります。

Coffee Meets Bagelというアプリが2025年11月にYouGovと組んで、アメリカの21歳から35歳、1,048人に聞いた調査です。

自分がAIにプロフィールを手伝ってもらうことについては、約8割が「抵抗がない」と答えました。

ところが、相手がAIを使ってプロフィールやメッセージを書いていたと分かった場合、65%が「その人とやり取りを続ける気持ちが下がる」と答えています。

自分が使うのはいい、でも相手に使われるのは嫌。

書き出すと身勝手に見えますが、たぶん多くの人の本音だと思います。

同じ調査で、88%が「AIをどこまで関わらせるかは自分で決めたい」と答えていることも合わせて読むと、線がどこにあるのかが見えてきます。

嫌がられているのはAIを使うこと自体ではなくて、その人の言葉が1文も残っていない状態のほうなんです。

だから、この記事で紹介するツールも「代わりに書いてもらうもの」としては扱いません。

自分で書いた下手な1通を、送る前に一度読んでもらうもの。

その位置づけで見ていくと、それぞれの得意分野がはっきり分かれてきます。

メッセージとプロフィールを直してくれる海外の3つのツール

3枚の便箋カードが横に並び、それぞれに万年筆、吹き出し、リボンが添えられた手描き風のイラスト

3つとも、助けてくれる場面が違います。

最初の1通で止まるのか、途中で会話が続かなくなるのか、そもそもプロフィールから見直したいのか。

自分が詰まっている場所で選ぶのが早いです。

1. 最初の1通が書けないときのYourMove

相手のプロフィールのスクリーンショットを渡すと、5秒ほどで会話の入り口を3案返してくれます。

そのあとの返信案づくり、プロフィール文の作成、書いたプロフィールの診断、写真の選定まで一通り揃っています。

30万人以上が使っているそうで、基本の機能は無料で試せて、全部使うには有料プランが必要です。

わたしが使ってみて良かったのは、案が3つ返ってくるところでした。

1案しか出てこないとそのまま送りたくなりますが、3つ並ぶと自然に比べてしまうので、「この言い回しは自分では使わないな」という判断が挟まります。

その判断が挟まるかどうかが、後々かなり効いてきます。

2. 会話の途中で詰まったときのRizz

やり取りのスクリーンショットを読み込ませると、次の返信案を出してくれるアプリです。

2022年に登場して、累計700万ダウンロードを超えたと報じられています。

作りとして気に入っているのが、返信を自動で送る機能を持たせていないところ。

案を出すところまでで止まっていて、送るかどうかは必ず自分が決めます。

無料でダウンロードできて、アプリ内課金で機能が広がる形です。

最初の1通ではなく「3往復目で急に話題がなくなった」ような場面に効きます。

会話が止まるときって、話題が尽きたというより、相手の返信のどこを拾えばいいのか分からなくなっているだけだったりするんですよね。

そこを指してもらえるだけで、けっこう動けます。

3. プロフィールの土台から見直すLoveGenius

日本語の情報がほとんど出てこないのですが、中身はいちばん記事の趣旨に近いツールでした。

プロフィール文の作成、TinderやBumble向けの自己紹介文、最初の一言、それに今やっているやり取りを読んでのフィードバックまで対応しています。

返信のトーンも、軽めにするか、まっすぐ伝えるか、やわらかくするかを選べます。

7万3,000人以上をコーチングしてきたとのことで、ニューヨーク・タイムズやBBCでも取り上げられています。

特徴的なのが、サイトで自ら「代筆屋ではなくコーチ」と名乗っていることです。

実際、返ってくるのが書き直した文章ではなく「この部分は効いている、ここは伝わっていない」という指摘なので、書くのは最後まで自分になります。

うまくいっている部分を教えてくれるツールは珍しくて、直すところだけ言われ続けるより、続けやすい作りだと思いました。

日本の婚活アプリでも、AI添削はもう始まっています

海外の話ばかり書きましたが、国内のアプリのほうが先に手をつけていた部分もあります。

タップルが2023年4月、マッチングアプリとしては業界初をうたって、ChatGPTを使った「プロフィールAI添削」を出しました。

この機能で目を引くのは、線の引き方です。

ChatGPTに文章を書かせるのではなく、添削とアドバイスだけをさせる。

最終的に書くのは会員本人、という設計が最初から入っています。

一方、CoupLinkが2ヶ月後の6月に出したのは、登録情報からChatGPTが10秒ほどでプロフィール文を丸ごと生成する機能でした。

同じ年に、同じChatGPTを使って、片方は添削だけ、片方は全部書く。

代わりに書いてもらうのか、書いたものを見てもらうのか。

この分かれ道は、2023年の時点ですでに国内で二手に分かれていたことになります。

65%という数字を見たあとだと、タップル側の線の引き方はかなり慎重だったように見えます。

アプリに内蔵された機能と海外の専業ツールの違いは、守備範囲です。

内蔵型はそのアプリの中のプロフィールにしか使えませんが、専業ツールはどのアプリのスクリーンショットでも読み込めて、会話が始まったあとまで見てくれます。

どちらが上ということではなく、プロフィールだけならアプリの中で完結する、という話ですね。

自分らしさを残したまま直してもらうための、頼み方

AIに文章を任せると自分らしさが消える、とよく言われますが、実際は頼み方でほとんど決まります。

わたしが変えたのは3つです。

  1. 「書いて」ではなく「直して」から始める

どんなに下手でも、まず自分の言葉で1通書いてからAIに渡します。

白紙から書かせると、返ってくるのは「誰にでも送れる文章」です。

下手でも自分で書いた1通が土台にあると、AIはそれを直す方向にしか動けません。

  1. 直してほしい範囲を指定する

「いい感じにして」と頼むと全部作り替えられます。

「長すぎるので半分にしてください。言い回しはそのまま残して」のように、触っていい場所を先に決めておくと、癖が残ります。

  1. 出てきた案を、そのままは送らない

どれだけ良い案が返ってきても、最低1文は自分の言葉に戻します。

わたしがよくやるのは、いちばん熱がこもっている一文を自分で書き直すことです。

たとえば「カフェ巡りがお好きなんですね、素敵です」と返ってきたら、「カフェの写真、全部同じ席から撮ってません?」に変える。

文法としては後者のほうが崩れていますが、相手が返しやすいのも後者です。

整った文章が欲しいわけではなくて、返しやすい文章が欲しいだけなんですよね。

今日の1通を、送る前に一度読んでもらう

ここまで3つ紹介しましたが、何かを入れないと始められない話ではありません。

今送ろうとしている1通を、いつも使っているAIに貼り付けて「これを受け取った相手はどう感じますか」と聞くだけでも、返ってくるものはあります。

「情報は伝わるけど、返信するとっかかりがない」みたいな答えが返ってきたら、それだけで書き直す場所は分かります。

直してもらうのは文章であって、自分ではありません。

送信ボタンの前で止まっている1通があるなら、今日はそれを読んでもらうところから始めてみてください。