占い師をAIが支える新しい占いの形

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@konoha08 4本

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占いアプリでAIに聞いてみたのに、返ってきた言葉がきれいすぎて、心に残らないまま閉じてしまったことはありませんか。

インドで起きているのは、それとは反対向きの動きでした。

AIが占う側に立つのではなく、占う人の隣に回るという設計です。

インドの占いアプリが約19億円を調達し、使い道の中心はAI

登録ユーザー1200万人、届く先は183カ国。

インドの占い・スピリチュアルウェルネスのプラットフォームであるInstaAstroの規模です。

2026年8月27日、このInstaAstroがシリーズAで1200万ドル、日本円にしておよそ19億円を調達しました。

Singularity AMCとArtha Venture Fundの2社が主導しています。

プラットフォームが確認した専門家は5000人以上。

占星術だけでなく、タロット、数秘術、住まいの方位を見るヴァーストゥ、儀式の代行まで、扱う範囲がとても広いのが特徴です。

目を引いたのは資金の使い道でした。

真ん中に置かれているのが、AIを使ったプロダクト開発です。

ただ、そのAIは「占う人」として登場するわけではありませんでした。

占星術師の相談をAIが支えるとはどういうことか

相談が始まる前に気持ちの温度を見立てるイメージ

InstaAstroが進めようとしているのは、センチメント分析と多言語対応です。

センチメント分析というのは、相談が始まる前の段階で、相手が今どんな気持ちでいるのかをAIが見立てる仕組みです。

不安を抱えているのか、動揺しているのか、怖れがあるのか、それともただ好奇心で来ているのか。

その見立てを受け取ってから、占星術師のほうが星の配置の説明の仕方を変えていきます。

同じ「土星の影響が強く出る時期です」という一言でも、不安でいっぱいの人と、面白がって聞きに来た人とでは届き方がまるで違います。

前者に淡々と伝えれば追い詰めることになりますし、後者に慎重に言葉を選びすぎれば物足りなくなってしまう。

気配を拾うのがアルゴリズムで、意味を渡すのが人。

役割がはっきり分かれているところが、この設計のいちばん静かで美しい部分だと読み解いてみました。

多言語対応も同じ方向を向いています。

母語でないと言葉にしづらい悩みは確かにあって、そこを埋めるためのAIという置き方です。

AIと直接話す占いと、AIが占い師を支える占いの違い

AIと直接話す占いと人が読み解く占いを並べたイメージ

わたしが普段やっているのは前者です。

引いたカードをAIに伝えて、今の状況と重ねながら読み解いてもらう使い方。

こちらは自分のペースで何度でも掘り下げられるのが良いところです。

深夜でも、うまく言葉にならない気持ちのままでも、聞き返すことに気を遣わなくて済みます。

一方でInstaAstroが作ろうとしているのは、いちばん奥に人が座っている形です。

観点
AIと直接話す占い
AIが占い師を支える占い
読み解く人
AI
人間の専門家
AIの役割
解釈そのものを返す
相手の状態を見立てて専門家に渡す
向いている場面
毎日の小さな振り返り
迷いが深くて誰かに聞いてほしいとき
気の遣い方
何度でも聞き返せる
相手がいる分だけ緊張はある

どちらが上ということではなく、必要になる場面が違うだけです。

毎日引く1枚をその場で言葉にしたいならAIと直接話すほうが速いですし、何ヶ月も抱えている迷いを受け止めてほしいなら、人が座っているほうが向いています。

5000人規模の専門家とAIが組むと相談はどう変わっていくのか

5000人という数を聞いたとき、最初に思ったのは「それだけいたら、受け止め方に幅が出そうだな」ということでした。

人が増えるほど、話の入り口も言葉の選び方も広がっていきます。

同じ悩みを持っていっても、相談する相手によって返ってくるものが変わってしまう。

相談が始まる前にAIが相手の状態を見立てておくと、その幅を少しだけ揃えられます。

誰に当たっても、いきなり突き放されることはない、という最低ラインが引かれるイメージです。

このプラットフォームは国際売上が全体の約25%を占めていて、その多くは海外で暮らすインド系の人たちだといいます。

ユーザー数は過去2年で400%増え、売上も1年で2倍以上に伸びました。

離れた土地で、母語で、自分の育った文化の言葉で相談したい。

その気持ちを支えるためにAIが使われているのだとしたら、技術の置き場所としてはずいぶん静かで、いい場所を選んだように思います。

占いとAIのちょうどいい距離感を考えてみる

この話でいちばん持ち帰りたかったのは、「読み解く前に、相手の状態を見立てておく」という順番でした。

ひとりで占うときにも、同じことができます。

カードを引いてすぐAIに投げるのではなく、その前に一行だけ書き添えてみてください。

「今日は落ち着かない気持ちで引いています」「特に理由はなく、なんとなく引きました」。

それだけで、返ってくる読み解きの温度が変わります。

わたしはこれを、引く前の一行と呼んでいます。

カードの意味を尋ねる相手に、自分の今の状態も一緒に渡しておく。

順番を変えるだけなので、今日の1枚から試せます。

読み解きの言葉は答えではなく、立ち止まるためのきっかけです。

健康や仕事、人生の大きな決断に関わることは、AIの言葉だけで決めずに、必要なら専門家に相談する時間を別に取ってください。

占い師とAIについてよくある質問

AIが入ると、占いは機械的になりませんか

InstaAstroの設計では、AIが担うのは相手の気持ちを見立てるところまでで、星の配置を読み解いて言葉にするのは人間の専門家です。

人の手が最後に残る形なので、むしろ受け止め方が丁寧になる方向に働くかもしれません。

AIに気持ちを読まれるのは怖くないですか

相談の前に不安なのか好奇心なのかを見立てられる、と聞くと確かに身構えます。

ただこれは、対面なら占い師さんが表情や声の調子から自然に読み取っていることを、画面越しでも成立させるための仕組みです。

何を渡すかは自分で決められる範囲なので、話したくないことは書かないという選び方もできます。

日本から使えますか

InstaAstroは183カ国に届いていますが、海外の利用者の多くは海外で暮らすインド系の人たちです。

日本語での対応は今のところ確認できていません。

多言語対応はこれから広げていく方針とされているので、現時点では「こういう形の占いが育っている」という参考として眺めておくのがよさそうです。

占いをAIに任せるか、人に頼るか。

ずっと二択で考えていましたが、その間に「AIが人を支える」という置き方があったことに、少し気持ちが軽くなりました。

今日カードを引くときは、引く前の一行だけ添えてみてください。

当たるかどうかより、自分の今がひとつ見えてくる時間になるかもしれません。