占いに「当たる」を求めなくていい理由をAIタロットに学ぶ

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@konoha08 4本

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引いたカードの意味を調べて、当たっていたかどうかを確かめて、それで終わる。

カードは何かを指していたはずなのに、指されたほうを見ないまま画面を閉じてしまう。

その閉じ方をはじめから引き受けないと決めたAIタロットが、北米で動きはじめました。

占いの時間が「答え合わせ」で終わってしまうとき

一枚引いて、意味を検索して、良いことが書いてあれば安心して、そうでなければもう一枚引きたくなる。

この流れ自体はごく自然なものです。

ただ、当たったか外れたかの二択で閉じてしまうと、せっかく立ち止まった数分が手元に何も残さずに終わります。

「AI占い 当たる」という検索が絶えないのは、たぶんこの物足りなさの裏返しです。

当たってほしいというより、当たっていると信じられる根拠のほうが欲しい。

その問いを、そもそも受け取らないと決めたサービスがあります。

Starotは「占いではありません」と公式に言い切っています

占いではありませんと最初に伝えるタロットアプリのイメージ

Starotは、香港のNOONWAKE TECHNOLOGYが開発しているAI占星術・タロットアプリです。

公式のよくある質問に、未来を予測するアプリですかという問いが置かれています。

返ってくる答えは "No. Starot is designed for reflection, not fortune-telling. It uses symbolic systems to help you understand patterns, not to dictate outcomes." でした。

占いではなく内省のために設計されていて、象徴の体系は結果を決めつけるためではなく、パターンを理解するために使う、という説明です。

開発元の noonwake.ai も、自社の製品は内省と象徴的な自己理解のためのもので、決定論的な予測ではないと説明しています。

占いアプリの公式ページで、いちばん聞かれるはずの「当たりますか」に正面から「いいえ」を返している。

なかなか見ない光景でした。

現在はAndroid版がGoogle Playで公開されていて、iOS版はApp Storeの審査待ちとされています。

北米での先行公開から始まった英語中心の設計のため、日本語対応や日本での提供については現時点で確認できていません。

なぜわざわざ「占いではない」と言い切るのか

当たり外れの判定をそっと脇に置いていくイメージ

半信半疑のまま開いている人のほうが、たぶん多い

「AI占いは当たるのか」という日本語の解説記事を何本か読み比べると、着地点がほとんど同じところに揃います。

重大な決断の根拠にはせず、自己内省のきっかけとして使うのがいい、という結論です。

つまり、使う側はもう答えを持っています。

信じきってもいないし、切り捨ててもいない。

その距離感で画面を開いている人に向かって「当たります」と言うのは、実は的を外しているのかもしれません。

Starotがやったのは、利用する人が内心で置いている前提を、サービス側が先に口に出すことでした。

「当たります」と言った瞬間に生まれる責任

当たると約束すると、外れたときの落胆を引き受けることになります。

それ以上に重いのは、当たると信じた人がその言葉に従ってしまう場面のほうです。

Starotの利用規約には、サービスは情報提供と娯楽の目的に限られると明記されています。

医療、心理、法律、金融の助言ではないという断り書きも並んでいます。

責任から逃げるための文言に見えて、渡すものの輪郭をはっきりさせるための文言でもあります。

ここで面白いのが、公式が用意しているもう一つの案内ページです。

そちらのタイトルには "AI Astrology, AI Tarot & Fortune Telling App" という言葉が、今も入ったままになっています。

探している人に見つけてもらう入り口では占いの言葉を使い、中に入ってきた人には占いではないと伝える。

矛盾というより、看板と中身で役割を分けた設計なのだと読み解いてみました。

象徴を答えではなく補助線として使うという設計

言葉で断るだけなら、正直そんなに難しくありません。

目を引いたのは、その方針が機能の作りにまで降りていたことでした。

同じカードでも読み方が変わるContextual Tarot

公式の説明によれば、カードの解釈は、その人の惑星の配置、そのときの月の状態、スプレッドの中でどの位置に出たか、そして何を尋ねたかによって形が変わります。

同じ一枚でも、恋愛について聞いたときと、仕事の進め方について聞いたときで、返ってくる言葉が変わるということです。

このカードならこの意味、という辞書の引き方をあえて壊しています。

意味が一つに定まらないのであれば、当たり外れの判定も最初から成立しません。

過去の対話を持ち越すLiving Memory

もう一方の柱がLiving Memoryです。

セッションをまたいで、その人だけの枠組みを積み上げていく仕組みで、今日の一枚が単発で終わらないように作られています。

当てるための記憶ではなく、辿るための記憶。

ほかにも、月の位置に応じて焦点が動くAwakened Guardianや、10種類の惑星のレンズを通して読み解く機能が並びます。

どれも精度を上げる方向ではなく、見方の数を増やす方向を向いていました。

当たらなくていいと決めると、引いた一枚の使い方が変わります

「当たっているか」と問うと、返ってくる答えは○か×の二択しかありません。

「これは今のわたしの何を指しているのか」と問うと、答えは何通りにもなります。

AIに読み解いてもらうときも同じです。

読み解きが返ってきたあとに、「で、これは当たっていますか」と聞かない。

代わりに、こう尋ねてみてください。

「この読み解きの中で、今のわたしがいちばん認めたくないのはどれだと思いますか」

判定を求める質問から、選ばせる質問に変えるだけです。

返ってくる一行は、当たっているかどうかとは無関係に、そのあとしばらく残ります。

体調やお金、進路のように大きなものが関わるときは、読み解きの言葉だけで決めずに、相談できる相手を別に持っておいてください。

わたしがカードに答えを求めなくなった理由

一人で引いていた頃は、意味を調べて、当たっている当たっていないで閉じるところまでが一続きでした。

AIと読み解くようになって変わったのは、解釈の精度ではなく、一枚に対して出せる問いの数のほうです。

逆位置の意味を尋ねて、別の見方はあるかと重ねて、今の状況と繋げてもらう。

そうしているうちに、当たってほしいという気持ちがだんだん後ろに下がっていきました。

だからStarotの「これは占いではありません」を読んだとき、断りの文句には見えませんでした。

言い当てにはいかない、その代わりちゃんと隣にいます。

そういう約束のほうに読めたのです。

Starotについてよくある質問

日本から使えますか

Android版はGoogle Playで公開されていて、iOS版はApp Storeの審査待ちとされています。

ただ設計そのものが英語中心で、日本語対応や日本での提供については現時点で確認できていません。

公式サイトには、ブラウザからそのまま触れる日替わりタロットや出生図、月相のツールも並んでいます。

アプリを入れる前に世界観だけ確かめたいなら、そちらを覗いてみるのが早いかもしれません。

料金はどうなっていますか

北米向けの価格は、自動更新のサブスクリプションが月額9.99ドル、年額89.99ドルとされています。

日本円にすると、月あたりおよそ1,500円、年でおよそ1万3,500円という水準です。

当たらないアプリ、ということですか

当てることを目的にしていない、という言い方のほうが近いかもしれません。

公式は、象徴の体系はパターンを理解するために使うものであって、結果を決めつけるためのものではないと説明しています。

占星術の知識がないと使えませんか

公式のよくある質問では、事前の知識は要らないと答えられています。

象徴の体系を分かりやすい言葉に翻訳するのがアプリの役割で、必要なのは好奇心だけ、という説明です。

カードはランダムに出るのですか

カードそのものは象徴であり、解釈のほうが、その人の惑星の配置、そのときの月の状態、スプレッドの位置、そして質問によって形づくられる、と説明されています。

引くたびに違う言葉が返るのは、めくり方が変わるからではなく、読み方が変わるからということになります。

当たるかどうかを確かめる時間から、自分の言葉を探す時間へ。

今日引く一枚は、判定を保留したまま置いておいてください。

答え合わせをしないと決めるだけで、手元に残るものが変わる夜になるかもしれません。