「FLUX 3 の動画、まだ承認待ちの列でしょ」と思って放置していたなら、その認識はもう古いです。
2026年8月4日に一般提供が始まっていて、APIキーさえあれば今日から音声付きの20秒動画が回せます。
叩くエンドポイントから、音を意図通りに乗せるプロンプトの型まで、実際に使う順番で並べました。
FLUX 3 Video が一般提供開始 何が変わったか
Black Forest Labs のアナウンスはこうです。
テキストと画像からの生成にあたる FLUX 3 Video の初期版を、BFL API と一部パートナー経由で一般提供する。
効いているのは「一般提供」の4文字です。
7月の発表時点は、申請フォームを出して承認を待つ形でした。
今は待ち列そのものがありません。
ただし全部が開いたわけではありません。
一般提供の対象はテキストと画像からの生成で、動画編集などは「今後」の扱いのまま、モデル自体もドキュメント上はプレビュー表記です。
触れる範囲は一気に広がりましたが、完成品として渡されたわけではない、くらいの温度で見ておくのが正確です。
FLUX 3 Video の使い方 どこから触るか
入口は3つあります。
- BFL のダッシュボードにあるプレイグラウンド。コードを書かずに試せるので最初はここ
- API を直接叩く。エンドポイントは
https://api.bfl.ai/v1/flux-3-video、認証はx-keyヘッダ - パートナーサービス経由。Canva、Krea、Runway、Picsart、Higgsfield、HeyGen、Cloudflare、NVIDIA などに入っています
コストは秒単位の従量制です。
5秒をHDで1本回して約128円、20秒をフルHDで作って約870円。
音まで込みでこの単価なら、試しながら覚える範囲に収まります。
なお重みを落としてローカルで回す話は、ここでは扱いません。
オープンウェイト版の状況は7月から動いていないので、そちらは別の記事にまとめてあります。
で、実際のところ何がすごいのか。
音の出方を知ると、このモデルの評価が変わります。
音声付き20秒動画の仕組み ダイアログも効果音も同時に出る
これまでの動画生成は3工程でした。
映像を作る、音を作る、合わせる。
口の動きとセリフがズレたら、どちらかを作り直しです。
FLUX 3 Video は、ダイアログ、効果音、環境音を個々のフレームと一緒に生成します。
後から重ねるのではなく同じ生成の中で出てくるので、リップシンクを合わせにいく工程が消えます。
対応言語には日本語も入っています。
英語(複数の方言)、中国語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、日本語、ポルトガル語、ロシア語、イタリア語、インドネシア語、トルコ語、ヒンディー語、パンジャブ語など。
APIでこれにあたるのが generate_audio で、既定値は true です。
つまり何も指定しなければ音は出ます。
無音が欲しいときだけ false を書く、という向きになっています。
出力はHD(720p)とフルHD(1080p)、フレームレートは24fpsです。
FLUX 3 動画プロンプトの基本形 テキストから作る
公式ドキュメントが載せているテキストからの生成例が、そのまま型として使えます。
she takes his hand and pulls him laughing through the lantern-lit alley, the camera chasing them, paper lanterns swaying overhead, their footsteps and laughter echoing off the walls
1文の中に4要素が入っています。
- 被写体の動作(手を取って笑いながら引っぱる)
- カメラの動き(それを追いかける)
- 環境(頭上で揺れる提灯)
- 音(壁に反響する足音と笑い声)
注目してほしいのは4番です。
音を「効果音: 足音」のように別枠で指定していません。
情景描写の一部として、どこで何がどう鳴っているかを書いています。
公式はセリフや効果音の専用記法を出していないので、音を項目立てして並べるより、鳴っている状況を文章で描いたほうが通ります。
リクエスト自体はこれだけです。
curl -X POST https://api.bfl.ai/v1/flux-3-video \
-H "x-key: $BFL_API_KEY" \
-H "Content-Type: application/json" \
-d '{
"mode": "t2v",
"prompt": "a fox running through dawn mist",
"resolution": "hd",
"duration": 5,
"generate_audio": true
}'指定できるのはこのあたりです。
modet2v i2v v2v draft_enhancedurationautoresolutionhd または fhdaspect_ratioautogenerate_audiotruedraftレスポンスで動画がそのまま返ってくるわけではなく、まず id と polling_url が返ります。
status が Ready になると result.sample に動画のURLが入ります。
このURLは約2時間で切れます。
ブラウザで確認して満足して閉じると消えるので、生成したら先に落としてください。
画像を動かす 手持ちの生成物を動画にする
画像生成をやってきた人にとって、一番おいしいのがここです。
mode を i2v にして keyframes に画像を1枚渡すと、その画像が開始フレームになります。
{
"mode": "i2v",
"prompt": "the fox turns toward the camera and the mist lifts",
"keyframes": "https://example.com/start.jpg",
"duration": 5
}構図もキャラクターも色も、画像側で作り込んだものがそのまま出発点になります。
プロンプトに書くのは「この先どうなるか」だけで済みます。
ゼロから文章で世界を立ち上げるより、狙ったところに当てるのがはるかに楽です。
何百枚と生成してきた中に、気に入ったまま置いてある1枚があるはずです。
それを動かすところから始めるのが、たぶん一番早く手応えが出ます。
そして5秒では収まらなくなったとき、次の手が要ります。
FLUX 3 キーフレームとシーン連結で20秒の壁を超える
keyframes は渡し方が3種類あります。
"keyframes": "URL""keyframes": ["URL_A", "URL_B"]"keyframes": [[0, "URL"], [2.5, "URL"], [5, "URL"]]効くのは3番目です。
「0秒でこの絵、2.5秒でこの絵、5秒でこの絵」と置けば、間はモデルが繋ぎます。
絵コンテを先に画像生成で作って、それを時間軸に並べる作り方ができます。
動きをモデルのセンスに委ねるのではなく、通過点を指定して設計する形です。
そもそも1回の生成の中に複数のシーンとカメラアングルを入れられて、カットをまたいでも繋がりが保たれる、というのが公式の説明です。
20秒に収まるなら、無理に分割しないほうが楽です。
それを超える尺が欲しい場合は mode を v2v にします。
start_video に最大4秒ぶんの映像と音声を渡すと、その続きを作ってくれます。
前の勢いや構図を引き継ぐので、別クリップを切って貼るより繋がります。
ただし先に知っておいたほうがいい制約が2点あります。
- 続きの出力は5〜15秒まで。テキストからの5〜20秒より短い
- 単価が上がる。1秒あたり約65円で、テキストからの生成の約2.5倍
20秒作って15秒繋いで合計35秒だと、HDで約1,480円です。
長尺を狙うなら、ドラフトで流れを決めてから本番を回したほうがいいです。
ドラフトはおよそ3分の1のコストで、構図とタイミングの確認には足ります。
まとめ 何から試すか
最短の入り口はこの順番です。
- ダッシュボードのプレイグラウンドで5秒のHDを1本。約128円で音付きが出てきます
- 手持ちの画像を1枚、
i2vのkeyframesに渡して動かす - 20秒級を狙うなら、ドラフトで流れを固めてから本番
最初は音の設定をいじらないでください。
generate_audio は既定で true なので、何も書かなくても環境音まで乗ってきます。
そこで初めて「別工程で音を作らなくていい」の意味が体感でわかります。
画像なら、構図と質感を言葉にできるかどうかが分かれ目でした。
動画と音が同じモデルから出るようになって、そこに「何がどう鳴っているか」が加わっただけです。
結局、センスじゃなくて言語化なんですよね。



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