LINEに散らばったシフト希望は、トークごとAIに貼れば、シフト作成の下書きになります。店のメモ(日ごとに必要な人数と、本人から聞いた月の上限の時間か金額)と依頼文を添えると、足りない枠、返事待ちの人、聞き直す一文、人ごとの合計まで、試した2か月とも同じ見出しと列で返ってきました。依頼文は下に載せています。
シフトを決めるのは自分、AIには写して数えてもらう
シフト作成で、どこまでを機械に任せたいですか? 誰をどの日に入れるかを最後に決めるのは、こっちでいいと思うんですよね。控えに回した人にひと声かけるのも、来月の店の様子を知っている人の役目です。
その手前の作業は話が別です。トークを遡って、日付ごとに名前を表へ書き写す。「14と15は友達の結婚式で無理でした」「↑訂正です」のような後からの訂正を拾う。日ごとに足りない人数を数える。間違えやすいわりに判断の要らない作業なので、毎月同じ決まりで片づけてくれるなら、任せていいと思います。
依頼文が出すのは、シフト表の下書きと、足りない枠、聞き直す相手、人ごとの合計です。表の名前は決めるための材料です。
一言でAIに頼んだシフト表は、どこがずれる?
架空の小さな食堂の材料を、11月分と12月分の2か月ぶん用意しました。昼と夜の2つの時間帯で水曜定休、スタッフは7〜8人です。店のメモには日ごとに必要な人数と本人から聞いた月の上限を書き、LINEはグループと個別のトークをそのまま並べています。返事の無い人、17歳の高校生、12月から入る新人も混ざっています。
「LINEで届いたバイトのシフト希望と、店のメモを貼ります。来月のシフト表を作ってください。」とだけ頼んだ場合と、依頼文を使った場合を、同じ材料で1回ずつ、Claude の Sonnet で比べました。
一言でも、結婚式で入れない日の訂正や帰省の日、「あと6万円くらい」という上限の言い直しは守れていました。目立ってずれたのは12月分です。冒頭にこう書いてありました。
結論から言うと、いま届いている希望だけでは12月は全部は埋まりません。115枠のうち26枠が空きです。
表から3日分を抜き出します。
この「未定」には、材料の範囲で埋められる枠が混ざっています。表の下には、こうありました。
優花さんは、毎週4日までにしてあります。「いつもどおり」の日数が分からなかったためです。
優花さんについて、店のメモにも本人のトークにも、週4日という数字は出てきません。AIが自分で上限を作り、そのぶん12/20の昼と夜が空きました。12/24は田村さんとナオさんを両方とも昼に入れたので、4人要る夜が0人のままです。12/10も、昼でも夜でも入れるナオさんを、どちらにも入れていません。
そのまま使いにくい所は、ほかにも3つありました。
- 11月分は、第2週の予定がまだ分からないと言った健太さんの夜7枠を、表に「健太(仮)」として入れていた。空きは9コマと書いてあるが、健太さんがこの7夜とも入れなければ16コマになる
- 11月分は「日付、昼(必要人数)、夜(必要人数)」の列で空きを「空き2」と書き、12月分は「日、昼、夜」の列で1人ずつ「未定」と書いていた。節の順番も月ごとに違う
- 人ごとの日数や金額の合計が無い。どちらの月も、金額が出ていたのは上限を伝えたみさきさんだけだった
これだと先月の表と並べて見比べられないので、毎月一から読み直すことになるんですよね。
シフト希望のトークを貼ってシフト表の下書きを頼む依頼文
ずれた所は、どれも先に決まりを渡しておけば防げます。名簿に無い上限は作らない。保留と返事なしの人は表に入れず、人数にも数えない。見出しと列は毎月同じにする。下の依頼文には、その決まりを手順として書いてあります。
本文で「店のメモ」と呼んでいるのは、入力の「対象の月と時間帯」「いる人数」「スタッフ名簿」の3つです。何を書けばいいのか迷ったら、「入力」の4つの欄を見てください。「ここに書く」「ここに貼る」の欄に、自分の店のものを入れます。
- 対象の月と時間帯は、「12月、昼 10:30〜15:00/夜 17:00〜22:00、水曜定休」のように書く。年末年始の休みもここに
- いる人数は、日ごとに必要な人数のこと。曜日ごとの人数と、「24日と25日の夜は4人」のような例外の日
- スタッフ名簿は1人1行で、名前、時給、本人から聞いた月の上限(時間か金額)、18歳未満かどうか、ほかの条件(「慣れた人と一緒に」など)
- 希望のトークは、グループと個別を、日時と送り主が入ったまま貼る。個別のトークには、誰とのやりとりか分かる一行を付けておく
名簿の上限は、本人から聞いた時間か金額をそのまま書きます。線をどこに引くかは家庭ごとに違うので、依頼文には年収の数字を入れていません。
18歳未満かどうかは、全員分埋めときます。18歳未満の人は原則、夜10時から朝5時まで働かせられない決まりがあり(労働基準法61条)、空欄の人はAIが遅い時間の枠に入れず、聞き直す相手に回すからです。
# 来月のシフト表の下書きを作る
LINEに届いたシフト希望と店のメモから、来月のシフト表の下書きと、人が足りない枠・返事待ちの枠・聞き直す相手の一覧を作ってください。シフトを最後に決めるのは私です。あなたには、写す・数える・知らせるところをお願いします。
## 入力
- 対象の月と時間帯:ここに書く(例:11月、昼 10:00〜15:00/夜 17:00〜21:00、定休日は月曜)
- いる人数:ここに書く(曜日ごとの人数と、例外の日)
- スタッフ名簿:ここに貼る(1人1行。名前/時給/本人から聞いた月の上限(時間・金額・日数のどれか。無ければ「なし」)/18歳未満かどうか/ほかの条件(「慣れた人と一緒に」など))
- 希望のトーク:ここに貼る(グループLINEと個別LINEを、日時と送り主が入ったままで)
## 手順
1. 材料を読み、足りないものを先に並べる。名簿にいるのにトークに出てこない人、18歳未満かどうかが無い人、金額の上限があるのに時給が無い人、だれの発言か読み取れない行など。推測で埋めない。
2. 人ごと・枠ごと(日付×時間帯)に、希望を5つに分ける。「入れる」「入れない」「一部だけ(17時から、など)」「保留(まだ分からない、わかり次第、たぶん、など)」「返事なし」。訂正があれば後の日時の発言を採り、備考に書く。
3. 「第2週」「月末」「最後の週」のように範囲が何通りにも読める言い方は、読み方を並べ、どれかの読みに入る日を保留にする(「入れない」の発言なら、どの読みにも入る日だけは入れないとする)。1通りに決めない。
4. 表に入れるのは「入れる」の人だけ。保留・返事なしの人は表に入れず、人数にも数えない。「一部だけ」の人は、枠の始まりから終わりまでいられないときは人数に数えず、表に時刻つきで書く。
5. 18歳未満の人と、18歳未満かどうかが名簿に無い人は、22時を過ぎる枠に入れない。
6. 「〇〇さんと一緒に」「新人には慣れた人を」のような条件は、同じ日付・同じ時間帯で勤務の時刻が重なる相手がいるときだけ満たすとする。同じ日の別の時間帯にいるだけでは満たさない。相手になれる人が「入れる」と言っていれば先に入れ、それでも満たせなければその人を入れず、備考に書く。
7. 本人から聞いた月の上限を超えそうな人は、超えない範囲まで入れ、外した枠を備考に書く。名簿に無い上限(週の日数、連勤の数など)は作らない。
8. 「入れる」人がいる人数より多い枠は、その月の合計が少ない人から入れ、入れなかった人を備考に「控え」と書く。
9. 枠ごとに「不足=いる人数−確定人数」を数える。保留・返事なしの人は不足から引かない。その人たちが入れば何人埋まるかは、別に書く。
10. 全員の合計(日数・時間・金額)と、週の最多(月曜始まりで数える)を出す。上限を聞いていない人も出す。
11. 負担が寄った人に注意を付ける。上限を聞いていない人のうち月の時間が多い順に3人、同じ日に2つの枠に入る日がある人、18歳未満の人。注意を付けても割り当ては減らさない。数字を見せて、続けてよいかを私が決められるようにする。
12. 出す前に確かめる。保留・返事なしの人が「入る人」に入っていないか。付き添いの条件が同じ枠で満たされているか。18歳未満かどうかが無い人が22時を過ぎる枠にいないか。第3節の不足の合計が第2節と一致するか。第5節に名簿の全員がいるか。見出しと列が下の形どおりか。
## 判断基準
- 迷う発言(「できれば休みたい」など)は「入れる」とし、その月の合計が多い人から先に控えに回す。理由を備考に書く。
- 保留か入れるか分からない発言は、保留にする。
- 一部だけの人を数えるかで迷ったら、数えない。
- 付き添いの相手になれるか名簿で分からない人は、相手にしない。
## 出力の形(毎月この見出し・順番・列で)
### 1. 材料の確認
箇条書き。無ければ「なし」。
### 2. シフト表の下書き
| 日付 | 曜日 | 時間帯 | いる人数 | 入る人 | 確定人数 | 不足 | 保留・返事なしの候補 | 備考 |
全部の日・全部の枠を1行ずつ。定休日は1行で「定休日」。数字は半角で、不足が無いときも「0」。名前は「さん」付け。候補の列は、その枠だけ保留の人は名前を書き、返事なしの人と月の全部の枠が保留の人は「返事なし2人」のように人数だけ書く。
### 3. 人が足りない枠
| 日付 | 時間帯 | 不足 | 保留・返事なしの人が入れば |
不足が1以上の枠だけ。無ければ「なし」。
### 4. 聞き直す相手
| 名前 | 状態 | 関わる枠 | そのまま送れる一文 |
状態は「保留」「返事なし」「一部だけ」「訂正の確認」「範囲の確認」「年齢の確認」「付き添いの確認」「負担の確認」のどれか。範囲が読み分かれた人、18歳未満かどうかが無い人、付き添いを満たせなかった人、注意を付けた人も入れる。負担の確認の一文には、その人の日数と時間を入れる。第3節の枠に関わる人を上に。
### 5. 人ごとの合計
| 名前 | 日数 | 時間 | 金額 | 週の最多(日数・時間) | 本人から聞いた上限 | 上限までの残り | 注意 |
名簿の順。時給が無い人の金額は「時給なし」、上限が無い人は「なし」、注意が無い人は「なし」。
## やらないこと
- 材料に無い条件・上限を作らない。
- 扶養の線や制度の数字を自分で当てはめない。使うのは名簿の上限だけ。
- 見出しや列を足したり減らしたり、順番を変えたりしない。
- 聞き直しの連絡を代わりに送らない。
## 題材の例(架空)
駅前のパン屋。朝 7:00〜12:00/午後 12:00〜17:00、水曜定休。佐藤さん(月80時間まで)、高木さん(17歳)、林さん(大学生)、新人の森さん(慣れた人と一緒に)ほか5人。トークに「第2週はまだ分かりません」(林さん)、「10日はやっぱり無理でした」(佐藤さん)、「いつでも入れます」(小野さん)が混ざっている。最後の「題材の例」は架空のパン屋で、AIに読み方を見せるためのものです。そのまま一緒に貼ってかまいません。締め切りの翌日に4つの欄だけ自分の店のものにして送れば、来月の下書きが返ってきます。
同じ見出しと列で返ってくる、AIのシフト表の下書き
依頼文を貼って同じ11月分と12月分を頼むと、どちらも同じ5つの見出しと同じ列で返ってきました。材料の確認、シフト表の下書き、人が足りない枠、聞き直す相手、人ごとの合計の順です。返ってくるまでは、それぞれ7〜9分ほどでした。
返事待ちの人は、表のどこに入るのでしょうか。11月7日の夜を並べると分かります。一言で頼んだほうの表では、こうでした。
依頼文ありでは健太さんを人数に入れず、足りない枠の表にこう出します。
返事待ちの人で埋まって見えることがなく、誰に聞けば穴が埋まるかも横の列で読めます。12月分の足りない枠から、12/19〜25の5つを抜き出すと、こう並びました。
一言で頼んだときに4人とも未定だった12/24の夜が、ここでは2人埋まっています。材料の確認には、みさきさんを人が足りなくなる日の昼に先に入れた、と書いてありました。昼をみさきさんとナオさんで回し、田村さんとナオさんを夜に回した組み方です。次の表では、備考に理由が書いてある点を見てください。
新人の付き添いも、同じ時間帯で見ています。店のメモでは、新人の大翔さんは最初の2週間くらい陽菜さんかナオさんがいる日に、となっていて、陽菜さんは返事なしなので相手はナオさんだけです。
同じ日に入っていても、昼と夜に分かれていたら新人は1人で立つことになります。そこまで行ごとに書いてあるので、貼り出す前の見直しが短く済みます。
シフト希望の聞き直しには、そのまま送れる一文が付いてくる
返事の無い人や、言い方があいまいな人へのLINEは、文面を考えるところで手が止まりがちです。依頼文ありの下書きには、相手ごとの一文が付いてきます。12月分から3人分です。
小林さんの「最後の週はまだ分かりません」は、12/21からの週とも、12月の最後の7日とも読めます。下書きは読み方を4通り並べ、どれかに入る21日・25日・28日の昼を保留にして、その3日を名指しで聞いています。健太さんの「5日か6日どっちかなら昼もいけます」も、片方に決めずに両方を聞く文になっていました。
人ごとの合計には、上限を聞いていない人の数字も出ます。ナオさんの行はこうでした。
本人は「稼ぎたい」と言っているので、割り当ては減らさず、数字だけを見せてきます。このまま頼むか、一度声をかけるかは、こっちで決めればいい。一言で頼んだときはこの合計がどちらの月にも無く、月の時間や通しの日数は自分で数えることになります。
シフト希望をAIに貼る前の注意
返ってくるのは下書きです。誰を入れるか、控えの人をどうするかは、自分で決めてから店に貼り出します。
人の名前とトークを外のサービスに渡すことになるので、貼る範囲は絞っておきます。シフトに関わるやりとりだけを切り出せば十分で、名前は仮名でもかまいません。その場合も、名簿とトークで同じ呼び方になっていれば、AIは同じ人として読めます。使っているAIで、会話を学習に使うかどうかの設定も一度確かめておきましょう。
本人から聞いている週の条件、たとえば「夜は週4まで」「週3日まで」は、下書きの表を週ごとに見て確かめます。人ごとの合計の「週の最多」の列が、その目安になります。気になる人を1人選んで、元のトークと日付を突き合わせておくと安心です。
ここまでの結果は、依頼文を1回直した版で、架空の食堂の11月分と12月分を1回ずつ試したものです。自分の店のトークでも、貼り出す前にこの見直しをしてください。
来月の締め切りが過ぎたら、まずは1か月分、トークと店のメモを貼ってみませんか? 写して数えるところが済んだ状態から、誰に声をかけるかを考えられます。



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